PHPエンジニアの単価相場や年収は？好条件の求人を獲得する方法も解説

PHP案件の単価相場

フリーランスHubに掲載されているPHPの案件情報によると、月額単価相場は70万〜80万円がボリュームゾーンです（2025年3月時点）。
PHPの案件で最も多い層を年収に換算すると、年収840万〜960万円になります。

単価が低めの案件では、PHPのみを使った簡単な開発や既存システムの維持管理業務などがあります。
高単価案件になるとクラウドを使った開発やマネジメント経験、3年から4年以上の実務経験を求められる内容になるなど、高いスキルと知識やマネジメント力、リーダーシップなどが求められる傾向にあります。

さまざまなエンジニア職の年収について知りたい場合は、「エンジニアの仕事内容や種類とは？働き方や職種に必要なスキルを解説」の記事を参考にしてください。

PHPの仕事の案件数

フリーランスHubでは、PHPのフリーランス案件数は37,621件あります（2025年3月時点）。Java、JavaScriptに次いで案件数が多いプログラミング言語となっています。
PHPの職種別の案件数では、上位3つがサーバーサイドエンジニア（9,977件）、バックエンドエンジニア（4,989件）、フロントエンドエンジニア（3,645件）となっています。
また、業界別でPHP案件数を確認すると、上位3位はサービス（15,352件）、IT（6,080件）、EC（4,792件）です。

PHPは需要が高いプログラミング言語であり、さまざまな領域で必要とされています。

フリーランスとして働きたいとお考えのエンジニアは、「フリーランスの年収は？中央値や手取り相場、収入アップの方法を紹介！」の記事も併せてご覧ください。

高単価のPHP案件を獲得する方法

ここでは、高単価のPHP案件を獲得する方法を紹介します。

ほかのプログラミング言語を身に付ける

高単価のPHP案件では、PHP以外のプログラミング経験が求められるケースがあります。ほかのプログラミング言語を身に付けると、高単価な案件に挑戦できる可能性が高まります。

たとえば、Webサイト制作の土台となるHTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語がおすすめです。フロントエンドエンジニアの案件の選択肢が広がります。

また、AI・機械学習やデータ収集などの分野に興味がある場合は、Pythonを習得するのがおすすめです。
プログラミング言語・Pythonについて詳しく知りたい場合は、「PHPとPythonどっちを習得すべき？両者を比較して違いを把握しよう」の記事をご覧ください。

トレンドの知識を身に付ける

トレンドの高い分野では、仕事の単価も高くなる傾向があります。
世の中で流行しているものや新たに開発された技術にアンテナを張り、情報収集をしましょう。トレンドの知識を身に付ければ、需要が高く、好条件のPHP案件を獲得できるチャンスが生まれます。

上級資格を取る

PHP関連の上級資格を取ることは、高単価案件の獲得につながります。資格を持っていれば自身が持つスキル・知識を証明できるため、案件獲得時に有利になります。
また、資格試験を受けることはスキル内容の正しい理解と振り返りにもつながります。

PHP関連の資格には、たとえば「PHP認定技術者試験」があります。
「PHP関連資格のPHP認定技術者試験とは？難易度や取得メリットも解説」の記事で詳しく解説しているのでご参照ください。

大規模案件に必要なスキルを身に付ける

高単価なPHP案件の一つは、大規模なプロジェクトに関わる案件です。大規模なプロジェクトに参画するために必要なスキルを身に付けることで、高単価案件が獲得できます。

大規模な開発は利便性向上のためのアップデートを頻繁に行うため、ノウハウが必要です。
また、規模の大きい開発案件はチームやクライアントとの綿密なやり取りが求められるため、コミュニケーション能力も求められます。

上流工程やマネジメントの経験を積む

上流工程やマネジメントに携われるPHP案件は、高単価である傾向があります。

システム開発の工程において、要件定義や基本設計などが上流工程にあたります。
上流工程を担当するには、システム開発に関する豊富なノウハウのほか、チームをまとめるリーダーシップやクライアントとのやりとりを行った経験が必要です。また、プロジェクトを牽引するマネジメント経験も不可欠です。
詳細設計やコーディング以降の経験も踏まえた上流工程のマネジメントができると、PHPエンジニアとしてで高く評価されるでしょう。

マネジメントのポジションを務める職種にはPM（プロジェクトマネージャー）があります。PMの詳細は「PMとはどのような仕事？必要なスキルや年収について紹介」の記事を参考にしてください。

PHPとはどのようなプログラミング言語？

PHP（Hypertext Preprocessor）とは、WebサイトやWebアプリケーションの開発において非常に多く用いられるプログラミング言語です。オープンソースのスクリプト言語で、The PHP Groupによって開発されました。
PHPはサーバーサイドで動作し、Webページに動的な処理を行うことが可能です。

PHPはブラウザの種類や環境に左右されないこと、データベースとの連携が容易であることなど利用するメリットが多く、WebサイトやアプリケーションからECサイトまで、さまざまなコンテンツを作るのにPHPが使われています。
PHPが活用されているWordPressなどのCMSやSNS（ソーシャルネットワーキングサービス）の需要が高まっており、PHPの単価額は今後も期待できるものになるでしょう。

PHPと同じくWeb開発において需要が高いプログラミング言語に「JavaScript」があります。
「JavaScriptとPHPの違いとは？初心者向けにわかりやすく解説」では両者の違いを詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

PHPの将来性

PHPは今後も引き続き需要が高いとみられているプログラミング言語です。その理由としては、WebサイトやWebアプリケーションのサーバーサイド開発に必要な機能を持っていること、現在非常に注目を集めているSNSやデータベースに深く関連する言語であることなどが挙げられます。

近年はRubyやPythonの人気の高まりを受け、PHPの将来性に不安を持っている人もいるかもしれません。
しかしそれぞれの言語には強みがあるため、今後も目的に応じて使い分けて活用されると予測されます。そのため、PHPが別のプログラミング言語と完全に置き換わってしまう可能性は少ないと考えられます。
PHPは世界中のWebサイトで使われているプログラミング言語であり、PHPの知識・スキルを深める価値は大きいといえるでしょう。

PHPエンジニアのキャリアパスに関心がある人は、「PHPの仕事を開発ジャンルごとに紹介！メリットや収入、仕事先の選び方も」をご覧ください。この記事では、未経験者がPHPエンジニアになる方法についても紹介しています。

PHP案件の仕事内容

PHPを使った仕事の主な案件は、Webアプリ開発やシステム開発、ゲーム開発などです。
PHP案件のそれぞれの仕事内容について解説します。

Webアプリ開発

PHP案件の仕事内容の一つは、Webアプリ開発です。
PHPを活用することで、動的なWebページを作成できます。また、PHPは読み込み速度が速い特徴があり、Webアプリの開発に向いているプログラミング言語です。

さらに、PHPはこれまでに世界中で多くのサービスの開発において活用されてきたため、オフショア開発にも向いています。

システム開発

PHPは、システム開発にも利用されています。

従来、業務システムは企業内のオンプレミス環境で運用されていましたが、近年はクラウドサービスとして運用されることも増えました。システムがインターネット上のサーバーで動作するため、セキュリティや情報共有、コスト軽減などの運用面でのメリットが多いためです。
以下の業務システムは、PHPによる開発が盛んです。

• 検索システム
• 予約システム
• 経理システム
• 在庫管理システム

PHPは既存のシステムとの連携もしやすく、開発しやすい言語です。

ゲーム開発

PHPの仕事内容には、ゲーム開発のエンジニアを募集する案件もみられます。

ゲーム開発に向いているPHPの特徴は、サーバーサイド実装に適している点やステートレスなプログラミング言語である点です。また、文法がシンプルで効率よくゲーム開発が進められることもメリットです。

ゲーム開発には、PHP以外にもさまざまなプログラミング言語が使用されています。
「ゲームプログラマーがきついって本当？仕事内容や収入について解説！」の記事には業務ごとに使用されるプログラミング言語や得られる年収、必要なスキルなどについて解説しています。ゲーム開発の仕事に興味をお持ちの方は、併せてチェックしてください。

PHP案件に必要な知識・スキル

PHPの仕事に必要な能力を身に付けることで、案件が獲得しやすくなったり単価額が上がったりする可能性があります。
ここでは、PHP案件に求められる知識・スキルを紹介します。

フレームワークの知識

プログラムを記述して開発を行う際、より短期間で正確な記述を行うためにフレームワークやライブラリを活用することが一般的です。PHPにもフレームワークが充実しています。

PHPのフレームワークには、LaravelやCakePHP、Symfonyなどが挙げられます。PHPのフレームワークにはそれぞれに特徴があります。目的や開発環境に合わせて使いこなせると、PHPエンジニアとして重宝される存在になるでしょう。

「PHPフレームワークとは？習得のメリットやおすすめの枠組みを紹介」では、ここで紹介した以外のフレームワークも解説しているので、併せて参考にしてください。

データベースの知識

WebサイトやWebアプリケーションの開発案件ではさまざまなデータを扱います。そのため、データベース（DB）を使用する知識・スキルは必須です。
データベースを深く理解すれば保守のスキルが向上するため、PHPエンジニアとしての専門性が高まります。

PHPはデータベースへのデータの保存や取り出しを制御します。データベース自体はSQL言語で動作するため、SQL言語を理解する必要があります。SQLに関するPHPコマンドの意味や使い方をマスターしましょう。

SQLについて詳しく知りたい場合は「SQL関連の仕事は？活用する主な職種と言語習得のメリット」の記事を参考にしてください。

セキュリティの知識

PHP案件に取り組む際には、セキュリティの知識が必要です。
PHPにおいて考えられる脅威の例には以下のようなものがあります。

• SQLインジェクション
• クロスサイトスクリプティング（XSS）
• クロスサイト・リクエスト・フォージェリ（CSRF）
• セッションハイジャック
• スタックバッファ・オーバーフロー

安全性を確保するためにPHPの期弱性やサイバー攻撃について知り、あらゆる脅威への対策を行いましょう。

コミュニケーション力

PHPエンジニアとして仕事をするときには、コミュニケーション力が重要です。

PHP案件に取り組む際には、チームメンバーとコミュニケーションを行い、業務を円滑に進める必要があります。また、問題の原因を正しく説明する情報伝達スキルや、クライアントの要望から意図を汲み取るヒアリング力などが求められます。

PHPのメリットとデメリット

ここでは、PHPのメリットとデメリットを紹介します。

PHPの主なメリットは下記のとおりです。

• 無料で利用できる
• 比較的習得しやすい
• コミュニティが多く学ぶ場が豊富
• 汎用性が高い
• フレームワークやライブラリが豊富
• 求人案件数が多い

一方で、PHPのデメリットには以下のようなものが挙げられます。

• モバイルアプリの開発には不向き
• セキュリティ面に注意を払う必要がある
• 記述ルールにばらつきが生じやすい

PHPはオープンソースのプログラミング言語であるため、無料で利用できます。また、習得難易度が比較的低く、コミュニティも多いため、初心者にもおすすめのプログラミング言語です。
PHPのデメリットについても留意し、PHPへの理解を深めましょう。

PHPの勉強方法

PHPを勉強するには、次のような方法があります。

• 書籍を読む
• ブログや情報共有サイトで調べる
• 学習サイトを利用する
• スクールに通う

すでに他の言語スキルがあるエンジニアであれば、書籍やブログの記事などを参照して自力で習得できるでしょう。エンジニア初心者の場合は、それらに加えて学習サイトを利用することや、スクールに通うことも選択肢の1つです。
詳しい勉強方法については、「PHPの学習方法とは？初心者がまずすべき事について解説！」をご参照ください。

まとめ

フリーランスHubによれば、PHP案件の単価相場は、月収70万～80万円台がボリュームゾーンです（2025年3月時点）。PHPの仕事内容にはWebアプリや業務システム、ゲーム開発などがあります。

高単価案件を得るには、PHP以外のプログラミング言語を身に付けたり、トレンドの知識を身に付けたりすることが必要です。また、上級資格の取得や上流工程・マネジメントの経験が求められます。
PHPスキルに加えて、幅広い知識・スキルを備えることで、さまざまな案件で主戦力として活躍できるでしょう。