デザイナーは、雑誌やポスター、ファッションアイテム、電化製品など、さまざまな「モノ」のデザインに携わる仕事です。活躍する業界や領域によって求められるスキルやセンスは異なりますが「クライアントの要望に合ったデザインを考案する」という点では共通しています。
例えば、ベビー用品であれば、赤ちゃんが使いやすく、安全性が高い形状にするなどの配慮が必要です。その製品を製造するにあたっての人件費や材料費などのコストも考えなければいけません。
デザイナーが手がけるモノのデザインは、デザイナー自身の好みを表現するのではなく、クライアントの要求を実現することが大切です。近年では、傾向として自然環境に配慮していることも求められることが多くなりました。
デザイナーは、デザインの技術やセンスだけでは、稼げるようにはなりません。活躍するためには業界や領域に関する深い知識も必要となります。多くの人々の共感を得るために、世の中の動向を把握しておく必要もあるでしょう。
デザイナーはありとあらゆるモノやサービスのデザインを手がけます。ここでは、注目度が高いデザイナーの種類や活躍の場について紹介します。
Webデザイナーは、Webサイトの目的を考慮して、Webページをデザインするのが仕事です。サイトの雰囲気や配色、レイアウトなど、細部にいたるまでデザインします。見栄えだけでなく、分かりやすく使いやすいデザインにすることが大切です。
写真やイラストなどのグラフィックに関わるデザインは、PhotoshopやIllustratorなどのソフトを使うのが一般的です。制作まで任せられることもあるため、「HTML」や「JavaScript」など、コーディングのスキルも磨いておくと良いでしょう。
誰もがWebサイトに簡単にアクセスできる時代となり、企業にとってホームページやECサイトなどの重要性は高まっています。そのため、Webデザイナーの需要は今後も高まっていくと予想されます。
CGデザイナーは、コンピューターを使って、2次元や3次元のイラストや映像を制作します。
まず、ベースとなるデッサン画から形状データをコンピューターに起こす「モデリング」という作業を行います。「モデリング」が終わったら、プログラミング技術や専用のソフトを使って、光源、陰影、動きなどをつけ、リアルな画像に仕上げていきます。
CGデザイナーの仕事は、アニメーションやゲーム、VRの制作など、多岐にわたります。産業用の図面の制作にも使われ、建築業界や工業分野などでも需要が高まっています。
グラフィックデザイナーは、文字や写真、イラスト、記号などの視覚的要素を用いて、パンフレットや雑誌の広告、ポスター、商品のパッケージなどをデザインします。
コンセプトや企画内容からターゲットを絞り、ターゲット層に好意を持ってもらえるようなデザインを提案します。
DTPは「Desktop Publishing(出版物)」の略で、DTPデザイナーはパソコンなどを使って紙媒体の出版物をデザインします。一般的にはInDesign「Illustrator」「Photoshop」などのソフトを使ってデザインし、最終的な印刷データの制作まで行います。
読みやすいことが重要で、書籍、雑誌、広告など、あらゆる紙媒体のデザインを手がけます。
エディトリアルデザイナーのエディトリアルは、新聞や雑誌の「編集」を意味し、エディトリアルデザイナーは、編集の知識を活かして、紙媒体のデザインを行う仕事です。読みやすく、目を惹くデザインにすることが求められます。
DTPデザイナーと同様、書籍や雑誌などの紙媒体のデザインを手がけますが、DTPデザイナーよりも、編集に関する深い知識が必要となり、芸術的センスが問われることも多いようです。
UI・UXデザイナーは、ユーザー目線でデザインを考えるのが仕事です。
UIは「User Interface」の略で、ユーザーとサービスや製品とのインターフェース(接点)のことを指します。一方、UXは「User Experience」の略で、ユーザーがサービスや製品を利用することで得られる体験を意味します。
UIはUXに含まれ、UI・UXデザイナーはユーザーの満足度を高めるために、サービス全体をデザインし、ユーザーの目線で文字の見やすさや、操作のしやすさ、レイアウトの構成などを考えます。
デザイナーの仕事は多岐にわたり、上記の他にも、さまざまなモノやサービスをデザインします。
衣類や靴、バッグなど、ファッション関係のモノをデザインします。時代を先取りし、流行を生み出すことが求められます。
テキスタイルは布地や織物を意味し、テキスタイルデザイナーは布地や織物の柄や素材などをデザインします。ファッション業界だけでなく、インテリアなどの分野でも活躍しています。
空間デザイナーは、目的やコンセプトをもとに、クライアントが求める空間を演出します。店舗やホテル、駅、住宅など、あらゆる空間の設計を手がけるため、設備や内装などの幅広い知識と再現力が必要となってきます。
クリエイティブな仕事が求められるデザイナーはセンスや実力重視で、資格の取得は必須ではありません。しかし、資格取得のために勉強することで、デザイナーにとって役立つ知識が得られ、就職時や転職時のアピール材料となります。
ここでは、デザイナーにとって役立つ7つの資格を紹介します。
ウェブデザイン技能検定は、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施している国家検定の1つです。関連国際標準規格等に基づいたウェブデザインの知識・技能、実務能力等が問われます。
1級の実技試験では、GIF、JS、SVGのいずれかの形式によりアニメーションを作成したり、HTMLやCSSのコーディング作業をしたりするなど、ホームページを作成するための幅広い知識とスキルが必要になります。
2級と3級は実務経験がなくても受験できるので、Webデザイナーを目指す人はチャレンジしてみると良いでしょう。
公益財団法人 画像情報教育振興協会が実施する[CGクリエイター検定](CG-ARTS | 検定)は、映画、アニメーション、ゲームなどのCG映像の制作に必要となる知識とスキルが求められます。
デザインや2次元CGの基礎から学べるので、デザイン経験のない人にもオススメです。学びを進めることで、3次元CGを制作するための手法やワークフロー等に関する知識を深めることができるので、CGデザイナーやグラフィックデザイナーなどを目指す人にも有効です。
[Webデザイナー検定](CG-ARTS | 検定)は、CGクリエイター検定と同様、公益財団法人 画像情報教育振興協会が実施、認定していますWebページをデザインする技術をはじめ、コンセプトメイキングやWebサイトのテスト、評価、運用など、必要な知識は多岐にわたります。
Web制作に関する幅広い知識を身につけることができるので、Webデザイナーを目指している人は取得を目指してみても良いかもしれません。
DTPエキスパートは、公益社団法人 日本印刷技術協会が実施している資格で、印刷の強みを活かして価値を生み出す分野に習熟している人を認証しています。
メディアを設計、制作するために必要となる「DTP」「色」「印刷技術」「情報システム」「コミュニケーション」を体系的に学ぶことができ、これまでに5万人が受検し、2万人以上の合格者が活躍しています。
資格取得後は、認証を継続するために、2年に1度更新試験を受ける必要があります。DTPデザイナーを目指す人は、勉強してみても良いかもしれません。
色の基礎から、配色技法、専門分野での活用方法などが学べる色彩検定は、文部科学省後援の公的資格で、これまで累計150万人以上が受検しています。3級、2級、1級に加え、ユニバーサルデザインや高齢者の見え方などについて学べるUC級が新設されました。
色彩の理論を身につけることで、感性や経験に頼らないデザインが提案できるようになることでしょう。合格者はアパレルや広告、インテリア、建築など、さまざまな分野で活躍しています。取得を推奨している印刷会社や制作会社もあるので、デザイナーを目指す人は持っておくと活かせることがあるかもしれません。
民間資格のPhotoshopクリエイター能力認定試験は、世界で広く使われているグラフィックツール「Photoshop」の活用能力が問われます。試験では、問題の指示に従って、新規ドキュメントから1つのグラフィックコンテンツを作り上げます。
問題の指示を正確に読み取る力や、限られた時間内で課題のコンテンツを制作する能力が求められるため、検定試験を通じて実践的な知識とスキルを身につけることができます。
「スタンダード」と「エキスパート」の2級種から自分のレベルに応じた試験を受験可能です。「エキスパート」では知識試験も出題されるので、「Photoshop」を使いこなすための確かな知識が身につきます。
画像の加工や編集を効率的に行う方法が知りたい人や「Photoshop」を使うことが多いWebデザイナーやDTPデザイナーを目指している人などにオススメです。
Illustratorクリエイター能力認定試験も民間資格の1つで、世界基準のグラフィックツール「Illustrator」の活用能力をアピールすることができます。Photoshopクリエイター能力認定試験と同様、1つの作品を作り上げる課題を通して、デザイナーとして求められる表現力や問題解決力を有しているかを測ることができます。
「スタンダード」と「エキスパート」の2級種が用意されており、「エキスパート」では、DTPファイルやコンテンツなどをより効率的にデザインするために知識を習得することができます。DTPデザイナーやWebデザイナーを目指している人は、取得を検討しても良いかもしれません。
デザイナーになりたいけれど、どうやったらなれるのか分からないという人も少なくありません。ここでは、デザイナーを目指す3つの方法を紹介します。
デザイナーの中には、大学や専門学校でデザインの基礎をしっかり身につけてから活躍している人も多くいます。大学や専門学校では、著名な先生からデザインを直接学べたり、同じ目標を志す仲間に出会えたりするなどのメリットがあります。
ただ、2~4年間かけて長期間通学しなければならないため、独学よりもはるかに費用がかかり、働きながら学ぶことは難しいかもしれません。
費用を抑えたい人や、長期間の通学が難しい人は、民間スクールで学ぶのも1つの手段です。カリキュラムに沿って体系的に学べるので、デザインの基礎をしっかり身につけることができるでしょう。
費用を抑えてデザイナーを目指したい人は、独学で勉強を進めるのがオススメです。場所や時間にとらわれずに勉強ができるので、自分のペースで自由に学習することができます。
しかし、独学は意志が強くないと継続することが難しいため、途中で挫折してしまう人も少なくありません。コツコツ勉強を積み重ねられる人向けの学習方法と言えるでしょう。
勉強よりも実践でデザインの基礎を身につけたい人は、未経験者OKの案件にチャレンジしてみると良いでしょう。ハードルが高いイメージのあるデザインの仕事ですが、経験や学歴を問わない求人も数多くあります。
UIデザイナーやUXデザイナー、CGデザイナー、Webデザイナーなど、さまざまな分野で経験を問わず募集しています。最短距離でデザインの仕事をはじめたい人は、デザイナー関係の求人をチェックしてみると良いでしょう。
デザイナーはこれまでの経験やスキルが重要となる職業です。デザイナーとして活躍し続け、自分が思い描く仕事を実現するために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
デザイナーとしてキャリアアップしていくためには、将来のビジョンをしっかり持つことが大切です。
あなたは10年後、どのようなデザイナーになりたいですか。独立して活躍したい人、デザイナーからディレクターに転身したい人、さまざまな人がいることでしょう。
目標を実現するためには、どんな知識やスキルが必要ですか。今の自分に足りない点を整理し、欠けているスキルを磨いていくと良いでしょう。
デザイナーはこれまでの経験や実績が、次の仕事につながります。職種や自分のやりたい仕事を実現し、目標を叶えていくために、これまでの作品をアピールしていくと良いでしょう。
Web技術の進歩により、さまざまな分野のデザイナーがパソコンを駆使して活躍する時代となりました。最新のWeb技術を活用することで、よりクライアントがイメージするデザインに近づけることができたり、より効率的に作業を行えたりするなどのメリットがあります。
自身のデザインの技術やセンスを磨くとともに、最新のWeb技術に敏感でいるように努めましょう。
やりがいのあるデザインの仕事ですが、どのような人がデザイナーに向いているのでしょうか。ここではデザイナーに向いている人の特徴をチェックしていきます。
デザイナーはクライアントから要望を引き出したり、エンジニアやイラストレーターなど他業種と連携したりすることも多いため、コミュニケーションをとるのが好きな人が向いています。
デザインのアイデアをプレゼンテーションすることもあるので、相手の立場に立って、求められている情報を簡潔に説明できることも大切です。積極的にコミュニケーションをとることで、クライアントととも良好な関係を築くことができるでしょう。
デザイナーはクライアントの要望に応えるために、細部にまでこだわることが大切です。Webサイトの文字の微妙な大きさの違いに気づいたり、パッケージの軽微なデザイン変更などに気づいたりする人は、デザイナーに向いているかもしれません。
細かいことにしっかり取り組める人は、少しでも良いモノ、より良いサービスを求めデザインできるようになるでしょう。
デザイナーは、これまでにないモノのデザインを求められたり、デザインだけでなく開発や企画などをお願いされたりすることがあります。これまで経験したことがないことや、デザイン以外の分野の仕事も前向きにチャレンジできる人は、デザイナーに向いていると言えるでしょう。
実力主義のイメージのあるデザイナーの仕事ですが、安定した生活ができるぐらいにしっかりとした収入を得ることはできるのでしょうか。ここでは、厚生労働省が発表した賃金構造基本調査票などを参考に、デザイナーの年収を把握、収入アップのためにできることを見ていきます。
厚生労働省が発表している賃金構造基本調査を参考にしたところ、平成29年のデザイナーの平均年収は439.7万円という結果が得られました。他業種や諸外国のデザイナーと比較して若干低い結果になりましたが、安定した収入を見込むことができそうです。
デザイナーが収入アップを目指すためには、実績と経験を積んで、転職することです。高いスキルを持っているデザイナーは、どの業界においても重宝されます。財務状況が堅調で、高い給料を払ってくれる会社に転職することで収入アップは十分に見込めます。
自分で転職先を探すことが難しい場合は、プロの転職コーディネーターに相談に乗ってもらうと良いでしょう。
デザイナーの中には、正社員からフリーランスに転身している人も少なくありません。フリーランスになることで収入が不安定になるイメージがある人もいるかもしれませんが、受注案件を増やし、単価を上げることで収入アップを実現している人もいます。
詳細なプロフィールページをつくり、自分がどんな人間か、これまでどんな仕事をしてきたのかをクライアントに分かりやすくアピールすることで案件受注につなげている人もいます。
フリーランスを専門にキャリアアップや年収アップの相談に乗ってくれるコーディネーターもいるので、不安がある人は頼りにしてみても良いかもしれません。
仕事の実績を積んで、センスやスキルを磨いてもなかなか収入がアップしないときは、デザイン以外のスキルを向上させるのも1つの手段です。
例えばWebデザイナーの場合、デザインだけでなく企画の提案やコーディングなどもできるようになれば、クライアントからの信頼も厚くなり収入アップにつなげることができます。
また、デザイナーの仕事はチームで動くことも多いため、マネジメントスキルも重要となります。マネジメント経験のあるデザイナーはどの業界でも重宝されます。敬遠せずに、経験を積んでおくと良いでしょう。
③総務省の事業所・企業統計調査、経済センサス、経済産業省の特定サービス産業実態調査などのデータを参考にすると、2009年のデザイン業の事業所数は10,578件でしたが、2012年は9,080円、2014年は9,010件と年々減少し、2018年は7,289件となり、厳しい状況となっています。
しかし、CGデザイナーやWebデザイナーなど、さまざまな業界から必要とされているデザイナーは多く、実績やスキルが高い人は年収アップが見込めます。
収入アップのために、転職や独立する際には、転職エージェントや転職コーディネーターなどの支援サービスを受けることが推奨されます。支援サービスを利用することで、デザインの価値を高く評価している企業や、今後伸びていく分野の情報などを得ることができます。
転職エージェントや転職サイトに登録しておくことで、企業からのオファーが届くかもしれません。自分の可能性を広げるために、登録しておいても損はないでしょう。
実績やセンスが重視されるデザイナーは、ポートフォリオ(作品集)を充実させておくことが大切です。ポートフォリオを見てスキルが判断されることも少なくありません。実際デザイナーが転職する際や、独立して仕事を得る場合には、ポートフォリオの提出を求められることが多くあります。
自身の得意分野やセンスが活かせるように、日頃からポートフォリオをアップデートしていくようにしましょう。
近年、デザイン業界の事業所数は減少傾向にあり、デザイナーにとっては厳しい状況となっています。しかし、実績と実力のあるデザイナーは高収入を実現しており、デザイナー間で、スキルや収入に差が生まれやすくなっています。
トレンドをつくり、自分のセンスが活かせるデザインの仕事はとても魅力的です。資格を取得したり、スキルを磨いたりすることで、高収入も期待できます。まず何からはじめるべきか、アンテナを張り巡らせ積極的にチャレンジしてみましょう。
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