フリーランスエージェントは、フリーランスと企業の仲介をして案件を紹介してくれるサービスです。案件の紹介だけでなく､交渉や税金関係の手続きを代行してくれるエージェントもあります｡本業以外に時間を割きたくないフリーランスにはありがたい存在といえるでしょう｡

得意な領域がそれぞれ異なるのもエージェントの特徴｡ITエンジニアやデザイナー､マーケター、コンサルタントなど、自分の職種に強いエージェントを選ぶのが理想の案件を見つけるコツです｡

フリーランスエージェントの仕組み

フリーランスエージェントの存在は知っていても､どのような仕組みか分からない方は多いでしょう｡登録料金が無料のケースが多いため､怪しいサービスに思えるかもしれません｡

フリーランスエージェントは､外部の人材を起用したい企業と案件を探す働き手の橋渡しをします｡企業はエージェントを利用すれば必要な人材が見つかりやすく､フリーランスは安定した案件獲得や単価アップにつながるのがポイントです｡

企業とフリーランスの仲介をする際に手数料が発生すると､フリーランスエージェントが利益を得るケースが多いです｡金額や形態は幅広く､契約回数や契約の金額で決まるものから手数料一律のケースまであります｡

手数料は､エージェントがフリーランスをサポートするための人件費や広告費に充てられます｡フリーランスが快適に仕事をするための経費といえますが､金額が気になる方はエージェントのマージン率をチェックしましょう｡一部のエージェントでは､手数料の比率を公開しています｡

フリーランスエージェントの利用状況

フリーランス協会が発表した2024年の「フリーランス白書」では、フリーランスのうち23.2%がエージェントを利用して仕事を探していると分かります。エージェントはフリーランスにとって、主要な案件獲得方法といえるでしょう｡

「最も収入が得られる仕事獲得経路｣のランキングでも、フリーランスエージェントが3位にランクインしています｡案件参画時に企業に単価交渉してくれるサービスもあるのが単価アップの要因と考えられます｡

フリーランスとして活動するなら、ぜひ利用したいサービスだといえるでしょう。

クラウドソーシングとの違い

フリーランスが案件を獲得できるサービスとして､フリーランスエージェントの他にはクラウドソーシングがあります｡クラウドソーシングは､インターネット上で不特定多数の人に業務を依頼するサービスです｡

クラウドソーシングを利用すれば､サイトに掲載されている複数の案件の中から､自分のスキルに合った仕事を受注できます｡仕事を選ぶ自由さや受注の手軽さがメリットである一方､単価が安い仕事も多い点は要注意です｡

仕事の獲得方法については､「フリーランスとして仕事を得たい方必見!案件探しの方法や代表的な職種を紹介」もご覧ください。

フリーランスエージェントを選ぶ際に、どのような基準で選べば良いかが分からない人もいるでしょう。ここでは、フリーランスエージェントを選ぶときの指標を6つ紹介します。

案件数で選ぶ

フリーランスエージェントを選ぶ際に重視したい条件の一つが、案件数です。

重要なのは､全体の案件数だけでなく自分が求める条件の案件数を確認すること。エンジニアやデザイナーのような職種から､単価や勤務地､リモートワークなどの勤務条件などを満たす案件数は､エージェントごとに異なります｡

案件数の多さは､エージェントに提案してもらえる選択肢の幅広さにもつながります｡自分が重視する条件での案件が豊富にあるかをチェックしましょう｡

サポートやサービスで選ぶ

サポートやサービスの豊富さも、フリーランスエージェントを選ぶ際に重要な条件です。

通常､フリーランスには福利厚生はありません｡しかし、一部のエージェントは手厚いサポートを実施しており､正社員と同じような感覚で安心して働ける場合もあります｡

フリーランスエージェントが提供する福利厚生には､以下のようなサービスがあります｡

内容	詳細
税務関連サポート	税理士への手続き代行依頼や会計ソフトが利用できる
報酬保証	仕事が途切れた場合に､条件を満たせば保証が受けられる
労災保険	仕事や通勤中の怪我に対して保証を受けられる
フィットネス施設の利用	ジムやフィットネスクラブを利用できる

個人で利用するより割安で利用できるサービスも多いので､サポートでエージェントを選びたい方は参考にしてください｡

自分の求める職種で選ぶ

フリーランスエージェントには、職種の得意不得意があります。案件を探す職種に強いエージェントからの案件紹介が理想です。

たとえば、エンジニア特化のエージェントなら、開発言語やフレームワークに詳しく希望条件が伝わりやすいほか､市場動向を踏まえて伸ばすべきスキルを提案してくれる場合もあるでしょう｡

フリーランスエージェントを選ぶ際には､強みとする領域を調べることがおすすめです｡

中間マージンの割合で選ぶ

中間マージンの値段も、フリーランスエージェントを比較するときには重要な条件です。中間マージンの額はエージェントによって異なり、契約形態によるものから一律で決まるところもあります。

中間マージンを公開していないエージェントも多いですが､自身の報酬にも関わるため､気になる方はなるべくマージンが安いサービスを選びましょう｡

口コミや評判で選ぶ

複数のエージェントを比較したいときは、公式サイトの情報だけでなく利用者の意見が参考になります。良い口コミと悪い口コミの両方を調べると、より自分に合ったエージェントを選べるでしょう。

ただし､口コミの評価を見る際には注意が必要です。同じエージェントでも､担当者が変わると相性が合わないケースがあります｡悪い口コミがあったからといって､サービスすべての質が低いとは限りません｡

同じ業種でフリーランスとして働く知り合いがいるときは、利用したフリーランスエージェントを尋ねても良いでしょう。

支払いサイトで選ぶ

支払いサイトとは締め日から報酬が入金される日までの期間を指し､複数のエージェントを比較するときに見たいポイントです。特に、支払われるまでの期間が長引くと、必要なときにお金が手元にないという事態が発生します。

1つの基準としては､30日サイト（月末締め翌月末支払い）のフリーランスエージェントでなら､無収入の期間は短くなるでしょう｡単価や想定収入だけでなく､いつ支払われるかまでチェックするのがポイントです｡

自分に合ったフリーランスエージェントの探し方については、「フリーランスエンジニアになりたい人必見！頼りになるエージェントを見つけるコツとは？」も参考にしてください。

フリーランスエージェントの利用には、クラウドソーシングサイトや求人サイトにはないメリットがあります。ここでは、フリーランスエージェントの利用で得られるメリットを見ていきましょう。

希望に沿った案件の紹介が受けられる

フリーランスエージェントは、稼働日数や業務内容などの希望に合った案件を探してくれます。営業の手間が省けるため、案件探しに時間をかけたくないフリーランスに適した方法です。

ただし、高単価・大規模案件を希望する場合は、ある程度の実務経験が求められます。特に、経験のない職種やスキルで案件を探す場合は､未経験可の案件があるかチェックすると良いでしょう｡

希望に沿った案件を紹介してもらうコツは､案件数の多いエージェントを選ぶことです｡案件数が豊富なエージェントなら､希望に合う案件が見つかる可能性も高いでしょう｡

また､エンジニアやデザイナー､コンサルタントなど､自分の職種に特化したエージェントを利用するのもおすすめです｡

自力での営業が不要になる

営業に苦手意識を持つ人は多いでしょう｡営業活動にはコミュニケーション能力や交渉能力が求められ､仕事上のスキルが十分でも､自分のスキルを上手くアピールできなければ仕事を受注できない場合もあります｡

営業が苦手でなくても､SNSや自身のサイトでスキルをアピールしたり､企業に直接連絡して仕事を受注したりするのは時間と労力がかかります｡税金などの手続きも行うフリーランスは､なるべく業務以外のタスクは減らしたいところです｡

フリーランスエージェントを利用すれば、希望の条件を伝えるだけで案件の紹介を受けられます。営業に割く時間や手間を減らせるため､本業に集中したり余暇の時間を確保できるのがメリットです｡

フリーランスの営業方法については、「フリーランスの営業のやり方とは？成功させるコツや戦略も紹介」を参考にしてください｡

安定して案件を受注できる

フリーランスの心配事の一つは､安定した案件が受注できるかでしょう｡固定給が払われる正社員と違い､フリーランスは案件を受注できなければ収入を得られません｡

安定して案件を受注するコツの一つに、継続案件の獲得があります｡同じ現場で何度も依頼を受けられる仕事なら､案件探しを繰り返す必要がありません｡

フリーランスエージェントを利用すれば､定期的に案件が受けられるほか､希望すれば継続案件も紹介してもらえる可能性もあります｡案件が途切れにくくなり､報酬がなくなるリスクを減らせるのがメリットです｡

案件が途切れるのが不安な方は､ぜひフリーランスエージェントを利用してください。

高収入が狙える

フリーランスエージェントの利用で高単価を狙えるのは､スキルや実績を考慮したうえで単価交渉してくれるからです｡自分で案件探しや単価交渉する場合は､相場より低い単価で仕事を引き受けてしまったり､うまく単価アップの交渉ができなかったりするでしょう｡

フリーランスエージェントはあなたのスキルや経験を踏まえ､保有する案件の中から適正な単価の案件を紹介してくれます｡参画時には､企業への単価交渉をしてくれることもあります｡

また、高単価案件が多いエージェントを使用すれば､今より収入アップする可能性もあるでしょう｡フリーランスが年収を上げる方法については､「フリーランスの年収は？生計は立てられる？職種別にみる相場とは」でも紹介しています｡

大規模案件に参画できる可能性がある

フリーランスになって日が浅く、自力で営業する場合､獲得できる案件は小規模なものが中心になりがちです。一方、フリーランスエージェントは大手企業の案件も保有しており､希望を伝えれば大規模案件の紹介が受けられる場合もあります。

大規模プロジェクトへの参加は､フリーランスのスキルアップにも良い経験になるでしょう｡ただし､インターネット上では多くのエージェントが案件のクライアント企業名を公開していません｡実際にエージェントに話を聞いてみるのが良いでしょう｡

多くのサポートが受けられる

フリーランスは会社員と比べて福利厚生がなく、サポートが少ないと感じる人もいるでしょう。

フリーランスエージェントの中には､サポートが充実しており正社員に近い福利厚生を受けられるところもあります。例としては､人間ドックやフィットネス施設の利用などヘルスケア関連のサポートを受けられるサービスです｡

また、フリーランスならではのサポートには､税務関連の手続きの際に税理士や会計ソフトを利用できる場合もエージェントもあります｡安心して働けるサポートや手続きの代行に魅力を感じる方も､エージェントを利用すると良いでしょう｡

フリーランスが支払う税金については、「業務委託契約の税金｜所得税・住民税の概要や確定申告の方法とは」でも紹介しています｡

キャリアの相談もできる

フリーランスになったものの、長い目で見て安定して働けるか不安な方もいるでしょう｡ライフステージが変われば､フリーランスを続けるか検討することもあります｡

フリーランスエージェントでは、働き方や案件についての相談にも乗ってもらえます｡フリーランスとしてのキャリアや報酬を上げるためのポイントについて相談したり、活動する上での悩みを話しても真摯に対応したりしてもらえるでしょう。

また､フリーランスになるか迷っている段階での相談も受け付けているエージェントは多いです。客観的な意見を聞くつもりで、まずは話を聞いてみるのも手です。

フリーランスエージェントにはデメリットもあります。メリットとデメリットを踏まえ、状況に応じた他の方法との使い分けが必要です。ここでは、デメリットとそれらを解消するための方法を見ていきます｡

初心者向けの案件は少ない

フリーランスエージェントは、経験者でないと案件の紹介が少ないことが多いです。フリーランスを募集する企業は一定のスキルのある経験者を求めているため､実務経験がない人向けの案件が少なくなるのが要因です｡

フリーランスエージェントを利用するのは、ある程度の実績を作ってからがおすすめです。自分が応募できる案件があるかわからない場合は､エージェントに相談したり案件サイトで情報収集したりするのが良いでしょう｡

なお、未経験者可のフリーランス向け案件は、クラウドソーシングサイトや求人サイトで見つかりやすい傾向にあります｡初心者向けの案件獲得方法については、「フリーランスの仕事の取り方とは？初心者でもできる案件の探し方を紹介」をご覧ください。

中間マージンがかかることがある

フリーランスエージェントの利用には、中間マージン（手数料）がかかることがあります。報酬から手数料が差し引かれると、思っていたより稼げない可能性もあるでしょう。

中間マージンの額は基本的には非公開ですが､一部のエージェントは手数料を公開しています。中間マージンが気になる場合､手数料を公開しているエージェントを探すか、複数のエージェントを比較してから利用するのがおすすめです。

案件のミスマッチが起こる可能性がある

フリーランスエージェントに希望の条件を伝えたからといって、条件に合う仕事を紹介されるとは限りません。

実績やスキルが足りない、条件に合う案件数が少ないなどの理由で条件の緩和が必要なケースもあります。ミスマッチが起きた際にはエージェントと連絡をとり、希望の条件を改めて確認しましょう。

案件数が豊富なエージェントを利用するのも手です｡保有している案件数が多いエージェントほど､希望する条件の仕事が見つかる可能性が高いでしょう｡

案件の継続が断りづらい

フリーランスエージェントから案件を紹介されたとき、自分の希望に合わないものでも断りにくいと感じる人もいます。また、エージェントを通して企業から継続を打診されたときも、断りにくいことがあるでしょう。

前提として､エージェントから紹介された案件は断っても全く問題がありません｡希望に合わない仕事を引き受けるのは､参画後のミスマッチにもつながるため、クライアントも避けたいと考えています｡

どうしても条件が合わないときは､エージェントに要望を伝え直したり､別のエージェントに相談したりして案件を紹介してもらうと良いでしょう｡

エージェントごとに強みが異なる

フリーランスエージェントは、それぞれ得意分野があります。エンジニアやデザイナーのように特定の職種を専門的に扱う場合もあれば､業界･スキル･リモートワークなどの特定の条件を満たす案件に特化しているケースもあります｡

自分の希望条件を得意としないエージェントに相談すると､希望する案件が見つかりにくかったり､担当者が自分の専門性を十分に理解してくれなかったりします｡エージェントを選ぶ際には､自分が求める職種に合うかを確認すれば､ミスマッチを防げます。

働き方が制限される恐れもある

フリーランスは会社員よりも自由な働き方ができるとはいっても、案件によっては時間や場所、働き方に制限があります。特に、フリーランスエージェントが紹介する案件は､出社や週5日勤務が必要な案件が多い傾向です｡

エージェントから紹介された仕事を勤務条件を十分に確認せずに受けた結果、思っていたように自由な働き方ができない場合もあるでしょう｡

自由な働き方をしたい人は､勤務時間や場所について詳しく決めておきましょう。複数の希望がある場合は条件の優先順位を決め、担当者と話し合って案件を探してもらうのが理想の働き方を実現するコツです｡

ここからは、フリーランスエージェントを上手く利用するポイントを6つ紹介します。

複数のエージェントに登録する

フリーランスエージェントを利用するときは、1つに絞らず複数への登録をおすすめします。

2023年の「フリーランス白書」でも､エージェントサービス利用者の半数以上は、3社以上のエージェントに登録し使い分けているのが分かります。

使用サービス数	割合
1サービス	22.8%
2サービス	19.5%
3サービス	25.1%
4サービス	6.5%
5サービス	12.1%
6~9サービス	5.6%
10サービス以上	8.4%

複数のフリーランスエージェントを同時に使うメリットは、以下のとおりです｡

保有案件の傾向が異なるエージェントに登録すと選択肢が広がる
複数の提案を受けると､自分のスキルの市場価値や相場感が分かる
1つのエージェントで仕事が見つからなくても他のエージェントで探せるため､案件獲得しやすくなる

まずは2~3社登録し､担当者の話を聞いて比較すると良いでしょう｡

自分のスキルや実績は正確に伝える

フリーランスとして駆け出しだと、案件獲得のために自分の経歴をよく見せなければと考える方もいるでしょう｡それでも、フリーランスエージェントに自分の経歴やスキルは正確に伝えてください。正しく伝えることが適切な案件の紹介につながります。

フリーランスエージェントの中には、フリーランス初心者向けの案件を紹介してくれるところもあります。経験が浅い場合でも正直に伝えましょう。

エージェントに相談する際は､事前にスキルシートを作成して経歴をまとめておくと話がスムーズに進みやすいです｡スキルシートについては、「スキルシートの書き方は？未経験でも採用したくなるアプローチ方法を解説」も参考にしてください｡

希望条件には優先度をつける

フリーランスは勤務地や勤務時間を自分に合わせやすい一方、フリーランスの希望をすべて満たす案件があるとは限りません。最初に決めた条件にこだわりすぎると、受けられる案件がなくなる恐れがあります。無報酬の期間ができるリスクもあるでしょう。

エージェントに伝える際には､希望条件には優先順位をつけるのが重要です｡「絶対に譲れない条件」「あれば嬉しい条件」を分けて相談すれば､より自分の希望と近い案件が見つかりやすくなります｡

いきなり高単価案件を狙わない

独立して間もない人は､経験豊富なフリーランスと比較すると相対的に単価の低い案件が中心になります。フリーランスとして想像していた報酬が得られずに焦ることもあるでしょう。

そんなときは､高単価案件を狙いすぎず､現在のスキルに合った案件で実績を作りましょう｡業務を着実に遂行すると実績ができ､他の企業も案件を発注したいと思うような信頼を得られます｡

自分のスキルでどのような案件が受けられるか、案件の相場感が知りたいという方も、まずは業界の事情に詳しいエージェントに話を聞いてみるのがおすすめです｡

フリーランスの年収アップの方法については、「フリーランスの年収は？生計は立てられる？職種別にみる相場とは」をご覧ください。

素早い連絡や返信を心がける

フリーランスエージェントや応募した案件への連絡は、なるべく素早く対応しましょう。

返信が速い利用者は、仕事への意欲が高いと評価されて優先して案件を紹介される可能性があります。エージェントも書類選考や面接、企業との段取りをスムーズに進めやすくなるでしょう。

また、定期的にエージェントと連絡をとり合うのもおすすめです。連絡が途絶えると案件探しが終了したと捉えられることもあるため､週に1度を目安に連絡するように心がけましょう。

1つの案件に対する応募は一度までにする

複数のエージェントを利用すると、別々のエージェントに同じ案件が掲載されているケースもあります。その案件がどれほど魅力的でも、複数のエージェントから1つの案件に応募するのは避けてください。

同じ人が同じ案件に応募すると、企業やエージェントの混乱につながります｡応募したい案件へ参画するためにも､ルールを守って応募するようにしましょう｡

フリーランスとして独立して間もない人や、これまでクラウドソーシングを中心に仕事を受注していた人で、初めてエージェントを利用する人もいるでしょう。ここからは、フリーランスエージェントを利用するときの流れを解説します。

登録するエージェントを決める

フリーランスエージェントの利用を決めたら、複数のエージェントを比較して登録するサイトを決めます。

保有する案件の数や特徴､提供サービス、手数料などを比較し､使ってみたいと思うエージェントを2～3社選んでください。自分がエージェントに最も求めるものは何かを考えると決めやすいでしょう。

また、希望する案件の条件についてもこの段階で決めておきます。

エージェントに登録する

登録するエージェントが決まったら、必要な情報を入力します。登録時に求められる情報は名前や生年月日、メールアドレスに加えて、希望の職種や働き方が一般的です｡

登録する個人情報や希望条件に誤りがあると､エージェントからの重要な連絡を受けられなかったり､希望と違う案件を紹介されたりすることがあります｡間違いのないよう正確に入力しましょう｡

複数のサイトでの登録が面倒な場合は､アグリゲーションサイトと呼ばれる複数サービスをまとめたサイトの利用がおすすめです｡

フリーランスHubでも､一度登録した情報で複数のエージェントに応募できます｡複数のサイトで同じ情報を入力する手間が省けるので､ぜひ活用してください｡

また､エージェントに登録する段階で、過去の実績や保有する資格をまとめたポートフォリオが求められることもあります。事前に作成すると応募がスムーズに進むでしょう｡

ポートフォリオについては、「ポートフォリオとは？作る意味やビジネスでの必要性、構成例を解説」を参照してください。

エージェントと面談をする

情報を入力したら、エージェントと面談します。近年はオンラインやチャットでのやりとりが主流ですが､面談の実施方法は事前に確認しましょう。

初回の面談では、顔合わせの挨拶に加えて希望する条件やスキル・実績を確認します。事前に希望条件やその優先度を決めると､機能に合う提案が受けやすくなります｡職務経歴書やスキルシートも事前に用意すれば、初回の面談がよりスムーズに進むでしょう。

また、初回の面談で案件の紹介を受けられる場合もあります。自分のスキルや希望条件と合うか確認してください｡

案件の紹介を受ける

面談後、1週間以内を目安に希望条件やスキルに合う仕事を紹介してもらえます。案件に応募したいと思ったら、その旨をエージェントに伝えると応募完了です。紹介された案件が希望に合わなかったときは、遠慮せずに断って構いません。

その後、不定期でエージェントから案件が案内されます。届いたメールに記載されている案件を見て、応募したいものがあれば担当者へ連絡しましょう。また、エージェントのサービスページ上で自分で案件を探し､応募するのも可能です｡

企業と面談をする

受けたい案件が決まったら、書類選考を経て企業と面談をします。近年はオンラインで面談を済ませる企業も増えています。

面談の回数は企業によって異なり、1回から多くて3回程度が一般的です。エージェントの同席のもと、企業の担当者と面談をします。

面接では提出書類だけでは分からない、具体的な経歴や経験、スキルに関しての質問をされることもあります。働く条件はこのときに交渉可能です。

契約を締結して業務を開始する

面談を通過すれば、企業と働く契約を結びます。

契約の締結はエージェントが代行するため、この段階でトラブルが起こることはないでしょう。契約内容や条件について不安があれば、エージェントに相談してください。

契約形態は大きく分けて請負契約・準委任契約の2つがあります。契約形態が分からないときは事前に確認しましょう。

フリーランスが仕事を探す方法は、フリーランスエージェント以外にも多くあります。ここからは、フリーランスエージェント以外の仕事の探し方とそれぞれの特徴を紹介します。

クラウドソーシングへの登録

フリーランスが仕事を探す方法としてメジャーなものの一つが、クライドソーシングサイトです。

フリーランスエージェントより初心者向けの案件が多いので、手軽な案件から実績を積みたいときに向いています。一方、単価の低い案件があったり、大規模案件に参加するには実績が求められたりする傾向もあるようです。

フリーランスになってすぐはクラウドソーシングサイトで実績を積み、慣れてきたらエージェントや直接営業で高単価案件を狙いましょう。

SNSでの宣伝

近年、イラストレーターやライターの分野でSNSから仕事を得る人が増えました。SNSから仕事を獲得したいときは、仕事用のアカウントを作り、プロフィールにこれまでの実績やスキルについて表記をします。

また、投稿による自己アピールも重要です。企業へDMを送り、直接営業して仕事を獲得する人もいます。キーワードやハッシュタグを使って、依頼先を探している企業を検索する手もあります。

知人からの紹介

友人や過去の仕事仲間から、仕事を依頼されるケースもあります。以前からの人脈を活かして紹介を受けられるため、依頼主との間に信頼関係があり、トラブルになりにくいのがメリットです。

同じ分野の仕事で働く知人からの依頼であれば、スキルの程度や働き方によるミスマッチが起こりにくいのも利点といえるでしょう。仕事の分野や依頼主との関係性次第で、継続案件も狙えます。

引き受けられる仕事がないか、定期的に周囲に確認すると良いでしょう。

企業への直接営業

エージェントやクラウドソーシングサイトを通さず、企業に直接営業して仕事を獲得する人もいます。

クラウドソーシングでは公開されている案件が少ない場合や、営業が得意な人に向いている方法です。自分で営業すれば、作業内容や希望条件について自分の思うように交渉できるのが利点です。

一方で、交渉や契約も自力でしなくてはならないため、エージェントやクラウドソーシングサイトを通すより手間がかかります。

交流会やセミナーへの参加

仕事を受ける方法を増やしたいときは、交流会やセミナーに参加しましょう。また、スキル不足を解消しつつ同じ分野に携わる人と交流したいときは、スクールに通うのもおすすめです。

交流会やセミナーに参加すると、同じ分野で働く人との人脈が広がり、仕事の紹介を受けられる可能性が高まります。同じ分野・近い環境で働く人と関わり合えば、スキルアップにつながったり困ったときに相談できたりします。

フリーランスのメンタル管理については、「フリーランスこそ心のケアを大切に◎参考にしたいメンタル管理術まとめ」も参照してください。

フリーランスエージェントを初めて利用するときは、疑問点が出てくるものです。最後に、フリーランスエージェントの利用の際によくある質問・疑問について紹介します。

中間マージンはどのくらいかかる？

フリーランスエージェントは利用に手数料（中間マージン）がかかります。

中間マージンの額はエージェントにより異なり、かからないところもあります。また、利用回数によって中間マージンが変わるシステムを採用するエージェントもあるようです。

中間マージンの相場は、紹介された仕事で得た報酬の10%から25%程度です。相場を大きく上回る中間マージンを要求されたときは、別のエージェントの利用を検討しましょう。

プログラミング言語で案件を指定できる？

フリーランスエンジニアで活動する人は、得意なプログラミング言語に絞って仕事を受けたいと考えるでしょう。

エージェントでは、プログラミング言語で案件を指定可能です。優先して使いたいプログラミング言語があるときは、希望条件として伝えるのをおすすめします。ただし、多くのプログラミング言語を指定した方が仕事の幅が広がるでしょう。

経歴や実績について嘘をついたらどうなる？

自身の経歴やスキルについて、内容を盛った方が良い仕事がもらえるのではないかと考える人もいます。しかし、紹介された案件とのミスマッチを避けるために、嘘はつかない方が良いでしょう。

また、エージェントに伝えた内容のすべてが企業に伝わるわけではありません。そのため、スキルや実績が足りないからといって、必ずしもそれが企業からの印象に影響するとはいえないでしょう。

フリーランスエージェントは、基本的に利用するフリーランスの側に立って対応します。伝えにくいことも相談してください。

クラウドソーシングとの違いは？

フリーランスエージェントと並んで仕事の探し方としてメジャーな方法が、クラウドソーシングサイトです。フリーランスになりたての頃は、どちらを使うか悩む人もいます。

フリーランスエージェントを利用すると、クラウドソーシングにはない多くのサポートを受けられます。また、高単価案件が多い傾向があるのもメリットです。

一方で、未経験可や初心者向けの案件を探したいときはクラウドソーシングサイトが適しています。

エージェントを使わないと案件は探せない？

フリーランスの仕事の探し方には、フリーランスエージェント以外の方法もあります。それぞれの方法の特徴を比較し、適したものの利用を検討しましょう。

たとえば、営業が苦手な人・手厚いサポートを受けたい人は、エージェントの利用がおすすめです。過去に多くの実績がある人や営業力に自信のある人は、直接営業が向いています。近年は、SNSで営業をして仕事を獲得する人も増えました。

自分に合った方法で仕事を探すのが、フリーランスを長く続けるコツです。

未経験者がエージェントで案件を獲得するコツは？

フリーランスエージェントでは、ある程度の実績を要求される傾向があります。そのため、思うように案件が獲得できない人もいるでしょう。

ただし、数多くいるフリーランスエージェントには、初心者向けの案件に強いところもあります。実績がない人は、そのようなエージェントに相談して未経験者向けの案件を探すのをがおすすめです。

また、エージェントにキャリアプランについて相談するのも効果的です。経験が少ないことを正直に伝え、自分に合った案件を紹介してもらいましょう。

副業でエージェントを使用しても良い？

エージェントは、副業として案件を受けたい人も利用できます。フリーランスエージェントが紹介する仕事は高単価のものが多いので、上手くいけば多くの副収入を稼げるでしょう。

ただし、フリーランスエージェントの案件は週3日以上稼働のものが多く、副業だと対応しきれない可能性もあります。週1案件や土日対応案件、在宅案件などを求めるときは、副業向けの案件を中心に紹介する副業エージェントを利用するのが得策です。

副業するメリットについて詳しく知りたい方は、「エンジニアが副業をするメリットは？案件の獲得方法も紹介」をチェックしてください。

フリーランスエージェントを利用すれば、希望や経歴、スキルからフリーランスに適した仕事を紹介してもらえます。企業との交渉や契約を代行してもらえるため、営業力に不安がある人も仕事の獲得が可能です。仕事の紹介以外にも多くのサポートを提供するエージェントもいます。

希望する案件の特徴や求めるサービスを明確にし､目的にあったエージェントを選ぶのが重要です｡案件を紹介してもらえるかわからない場合でも､まずは相談すれば疑問が解消される場合もあります｡エージェントをうまく活用し､安定した案件獲得を実現しましょう｡