エンジニアの種類と仕事内容は?必要なスキルや平均年収も解説

最終更新日:2024年10月02日


この記事のまとめ

  • エンジニアは情報技術の知識に加え、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルを駆使してソフトウェアやハードウェアの問題を解決する仕事である
  • エンジニアのキャリアパスとしては、管理系職種・技術エキスパート・ゼネラリスト・フリーランスなど、さまざまな選択肢がある
  • エンジニアとして働くやりがいは、システムが動いたとき・顧客から感謝されたとき・スキルを身につけ成長を実感したときなどが挙げられる

エンジニア(ITエンジニア)は、情報系のシステムやソフトウェアを設計したり構築したりする職業です。担当する業務により、「システムエンジニア」「インフラエンジニア」のように職種が細分化されます。

本記事では、エンジニアの種類や仕事内容についてわかりやすく解説。必要なスキルや年収、キャリアパスなども幅広く紹介するので、エンジニアへの理解が深まります。気になる方はぜひお読みください。

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エンジニアとは

ITエンジニアは情報技術の知識とスキルを活用し、コンピューターシステムやネットワークを設計・構築・運用する技術者です。

ソフトウェアやハードウェアの開発・保守・問題解決に従事し、ビジネスや組織のニーズに合ったテクノロジーソリューションを提供します。近年ではセキュリティやデータベース管理、クラウドコンピューティングなど携わる領域の幅も大きく広がっています。

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エンジニアの種類と仕事内容

エンジニアには複数の種類があり、職種によって仕事内容も異なります。ここでは、主なエンジニアの種類と仕事内容を見ていきましょう。

システムエンジニア

システムエンジニアは、システム開発の各工程に関与します。要求の分析や要件の定義、基本設計までの上流工程がシステムエンジニアの主な仕事です。中流工程だと、詳細設計より後の工程への関与は少なくなります。

下流工程となるテストでは、再びシステムエンジニアが果たす役割が大きくなるのがポイント。テストそのものを担当するケースは少ないものの、テストの設計や結果の評価はシステムエンジニアの役目です。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、コンピューターネットワーク上でデータやアプリケーションを管理・提供するサーバーシステムを扱う技術者です。サーバーの設計や構築だけでなく、保守やトラブルシューティングも担当します。適切なパフォーマンスとセキュリティを確保するのも業務の一環です。

ハードウェアやソフトウェアの選定、アップグレード、ネットワークの最適化なども行い、組織やビジネスの円滑な情報システム運用に寄与します。

なお、名前が似ている職種に「サーバーサイドエンジニア」があります。こちらはWebサイトなどのサーバー側(サイトへのログインやデータの処理)を扱う職種です。

フロントエンド・マークアップエンジニア

フロントエンド・マークアップエンジニアは、Web開発の技術者です。ユーザーがアクセスするWebページやアプリケーションの外観と動作を担当します。

具体的には、HTMLやCSSによるコーディングで、Webデザインがブラウザ上で正しく表示されるようにします。UI/UXの観点から、多様なデバイスやブラウザに対応した使いやすいインターフェースを実現するのも役割です。

マークアップエンジニアはSEO(検索エンジン最適化)やアクセシビリティにも配慮し、モダンなWebアプリケーションの開発に貢献します。

プログラマー

プログラマーとは、プログラムの実装を担当する技術者です。主な仕事内容は、プログラミング・コーディングをして詳細設計をソースコードに落とし込むこと。システムエンジニアとともにテストにも携わります。

かつてプログラマーは、システムエンジニアなどの下位職種という考え方が一般的でした。しかし、近年はプログラミングを極めたエキスパートプログラマーのニーズも増えています。プログラミングを極めたい方にとって魅力的な職種だといえるでしょう。

テストエンジニア

プロジェクトによっては、テスト工程専門のエンジニアを置くことがあります。仕事内容はシステムのテスト全般です。具体的には、テストの設計や実施、開発担当者への結果のフィードバック、リリース可否の判定などを担います。

システムアーキテクト

システムアーキテクトは、工程の最上流を担当するエンジニアです。プロジェクトの管理や顧客との折衝なども行います。後述しますが、基本的にはシステムエンジニアなどからステップアップする職種となります。

インフラエンジニア

インフラとはインフラストラクチャを示す略語で、もともとは産業や生活の基盤となる社会資本を示す言葉でした。ITインフラは、サーバー・クライアントといったコンピューターやそれを結びつけるネットワークシステムを指します。

仕事内容に明確な定義はありませんが、主にサーバー構築、クライアント設定、ネットワーク管理などを担当します。障害発生時には、原因を特定して復旧作業にあたることも。担当するインフラによっては、年中無休の対応が求められることもあるようです。

インフラエンジニアの中でもネットワークに特化したエンジニアを「ネットワークエンジニア」、サーバーの管理や設計構築に特化したエンジニアを「サーバーエンジニア」と呼びます。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、コンピューターシステムに不可欠の存在となったデータベースを専門とする技術者です。教育研究機関における研究者・論文検索といったベーシックな技術から、ビッグデータの処理といった複雑な技術まで、奥行きの深い分野を扱う職種だといえます。

制御エンジニア・組み込みエンジニア

制御エンジニアは、家電や産業機械に組み込まれている動作制御用ソフトウェアを開発する職種です。そして、それらの機器が動く元となるソフトウェアを開発する人を組み込みエンジニアと呼びます。

セールスエンジニア

セールスエンジニアは技術的な知識を活かし、製品やサービスの販売を支援する職種です。顧客との対話で技術的な要件を理解し、製品やサービスが相手のニーズに適していることを説明・実証します。

営業チームと協力して顧客に適切なソリューションを提案し、製品価値を伝えるのもセールスエンジニアの仕事です。信頼性の高いサポートを提供して製品・サービスの信頼性を高め、顧客の課題解決に貢献します。

IoTエンジニア

IoTエンジニアの仕事内容は、IoT関連の製品やシステムを開発することです。IoTとはInternet of Thingsの略で、デジタル機器ではないモノとインターネットを接続することです。各種デバイスの小型化・低価格化、インターネットへの中継点となるスマートフォンの普及で、ヘルスケア分野を中心に注目を集めています。

AIエンジニア

AIエンジニアは、近年注目されているAIを開発・活用をするエンジニアです。主な仕事内容は以下の3つに分かれます。

  • 開発
  • 学習
  • 分析

開発はAIの仕組みを作る作業です。汎用性の高いPythonがよく使用されており、AIの目的や仕様に合わせてコーディング、およびテストをします。

学習は、開発段階で作成したAIにデータを与えて実用性を高める仕事です。データの収集や作成のほか、ディープラーニングと呼ばれる作業もAIエンジニアが担当します。

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エンジニアの平均年収

経済産業省が2017年(平成29年)に発表したIT関連産業の給与等に関する実態調査結果を見てみましょう。

同資料ではシステムエンジニア・プログラマーという職種がひとまとまりで、携わる仕事内容ごとに年収平均額が示されています。スキル標準レベルの平均が3.5前後なので、中堅クラス以上のエンジニアの数値と考えられます。

  • 顧客向けシステムの開発・実装:593.7万円
  • ソフトウェア製品の開発・実装:568.5万円
  • 組み込みソフトウェアの開発・実装:603.9万円

上記の数値はあくまで平均であり、スキルレベルや職種、担当分野、仕事をする地域などにより変動するでしょう。ここではシステムエンジニアとプログラマーが1つの枠で扱われていますが、一般にシステムエンジニアの方がプログラマーより年収が高まる傾向にあります。

なお、専門性の高いエンジニアの平均年収額も示されています。いずれもスキルレベルが4前後とシステムエンジニア・プログラマーより高いため、単純比較ができない点に注意してください。

  • IT保守(顧客向け技術システムの保守・サポート):592.2万円
  • IT運用・管理(顧客向け技術システムの運用):608.6万円
  • IT技術スペシャリスト(ネットワーク・データベース・セキュリティなど):758.2万円
  • 高度SE・エンジニア(ITアーキテクト・基盤設計担当):778.2万円

データベースやネットワーク、セキュリティといった専門的な技術を持つエンジニアの年収が高いのが特徴です。プログラマー・システムエンジニアが収入を上げていくためには、自身のスキルを磨き、ITアーキテクトなどの上級職を目指す方法があります。

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エンジニアの仕事のやりがい

エンジニアとして仕事にやりがいを感じられるのは、以下のようなシ-ンです。

システムが動いたとき

エンジニアの多くは、開発作業を行っています。開発は地道なプロセスの積み重ねであり、それによって何もなかったところに形あるものが出来上がります。

ようやくプロジェクトが終わってシステムが動いたときは、この上ない充足感を味わうことができます。生活の中で自身が開発に携わった機器に接したときなどは、誇らしい気持ちになれるでしょう。

顧客から感謝されたとき

苦労してトラブルを解決した際に感謝の言葉をかけられると、縁の下の力持ち的な仕事だからこそ、世の中の役に立っていると実感できます。

エンジニアも顧客との接点が少なからず存在します。感謝の言葉をかけられる喜びは、大きいでしょう。

スキルを身につけたとき・成長を実感したとき

エンジニアとして働いている以上、新たな課題に取り組むことが多くなります。その過程で、「少し前まではできなかったことが容易にできるようになっていた」「解決に迷っていた課題の最適解が導き出せた」と感じる瞬間があります。自分自身の成長もまた、エンジニアとしての大きなやりがいとなるでしょう。

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エンジニアになる方法

エンジニアになる一般的な方法は、IT企業に就職することです。こうした企業には、大学の理系学部を卒業しなければ就職できないイメージを持つ人もいるでしょう。

しかし実際には、未経験の文系学部出身者がシステムエンジニア候補としてIT企業に就職している例は多くあります。エンジニアに必要なコミュニケーション能力には、出身学部は関係ないからです。

とはいえ、未経験者が目指すのが大変な面もあります。エンジニアになるのに有効な方法を見ていきましょう。

基礎的なプログラミング力をつける

まずは、基礎的なプログラミング力をつけるのが大切です。プログラミングとは、コンピューターに対してどのように動くのか連続的な指示を作り上げることです。

プログラミングの独習は難しい面もあります。初心者のうちは、壁にぶつかったときに「何がわからないかがわからない」という状況に陥ることも。こうなると自力での早期解決は難しいので、プログラミングスクールに通うのを検討してもいいでしょう。

関係する資格を取得する

資格を取得するのもスキル習得に有効な方法です。国家試験の中でもベーシックな内容を扱う「基本情報技術者試験」がエンジニアを目指すのに適しています。未経験で合格するのはそれなりハードルが高くなりますが、チャレンジする価値はあるでしょう。

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エンジニアに求められるスキル

エンジニアには一般社会で要求されるスキルに加え、プログラミングなどの専門スキルが求められます。以下で必要なスキルを見ていきましょう。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、エンジニアとして仕事をする上で特に重視されるスキルだといえます。エンジニアは基本的にチームで連携しながら開発を進めるからです。スムーズにプロジェクトを進行するために、他の人との綿密なやりとりを心がけましょう。

ITスキル

システムエンジニアにしてもプログラマーにしても、仕事上の目的を達成するために必要なのがITスキルです。プログラミングのほか、基本的なIT機器の知識が身についていないといけません。技術的なトレンド、担当する業務周辺の情報についても積極的なアップデートを心がけていきたいものです。

マネジメントスキル

システムエンジニアやプログラマーの仕事は、比較的長いスパンで進んでいくことが多くなります。ときには、プロジェクトに大きな影響が出る変更事項もあるでしょう。エンジニアには、そのような場合でも大きな逸脱が発生しないようスケジュール管理する能力が求められます。

また、プロジェクトの中では特定のメンバーに負荷が集中することも多いもの。そういった状況に気付き、過度の負荷がかかるメンバーが発生しないよう業務を調整するマネジメントスキルが必要です。

文章作成スキル

業務遂行にあたり、メンバー間での報告や連絡、相談は不可欠です。職種によっては、顧客とのやりとりも発生します。現在では電子メールだけでなく、Slackなどのメッセージプラットフォームを使用する機会も多いです。

流麗な文章を書く必要はありません。求められるのは要点を外さず、わかりやすく伝える能力で、コミュニケーションスキルとも共通する部分があります。

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エンジニアのキャリアパスについて

エンジニアとして働く場合、目標となるゴールはいくつか存在します。企業の中で活躍するだけではなく、経営側に立って戦略立案をする、組織の枠を飛び出して活躍するなど、さまざまな可能性があります。最後に、エンジニアの主なキャリアパスを見ていきましょう。

管理系職種

技術畑にいながら、プロジェクト全体を俯瞰するのがマネジメント職です。一番イメージしやすい職種としては、プロジェクトマネージャーでしょう。プログラマー、システムエンジニアからチームリーダー、プロジェクトリーダーなどの経験を積んで、プロジェクトマネージャーを目指す形になります。

技術畑を離れ、企業の管理職を目指す道もあります。実績が認められれば、役員として経営に参画することもあるでしょう。

技術エキスパートあるいはゼネラリスト

技術を極めたい方は、システムエンジニアあるいはプログラマーとして経験を積み重ね、エキスパート技術者を目指す道があります。

幅広い知識と経験を活かせるゼネラリストになるのも選択肢の一つです。たとえば、ユーザーインターフェースからデータレイヤーの設計、実装まで幅広くこなせるエンジニアは、多くのプロジェクトで頼られる存在になります。

キャリアチェンジ

エンジニアとして培ってきた技術をもとに、別の職域にキャリアチェンジする道もあります。代表的な職種は、ITコンサルタントです。企業の経営戦略を立案・策定するのは難易度が高いだけに、やりがいのある仕事になるでしょう。

組織に留まらず、フリーランスとして独り立ちする人も多いです。エンジニアとして幅広い経験を積めば、フリーランスとして生きるのに不可欠なスキルが得られるでしょう。

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