エンジニア案件で知るベストな働き方とは?市場動向や特徴を知って活躍しよう!

仕事でもプライベートでも、今や私たちの生活においてITは不可欠のものであり、社会の重要インフラとして暮らしを支えるものとなっています。ここ数年でPCやスマートフォン、タブレット、スマートTV、IoT機器、ウェアラブルデバイスなど、つながるデバイスも多様化が進み、シーンに応じて使い分けることも多くなりました。インターネットのネットワーク環境としても、高速通信が広く普及し、今後はさらなる高速化や、大量データの迅速なリアルタイム処理が可能になっていくでしょう。こうした変化に伴い、ITエンジニアの案件市場にも、数・質ともに変化が生じてきています。

かつては意識的に用いられていたデバイスやインターネットも、今日ではまるで身体の延長のように、意識することなく使えるアイテムと環境が整い、人々の意識も変化、ごく身近な存在として24時間365日、その恩恵をあらゆる面で受け取り、失って初めて気がつくほど、自然なかたちで高い利便性と快適性を享受しています。それだけ市場ニーズも多様なかたちで増加し、これを満たすための開発案件が増加、エンジニアたちの活躍の場が広がっているのです。

もちろん、画期的に便利なったことを実感させられたり、これまでにないショッピング体験やコミュニケーションを体感したり、用いられている先端技術に驚きを感じ、新たな可能性や未来を見る体験をすることもまだまだあります。そしてその驚きはやがて当たり前になり、また新たな次元が開かれていく、その背景には、対象技術やサービスを開発する多数のITエンジニア案件があり、それをこなしたエンジニアたちの働きがあります。実際に案件動向をみてみれば、その活発さと市場の広がりがいかに顕著なものであるかが理解されるでしょう。

ITの可能性は、まだ十分に活用が進んでいない領域もあり、これからも大きく拓けていくことが確実といえる情勢です。そしてさらにインフラとしての重要性を増し、今以上に、これなしでは生活できない、ビジネスも経済も成り立たない、社会が回らないという世界が構築され、続いていくものと考えられます。このような世界を支える仕事の案件として、ITエンジニアの案件はますます増加の勢いと多様性を増し、重要で引きの強い領域になっていくと予想されるのです。

世界そのものを支える最重要物のひとつとなってきたITだからこそ、これを開発し、運用・保守を手がけるエンジニアの人々の存在なくしては、たちまち機能不全に陥ってしまいます。それゆえエンジニアを求める案件が絶えることはありません。案件に基づくエンジニアの活躍があってこそ、今のITインフラに基づく社会システムがあり、人々の暮らしがある、当たり前が支えられているのです。そしてそれは今後も変わることはないでしょう。

ITの重要性が増し、案件も増加する一方である以上、今後のITエンジニアに対するニーズは上昇こそすれ、減衰することはありません。しかし仕事案件が増加する中、世界的にITエンジニアの不足は深刻度を増しており、中でも日本国内の人材不足は今後、さらに厳しさを増してくると予想されています。経済産業省が、独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センターより、2019年3月に発表した「IT人材白書2020」によると、エンジニアを含むIT人材は、2030年になると需要が中程度の伸びとしてシミュレーションした場合でも約45万人の不足、さらに高い需要の伸びとなった場合には、約79万人もの不足になるとされているのです。

ITエンジニアは貴重な存在として強く求められ、正社員エンジニアだけでなく、契約や派遣、フリーランスなど、市場にあふれる案件から、さまざまな働き方を選択するエンジニアの活躍も重要となってくるでしょう。今回はこのITエンジニアにスポットを当て、その市場案件を中心に、ベストな働き方や業界動向、必要スキル、理想のキャリアプランなどについて、詳しく解説していきます。

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ITエンジニアとは?知っておきたい基礎知識

まず基本事項として、ITエンジニアの定義を押さえておきましょう。ITエンジニアとは、IT(Information Technology・情報技術)に関わるエンジニアを意味し、エンジニア(engineer)とは、工学(エンジニアリング)についての専門的な知識やスキルを持った人材のことです。つまり、インターネットをベースとする今日の情報技術のプロフェッショナルな技術者、専門家たる技術者と考えれば良いでしょう。

一口にITエンジニアといっても、その幅は非常に広く、IT関連の技術を駆使して働く人の総称として使われているため、細分化すると、現場もスキルも全く異なる、さまざまな技術者がこれに含まれています。主な職種をまとめておきましょう。

システムエンジニア

システムエンジニア(SE)は、コンピュータシステムの開発において、クライアントの要望を聞き取り、最適な技術的提案から設計、開発、テスト運用までの一連の工程を担う技術者です。クライアントと直に接することが多いエンジニア職であるため、案件をこなす上でコミュニケーション能力が求められる傾向にあり、経験を活かした提案力も重要になります。

案件によっては設計書・仕様書の作成が中心で、実際のプログラミングはプログラマーに任せるケースもありますが、システムエンジニア自身が現場のプログラミングまで担うケースの案件もあり、言語知識とスキルは欠かせません。データベースやネットワークなど、幅広い知識と技術の習得を図り、あわせて実務経験を豊富に積むことなどで、収入アップを目指しやすい職種でもあります。

プログラマー

システムエンジニアが作成した仕様書をもとに、求められるシステムを実際に構築したり、機能実装を行ったりするコーディングを担当します。案件によって要求されるプログラミング言語はさまざまですから、業界トレンドも意識しつつ、複数の言語をマスターし、素早く操れる言語を増やしておくことが、仕事の幅を広げ、キャリアをアップさせることにつながってきます。

対応するシステムや使用言語により、Webプログラマー、アプリケーションプログラマー、組み込みプログラマー、PHPプログラマー、Javaプログラマーなど、細分化して呼ばれる場合もあります。それぞれに特化した案件、複数のジャンルにまたがるスキルを要する案件など、さまざまなタイプがあり、それによって単価にも違いがみられます。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接目にするWebサイトのページ表示や操作部分、入力を行うなどして触れる部分を開発するエンジニアです。フロントエンドと呼ばれる、ブラウザ上で動くプログラムの表面部分を担当する技術者で、HTMLやCSS、JavaScript、PHPなどを用いるケースの案件が多く、UI・UXを意識した開発センスが求められます。ユーザー目線に立った面白さ、快適さを支えるデザインの知識も必要で、Webデザイナーからキャリアアップする場合もあります。

昨今はモバイルシフトも進んでいることから、多くの案件でマルチデバイス対応、モバイル対応が必須となっており、これらアクセスに用いるデバイスの違いがあっても、変わらず快適に使えるシステム環境の構築、設計が求められています。

バックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)

フロントエンドエンジニアに対し、ユーザーの目には直接触れることのない部分(バックエンド)の根幹システムについて、担当するのがバックエンドエンジニアやサーバーサイドエンジニアと呼ばれる技術者です。案件を出したクライアントの目的に合わせ、最適なサーバーの台数やスペックを決定、実際の構築を行い、運用・保守についても専門家として対応します。

新規開発の案件では、障害が起きた場合でも、サービスを止めることなく維持できるよう、予備のサーバーを用意するなど冗長化を図ったり、負荷を分散させて急激なアクセス集中時のサーバーダウンを防いだりといった工夫が求められます。既存サービスにおいて、ビジネスの成長やトレンド変化などに合わせ、そうしたバックエンドの強化・改善を図る案件も多くあります。構築においては、OSやアプリケーションのインストールと設定、サーバーの固定、ネットワークケーブルの配線など、現場で直接機械に触れる作業も行います。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、ITのインフラストラクチャー(infrastructure)、基盤部分を担う職種で、サーバー構築やネットワーク管理、クライアント端末の設定などの案件において業務を提供します。継続案件も目立ち、障害発生時の即時復旧作業も重要な仕事で、上部サービスが問題なく動く仕組みを、縁の下の力持ちとなって支え続ける専門技術者といえます。担当する案件のメンテナンス実行や障害対応は、休日夜間に求められる場合も多く、不規則な働きになることが少なくありません。

ネットワークエンジニア

ITインフラの中でも、とくにネットワークシステムの設計や構築、運用・保守を専門的に担うのが、ネットワークエンジニアです。ルーターやスイッチ、DNS、メールシステム、ファイアウォールなど、ネットワークにかかる高度な知識とスキルが求められる案件が多くなっています。また昨今は、とくにセキュリティ関連の重要性が増し、その点に重点を置いた案件も目立ってきています。プログラミングなどの基本的な開発スキルも不可欠であるため、システムエンジニアからキャリアチェンジする人もあります。

データベースエンジニア

その名の通り、データベースを専門に扱うエンジニアです。データベースの設計や開発、運用・保守案件で働きます。一定のルールでデータを整理整頓して格納し、スムーズに取り出せる仕組みを整えます。近年は市場でもビッグデータの活用に高い関心が寄せられており、関連する案件も徐々に増えてきました。この処理にはデータベース技術がきわめて重要な役割を果たすこととなりますから、データベースエンジニアの知見とスキルも強く求められています。

制御・組み込みエンジニア

制御・組み込みエンジニアは、PCやコンピュータシステムではなく、産業用機械やロボット、自動車、家電製品といったプロダクツに組み込まれるソフトウェア(ファームウェア)の開発を、エンタープライズ案件で専門に担う技術者です。独立した機器の中に、組み込まれたコンピュータを制御するシステムを開発・実装するといった案件が多く、デバイスの多様化やIoT化により、ニーズが増しています。

ITエンジニアに含まれる主な職種を挙げましたが、この他にも業務系エンジニアやWebエンジニア、セールスエンジニア、マークアップエンジニアなども分類名称として存在します。これらさまざまな職種は、必ずしも明確に境界があるものではなく、区切り方が異なったり、概念としてまとめられたりする場合があるほか、案件によって1人のエンジニアが兼任したり、キャリアチェンジで複数の領域の知識とスキルを有しているエンジニアが求められたりすることもあります。

業界として対象範疇が広く、案件市場が大きくなり、また技術の高度化が加速度的に進んでゆく中で、今後さらに専門の細分化が進み、新たなITエンジニア職種として認知されるものが生まれてくる可能性もあるでしょう。一方でニーズの変化や、技術進展により対象業務の自動化が進むなどして、個別専門家としての必要性が薄れ、それに特化した案件が減少、職種としても統合されるものが出てくる場合もあります。職種分類は、あくまでもある程度可変性のあるものと考えておいてください。

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ITエンジニアの仕事スタイル

ITエンジニアは慢性的な人材不足にあり、働く場を見つけることに苦労することはあまりありませんが、どのように働くかの選択によって、その仕事のスタイルやプライベートとの兼ね合いでみたライフスタイル、待遇・収入面などで大きな違いが生じてきます。さまざまな働き方の形態がありますから、それらの特徴について1つずつみていくこととしましょう。

正社員

最もシンプルで想定しやすい働き方として、正社員として会社に勤め、ITエンジニアとして働くというスタイルがあります。工学分野を学んできた学生が新卒で採用されたり、プログラミングスクールを経て社会人採用されたりと、入り口はさまざまですが、その企業と雇用契約を交わし、所属することで業務をこなし、給与というかたちで収入を得ます。

未経験で採用し、社内でしっかりと研修や人材育成にかかる教育を施す企業もあり、仕事内容としてキャリアパスがしっかり作られているケースも多いでしょう。正社員として希望企業に採用されれば、何より高い安定性を確保でき、新たな必要技術を身につけやすい環境も得られます。充実した福利厚生や、労働者として保護される権利、社会保険などの利点に加え、ボーナスを受け取ることもできるでしょうます。

一方で国内企業の場合、まだまだ定時出勤で残業も多く、繁忙期やトラブル発生時にイレギュラーな時間勤務を強いられるなど、時間的制約、業務での拘束時間の長さに悩まされるケースも少なくありません。柔軟な働き方が難しいことから、会社員エンジニアとして働き続けられなくなること人もあります。近年は育児・介護休暇を充実させたり、フレックスな就業形態を取り入れたりする企業も出てきていますが、基本的に自由度は高くないことは覚悟しておかねばなりません。

また、基本的な待遇面は優遇されており、かつ他の平均的なサラリーマン職種と比較すると、ある程度高めの給与が得られるものの、早い段階で専門性の高い技術や設計力を身につけても、なかなか給与体系に反映されない、昇給タイミングを待つ必要があったり、年功序列の仕組みが強く働いていたりと、自身の市場価値が報酬面で正当に、十分に評価されているとはいえない場合もあります。もちろん給与体系や昇給の度合いは、その企業の業績や市場景況感などにも、大きく左右されることになります。

担当する業務についても、決定権が会社側にありますから、希望するプロジェクトに参加できるとは限らず、望まない部署で興味関心とは異なる案件の業務に長く携わらなくてはならなくなる場合もあります。

派遣

業務を行う場の企業に直接雇用されるのではなく、派遣会社に所属し、派遣で働くITエンジニアも多く存在します。雇用契約は派遣会社との間で結び、その企業に自身の持つスキルや実績を登録して、技術力を必要としている企業や組織のもとに向かい、業務を行います。雇用契約は派遣会社との間にありますが、指揮命令権は派遣先企業にあるため、業務上の指示は現場担当者などから直接受けるものとなります。

登録したスキルをもとに、派遣先の案件を派遣会社が提案してくれるため、ミスマッチが少なく、その技術、その領域のプロフェッショナルとして、さまざまな現場経験を積み、働いていける点にメリットがあります。派遣先となる仕事の案件や、その待遇・条件面、勤務時間などについては、派遣会社側が交渉・管理を一括して行ってくれますから、残業やイレギュラーな時間外勤務、休日出勤などは最小限に抑えられ、決まった時間の中で業務に集中できる点もメリットで、ワークライフバランスを保ちながら、自身のキャリアプランで技術を磨いていきやすい良さがあります。

一方で、正社員に比べると福利厚生面の充実度が低く、ボーナスを得られないこともあります。また登録型派遣の場合は一つひとつの案件はある程度短期で契約が終了するため、一定以上のニーズのあるスキルがなければ、なかなか案件が紹介されず、仕事が不安定になってしまうリスクがあります。地域や市場のトレンドによっては、自身のキャリアプランと紹介される案件の相性が悪く、十分に力を発揮できない、望むキャリアアップが図れない場合もあるでしょう。

収入はエンジニアとしてのスキルレベルや経験・実績、所属する派遣会社によって大きく異なりますが、時給換算では正社員並みとなっている人もみられます。

フリーランス

特定の企業や組織に所属せず、個人で仕事の案件を得て働くのが、フリーランスのITエンジニアです。独立し、個人事業主として個々にクライアントと契約して求められる業務を行い、その対価を得ます。案件により、自宅で開発作業を行ったり、クライアントのもとに出向いてプロジェクトにメンバーとして参画し、開発やサービスの運用に携わったりします。自らWebサービスやアプリケーション、ソフトなどを開発し、そこから収益を得るエンジニアもあります。

仕事の内容や量、業務に従事する時間、場所など、全て自己裁量で契約により自由に決定できることが大きなメリットであり、積極的に案件をこなして収入をどんどん伸ばしていくことも可能です。自身の持つスキルを存分に活かして活動するスタイルとなるため、市場価値の高いスキルや経験、他の人にない強みを持ったITエンジニアであれば、年齢などに関係なく、高い評価と報酬を得られる点もメリットです。効率的に仕事をこなし、拘束される時間を減らしながらも、正社員より高額な収入を得られているフリーランスITエンジニアも多く存在します。

そうしたメリットがある一方、仕事の案件を獲得できなければ、基本的に収入が途絶えてしまいますから、そのリスクと不安定さがデメリットとしてあります。他のフリーランス職種に比べると、ITエンジニアの場合、かなり市場ニーズが高いため、比較的案件探しとその獲得に困ることは少ないものの、常に仕事があり、給与がある会社員エンジニアとは違うことを認識しておく必要があります。

また、福利厚生や社会保険の恩恵も得られないため、自身で備えなければなりません。営業から契約、業務の進捗管理、会計・経理、税金処理などについても、全て自身が行うのがフリーランスですから、専門とする技術のスキルだけでなく、基本的なビジネス知識や法律・契約に関する知識を身につける必要もあります。しかし、きちんと知識をもって対処すれば、経費の計上で会社員エンジニアより、大きな節税メリットを得られるといった有利な面も出てきます。

こうしたメリット・デメリットのベースで、スキルと実務経験、実績が強く問われ、即戦力としての働きが求められるため、企業などで一定の現場経験を積んだ後、フリーランスとなるケースが一般的です。

フリーランスのITエンジニアにも、働き方や契約形態で違いがありますから、以下はその点を解説します。

常駐型

常駐型は、クライアントが求める場所に出向き、その現場に常駐して業務を行うタイプの案件です。サーバーエンジニアが、システムを構築する企業の社内や関連施設で作業を行うといった例が典型的な事例です。指定された場所に常に出勤するスタイルとなりますから、見た目には会社に勤務するITエンジニアと似た振る舞いになりますが、あくまで雇用による主従関係のもとにはなく、業務委託契約に基づいて働きます。

クライアントにとっては、すぐにその場で技術的な相談も行いやすい、目の届きやすい場所で業務を提供してもらえ、情報漏洩やセキュリティ面での不安が少ないといったメリットがあります。エンジニアにとっては、現場状況をリアルタイムに理解し、作業を調整したり、必要な指示を出したりできる点などがメリットとなります。

在宅型

在宅型は、受注した案件を作業場として構えた自宅ワークスペースや、コワーキングスペースなど、自身に都合の良い場所で進めるものです。オンライン環境を活かして業務を行うテレワーク、リモートワークと同様のスタイルで、より自由に仕事をすることができます。フリーランスで在宅型の案件を受注すれば、同時に複数の案件をこなすことも可能です。毎日、特定の場所に出向く必要もなく、時間を効率良く使えるといったメリットがあります。

ただし、契約内容によりますが、業務を行う上で必要となった通信料、電話代やインターネット接続料金などについては、フリーランスエンジニアの自己負担となるケースが多いでしょう。

準委任契約

契約の種類では、主に2種類があり、準委任契約は常駐型の案件で多く、決まった期間にスキルやそれを用いた作業時間労働を提供することが求められるものです。契約によって設定された期間、業務を提供し、その時間によって報酬が支払われます。スキルを提供し、その時間、作業にあたることが契約の内容であるため、業務の結果や、それによって生み出された成果物のいかんが問われることはありませんが、善管注意義務による責任については問われる可能性があります。。

#請負契約

請負契約は、完成した成果物の納入をもって報酬発生とする契約です。ある業務システムの開発を30万円で受請け負った場合、ITエンジニアは成果物として、契約において約束した通りの仕様できちんと動作する、完成した形の業務システムをクライアントに渡す責任があり、クライアントはその納品を受けて、30万円という決まった報酬を支払う責任があります。これが請負契約です。

問われるのは成果物ですから、どこでどのようにして、どれだけの時間をかけて仕上げたかは問題ではありません。そのため作業を行う場所や時間帯は、原則としてエンジニア側が自由に決定することができます。契約で期限が決められていない場合は、50時間の作業時間で仕上げても、200時間、300時間といった長時間の作業を要しても、30万円という報酬は変わりませんから、効率良く進めるほど、時間あたりの単価は高いものとなります。

しかし、成果物の質についても、一定の責任を負うものとなることから、事前に打ち合わせた仕様と違う、正しく安定的に動作せず、納品後のトラブル・修正対応が繰り返し発生するといった場合、報酬を減じられる場合があります。また納品遅れや、設計・開発不備におけるトラブルでクライアントの事業展開に甚大な損害を与えた場合、損害の賠償を求められることもあります。

成果物として納品したものの質をどこまで保証するのか、確認期間はいつまでか、やむを得ない事情で納品が遅れた場合の措置や、報酬の支払いタイミングなど、細かな点まで契約時に確認し、互いが十分な認識の共有を図って明示・契約しておかなければ、トラブルが起こりやすい面があることに注意が必要です。

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ITエンジニアの仕事の内容

ITエンジニアの仕事は、その職種によってシステムやサーバー、アプリケーション、ゲームデザインなど、主に関わる領域に違いがあり、その中の案件によっても実にさまざまであるため、これと規定して明示することは困難ですが、対象とする分野においてどういった作業を行うか、どのような役割を担うかという点では、多くの共通点を見出すことができます。

こうした大まかな作業フロー的観点で、ITエンジニアの仕事には、主にどのようなものがあるのか、みていくこととしましょう。

企画・設計

クライアントからヒアリングを行い、現状抱えている問題や、このプロジェクトによって実現させたい内容、要望をくみ取って、それらのために技術的には何をすれば良いのか、考えるところから仕事が始まります。考えられる提案を行い、企画として納得してもらえれば、システムやネットワークなど、具体的にどういった構成にすれば最も効率良くそれを実現させることができるのか、要件定義を行います。要件定義は業務の土台となる非常に重要な作業で、プロジェクトの成否を握るものとなることも少なくありません。要望を具体的な設計に落とし込むための策を探るプロセスもここに含まれ、技術的な知識はもちろん、幅広い経験と知見が求められます。

要件定義が行えたら、続いて具体的な設計フェーズに入ります。必要な性能・機能、人員、開発期間や完成後の運用スタイル、またセキュリティ面はどうかなど、予算との兼ね合いも考えながら、具体的な業務の流れや仕様を細かく決定していきます。高い効果が発揮されるよう、高度な機能の実現・実装を考えることも重要ですが、ユーザーとなるクライアントスタッフなどが実際に用いていくことを想定し、導入目的に合う仕様とすること、業界やビジネスの特徴を加味した使い勝手の良い仕上がりとすることが、より大切なポイントになるでしょう。

決定した内容から基本設計書をまとめ、クライアント側とあらためてレビュー・確認を行い、現場の開発へと回します。ここまでのプロセスを、上流工程といいます。

開発・テスト

先にまとめた仕様書や基本設計書に基づき、実際のシステムやページ、サービスとしてプログラミングを行っていくなど、構想を現場で形にする工程です。設計の工程を含めて開発業務とする場合もあり、どのような切り分け方をするかは、クライアントや案件によって違いもみられます。分業化の進んだ大規模案件などでは、プログラミングはプログラマーに一任し、ITエンジニアはプロジェクトの管理マネジメントや、テスト、合意形成などに集中するケースもあります。一方でマルチな活躍が求められるスタートアップの案件や小規模案件などでは、ITエンジニアが直接コードを記述する作業も担うことが多いでしょう。

ある程度開発が進んだら、仕様書・設計書通りに動作するか、確認テストを行います。テストレビューで問題が確認されたら、どこにソースコードの欠陥があるのか、そもそもの仕様に問題はないかなど確認を行い、デバッグを実施、バグを取り除いて改善を図ります。

納品・運用・保守管理

当初の企画・設計に基づいた開発が完了し、正常に動作することまで確認できたら、クライアントへ納品となります。今後、そのシステムなどを用いていく上で必要な運用マニュアルやシステム設計書、プログラムなどもまとめて作成・整理し、資料として提出するのが一般的です。

ITは現場で使用され、便利に活用されてこそのものです。安定性や安全性も重要な観点であり、あらかじめ想定されるエラーやトラブル・障害に備えた仕組みを整えておくことも欠かせません。しかし、どれほど優れたシステムとして構築しても、実際に運用する中で問題が発生してくることもあります。ビジネスを取り巻く環境が、想定の時点とは大きく変化し、対応できなくなる、上手く機能しなくなるといった場合もあるでしょう。

こうした際に、再び力を発揮し、インフラ基盤を含めた開発システムやプログラムの運用、保守管理を行うのも、ITエンジニアの重要な任務です。変更を加えた場合、安定稼働するまでの一定期間は、とくに丁寧にサポートにあたり、不具合への対処を進めることが大切です。

ある程度の期間、実際にクライアントがビジネスで用いることにより、さらにベストな仕様や補うべき機能、問題解決策が浮かび上がってくることもあります。そうした場合には、クライアントからの要望により、機能追加や仕様変更に応じるといった仕事も行います。

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ITエンジニアに必要なスキル

雇用契約のもとで働く場合でも、フリーランスで働く場合でも、ITエンジニアには、直接的な技術面の能力だけでなく、さまざまなスキルが必要になります。優秀なエンジニアは、多岐にわたるそれらの能力をバランス良く高度に保持し、専門とする領野のスキル・知識を支えるものとして、日頃から発揮できているものです。市場価値が高く、“できる”ITエンジニアとなるために、必要なスキルをまとめておきましょう。

IT全般に関する基礎知識・基本スキル

ITエンジニアとして活躍するには、自身の専門とする領域だけでなく、IT全般について、その基礎的な部分、概要としての知識や基本スキルは身につけておく必要があります。専門分野の細分化は進んでいても、実際の開発現場では他の領域とシームレスにつながる必要があるケースは多く、互いの情報共有が欠かせません。その際に、ベースとなる基礎知識がなければ、適切にコミュニケーションをとることができなくなってしまうでしょう。

また、例えばフロントエンド開発を専門としていても、どのようなインフラの上に成り立ち、バックエンドでどういった処理がなされているのか、ネットワークやデータベースの仕組みはどうなっているのか、それらの基本的理解がなくては、最適な開発・構築は行えません。問題を分析したり、アイデアを出したりするシーンでも、専門領域にとどまらないIT知識が活きることは多々あります。

業界の技術トレンドや関連法規・マナーなども含め、広くIT全般の基礎を理解しておく必要があります。

プログラミング能力

プログラマーはもちろんのこと、それ以外のITエンジニアにおいてもプログラミングのスキルは必要不可欠なものです。PCを自在に操れる能力、各種の主要なプログラミング言語を理解し、使える能力は基本として身につけましょう。マネジメントや設計を行い、プログラマーに指示を出すITエンジニアは、実際にコーディングを行うことがなくとも、記述する現場がどのように進んでいくか、形にしていく過程でどういった問題が生じる可能性があり、それを回避するにはどうするのが適切か、瞬時に想像を働かせ、判断や対処ができなければなりません。そうした力は、むしろプログラマー以上にそのプログラミング言語に親しみ、高度に使いこなせるレベルのスキルがなくては、発揮することができないものです。

対象とする領域により、扱われる頻度が高い言語は異なりますが、ITエンジニアであれば、それら主要言語についての基礎知識と扱える基本スキルは身につけておかねばなりません。プログラミング言語については、アップデートも絶え間なくなされていきますから、最新情報に気を配り、知識を更新していく必要もあります。新たにトレンドとなった言語を積極的に身につける姿勢も重要でしょう。

1つのプログラミング言語を深めるだけでなく、複数の言語に精通し、扱いに慣れておくことで、担うことのできる案件の幅も広がります。

コミュニケーションスキル

ITエンジニアは黙々と開発作業にあたるイメージがあるかもしれませんが、実際の現場ではコミュニケーションスキルが思う以上に必要とされる職業です。さまざまなニーズとバックグラウンドを持ったクライアントから要望を的確にヒアリングし、技術的な提案を分かりやすく説明する必要があったり、他の技術者とその場その場で情報を共有したい、連携しながら働くことが求められたりすることが非常に多いからです。

チームで開発を行うなら、そのプロジェクトを円滑に進め、成功へと導くためにも、大いにコミュニケーション能力が必要です。ITエンジニアには、ソフトスキルとしてのコミュニケーション能力も非常に重要なのです。とくに経験を積み、スキルを上げて管理者やチームリーダーを担うようになると、経営層との打ち合わせやプレゼンテーションなどの機会も増えるほか、初級エンジニアを育てたり、指示を出してサポートを行ったりしなければならないため、さらに高いコミュニケーションスキルを開発技術力とともに発揮し、総合力の高さで信頼を勝ち得ていくことが求められます。

マネジメント能力

ITエンジニアは、チームで仕事をすることが多く、その中でもプロフェッショナルな上位職種として、他の技術者に指示を与えたり、プロジェクトの管理責任者を任せられたりすることも多くあります。実績を重ねるほどに、そうしたプロジェクトの全体やチーム全員を管理する力が求められてくるため、マネジメント能力を有している人が、優れたITエンジニアとなっていきます。

全体の進捗状況を把握・管理しながら、想定外のトラブルや予定通りに進まなくなっている部分などについても柔軟に対応し、調整するスキルも必要です。チームリーダーのような役目を果たす場合には、リーダーシップを発揮し、全体をまとめあげる力も求められるでしょう。

スタートアップなどの案件で、企画・設計から開発、運用、テストに保守管理まで、多岐にわたる工程を1人で担当するといった場合にも、いかにすれば滞りなく業務を進めることができ、このプロジェクトを成功へと導けるか、マクロとミクロの視点を駆使し、高いマネジメント能力をもって取り組まなければ、無事業務を完遂することは難しくなってしまいます。

独立してフリーランスITエンジニアとして活動するなら、受注する案件の調整やスケジュール管理、自己管理という面でも、マネジメント能力が重要になります。ITエンジニアには、さまざまな面でマネジメント能力が求められるのです。

論理的思考力

論理的な思考力を働かせることも、ITエンジニアに強く求められるスキルです。ITのシステムはそもそも論理的に構築されて機能するものです。設計は常にロジカルに、明快な論理性をもってなされなければなりません。思わぬトラブルが発生したり、障害が報告されたりした場合にも、その根本原因を素早く突き止め、必要な対処をとるには、高度な論理的思考力が求められます。

さまざまなユースケースを想定し、障害に強く快適に使えるシステムを実現するなど、最善の企画・設計を行い、それを効率良く実現させるフローを考える、クライアントの希望・要望を技術的に具体的な形へ落とし込む、バグを排除するなど、ITエンジニアの業務シーンでは、常に論理的思考力が重要といっても過言ではありません。

文章作成力

開発の現場では、業務を次の工程を担当するエンジニアに引き継いだり、クライアントとのやりとりをしたりする中で、文章力が必要になることもしばしばあります。進捗状況をメールやチャットで伝えるだけでなく、開発に取りかかる段階での企画書や基本設計書をドキュメント作成したり、業務完了時・納品時に報告書や仕様書を作成したりする必要があり、正しく的確な表現できちんと文章により内容を表現し、相手に伝えることができなくてはなりません。

限られた時間の中で、分かりやすく必要事項を伝える文章を素早く作成し、まとめられる力がなくては、肝心な場面で手間取ってしまいます。上流工程に携わるようになったITエンジニアであれば、プレゼンテーション資料の作成や提案の実施などで、さらに高い文章力と表現力が要求されるでしょう。

自己研鑽力

ITエンジニアの仕事は、一度覚えれば終了というものではありません。次々に新たな技術やトレンドが生み出されてくる世界ですから、それに応じ、新たなスキルや知識を貪欲に身につけていく姿勢が求められます。アップデートされる技術や仕様をキャッチアップし、自身のスキルと知識を最新の状態に保つこと、常に上を目指し、ブラッシュアップを図り続けることが重要でしょう。高い向上心を持ち、自ら学ぶ力、自己研鑽の力が求められます。

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ITエンジニアの市場動向

冒頭でみたように、ITエンジニアの人材は高い需要に対して不足しており、国内では今後、さらにその状況が深刻化すると予測されています。経済産業省が2019年3月に発表した「IT人材白書2020」によると、企業におけるエンジニアなどIT人材の量に対する不足感は年々高まっており、2019年度調査では全体の約3分の1、33.0%が「大幅に不足」と回答したほか、56.0%は「やや不足」とし、合計すると実に89.0%が人材不足を感じていました。

新卒採用のほか、キャリア採用として中途採用を進め、人材獲得を目指す企業が多いものの、質・量ともに十分ではないと感じる向きが強まっています。エンジニアやプログラマーなどのIT人材供給は、2019年をピークに減少へと転じ、今後も緩やかに低下傾向と予測される一方、ITニーズの拡大に伴い市場規模も拡大・成長を続けるため、需給バランスはさらに需要過多へ向かうとみられているのです。中間程度の成長シミュレーションで、2025年には約32万人の不足、2030年には約59万人の不足となる見通しです。さらに成長の度合いが高く、高位シナリオのシミュレーション結果に近づいた場合、2030年には約79万人もの不足となっています。

それだけ人材への引きが強い時代が続くと予測されますから、供給者・売り手であるITエンジニアにとっては、高収入で活躍しやすい、有利な市場動向で推移すると考えられるでしょう。社内に十分な人材を確保できず、リソースが不足すれば外注に頼ることとなり、高単価でも優れたITエンジニアの力を借りようという企業が増え、フリーランスの高単価案件も豊富になっていくと見込まれます。

短期的には、その時の社会情勢や景況を反映し、投資の引き締めや経済・事業活動の縮小を図らねばならない状況が生じた業界のクライアントにおいて、ITエンジニアへの投資も抑制的になることが考えられるものの、そのような大きな社会情勢の変化が生じた場合には、衰退する業界がある一方で、これをビジネスチャンスとして飛躍的成長を遂げる業界があるものです。そのため、そうした業界からの投資とニーズが増加し、結果的にITエンジニアの市場全体では、堅調な推移になると見込まれます。

社会変化に伴うビジネスモデルの変革は、あらゆる業種業態の企業、さまざまな事業規模の企業において、既存システムの刷新や更新、新たな機能の追加を検討するきっかけになります。現代に生じてくる多種多様な問題に対し、その解決策となるソリューションは、多くがITの既存技術や先端技術を活かして生み出されたものとなっています。それゆえ急激な社会情勢の変化、ビジネスモデルの変革期が訪れたシーンでも、ITエンジニアへのニーズは衰えるどころか、さらに幅広い業界で高まり、多くのシステム刷新案件や、機能追加・拡張案件が寄せられて、それらへの対応を急務として迫られるようになると考えられるのです。

直近でもDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める企業は多く、これからも企業のデジタル化の動きは、ますます勢いをもって広がっていくでしょう。この他にも5G(第5世代移動体通信)への対応やビッグデータアナリティクス、AI・機械学習といった分野に関連する開発などは、成長領域として、ITエンジニアの力が求められるシーンも増えていくと考えられます。

クラウドシフトも加速し、AIやMLなどの新技術採用が進むほか、それらを用いたインフラ管理やデータ管理を行う企業の増加、設備投資モデルから運営費モデルへの移行、アレーテッドコンピューティングやオールフラッシュアレイ、Software Defined インフラなどの普及など、インフラ関連も次世代化が進展しつつあり、その変化に対応するための業務が各所で増えると推測されています。

ものづくりの現場でも、自動車業界で自動運転車やコネクテッドカーなどの開発競争が激化して、ソフトウェアや電池開発、AI開発のITエンジニアニーズが高位で推移しているのを筆頭に、本格的なIoTの普及が始まり、市場拡大を見据えた新規参入企業の増加で、ITエンジニアが多く求められるようになっています。今後もIoT、センサー、車載機器、メモリ、エネルギー、バイオ・ヘルスケアなどの関連で、新領域の事業開拓、開発促進を目指す企業が増える見通しで、ものづくり現場からのITエンジニア確保も、さらに活発になることでしょう。

フリーランスITエンジニアの市場動向

全体として顕著な成長基調が見込まれるITエンジニア市場ですが、フリーランス市場の最新動向はどうでしょうか。プログラミング言語の支持傾向や、とくに求められ、市場価値が高まっている人材タイプなどについて解説します。

案件とフリーランス人材の言語傾向

レバテックフリーランスが2020年11月に発表した、フリーランス向けの新規業務委託案件データにおける「プログラミング言語別案件ランキング」の調査結果によると、2018年度に発生した案件では、数あるプログラミング言語の中でも、Javaの占有率が高く、29.22%で圧倒的トップとなっていました。2位はPHPで、14.39%を占め、JavaとPHPのトップ2を合計すると、これだけで全体の43.61%にものぼっています。

システム開発はもちろん、Web開発、アプリケーション開発など、幅広い分野の開発に対応でき、古くから安定して高い利用率を保っているJavaは、今なお業界を問わず支持されており、クライアント人気の高いプログラミング言語であることが分かります。応用力も高く、システムインテグレーターなどが扱う大規模BtoBシステムなどでは、とくに採用ケースが多くなっていました。

PHPはややシェアが低下する傾向もみられるものの、なお高水準で2位にランクイン、3位がJavaScriptの12.96%と続きました。JavaScriptはトレンドのめまぐるしい変化に左右されやすいフロントエンドの言語で、使われる業界にかつては偏りがあったものの、近年はサーバー側もJavaScriptで実装可能になり、より幅広い案件・さまざまなクライアントからの案件で人気になっています。移り変わりが激しいフロントエンド言語で、さらに適用可能範囲が広がっていることが、企業内での人材確保が追いつかない中で、即戦力としての技術力を持つフリーランスのITエンジニアを頼るという判断につながり、トップ3入りとなったと推察されます。

以下、4位はC#およびC#.netの8.19%、5位にRubyの5.05%が入りました。シェアの順位では8位ですが、Pythonの伸びは昨今顕著で、サーバーサイド開発、ブロックチェーン、機械学習、大規模データのクレンジング、業務改善ツールの開発など、幅広い案件が生じるようになっています。中でもデータ分析系の案件はニーズが高く、一般からも注目されるようになったデータサイエンティストの確保を競い合う傾向が強まっています。今後も当面はこの傾向が続くでしょう。ただしフリーランス案件の場合、Pythonでも経験豊富な即戦力人材にニーズが集中しています。

フリーランス人材側がメインスキルとする言語をみてみましょう。レバテックキャリアの「登録者メインスキル(プログラミング言語別割合)」フリーランス版で最新の2020年データを参照すると、Javaがトップの29.1%、これに次ぐ2位がPHPで13.8%、3位にC#・C#.netで10.8%となっていました。案件傾向と同様、JavaやPHPをメインスキルとするフリーランスエンジニアが多くみられます。

C#・C#.netは組み込み系の領域で用いられることが多い言語ですが、直近で発生した製造業などの事業活動縮小・停止による開発投資抑制で、案件解約となったエンジニアが市場に多く流出してきた影響が少なからずあるとみられ、エージェントへの登録が増加した背景が指摘できることから、ある程度一時的な傾向とも考えられ、必ずしも長期的スパンでの市場傾向とは一致しない可能性があります。

フリーランスのITエンジニアでは、メインスキルとして登録する人の割合はやや限定的であるものの、PythonやSwift、Go言語なども人気があります。これら言語では、即戦力の人材不足から高単価案件が多い市場動向にあるため、そのトレンドを受けた人気の高さがあると考えられるでしょう。

高単価になりやすい人材の傾向

ITエンジニアは、その職種によっても単価に幅がありますが、同じ領域・同じ職種のエンジニア内でも案件単価にはかなりの開きがあります。業務内容や契約期間、求められるスキルレベル、経験・実績などの要素が影響しますが、基本的には上流工程の業務を担えるITエンジニアは、高い報酬になりやすい傾向があります。

上流工程に携わるほど幅広い知見と高度なスキルがベースとして求められ、思考力や提案力をフルに活用する必要が生じることに加え、プロジェクト全体の成否にかかる責任も重くなりますから、当然の流れではありますが、市場の中でより価値の高い、高単価案件をコンスタンスに獲得できるITエンジニアを目指したいなら、上流工程の経験を積めるようにするのがベターでしょう。

また、多く存在するITエンジニアの中でも、このスキルを保有している人材はきわめて珍しい、このレベルまで到達している人はごくわずか、また、複数のスキルについて、この組み合わせで使いこなせる人はほぼ聞いたことがないなど、とくにレアなスキルを有しているエンジニアも高単価で扱われやすい存在になります。

もちろん、ただ珍しいだけでは意味がありません。メジャーではなく、ニッチなスキルでもかまいません、そこにニーズがあることが重要なのです。そしてその対応するニッチなニーズを持つクライアントをターゲットとし、タイミング良くそのレアなスキルを自身だけの強みとして売り込むこと、分かりやすくアピールすることが大切です。あくまでも、ここでは高単価を目指す話で考えていますから、価値は市場価値であり、それを決めるのは需給、よりはっきりいえば、買い手側のクライアントということになります。

外野の誰に理解されなくとも、市場のニッチなニーズにマッチし、そこへ効果的に自身の強みを、代替不可能なものとして売り込むことができていれば、そのクライアントらから、どうしても欲しい技術者として評価され、多少無理をして単価をアップさせてでも働いて欲しい、手を貸して欲しい存在となり、単価交渉で有利になって、市場価値の高いエンジニアと認知されていくことになるのです。ポイントはレアなスキルを有することと、それを求める対象に、最適なタイミング、最適な形でアプローチすること、この2つの力を持ったITエンジニアは、高単価人材になります。

レアスキルでなければ、上流工程との関係が深くなりますが、複数分野にまたがった豊富な知識やノウハウ、技術を有しているITエンジニア、優れて広い知見を持つゼネラリストたるエンジニアが、多くの企業で重宝されますから、やはり高単価人材になるでしょう。的確で柔軟な対応が迅速にとれ、1人で何人分もの仕事をこなしてくれるITエンジニアであれば、少々高い単価でも、かえって全体として安くつきますし、プロジェクトの成功確率も高まりやすくなりますから、企業にとっては合理的な出費になります。

そもそもそうした優れたゼネラリストであるITエンジニアは、多くのエンジニアの中でも少数となりますから、レアスキルを持っているITエンジニアと同じく、市場での希少性が高い、欲しがるクライアントが存在するのに対して、なかなか見つけて仕事を頼むことができない高度人材となり、市場価値が高くなると考えられます。このように高単価になりやすいのは、基本スキルに加え、他との差別化を図れる希少性を持ったITエンジニア人材、穴といえるレアスキル保有者か、マルチに活躍するゼネラリストか、といった特徴ある人材だといえるでしょう。こうしたITエンジニアは、フリーランスでも高単価案件を継続的に取得し、活躍していける人となっています。

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気になるITエンジニアの給料・年収実態

エンジニアとしてすでに活躍していても、自分の報酬はスキルや能力に見合ったものなのだろうか、他の人と比べてどうなのだろう?と感じた経験のある方は多いでしょう。同じエンジニアである知人や同僚であっても、年収のことなどは尋ねにくいものです。

しかし、ある程度相場を知っていなければ、自身の報酬が適正かどうか判断することができませんし、独立してフリーランスとなった時、契約交渉時にどう価格を設定・提示して良いか分からず、困ってしまいます。そこで、ITエンジニアの給料や年収実態について、会社員エンジニアとフリーランスエンジニアの状況をそれぞれ調べてみました。

まず、経済産業省が2016年に発表した「IT人材に関する各国比較調査」を参照すると、日本のエンジニアを含むIT人材全体の平均年収は、約598万円でした。IT人材の中でもITエンジニアは上位職種ですから、エンジニアに限定すると、その平均年収はこれよりやや高い傾向にあるものと予測されます。

国税庁が2020年11月に発表した最新のデータ「令和元年分民間給与実態統計調査」結果によると、国内労働者全体の平均給与は436万円になっていますから、これと比較した場合、IT人材の平均年収は150万円ほど高く、ITエンジニアであればさらに高いとみられ、他業種に比べて高水準であるといえるでしょう。

続いて、雇用形態別にITエンジニアの年収状況をみてみます。独立行政法人情報処理推進機構が公開している「IT人材白書2017」のデータをもとにすると、企業で正社員として働くITエンジニアの年収は、300万円未満が10.6%、300万円以上500万円未満が40.1%、500万円以上700万円未満が23.0%、700万円以上1,000万円未満で12.4%、1,000万円以上は5.5%という分布でした。年収にして300~500万円という人が最も多く、次いで500~700万円、年収700万円未満が7割超となっています。

若年層の初級エンジニアも含めているため、国内労働者の平均給与程度の額である人も多く、高水準の報酬で安定性はあるものの、際立って高い年収を得られているとは限らないようです。年収1,000万円以上を得ている正社員ITエンジニアは5.5%で、約20人に1人という結果でした。

では、フリーランスのITエンジニアはどうでしょうか。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会による「フリーランス白書2019」を参照すると、その年収は、200万円未満が14.6%、200万円以上400万円未満が21.2%、400万円以上600万円未満が22.2%、600万円以上800万円未満は18.7%、800万円以上1,000万円未満で11.6%、1,000万円以上は10.6%という分布になっていました。

分布の区切り方も異なるため、単純には比較しづらい面もありますが、正社員ITエンジニア以上にばらつきが目立ち、最も多いのは400~600万円の層ですが、年収1,000万円以上となっている人が1割を超えており、正社員ITエンジニアにおける割合と比べ、ダブルスコアに近い高さを記録しています。十分なスキルや実績があり、積極的に活動できているITエンジニアであれば、フリーランスの方が高い報酬を得られる可能性が高まると考えられるでしょう。

その背景には、主体的に自分のスキルを最大限に活かして得意な案件に取り組めること、柔軟で自由のきく働き方で、効率良く案件をこなすこともできることなどがあるとみられます。ただし200万円未満にとどまる層も14.6%にのぼり、スキルや実績を上手く活かせなかったり、案件受注が継続的に行えなかったりすると、正社員より収入が減ってしまう場合もあると推察されます。

フリーランスのITエンジニアとして独立し、デビューするなら、市場で自ら勝負できるだけのスキルや実績、覚悟をもって、計画的に行動を開始することが重要です。

なお、派遣社員として働くITエンジニアの場合では、厚生労働省の「平成30年度労働者派遣事業報告書の集計結果」から、ITエンジニアらも含まれる「情報処理・通信技術者」の平均賃金でみると、1日8時間あたり1万8,930円となっており、年間休日日数を平均的な120日とし、稼働日数245日で年収換算すると、約463.8万円になりました。

正社員のITエンジニアに比較すると、やや低い可能性があるものの、職種を問わない派遣社員全体の平均賃金は、1日8時間あたり1万4,888円で、同様に年収換算すると、約364.8万円となりますから、派遣エンジニアらの年収は100万円近く高い水準であり、技術を活かして働くことで、かなり高い年収を得られている人が多いとみられました。平均値ですから、正社員並みの年収を稼ぎ出している人も十分にいることでしょう。

しかし、派遣企業の状況や保有案件にもよりますが、やはりフリーランス同様、スキルや実績、実務経験が強く影響し、個々のエンジニアの差も大きくなっている可能性があります。

このように、ITエンジニアの場合、数々の現場を経験し、実務経験を重ねて知識やスキルを向上させていくことにより、評価や年収が上がっていくと考えられますが、正社員として働くか、フリーランスとなるか、派遣社員を選ぶかによって、その年収の伸び方は異なるものとなります。スキルアップに努めることはもちろん、自分自身に合った形と、より適正な評価が受けられ、それに見合う報酬が得られる場や働き方のスタイルを見極めて選定し、キャリア形成を図ることが重要になるでしょう。

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フリーランスになる前に!これだけチェック

会社員として企業に所属して働く場合と、独立してフリーランスで働く場合では、同じITエンジニアでも全く状況が異なってきます。ライフスタイルも大きく変化しますし、周囲の環境も、見る世界も違ってくるでしょう。一口にどちらが良い、どちらが得とは言いきれず、それぞれにメリット・デメリットがあります。

会社に縛られ、自由な時間が確保できないのが嫌、自分のスキルが評価されず、働きの対価もかなり会社に持っていかれている気がする、職場の人間関係が煩わしい、そうした理由から、あまり深く考えることなく、フリーランスになれば全て上手くいきそうと勢いで独立を決めてしまうと、後々苦労したり、決断を後悔したりすることにもなりかねません。

フリーランスになる前には、十分な準備と検討を行っておくべきです。そこで、ここでは独立を決める前にこれだけはチェックしておきたいポイントをまとめました。

会社員ITエンジニアからフリーランスになって変わること・変わらないこと

フリーランスのITエンジニアになって、最も変わることは、やはりワークスタイルでしょう。仕事の案件について、量も内容も自由に選ぶことができる反面、そうした案件探しから応募、契約交渉、受注獲得まで、全て自分で行わなければなりません。ただ出勤すれば仕事がある、嫌々でも言われたことをこなしていれば収入になる、そうした会社員の暮らしとは全く違う日々になります。どのように自らのスキルをアピールし、案件を獲得していくか、用意できる窓口について具体的に検討し、手法を知っておくことや、自身がその中で活動しているイメージをしっかり形成しておくことが大切です。

仕事の獲得面だけでなく、スケジュール調整や日々の会計・経理、事務作業一般、備品購入、社会保険への加入、税金の計算と納税など、バックオフィス業務としてなされていた、本業を支えるさまざまな作業も、フリーランスでは自身で行う必要が生じます。これらについて何の知識もなく、準備もできていない状態では、たちまち困ってしまいますから、基本的なことは自分でもこなせるようにしておきましょう。

近年はかなり改善されてきたものの、社会的な信用という面では、まだまだフリーランスは正社員に比べると劣る面が否めません。収入が不安定になるリスクから来ているところが大きいのですが、加えて“企業”という名のバックがあることは、この社会でひとつの信用のもとになってもいます。賃貸契約やローンの審査など、正社員に比べて苦労する場合がありますから、ライフイベントに伴う大きな動きが直近に控えている場合、あらかじめそれらを済ませてからの独立を考えるのも一案です。

会社員として働くのとは異なり、フリーランスであれば定年はありません。やる気とスキル、クライアントのニーズ・信頼があれば、いくつになっても第一線で活躍することが可能です。反対に年齢がまだ若いからといって、年収レベルが低く抑えられてしまうこともほぼありません。年齢を問わず、同じ土俵に立てることはフリーランスの大きなポイントです。しかし、実際の案件獲得において、働き盛りの若年~中年エンジニアが有利となったり、ITエンジニアとしての活動年数・経験年数が重視されて若いことがマイナスに働いたりするケースがないわけではありません。年齢に応じた案件獲得の工夫は、フリーランスになっても必要です。

独立という言葉から想起されるように、フリーランスITエンジニアは一人で仕事を黙々と集中してこなすイメージがあるかもしれません。しかし、良い人間関係を保つことや人脈形成に努めることはフリーランスにとっても強く求められる重要な点です。むしろ会社員ITエンジニアより、重要になるといって過言ではありません。その対象が職場だけでなく、さまざまな取引先へ、見込み顧客へ、各方面の知人へと広がると考えておくべきでしょう。

こんな人は一歩立ち止まって!

人にはそれぞれ個性があり、向き不向きがあります。同じ職種で同等のスキル、経験を有していても、会社員ITエンジニアとしての道を行く方が精神面でも経済面でも良い結果につながる人もありますし、フリーランスITエンジニアとなることで、飛躍的活躍をみせるようになる人もあります。

柔軟な働き方の実現と、技術を活かした報酬面でメリットが見込みやすいフリーランスITエンジニアですが、以下のようなタイプに該当する人は、独立に憧れていても、あまり向いていない、適性が不足している可能性があります。その理由とともにみていきましょう。

金銭管理や自己管理が苦手

フリーランスは収支の管理や、自身の業務稼働時間、スケジュールなどを、しっかり自分で管理していかなければなりません。普段から生活費の収支バランスを整えるだけでも苦手なくらい、金銭にルーズな面がある、オンオフの切り替えを上手くできない傾向にあるといった人は、フリーランス向きとはいい難いでしょう。

フリーランスで業務を行うようになると、必要経費はその場で自己負担せねばならず、報酬の支払いは1~2カ月先になる、納品後にまとめてなされるなど、まとまったずれが生じてしまうこともあり、一時的に支出が増えた時に備えたやりくりの工夫が必要になることがあります。決まった収入があり、先の予定が立ちやすい会社員と違い、収入の波があることも踏まえた生活設計、事業設計が求められます。

自身のスケジュールマネジメントが上手くできず、だらだらと仕事を続けてしまう、キャパシティを超えた業務を引き受けてしまうことがある人も問題が発生してしまう可能性があるでしょうです。長く優れたパフォーマンスを発揮し、ITエンジニアとしての仕事を続けるには、自由な中でもきちんと自己を律することができ、案件があるから、収入を伸ばしたいからと無理をしすぎないことが大切です。案件を引き受ければ、その業務はあなたが必ず完遂しなければなりません。体調を崩しても代わりがききませんから、日頃から基本的な自己管理を徹底することが重要です。やむを得ない事情がある場合には、交渉・調整も可能ですが、自己管理が不十分なフリーランスでは、クライアントからの信用も得にくくなってしまいます。

責任感がなく他人のせいにしがち

社会人としても責任感は重要な要素ですが、フリーランスの場合、その重要さはより大きなものとなります。フリーランスのITエンジニアに対し、クライアントは対等な立場で契約を交わし、その内容をきっちり守って遂行してくれること、即戦力としてすぐに活躍してくれることを求めています。ですから、多少のトラブルや想定外の事象が発生しても、最後まで責任をもって業務を遂行し、契約を遵守できることが非常に重要です。強い責任感をもって取り組むようにしてください。

会社員であれば、研修期間が存在したり、上司や同僚とともに取り組んだりと、責任を分散して持てることも多々ありますが、フリーランスではそうはいきません。自由度が高く、自己裁量で行動できる代わりに、それらのあらゆることが自己責任に帰せられます。そうした責任の重さを担えない人、すぐに他人のせいにしてしまいがちな人は、フリーランス向きではありません。

交渉やコミュニケーションが苦手

ITエンジニアとして担当するジャンルや詳細職種内容にもよりますが、先述のようにフリーランスでは、思う以上に人とのコミュニケーション能力、人間関係を良好に保つ力が重要になります。クライアントとやりとりを重ねる、プロジェクトでチームとなった他のエンジニアなどと情報共有を行う、交流会や学習会で人脈を形成し、より有利な仕事を得やすくするなど、他者と上手くコミュニケーションがとりづらい、苦手という人には、なかなかハードルが高いシーンも多いでしょう。コミュニケーションが苦手という場合、イメージに反し、フリーランスよりも会社員の方がやりやすい、楽ということも考えられます。

交渉が苦手で自身の意見を主張しづらい人も、フリーランス向きではありません。フリーランスは仕事の内容詳細、業務にあたっての細かな条件から報酬額まで、その都度クライアントとの交渉の場に立ち、自身で契約を交わさねばなりません。クライアントは納期をなるべく早く設定し、またできるだけ安価な支払いで済ませたいと望むのが一般的ですから、納期設定に無理があれば期間の延長を申し出、報酬額については適正以上の条件を引き出して納得してもらえるよう、上手く交渉する必要があります。

自身の希望があっても言い出しにくく、相手のいいなりで受けてしまいがち、交渉するのは気が引ける、というタイプでは、なかなか正当な市場評価を得られない可能性があるのがフリーランスです。

一人の時間は苦手で学習や情報収集に対しても受け身

コミュニケーション能力がとくに重要となり、さまざまな人とのやりとりを大切にする必要があるフリーランスITエンジニアですが、会社員エンジニアのように、固定的なチームで常に行動する、日々仕事場に足を運べば馴染みの顔を見ることができ、個を感じにくい環境に身を置けるといったワークスタイルではなく、そうした日々の業務における一つひとつのシーンでは、やはり一人の時間が増え、それを基本として生活するようになります。

一人で集中することが苦手、見知った仲間の頑張る姿がそばにあってこそモチベーションを保てるといった人は、フリーランスのワークスタイルに馴染みづらいでしょう。個としての自立心が強く、人と接するシーンではそれなりに立ち回りが上手い、変化に順応するのも早いといった人ほど、フリーランスで無理なく活躍できます。

学習や自己研鑽においても同様で、自ら主体的に、積極的に、一人でも向上心を発揮して学び続けられる人は、フリーランスITエンジニアとして活動を続けられますが、情報は集めてきてもらうもの、次はこれを学んでおくべき、今習得すべきスキルはこれと教えてもらわなければ行動できないといったタイプの人では、独立時点である程度の力があっても、周囲の変化やトレンド、進展する技術についていけず、やがて通用しないスキルしかないエンジニアになってしまいます。

常に最新の知識を入手し、スキルの向上を図る。また多様な実績と幅広い知見の獲得に努め自らを高められるという資質が、ITエンジニアとして活躍する上では非常に重要なこととなりますから、そうしたブラッシュアップと自己研鑽を、一人でも進んでできる人、向上心を高くもって取り組める人でなくては、フリーランスで活躍できません。自身で学ぶことを見つけにくい、誰かに教えてもらう受け身姿勢が基本になっているというなら、フリーランスには向かないでしょう。

独立を決める時点で、こうしたフリーランス向きではない点に、やや該当するかもしれない、少し思い当たるところがあり、フリーランスとしての適性・素質に自信のない面があるという方が、絶対にフリーランスで成功できないというわけではありません。あくまでも現時点での向き不向きであり、自分を変えたいという意志がしっかりとある、苦手なポイントも克服していきたいと考えるなら、十分に挑戦の価値はあり、むしろその思いがあなたをエンジニアとしても、社会人としても、大きく成長させるものとなる可能性があるでしょう。

全て備え持ち、満たしていなければならないと考えるのではなく、心構えとして捉え、受け止められるかどうかを重視して考えてみてください。

自信がないなら転職からという手も

このような点から検討した結果、フリーランスITエンジニアになりたいけれど、今すぐに独立してやっていける自信はない、不安が残ると感じられたなら、まずは転職を考えるのがお勧めです。適性面でもう少し自分自身を成長させたい、フリーランスで一人前としてやっていけるだけの現場経験を増やしたい、そうした目的で、あえて企業に所属するITエンジニアとなることを選択するのです。

まだ経験が浅くとも、またもし未経験であっても、年齢の面ややる気の面で成長が見込めると認められれば、IT人材の確保を急ぐ企業であれば、積極的に受け入れてくれる傾向にあります。自身がすでに学んできたもの、プログラミングした実績を示すもの、エンジニアやプログラマー、Webデザイナーなどとして働いた経験があればその職務経歴を示すものを資料として用意し、転職先を探しましょう。

一から自社でWebサービスの開発を行っているスタートアップや技術志向のベンチャー企業、請負でさまざまな案件を手がけているIT系の企業などがとくにお勧めです。こうした企業に所属すれば、しっかりとした人材育成教育プログラムを受けられる場合もあり、現場で学びながら、フリーランスになってから活きる十分な実務経験も積みやすいと考えられるからです。

自身のキャリアプランの中にフリーランスITエンジニアを置き、そこへつながる道として、現段階ではITエンジニアで転職するところから始める、そうした判断は賢明で合理的な選択肢のひとつです。一度転職先に所属し、その会社のITエンジニアとなって、スキルや経験を磨き、2~3年後にそれを武器としたフリーランスデビューを果たすなど、自身にとってベストなプランを、中長期のスパンで考えてみてください。

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フリーランスITエンジニアの案件獲得方法

フリーランスとなって最も大きく変わるのは、仕事を自ら獲得しなければならないという点です。組織に所属していれば、営業など専門部署がやってくれていたことも自身で行わねばなりません。フリーランスになって、初めて営業活動や契約の場を経験するという方がほとんどでしょうから、最初は戸惑うことも多いと思われます。

少しずつ慣れていくことで、その面の力も伸びてきますが、どうやって仕事の案件を探し獲得するのか、その手法についてあらかじめ知っておくこと、またどのように行動していけば良いか前もって明確にイメージしておくことは、とても大切です。

フリーランスの仕事の入り口は、まず2種類に大別され、ひとつは新たな案件を請ける「新規」のもの、もうひとつは、すでに案件を担当したクライアントからさらに仕事をもらう「継続・更新」にあたるものです。仕事ぶりが高く評価されたり、またこの人に頼みたいと信頼を得られたりするようになると、案件の契約満了が近づいた際に、更新の提案を受けられたり、継続して仕事を頼まれたりすることも増え、安定的な収入源を増やしていけるものですが、フリーランスとなって間もない段階では、誰でも新規案件で実績を積み上げていくしかありません。

新規で案件を獲得する手法としては、以下のようなものが挙げられます。

知人などからの紹介

古くからの知人・友人や、かつての職場での同僚・先輩、取引先などで知り合いとなった担当者など、自身の人脈をフルに活用して仕事を得る方法です。ビジネス上の人脈だけでなく、プライベートの知り合いなどが仕事の案件を紹介してくれる場合もあるでしょう。個人的なつても、貴重な案件獲得の窓口です。

フリーランスのITエンジニアとなったら、こうした知人や友人、取引先には、独立したことを知らせ、何か仕事があれば紹介して欲しいと考えていることを、対面やメール、手紙などで伝えておきましょう。もちろん勝手に個人情報を持ち出して連絡をとったり、競合関係を考えずしつこく営業をかけたりといった、常識的なビジネスマナーや社会人としてのマナーに反する行為はNGです。そのような振る舞いはかえって信頼を損ねてしまいますから絶対に避け、節度をもって接することを心がけてください。

声をかけてもらえたら、感謝の意を伝え、誠実に対応しましょう。こうした知人などを経由して得られる案件の場合、互いに紹介者を介した信頼のもと、ある程度相手を理解した上で契約・交渉の場につけるため、話し合いがスムーズに進みやすく、仕事の方向性も定まりやすいメリットがあります。契約に至れないリスクも低く、業務を始めやすい案件といえるでしょう。

フリーランスとしての経験がなく、ITエンジニアとしてのスキルや実績でもまだまだの段階にある駆け出しの場合、とくにこうした知人からの紹介が心強いものともなります。スキル学習の機会となるようなイベントなどへ積極的に参加し、そこで人脈を広げておくと、さらに紹介案件を増やしていける場合もあります。

クラウドソーシングを使う

最も手軽に案件を探し、獲得を図る方法といえるのは、クラウドソーシングの仕組みを利用することです。クラウドソーシングは、インターネットを介して仕事を依頼したい企業や団体、個人と、仕事を受注して自身のスキルを活かし、業務を提供したいという不特定多数の個人がつながる機会を創出するものです。副業やお小遣い稼ぎに単純作業を担うワーカーから、高い専門スキルを持った技術者、クリエイターらまで、幅広いユーザーが登録しており、さまざまな仕事の案件が取り扱われています。

ITエンジニア向けの案件も多く、比較的経験の浅い人でも参加しやすい単純作業の案件もあり、慣れないうちの現場経験数を増やす目的で利用するにも向いています。利用はごく短時間で終了する簡単な会員登録を行えばすぐに開始でき、誰でも利用可能です。

プラットフォーム上に掲載されている案件の中から、希望条件などで絞り込み、気になる案件を見つけたら応募へ進みます。先着順やコンペ形式、資料審査方式など、案件によって設定されている方法でクライアントが応募者の中から発注したい相手を決め、選ばれればその仕事案件を受注することができます。

依頼された成果物の納品など、対象業務を完了すると、報酬が支払われる仕組みで、サービスの利用にかかる手数料は引かれますが、その残りを収入として得ることができます。案件の傾向としては、単発の単価が低めなものが目立ち、上流工程の案件などは出ることがやや少ないでしょう。

何より手軽に、いつでもどこでも利用できる点がメリットで、まず登録を済ませておき、業務の手隙に合わせて応募・利用するといったフリーランスITエンジニアも多く存在します。そうしたベテランのエンジニアもユーザーには含まれ、膨大な数の対象者が案件を見ていますから、条件の良い高単価案件などでは強力な多くのライバルとぶつかり、なかなか案件獲得に至れないという場合もあります。

サイトや企業に直接営業をかける

自身が気に入っているWebサービスやサイト、とくにこうしたところで働きたい、ここでの事業に自分も技術者として関わりたいと思うような具体的企業などがあれば、そのサービスサイトを通じ、直接営業をかけてみるのも手段のひとつです。一般的に運営事業者側が問い合わせページを設けていますから、そこから連絡をとってみましょう。

アポイントをもらうことができたら、自分にどんなスキルと実務経験、実績があるのか、ポートフォリオを提示し、そのサイトやサービス、企業にどんな価値を与えることができるのか、それがどう利益につながるのか、相手の視点から分かりやすく提案し、アピールを行います。すぐに契約につながるようなことは稀で、ハードルは高いものの、自身が最も希望する仕事ができる案件獲得方法になる可能性はあります。

SNSなどで営業する

フリーランスITエンジニアとして独立したら、自身のホームページやビジネス用のSNSアカウントなどを開設し、仕事の案件を請ける営業窓口として運用を始めてみましょう。どういった技術を持ち、どんなことができる人物なのか、閲覧した人が分かるような発信を随時行っていきます。SNS投稿のほか、ブログも有効です。

近年はFacebookやInstagram、Twitterなど、SNSを窓口に仕事を得る人が増えてきています。ITエンジニアも、技術力の確かさ、高さが見てとれる投稿を重ねていると、それが技術者の力を求めている企業の担当者などの目にとまるところとなり、契約につながるといったケースが広がってきました。

こまめに更新作業を行い、運用を継続すること、気になった潜在顧客にあたる人がすぐにアクセスできるよう、自身のポートフォリオを作成・公開してリンクを貼っておくこと、問い合わせフォームなどを見やすい位置に用意しておくことなどがポイントです。

なお、SNS上でエンジニアなどを募集するクライアント企業もありますから、そうした場合には担当者のアカウントに直接DMを送るなどすると良いでしょう。

経験豊富なベテランのフリーランスITエンジニアとなってきたら、さらに書籍の執筆・出版やセミナー講演を行うといったセルフプロデュース活動も積極的に進め、自らのブランディングを図れると理想的です。

エージェントを利用する

フリーランスのITエンジニアなどIT人材案件に特化したエージェントサービスを利用する方法です。一定以上のスキルや経験を積んでフリーランスとなったら、継続的に仕事を獲得する手段として、ぜひ利用したい窓口となります。フリーランスのITエンジニアらと、技術力を求める企業のマッチングを図り、双方を最適につなぐエージェントサービスでは、自ら営業活動を行わずとも、スキルに合った案件を獲得することができます。

営業をプロフェッショナルに代行してもらえる仕組みが整えられており、そのサポートを受けることで本業の業務に集中でき、安定的かつ継続的に仕事をしやすくなるメリットがあります。個人では獲得することが難しい、企業同士ならではの高単価案件や、大規模な案件、非公開案件なども豊富に取り扱われており、利用する価値は大きいでしょう。

契約や交渉に関し、自分一人では心許ない、思うように主張できないといった場合もあるかと思われますが、エージェントサービスを利用すれば、担当のコンサルタントなどのサポートを得られ、適正な単価、良い条件を引き出して契約を結びやすくなります。IT業界の動向や関連法規など、知っておくべき最新情報の提供や、税金関係の処理にかかるサポートなどのサービスも付帯していることが多く、フリーランスITエンジニアの心強い味方になるでしょう。

クラウドソーシングに比べるとスピード感はありませんが、質の高い案件、高単価案件に出会いやすく、それらを獲得しやすいメリットがあります。

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案件選びのポイント

仕事の獲得方法について理解したら、次は案件をどう選び、請け負っていくかそのポイントを押さえておきましょう。フリーランスITエンジニアの場合、自分が受けた仕事によって、ライフスタイルもキャリア形成のかたちも、経済的な面も大きく異なってきますから、仕事を賢く選ぶ力も非常に重要です。どんな点に注意・着目し、案件を選ぶべきなのか、具体的に解説します。

納得のいく単価か

案件を見てまず気になるところであり、当然チェックすべきポイントになるのは、その単価でしょう。フリーランスになった直後は、仕事を獲得できる嬉しさのあまり、ある程度予定より低い単価でもいいか、と次々に受け入れてしまったり、提示された額としての単価の高さだけに目が行き、安易に高い方を選択してしまった結果、業務内容が非常に重く、稼働時間やかかる手間、こちらが負担する費用などの面で、全く割の合わない案件を抱え込むはめになったりと、後になって後悔し、失敗するケースも少なくありません。

そうした失敗もその後に活かせる経験のひとつと捉えるのももちろん良いことですが、あらかじめ注意し、避けて通れるに越したことはないでしょう。会社員時代の報酬から、それに経費などをプラスしてある程度の適正単価目安を持つようにしたり、自身のスキルに合った案件が市場でどのくらいの単価相場になっているのか、エージェントサービスの公開案件や求人サイトの案件などを参考に把握するよう努めたりと、客観的な相場観をもって臨むことが大切です。

これでは納得して取り組めない、モチベーションが保てないと感じるような、不当に低い単価設定の案件については見送る勇気を持ちましょう。また、ただ見た目の単価が高ければ良いというものでもありません。納品期日があれば、自身のペースで遵守できる範囲内か、必要スキルやそのレベルに問題はないか、稼働時間や契約期間面を考慮しても単価として本当に良い条件か、交通費など別途負担する必要のある経費額が膨らみすぎないかなど、よく内容を確認し、トータルで判断するようにすべきです。

チャレンジする価値がある内容で、頑張ってみようと思えるレベルの案件であり、自身を市場の商品としてクライアント側の立場から評価してみた場合の価値水準と乖離していない案件、適正に評価してもらえていると感じる単価提案の案件を積極的に請けるようにしましょう。

継続案件か

全てが短期間の単発案件で、常に営業活動や新規の契約・交渉といった煩雑なプロセスと並行して業務を行わなくてはならない状態では、なかなか集中できず、スキルを磨くこともままならないでしょう。収入面、稼働面でも、繁忙期と閑散期の差が激しくなりやすく、安定性を欠くスタイルになってしまう問題点もあります。

個人の考え方次第という側面もあり、単発の仕事を次々に請け負う方が、新鮮な気持ちで日々取り組めて良い、後腐れなく仕事ができるから好きだという人もあるでしょう。よりたくさんの現場を経験し、さまざまな業界を見てみたい、多様な案件の経験を積みたいという考えから、短期単発案件を積極的にこなすのも悪い姿勢ではありません。

しかし、事業活動として継続していくためのバランスという観点でいえば、一度きりで終了してしまう案件ばかりではなく、継続的に発注してもらえるような案件、クライアントも確保し、安定した収入につなげていくこと、日々の業務活動ペースを整えるものを持つことも大切です。Webサービスの開発などであれば、立ち上げ作業が終了した後も、ある程度の単価で保守運用・メンテナンス業務を任せてもらえる案件を獲得していきましょう。

継続契約としてもらえるこうした固定客、長期の取引先となるクライアントがいれば、貴重な収入源となり、さらにそこから新たなクライアントの案件を紹介してもらえるなど、広がりが生まれやすくなります。継続的な発注の可能性がありそうな案件、自身も契約の更新・継続を望むような長く関わりたい領野の案件には注目し、少し意識的に選択してみることも考えてみましょう。

そうした案件の獲得に成功し、業務に着手できたら、継続につながる信頼関係の構築に努めることも重要です。もちろんどんな案件でもいえることですが、持てるスキルを存分に発揮し、クライアントのニーズに応えられるよう真摯に努めること、よりクオリティの高い仕事ができるよう工夫する姿勢を忘れず、信頼されるフリーランスITエンジニアになれるよう、日頃から集中して取り組むことを忘れないでください。そうした積み重ねが継続を希望するクライアントを増やすことにつながり、自身の市場価値を高めていくことにもなります。

信頼できるクライアントの案件か

社会にはさまざまな企業、事業主が存在し、仕事の提案をくれるクライアントが、みな信頼できる対象というわけではありません。中には悪質なクライアント、常識的な付き合いができないクライアントも存在します。対等な立場で契約を交わし、業務を提供して対価を得ようとしている以上、そうしたクライアントの案件については問題性を見抜き、距離をとること、自分の身は自分で守ることが大切です。

対象企業について、新規案件であればとくに入念に、信頼性の面で問題がないか、あらかじめ調べるようにしましょう。事業実態に問題はないか、問い合わせ対応などに不信感を持つような点はないか、十分に注意して臨んでください。SNS経由やクラウドソーシング利用など、相手の顔が見えにくいケースも増えています。

知名度のある企業なら安心、大企業が切り出している案件ならば良いというわけではありませんが、ある程度それによって信頼が担保されるという面ももちろんあるでしょう。しかし、スタートアップやベンチャーの案件、小規模な案件も、多様な現場経験を積む上で自身の実績の中に取り込み、案件を請けていきたい対象でもあります。

単価の設定はもちろん、依頼内容に曖昧な点はないか、疑問点を尋ねた際にも迅速かつ誠実に対応してくれるか、案件詳細や契約詳細にしっかり目を通し、信頼できる相手かどうか、クライアントを見極める目を養いましょう。確認作業を怠ると、報酬の支払いが滞る、クレームが頻発するといったクライアントに悩まされることにもなりかねません。

当然ですが、法令違反のあるようなクライアントと関わってはいけません。常に緊張感をもって接し、信頼できるクライアントの案件で、きちんと契約を取り交わすこと、そうして無用のトラブルを回避するように努めることが重要です。

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ITエンジニアが単価100万円以上を目指すには?

年収で1,000万円超を実現できるような、単価100万円以上といったとくに高単価の案件を獲得できるフリーランスITエンジニアは、ひとつの目標目安になると考えられますが、どうすればそうした理想の活躍ができるようになるのでしょうか。職種にもよりますが、そうした市場価値がとくに高く、高収入を安定してあげられるフリーランスITエンジニアを目指すためのキャリアパスをどう描けば良いか、ポイントを押さえて解説します。

スキルを磨きトレンドも意識して強みを作る

フリーランスITエンジニアにとって、何より問われるのは、その保有スキルであり実績です。技術力こそ命ですから、まずは何を置いてもスキルアップを図り、実務経験を重ねていくことが欠かせません。

単価の高い案件は、需要の高いトレンドのプログラミング言語まわりに多く発生します。市場のニーズが急増しているトレンド言語で、経験豊富なITエンジニアの供給が圧倒的に不足している場合、業務負荷は同程度でも、必然的に高単価が導かれます。そのため、特定の分野でスキルを高度に磨くのも有効ですが、その経験や知見を活かしつつ、トレンドを意識してカバー範囲を拡張し、自身のスキルのうちに含めていくと、単価100万円以上を目指しやすくなります。

言語面だけでなく、ビジネス面として、金融やマーケティング、ゲーム、IoTなど市場が大きく、引きの多い関連領域について、スキルがあることも有利に働きます。こうした独自のスキルの豊富さ、核となる技術力の高さを組み合わせて発揮し、自分だけの強みとしてキャリアを作り上げていけば、クライアントにとくに高く評価され、重宝される、ワンランク上のフリーランスITエンジニアとなり、高単価を引き出せるようになるのです。

案件の選び方を工夫しPM経験を積む

ただやみくもに案件をこなしていては、なかなか理想的なキャリアパスにはつながりません。案件の選び方も戦略的に実行すべきです。得意な分野、無理なくこなせる似たタイプの案件を優先するスタンスでは、あまり進歩が期待できませんから、開発を一人称で担う案件や、とくに大規模なプロジェクトの案件に参加するなど、積極的に挑戦する姿勢を大切にしましょう。

また、ビジネスの基礎知識や経営の観点を学び、上流工程の案件を狙っていくことも高単価のポイントです。プロジェクトを主軸になって引っ張るチームリーダー役を任せてもらえる案件など、プロジェクトマネジメントのスキルを磨けるタイプの案件に注目し、重点的に挑戦を重ねてみましょう。その経験を充実させれば、単価100万円以上の案件を継続的に獲得しやすくなります。

ポートフォリオを充実させ新規顧客の開拓を進める

スキルシートやポートフォリオは常に最新の状態に更新し、充実した内容で公開・提示できるようにしておきましょう。これらがしっかりと作成されていることは、とても重要なポイントになります。内容でスキルと経験の豊富さ、高度さをアピールできるのはもちろん、行き届いた仕様の資料を通じ、誠実さや信頼性の高さを伝えることができるからです。

そしてフリーランスで活動する以上、こうした技術を示す資料や窓口を充実させ、新規顧客の開拓に常に積極的であることを大切にしましょう。良い条件の継続案件をつかんでいても、更新がいつ切れるかは分かりません。積極的に新規顧客、潜在顧客へのアピールを重ねることで、新たな依頼案件の中から、現状より高単価の案件を見つけられたり、キャリアを一段アップさせるような新しい実績、大きな実績を作り出せるチャンスに巡り合えたりするようになります。

エージェントを賢く利用する

個人ではなかなか契約に結びつきにくい非公開の案件も含め、営業活動のプロが企業同士として取引しているエージェントサービスには、単価100万円以上の高単価案件も多く扱われています。自分自身では見出せなかった強みを引き出してもらえたり、思わぬマッチングで自らの市場価値を高めるきっかけを与えてもらえたりすることも多く、手間が省けるだけでなく、チャンスを拓く面でも、エージェントを上手く利用することがお勧めです。

面談・面接でのアプローチや、交渉術も学ぶことができ、サポートを受けながらこれらの力も伸ばしていくことで、最適なクライアントに、最適なタイミングで自身のアピール、適切で分かりやすい強みの表現ができるようになると、ぐっと高単価を引き出しやすくなり、単価アップの階段を上りやすくなります。

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まとめ

いかがでしたか。ITエンジニアにスポットを当て、ベストな働き方や収入アップに向けた行動のポイントなどを検討してきました。ITエンジニアはすでに慢性的な人材不足の状況にあり、今後はさらにその需要が高まると見込まれるため、全体的な市場価値の高まりと優れた将来性が期待できる職業です。

一方で国内の人材不足が深刻化する今後は、日本市場に可能性を感じた海外ITエンジニアの流入も進む可能性があり、量だけでなく質が強く問われる競争激化の時代に突入することも考えられます。他の職業に比べ、ITが技術として言語の垣根を越えやすく、グローバルに活躍しやすい特徴があることも、その背景要素として指摘できます。基本的な日本語のコミュニケーションができ、英語でのやりとりに国内人材より長けた面を持つ海外ITエンジニアが、希少で高いスキルを持って市場に増えてくれば、強力なライバルが増えることになるでしょう。

職種領域によっては、技術の進展による半自動化、AIによる重要性の薄れが発生する可能性があることにも注意しておかねばなりません。より安価に効率良く、機械的処理が可能となれば、人に求められる内容は変化します。その変化に応じたスキルの習得と実務経験の積み重ねができなければ、自身の市場価値を下げていってしまいます。

IT業界の変化はめまぐるしく、それゆえにチャレンジングで可能性の高い世界ですが、トレンドに敏感に行動しなければ、生き残ることができません。同じ領域の中でも、常に知識や技術はアップグレードされ、変化していきます。さらにニーズとの兼ね合わせから求められる人材、技術も変化しますから、業界の最新トレンドを常にチェックし、対応していく必要があります。

高い向上心を持ってスキルを磨き、積極的に経験を積むこと、一度学び身につけたことに固執せず、最新トレンドへアンテナを張って、柔軟に自分自身のアップデートも図ることが重要であり、ITエンジニアには、知識とスキルの弛まぬブラッシュアップが強く求められるのです。そうして幅広い知見と高度なスキルを武器に市場へ向かえば、ITエンジニアとして、フリーランスエンジニアとして、成功することができるでしょう。ぜひ志を高く持ち、自ら大いに活躍する未来を拓いていってください。

また、エージェントを利用して案件を探したいという方はこちらのページを参考にしてみてください。

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