エンジニアの働き方の種類|契約形態やスキルを知って活躍しよう

最終更新日:2024年10月02日


この記事のまとめ

  • ITエンジニアには多様な職種があり、正社員・派遣社員・フリーランスなどさまざまな働き方を選択できる
  • ITエンジニアには、専門知識・スキルに加え、コミュニケーション能力や論理的思考力などが必要とされる
  • ITエンジニアが市場価値を高め高収入を目指すには、スキルアップや上流工程の経験、自己PRなどが重要である

ITは私たちの生活に浸透し、今や重要なインフラとして欠かせないものです。それに伴って必要とされるIT人材の数は急増し、仕事内容も多岐にわたるようになりました。IT関連市場のニーズは幅広く、エンジニアを取り巻く環境も変わり続けています。

そこで本記事では、ITエンジニアの多様な働き方を紹介します。必要とされるスキルや将来性、キャリアパスなどについても解説するので、ぜひチェックしてください。

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ITエンジニアとは?主な職種を紹介

ITエンジニアはIT(Information Technology・情報技術)に関わる技術者です。エンジニア(engineer)は、工学(エンジニアリング)についての専門的な知識やスキルを持った人材を指します。以下でITエンジニアの主な職種を見ていきましょう。

システムエンジニア

システムエンジニア(SE)は、コンピューターシステム開発でクライアントの要望を聞き取り、最適な技術的提案から設計・開発・テスト運用までの一連の工程を担う技術者です。クライアントと直に接することが多いので、コミュニケーション能力や経験を活かした提案力が重要になります。

システムエンジニアがプログラミングを担う場合もあるため、言語知識とスキルは欠かせません。データベースやネットワークなど幅広い知識と技術を身につけ、実務経験を豊富に積めば、収入アップを目指しやすい職種でもあります。

プログラマー

システムエンジニアが作成した仕様書をもとに求められるシステムを実際に構築したり、機能実装を行ったりするコーディングを担当します。現場ごとにさまざまなプログラミング言語を要求されるのが特徴です。複数の言語をマスターすれば仕事の幅が広がり、キャリアアップにつながります。

プログラマーは開発するシステムや使用言語により、以下のように細分化されます。

  • Webプログラマー
  • アプリケーションプログラマー
  • 組み込みプログラマー
  • PHPプログラマー
  • Javaプログラマー

単価は担当する言語やジャンル次第で変わります。複数の言語が要求される場合は高く設定される傾向にあるようです。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接目にするWebサイトのページ表示や操作部分を開発するエンジニアです。

HTMLやCSS、JavaScript、PHPなどを用いるケースが多く、UI・UXを意識した開発センスが求められます。ユーザー目線に立った面白さ、快適さを支えるデザインの知識も必要で、Webデザイナーからキャリアアップする場合もあります。

昨今はモバイルシフトも進んでいることから、マルチデバイス対応、モバイル対応が必須になりました。アクセスに用いるデバイスの違いがあっても、変わらず快適に使えるシステム環境の構築、設計が求められています。

バックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)

ユーザーの目には触れることのない部分(バックエンド)の根幹システムを担当するのがバックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)です。クライアントの目的に合わせ、最適なサーバーの台数やスペックを決定・構築し、運用・保守についても専門家として対応します。

新規開発では、予備のサーバーを用意するなど冗長化を図ったり、負荷を分散させて急激なアクセス集中時のサーバーダウンを防いだりといった工夫が求められます。障害が起きてもサービスを止めることなく維持できるようにするためです。

ビジネスの成長やトレンド変化などに合わせ、既存サービスのバックエンドを強化・改善する作業も多くあります。構築ではOSやアプリケーションのインストールと設定、サーバーの固定、ネットワークケーブルの配線など直接機械に触れる作業を担います。

インフラエンジニア

インフラエンジニアはITのインフラストラクチャー(infrastructure/基盤部分)を担います。サーバー構築やネットワーク管理、クライアント端末の設定などが主な仕事です。

障害発生時の即時復旧作業も重要な仕事の一つ。サービスが問題なく動く仕組みを縁の下の力持ちとして支える専門技術者といえます。特に、メンテナンス作業や障害対応は休日夜間に求められる場合も多く、不規則な働き方になることが少なくありません。

ネットワークエンジニア

ITインフラの中でも、特にネットワークシステムの設計や構築、運用・保守を専門的に行うのがネットワークエンジニアです。ルーターやスイッチ、DNS、メールシステム、ファイアウォールなど、ネットワークに関わる高度な知識とスキルが求められます。

昨今はセキュリティ関連のスキルが求められることも多くなりました。プログラミングなどの基本的な開発スキルも不可欠なので、システムエンジニアからキャリアチェンジする人もいます。

データベースエンジニア

データベースを専門に扱うエンジニアで、主な業務はデータベースの設計・開発・運用・保守です。一定のルールに従ってデータを整理整頓して格納し、スムーズに取り出せる仕組みを整えます。

市場では近年、ビッグデータの活用に高い関心が寄せられているため、データベースエンジニアの活躍の場は広がってきました。ビッグデータの処理にはデータベースの技術が重要な役割を果たすため、データベースエンジニアの知見やスキルが活かせる場は今後も増えると考えられます。

制御・組み込みエンジニア

制御・組み込みエンジニアは、産業用機械・ロボット・自動車・家電製品といったプロダクトに組み込むソフトウェア(ファームウェア)を開発する技術者です。多くは大企業・中堅企業・官公庁から依頼を受け、独立した機器の中に組み込まれたコンピュータを制御するシステムを開発・実装します。

近年、デバイスの多様化やIoT化によってニーズが増えている職業です。

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ITエンジニアの働き方の種類

ITエンジニアは慢性的な人材不足にあり、働く場所を見つけるのに苦労することはあまりないでしょう。ただ、働き方の種類を知っておく必要はあります。

働き方の選択により、ワークライフバランスや待遇、収入面などに大きな違いが生じます。正社員やフリーランスなどさまざまな働き方があるので、それらの特徴を押さえましょう。

正社員

正社員は雇用契約を交わしてITエンジニアとして企業に所属し、固定給を得ます。新卒としての採用や中途採用など、入口はさまざまです。

未経験者を採用して育成する企業もあり、キャリアパスがしっかり作られているケースも多いでしょう。充実した福利厚生・社会保険・労働者として保護される権利など、安定性のある境遇で働くことができるうえ、新たな技術を身につける機会にも恵まれます。

メリットがある一方で、時間的制約や拘束時間の長さに悩まされることもあります。また、平均的な会社員と比べて高めの給与が得られるものの、年功序列の仕組みが残る企業も多く、高い技術を持っていたとしてもすぐ給与に反映されるとは限りません。

仕事内容も担当部署の決定権は会社側にあるため、希望するプロジェクトに参加できない場合もあるでしょう。

派遣社員

派遣会社と雇用契約を結び、自身のスキルや実績とマッチする企業に派遣されて業務を行う働き方です。業務上の指示は派遣先企業の担当者から直接受けます。

派遣社員はスキルと業務内容のミスマッチが少なく、働きながら現場経験を積めるのがメリットです。待遇や勤務時間などの条件面は派遣会社が交渉・管理してくれるため、残業や休日出勤などを少なくできるでしょう。

一方で、福利厚生面の充実度は低く、ボーナスがない場合も。また、働く地域や市場の動向によっては、1つの契約が終了したのちスキルに合った派遣先が見つからず、雇用が不安定になるリスクもあります。

収入はスキル・実績・所属する派遣会社次第で、正社員並みになるケースもあるようです。

フリーランス

フリーランスのITエンジニアは、企業に所属せずに個人で仕事を得る働き方です。仕事の内容・量・拘束時間・場所などを自己裁量で決められるのが魅力だといえます。市場価値の高いスキルや実績を持っていれば、年齢にかかわらず高い評価や報酬を得られるでしょう。

ただ、常に安定した収入が得られるとは限りません。会社の福利厚生や社会保険の恩恵がないのもデメリットです。

また、営業・契約・経理・税金の処理などを自身で行うため、そうした知識も必要とされます。フリーランスの働き方を選ぶなら、メリットとデメリットを踏まえたうえ、企業などで経験を積んでから独立するのがおすすめです。

なお、フリーランスエンジニアにも働き方や契約形態の違いがあります。以下をご覧ください。

常駐型

常駐型エンジニアは、クライアントの求めに応じて現場に出向して業務を行います。システムを構築する企業やその関連施設の中で働くサーバーエンジニアがその一例です。常に出勤するため一見すると会社員エンジニアと変わりありませんが、実際には業務委託契約で働きます。

クライアントにとっては技術的な相談がしやすく、情報漏洩の恐れがないのがメリットです。また、エンジニアにとってはリアルタイムで指示が受けられ、作業が進めやすい働き方となります。

在宅型

在宅型エンジニアは、受けた業務を自宅やコワーキングスペースなど任意の場所で行います。リモートワークなので会社に出向く必要がなく、時間を自由に効率良く使えます。複数の仕事を受けて同時に進めることも可能です。

ただし、業務を行う際に必要な通信料は自己負担となる場合が多いため、気をつけましょう。

準委任契約

契約の種類は2種類あります。その1つ「準委任契約」は常駐型に多く、業務遂行により報酬が発生する形態です。成果物の納品が報酬の条件ではありませんが、善管注意義務の責任を問われる可能性はあります。

請負契約

「請負契約」は、納期までに成果物を納品すると報酬が発生する形態です。効率良く作業を進められれば、時間あたりの単価が高くなるでしょう。

一方で、成果物が打ち合わせ内容と異なる、品質がよくないといった場合には、納品後の修正が何度も発生することになりかねません。損害賠償を請求されるケースもあります。契約時に成果物の品質や報酬支払いのタイミング、トラブルが起きた際の対応などを細かく決めるのが大切です。

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ITエンジニアの仕事内容

ITエンジニアの仕事内容は関わる分野によって多種多様です。しかし、各分野でどのような役割を担うかという作業フローの観点から大まかに区分することができます。ここでは3つの主な仕事内容を見ていきましょう。

企画・設計

企画・設計はクライアントにヒアリングし、現状の問題点・プロジェクトによって実現させたい内容などの細かな要望を汲み取ることから始まります。要望を叶えるために何をすれば良いか提案し、システムやネットワークなどの構成をどのようにするか、要件定義を行います。

続いては設計です。性能・人員・開発期間・運用スタイル・セキュリティ面などについて、予算も考慮しながら決めていきます。高度な機能の実装も必要ですが、クライアントのスタッフが運用しやすい仕様であることも重要です。

基本設計をまとめてクライアントに確認をとったら、現場へと回します。ここまでの過程を上流工程といいます。

開発・テスト

先にまとめた仕様書や基本設計書に基づき、実際のシステムやページ、サービスとしてプログラミングを行っていくなど、構想を現場で形にする工程です。設計の工程を含めて開発業務とする場合もあり、どのような切り分け方をするかは、クライアントや担当する業務ごとに異なります。

分業化の進んだ現場ではプログラミングはプログラマーに一任し、ITエンジニアはプロジェクトの管理マネジメントやテスト、合意形成などに集中するケースも。マルチな活躍が求められるスタートアップや小規模企業では、ITエンジニアが直接コードを記述することも多いでしょう。

ある程度開発が進んだら、仕様書・設計書通りに動作するか、確認テストを行います。テストレビューで問題が確認されたら、ソースコードのどこに欠陥があるのか、そもそもの仕様に問題はないかなど確認を行い、デバッグを実施します。

納品・運用・保守管理

開発が完了し、動作確認を終えれば、クライアントへ納品することになります。システムを運用するためのマニュアル・システム設計書・プログラムなども作成し、資料として提出するのが一般的です。

トラブルに備える仕組みを整えるのは重要ですが、想定を超える問題が発生するケースもあります。ビジネスを取り巻く環境の変化に合わせる必要もあるでしょう。そうした際に対応し、システムの変更や保守管理を行うのもITエンジニアの責務です。

問題解決後、安定稼働するまでの間、丁寧にサポートしましょう。

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ITエンジニアに必要なスキル

雇用契約のもとで働く場合でも、フリーランスで働く場合でも、ITエンジニアには技術以外にもさまざまなスキルが必要になります。市場価値が高いITエンジニアになるために必要なスキルを見ていきましょう。

IT全般に関する基礎知識・基本スキル

ITエンジニアとして活躍するには、自身の専門とする領域だけでなく、IT全般の基礎的な知識・スキルを身につける必要があります。

専門分野の細分化は進んでいても、開発現場では他領域とシームレスにつながる必要があるケースが多く、互いの情報共有が欠かせません。その際ベースとなる基礎知識がなければ、関係者と適切にコミュニケーションをとれなくなります。

たとえば、フロントエンド開発を専門としていても、以下のような基礎知識がなくては最適な開発・構築は行えません。

  • どのようなインフラの上に成り立っているか
  • バックエンドでどういった処理がなされているのか
  • ネットワークやデータベースの仕組みはどうなっているか

業界の技術トレンドや関連法規・マナーなども含め、広くIT全般の基礎を理解しておく必要があります。

プログラミング能力

プログラマー以外のITエンジニアにもプログラミングのスキルは必要です。上流工程の業務だとしても、要件定義のためにより高度なプログラミングスキルが求められることもあります。知識のアップデートや新たにトレンドとなった言語の習得なども積極的に行えば、活躍できる分野が広がるでしょう。

コミュニケーションスキル

開発現場ではコミュニケーションスキルが重要になります。多様なニーズとバックグラウンドを持ったクライアントの要望を的確にヒアリングし、技術的な提案を分かりやすくする必要があったり、他の技術者と連携しながら働いたりすることが多いからです。

経験を積んで管理者やチームリーダーを担うようになると、経営層との打ち合わせやプレゼンテーションなどの機会も増えるほか、初級エンジニアを育てたり、指示を出してサポートを行ったりしなければなりません。高いコミュニケーションスキルを発揮し、信頼を勝ち得ることが求められます。

マネジメント能力

マネジメント能力も、ITエンジニアに必要とされるスキルの1つです。チームとして仕事をする中で、メンバーに指示を与えたり、プロジェクトの管理責任者を任されたりする場面が多くあります。

リーダーシップを発揮してプロジェクトの進捗状況を管理し、トラブルにも柔軟に対応できる力も求められるでしょう。1人で多岐にわたる工程を担当するケースも同様です。

フリーランスとして働く場合には、スケジュール調整や自己管理などの面でもマネジメント能力が必要になります。

論理的思考力

論理的思考力もITエンジニアに強く求められるスキルです。設計は常にロジカルに、明快な論理性をもってなされなければなりません。思わぬトラブルが発生したり、障害が報告されたりした場合にも、根本原因を素早く突き止めて必要な対処をとるには、高度な論理的思考力が必要です。

クライアントの希望・要望を技術的に具体的な形へ落とし込む、バグを排除するなど、ITエンジニアの業務シーンでは、常に論理的思考力が必要といっても過言ではありません。

文章作成力

開発の現場では業務を次の工程の担当者に引き継いだり、クライアントとやりとりしたりする中で、文章力が必要になることも多いです。

進捗状況をメールやチャットで伝えるだけでなく、開発に取りかかる段階での企画書や基本設計書を作成したり、業務完了時・納品時に報告書や仕様書を作成したりする必要があります。正しく的確な文章で相手に伝えなければなりません。

上流工程に携わるようになったITエンジニアであれば、プレゼンテーション資料の作成や提案の実施などで、さらに高い文章力と表現力が要求されるでしょう。

自己研鑽力

ITエンジニアの仕事は、一度覚えれば終わりではありません。次々に新たな技術やトレンドが生み出されるので、新たなスキルや知識を貪欲に身につけていく姿勢が求められます。

アップデートされる技術や仕様をキャッチアップし、自身のスキルと知識を最新の状態に保つこと、常に上を目指してブラッシュアップを図り続けるのが大切です。

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ITエンジニアの市場動向

現在、ITエンジニアの需要は高い状況にあります。人材不足は今後さらに深刻化すると考えられます。

独立行政法人情報処理機構が発表した「DX動向2024」によると、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進する人材の「質」や「量」の確保について、「大幅に不足している」「やや不足している」と回答した日本の企業は、それぞれ85.5%、85.7%にのぼりました。

社会全体を見わたすと、AI導入・レガシーシステム刷新・データの利活用・IoT導入などが推進されています。ITエンジニアを求める動きは今後ともますます活発になるでしょう。

フリーランスITエンジニアの市場動向

高単価になりやすいIT人材について見てみると、同じ領域・職種であっても基本的に上流工程の業務に携わるフリーランスエンジニアの方が報酬が高い傾向にあります。幅広い知見と高度なスキルを持ち、責任を持ってプロジェクト全体を見通せる人材が求められるのです。

基本スキルに加え、保有者が少ないスキルを複数身につける、あるいは極めて高いレベルのスキルを有するフリーランスエンジニアも高単価の仕事を獲得しやすいようです。的確で柔軟な対応ができ、1人で何人分もの仕事をこなす人材なら、単価が多少高くてもトータルで見ると安くなります。

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気になるITエンジニアの報酬・年収実態

現役ITエンジニアの中には、自分の報酬がスキルに見合っているか疑問に思う方も多いでしょう。特にフリーランスとして働き、価格交渉をする場合、報酬の相場を知っておくのは重要です。

経済産業省が2021年2月に発表した「我が国におけるIT人材の動向」によると、「先端IT従事者」のうち最も多い年収区分は「1,000~1,500万円」で、全体の15.2%でした。「非先端IT従事者」のうち最も多い年収区分は「500~600万円」で、同じく15.2%だったことと比較すると高い金額となっています。

また、国税庁が発表した「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、国内労働者全体の平均給与は458万円です。これと比較してもITエンジニアの年収は高い水準だといえるでしょう。

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フリーランスITエンジニアが仕事を得る方法

フリーランスは仕事を自ら獲得しなくてはなりませんが、はじめのうちは営業未経験で、戸惑うことばかりの方も多いでしょう。

仕事を探して獲得する方法は、大きく分けて2種類あります。1つは新たな仕事を受ける「新規」のもの、もう1つはすでに担当したクライアントからさらに仕事をもらう「継続・更新」にあたるものです。

仕事ぶりが評価されて信頼が得られると、仕事の継続を依頼されることが増え、安定した収入源を得られます。しかし、フリーランスになって間もない時期は新規の仕事を積み上げていくしかありません。以下では、新規の仕事を獲得する方法を紹介します。

知人などからの提案

知人や友人、かつての職場の同僚・先輩・取引先の担当者など、自身の人脈をフル活用して仕事を得る方法です。プライベートな人脈も仕事獲得の貴重な窓口です。

まずは周りに独立したことを知らせ、仕事を提案してほしいと伝えましょう。その際は、ビジネスマナーを守った節度のある振る舞いを心掛けてください。

駆け出しのフリーランスにとって、知人からの提案ほど心強いものはありません。互いの信頼のもと、契約がまとまりやすい傾向にあります。仕事が獲得できれば、誠実に対応しましょう。

クラウドソーシングを使う

手軽に仕事を探すには、クラウドソーシングを利用する方法もあります。これはインターネットを介して、仕事を依頼したい企業・団体と仕事をしたい個人がつながる機会を創出する仕組みです。

単純作業を担うワーカーから専門スキルを持った技術者まで、幅広い人材が登録し、さまざまな仕事が掲載されています。

会員登録をすればすぐに仕事を探して応募でき、クライアントに選ばれれば仕事が獲得できます。単価が低めで単発の仕事が多い傾向で、手数料も支払うことになりますが、現場経験数を増やしたい方におすすめです。

サイトや企業に直接営業をかける

自分も技術者として関わりたいと思う企業などがあれば、直接営業をかけてみるのも手です。一般的に運営事業者側が問い合わせページを設けていますから、そこから連絡をとってみましょう。

アポイントをもらえたら、自分にどんなスキルと実務経験、実績があるのか示すためにポートフォリオを提示してください。そのサイトやサービス、企業にどんな価値を与えられるのか、それがどう利益につながるのか、相手の視点から分かりやすく提案してアピールします。

すぐに契約につながるようなことは稀で、ハードルは高いものの、自身が最も希望する仕事ができる方法になる可能性はあります。

SNSなどで営業する

自身のWebサイトやビジネス用のSNSアカウントを開設し、営業窓口として運用する方法もあります。持っているスキルや経歴を随時発信していくことで企業の担当者の目にとまり、契約につながるケースが近年増えています。

自身のポートフォリオを作成して閲覧できるようにしたり、問い合わせフォームを見やすい位置に用意しておくと効果的です。企業の方がSNSでITエンジニアを募集する場合もあるため、見つけたら担当者へ連絡すると良いでしょう。

エージェントを利用する

IT人材に特化したエージェントサービスを利用するのも有効な手段です。ITエンジニアと企業のマッチングを図ってくれるため、自ら営業活動を行わなくとも自身に合った仕事を獲得できます。一定以上のスキルを身につけたら、継続的に仕事を獲得するためにぜひとも利用したい窓口です。

営業活動をエージェントに任せられるので、自身は業務に集中でき、安定的・継続的に仕事がしやすくなるのもメリットです。また、大規模なプロジェクトも豊富で、好条件の契約を結びやすく、新しい情報の提供や税金処理のサポートが受けられる場合もあります。

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ITエンジニアが月単価100万円以上を目指すには?

仕事の月単価100万円以上、年収で1,000万円を超えることは、フリーランスのITエンジニアにとって1つの目標になると考えられます。そのような理想に到達するにはどのようにすれば良いか、市場価値が特に高いITエンジニアになるためのコツを見ていきましょう。

スキルを磨きトレンドも意識して強みを作る

何よりもまず、スキルを磨きましょう。それには実務経験を重ねることが欠かせません。次に、プログラミング言語のトレンドに注目しましょう。市場のニーズが急増している言語は経験豊富なITエンジニアが不足しがちで、高単価になりやすいといえます。

自分の経験を活かしつつ、トレンドを意識して守備範囲を広げていくと月単価100万円以上を実現しやすくなります。

言語だけでなく、金融・マーケティング・ゲーム・IoTなど市場が拡大している領域を意識するのも重要です。自分だけの強みを持てば、高単価を引き出せるITエンジニアに近づけるでしょう。

上流工程を担当できる経験を積む

理想的なキャリアパスにつなげるには、仕事の選び方も見直すと良いでしょう。無理なくこなせる仕事を優先させていては進歩がありません。開発を1人で担当できる仕事や、大規模なプロジェクトに参画するなど、挑戦する姿勢を持ち続けましょう。

ビジネスの基礎知識や経営の観点を学び、上流工程の仕事を狙うのも高単価につながります。プロジェクトマネジメントのスキルを磨ける仕事に挑戦していきましょう。経験を重ねていくことで、月単価100万円の仕事を継続的に獲得しやすくなります。

ポートフォリオを充実させ新規顧客の開拓を進める

ポートフォリオやスキルシートは常に最新の状態に更新し、充実した内容で公開しましょう。スキルや経験を伝えられるだけでなく、細かな気配りの行き届いた資料を提示することで、信頼性の高さもアピールできます。

フリーランスとして活動する以上、スキルや経験をアピールし続けることは重要です。好条件の仕事にたずさわっていても、更新がいつ切れるかは分かりません。高単価・キャリアアップにつながる新たな仕事を見つけられるよう、積極的な姿勢を持ちましょう。

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ITエンジニアの働き方に関するよくある質問

ITエンジニアのさまざまな働き方を紹介してきましたが、ここでは働き方に関するよくある質問に答えます。

エンジニアにふさわしいのはどんな人?

ITエンジニアにふさわしい人は、IT業界やITの技術に興味がある人・論理的な思考ができる人・柔軟に仕事ができる人・継続して学べる人・コミュニケーション能力を持っている人です。好奇心旺盛な人なら、文系出身者でも問題ありません。営業やマネジメントのスキルがある人にも向いているでしょう。

エンジニアからのキャリアパスは?

まず、専門分野に特化したスペシャリストか、複数の分野の知識やスキルを持つジェネラリストか、という選択肢があります。

いずれかの経験を積んだのち、マネジメントに進む道もあります。マネジメントを選んだ場合、さらにプロジェクトリーダー・現場のディレクター・プロジェクトマネージャー・ITコンサルタントなどのコースが考えられるでしょう。

ITエンジニアのキャリアは、他の仕事と比べて選択肢が多岐にわたります。またIT業界は5年後・10年後に大きく変化している可能性もある世界です。そのため、キャリアパスはしっかりと考えておきましょう。

おすすめの資格はある?

ITエンジニアにおすすめの国家資格としては、基本情報技術者試験応用情報技術者試験情報処理安全確保支援士試験などがあげられます。

コンピューター関連企業が認定するベンダー資格には、ORACLE MASTER Gold DBACCNP Enterpriseなどがあります。

また、特定の企業ではなく、NPO法人などが認定しているベンダーニュートラル資格としては、LinuCPMPC言語プログラミング能力認定試験などがおすすめです。

リモートワークはできる?

1人で主体的に作業できる場合に限りますが、スキル次第でリモートワークという働き方は可能です。

ただし、リモートワークを導入していない企業もあるため、多様な働き方を推進している企業への転職をおすすめします。その際は、IT専門のエージェントや求人サイトを利用すると良いでしょう。

夜勤はある?

職種によってはシフト制で勤務する場合があり、そうした現場では夜勤があります。中でもインフラエンジニアの場合に夜勤が発生しやすく、日勤と夜勤が5割ずつになるケースもあるようです。

夜勤がある職種では健康面に配慮して休日が多い傾向にありますが、夜勤を避けたい方は開発エンジニアを目指すのがおすすめです。

残業や休日出勤は多い?

残業はシステムのリリース前に多くなります。システム開発においてエラーは避けられないため、その対応に追われて残業がおきやすいのです。

休日出勤は多くありませんが、企業や状況次第では稀にあります。稼働中のシステムやアプリがダウンした場合は緊急対応が必要なので、休みの日でも出勤することになるのです。

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まとめ

本記事では、ITエンジニアの働き方や高収入を得るための行動のポイントなどを解説しました。

IT業界は変化が目まぐるしく、それゆえ挑戦しがいのある世界です。この業界で生き残り、自分の市場価値を高めるためには、変化に応じたスキルの習得や実務経験の積み重ねが必要とされます。志を高く持って、自身が活躍できる場を拓いていきましょう。

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