エンジニアの仕事にはどんな種類が? 求められるスキルや資格を知っておこう

「エンジニア」という言葉が、広く使われるようになり久しくなりました。古くは機械・土木、建築、電気関係の技術者を示す単語でした。1980年代にはメーカーなどを中心にして「システムエンジニア」候補を大量採用する流れが生まれました。

21世紀を迎え、いたるところに情報機器がいきわたった近年では、IT分野での専門家、ITエンジニアを単に「エンジニア」と呼ぶシーンも増えてきています。

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エンジニアの仕事の種類

さて、エンジニアの仕事には、どのようなものがあるのでしょうか。職種別、領域別でいくつかの区分がありますが、それぞれを見ていきましょう。

システムエンジニア

エンジニアに関する求人情報の記載には「システムエンジニア」とされているものが数多くあります。エンジニアの中でも、代表的な職種であると言えるのが、このシステムエンジニアでしょう。

実のところ、システムエンジニアという職種について、厳密な定義が存在するわけではありません。それでも、これが示すところは「コンピューターシステムにおいて、設計・製造・テストの各工程に一貫して関与する、指揮的な役割を果たす技術者」のように示すことができます。イメージはかなり明確になっており、広く共有されていると言えるでしょう。

システムエンジニアは、システム開発の各工程に関与する仕事です。ただし、工程ごとに濃淡があります。要求の分析や要件の定義、基本設計までの上流工程が、システムエンジニアの主な活躍場所です。中流工程になりますと、詳細設計より後の工程への関与度合いは、低くなります。

下流工程となるテストでは、再びシステムエンジニアが果たす役割が大きくなります。テストそのものを担当することは多くはありませんが、テストの設計や結果の評価については、重要な役割を果たします。

もうひとつ、システムエンジニアの大切な仕事として、プロジェクトの管理があります。全体を俯瞰し、問題点を摘出したら解消するように動く。さまざまな面でプロジェクトを成功に導く主役が、システムエンジニアと言えるでしょう。

プログラマー

プログラマーという職種も、よく耳にされると思います。こちらも、エンジニアという単語から、想起しやすい職種と言えるでしょう。

プログラマーとは、主に製造工程を担当するエンジニアです。プログラミング・コーディングといった、詳細設計をソースコードに落とし込む作業を行います。また、テスト工程にも密接にかかわります。システムエンジニアとともにテストの設計から実施、評価なども行います。

従前より、プログラマーはシステムエンジニアなどより上位とされる職種へのステップアップ職という考え方が一般的でした。しかし、近年ではプログラミング技術を極めたエキスパートプログラマーへのニーズも増えてきています。プログラミングの技術を極めたいという方にとっては、プログラマーは非常に魅力的な職種であると言えるでしょう。

テストエンジニア

プロジェクトによっては、テスト工程専門のエンジニアを擁するすることがあります。作業内容としてはシステムのテスト全般で、テストの設計、テストの実施、開発担当者への結果のフィードバック、リリース可否の判定などがあげられます。

システムアーキテクト

工程の最上流を担当するエンジニアです。プロジェクトの管理や顧客との折衝なども行います。後述しますが、基本的にはシステムエンジニア等からステップアップする職種となります。

インフラエンジニア

ここからは、領域別のエンジニア概説です。

インフラとはインフラストラクチャを示す略語で、もともとは産業や生活の基盤となる社会資本を示す言葉でした。インフラエンジニアのインフラは、サーバーやクライアントといったコンピューターや、それを結びつけるネットワークシステムを示します。

その職務に明確な定義はありませんが、主にサーバーの構築、クライアントの設定、ネットワークの管理などを担当します。障害等の発生時には、原因を特定して復旧作業を行います。担当するインフラによっては、年中無休での対応が求められることもあります。

インフラエンジニアの中でも、ネットワークに特化したエンジニアをネットワークエンジニアと、サーバーの管理や設計構築に特化したエンジニアをサーバーエンジニアと呼びます。

データベースエンジニア

コンピューターシステムには不可欠の存在となったデータベース管理システム(データベース)を専門とするエンジニアを言います。たとえば、教育研究機関における研究者・論文検索といったベーシックな技術から、ビッグデータの処理といった複雑な技術まで、奥行きの深い分野と言えます

制御エンジニア・組み込みエンジニア

家庭電化製品や産業機械などに組み込まれている動作制御を行うソフトウェアを開発するエンジニアを制御エンジニア、それらの機器が動くもととなるソフトウェアを開発するエンジニアを組み込みエンジニアと呼びます。

IoTエンジニア

IoTとはInternet of Thingsの略で、デジタル機器ではないモノとインターネットを接続することを言います。各種デバイスの小型化・低価格化と、インターネットへの中継点となるスマートフォンの普及で、ヘルスケア分野などを中心に、注目を集めています。

Webエンジニア

WebサイトやWebアプリケーションといった、Webに関係するシステムの開発を行うのが、Webエンジニアです。主にユーザーインターフェースの設計や実装を行うフロントエンジニアと、サイトへのログインやデータの処理などを実装するサーバーサイドエンジニアという、2つの大きく異なったタイプの領域があります。

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エンジニアの平均年収

エンジニアとして働いた場合の収入も気になるところですが、実際はどのようになっているのでしょうか。経済産業省が2017年(平成29年)に発表したIT関連産業の給与等に関する実態調査結果を見てみましょう。

ここには、システムエンジニア・プログラマーという職種がひとまとまりで、携わっている業務により年収平均額が示されています。スキル標準レベルの平均が3.5前後ですので、独立して仕事ができる中堅人材レベルから、部下を指導できるチームリーダーレベルの間にいる、中堅クラス以上のエンジニアの数値と考えられます。

-顧客向けシステムの開発・実装:593.7万円
-ソフトウェア製品の開発・実装:568.5万円
-組み込みソフトウェアの開発・実装:603.9万円

これらの数値はあくまで平均であり、スキルレベルや職種、担当分野、仕事をする地域など、さまざまな要素により違ってきます。ここではシステムエンジニアとプログラマーがひとつの枠で扱われていますが、一般にシステムエンジニアのほうが、プログラマーと比較して給与水準は高くなります。

なお、専門性の高いエンジニアの平均年収額も示されています。いずれもスキルレベルが4前後と、システムエンジニア・プログラマーより高いため、単純な比較ができないことに注意してください。

-IT保守(顧客向け技術システムの保守・サポート):592.2万円
-IT運用・管理(顧客向け技術システムの運用):608.6万円
-IT技術スペシャリスト(ネットワーク・データベース・セキュリティ等):758.2万円
-高度SE・エンジニア(ITアーキテクト・基盤設計担当):778.2万円

当然ながら、データベースやネットワーク、セキュリティといった専門的な技術を持つエンジニアの評価が高いことがわかります。プログラマー・システムエンジニアといった職種の人が収入を上げていくためには、他に自身のスキルを磨き、ITアーキテクトなどの上級職として認められるという方法があります。

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エンジニアの仕事のやりがい

エンジニアとして、仕事にやりがいを感じるのはどのようなシーンでしょうか。

システムが動いたとき

エンジニアとして働く人の多くは、開発の作業を行っています。開発は日々地道なプロセスの積み重ねであり、それによって何もなかったところに形を得たものが出来上がります。

顧客の要求を分析、それを実現するよう設計を行い、プログラミングからビルド、単体での動作確認といった作業を繰り返し、ようやくプロジェクトが終わってシステムが動いたときには、この上のない充足感を味わうことができます。生活の中で自身が開発に携わった機器に接したときなどは、誇らしい気持ちになれるでしょう。

顧客から感謝されたとき

直接的な開発をあまり行わない職種では、システムが動いたときというゴールとは縁遠くなることもあります。そういったエンジニアは、顧客との接点が多いものです。

苦労してトラブルを解決した際にかけられる感謝の言葉をかけられると、縁の下の力持ち的な仕事だからこそ、世の中の役に立てていると実感できる時間になります。

システムエンジニアでも、顧客との接点が少なからず存在します。感謝の言葉をかけられる喜びは、大きなものです。

スキルを身につけたとき・成長を実感したとき

エンジニアとして働いている以上、新たな課題に取り組むことが多くなります。これらは少しずつではありますが、自身のスキルアップにつながります。

ある日、ふと振り返ってみると、少し前まではできなかったことが容易にできるようになっていた。あるいは、解決に迷っていた課題の最適解が見通せるようになっていた。こういったことを感じる瞬間があります。自分自身の成長もまた、エンジニアとしての大きなやりがいとなります。

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エンジニアになる方法

エンジニアになる方法を考えてみましょう。王道は、IT企業に、エンジニアとして就職することでしょう。こういった企業には、大学の理系学部を卒業しなければ就職できないというイメージがあるかもしれません。

しかし実際には、未経験の文系学部出身者であっても、システムエンジニア候補としてIT企業に就職している例は枚挙に暇がありません。システムエンジニアという仕事にはコミュニケーション能力が必要で、それには出身学部は関係がないからです。

とはいえ、未経験者、文系学部出身者がエンジニアとして就職のを目指すことがハンディキャップ戦であるのも、また事実です。そこで、ハンディキャップを埋めるために何が有効かを考えていきましょう。

基礎的なプログラミング力をつける

ひとつは、直接的に技術力、具体的には基礎的なプログラミング力をつけることです。プログラミングとは、コンピューターに対してどのように動くのかの連続的な指示を作り上げることです。ここを抑えておけば、基礎的なプログラミング力を身につけることは、決して難しいものではありません。

ただし、プログラミングの独習には難しい部分もあります。初学者のうちなど、壁にぶつかったときに「何がわからないかがわからない」という状況に陥ることもあり、こうなると、多くの場合は自力での早期解決は困難となります。プログラミングスクールなどの活用を考えてもいいでしょう。

関係する資格を取得する

もうひとつは、資格を取得しておくことです。エンジニアになるために役立つ資格にはさまざまなものがありますが、国家資格などの公的な資格、ベンダー資格のような民間の資格があります。

エンジニアになるために役立つ資格としては、国家資格の中でもベーシックな資格、具体的にはITパスポートと基本情報技術者試験があげられます。ITパスポートは難易度も低く、基本的な理解ができていれば、比較的合格しやすいと言えます。

基本情報技術者試験は、難易度がかなり上がります。未経験で合格するのはそれなりに高いハードルになりますが、チャレンジする価値はあると言えるでしょう。

就職時の資格は、資格保有そのものの意味も大きいのですが、系統的な勉強ができることをアピールする重要な手段という側面もあります。採用担当者には響くこともありますので、うまく利用したいところです。

忙しくてなかなか資格取得のための学習時間を作れないという場合には、通信講座を活用してみるのも一つの方法です。基本情報技術者試験の資格取得を目指すなら、「フォーサイト」が提供しているスピード合格講座を利用してみる方法もあります。スキマ時間に効率よく試験対策を行えるため、就職や転職に備えて最短で資格取得を目指せるでしょう。

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エンジニアに求められるスキル

エンジニアに求められるスキルですが、基本的には一般社会で要求されるスキルに、プログラミングなどのITスキルが求められると考えればいいでしょう。以下、項目ごとに説明します。

コミュニケーションスキル

最初にこれがあげられたことを、意外に感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、コミュニケーションスキルは、エンジニアとして仕事を進めていく中でも、最優先されるべきスキルであると言えます。

昇給など、評価査定を行う場合に重視する項目として、コミュニケーションのスキルは仕事の成果に次ぎ、ITスキルに並ぶ重要なポジションを占めています。

ITスキル

システムエンジニアにしても、プログラマーにしても、仕事上の目的を達成するためには必要なのがITスキルです。プログラミングをはじめ、基本的なIT機器の知識などがこれに相当します。エンジニアには不可欠のスキルでしょう。

これらは、業務で身につける部分もそれなりの比重を占めます。ただし、それだけでは充分ではありません。技術的なトレンドをはじめ、担当する業務周辺の情報について、積極的なアップデートを心がけていきたいものです。

マネジメントスキル

システムエンジニアやプログラマーの仕事は、比較的長いスパンで進んでいくことが多くなります。ときには、プロジェクトの進捗に大きな影響が発生するトピックが発生することもあります。

まずは、逸脱が発生しないようなスケジュール管理能力は必須と言えるでしょう。また、プロジェクトの中では特定のメンバーに負荷が集中することも多いものです。そういった状況を摘出し、過度の負荷がかかるメンバーが発生しないようにする能力も求められます。

文章作成スキル

業務遂行にあたり、社内での報告や連絡、相談といった作業は不可欠です。また、システムエンジニアであれば、顧客とのやり取りも発生します。

現在では電子メールだけでなくチャットシステム、Slackなどのメッセージプラットフォームを使用してのやり取りが多くなっています。テキストベースで、的確に相手に伝えるべき内容を伝えるという作業は、思っている以上に難易度の高いものになります。

流麗な文章を書く必要はありません。求められるのは要点を外さず、わかりやすく伝える能力で、これはコミュニケーションスキルとも共通する部分があります。

さて、これらのスキルは、エンジニアとして働き始めてからでも充分身につけることができるものです。ただし、得意か不得意かは個人により差があります。もともとこれらのことが得意な人は、エンジニアに向いていると言えるでしょう。

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エンジニアのキャリアパスについて

エンジニアとして働く場合、目標となるゴールはいくつか存在します。それは企業組織に中で活躍するだけではなく、経営側に立って戦略立案をする、組織という枠を飛び出して活躍するなど、さまざまな可能性があります。

管理系職種

技術畑にいながら、プロジェクト全体を俯瞰するのがマネジメント職です。一番イメージしやすい職種としては、プロジェクトマネージャーでしょう。プログラマー、システムエンジニアからチームリーダー、プロジェクトリーダーなどの経験を積んで、プロジェクトマネージャーを目指す形になります。

技術畑を離れ、企業の管理職を目指す道もあります。実績が認められれば、役員として経営に参画することもあります。

技術エキスパートあるいはゼネラリスト

技術者として働いているのだから技術を極めたい、という方が目指す姿です。ひとつは、システムエンジニア、あるいはプログラマーとして経験を積み重ね、エキスパート技術者を目指す道です。

もうひとつは、さまざまな知識と経験を活かせるゼネラリストの道です。たとえば、ユーザーインターフェースからデータレイヤーの設計、実装まで幅広くこなせるエンジニアは、さまざまなプロジェクトで、頼られる存在になります。

キャリアチェンジ

エンジニアとして、培ってきた技術をもとに別の職域にキャリアチェンジする方法もあります。代表的なものにITコンサルタントがあります。企業の経営戦略を立案策定することは、難易度が高いだけにやりがいのある仕事になるでしょう。

企業内や組織内ではなく、フリーランスとして独り立ちすることも選択肢に入ります。エンジニアとしてさまざまな経験を積むことで、フリーランスとして生きるために不可欠となるスキルを得ることができます。

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