フロントエンドエンジニアになるには？

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この記事のまとめ

• フロントエンドエンジニアはWebサイトやアプリケーションのユーザーインターフェース（UI）を設計・構築する職種で、高い需要と将来性がある
• フロントエンドエンジニアになるにはHTMLやCSSなどのプログラミングスキルに加え、UI/UXデザインやサーバーサイドの知識なども求められる
• フロントエンドエンジニアは、上流工程やマネジメントに関わること、周辺知識の習得、営業力強化により、高単価案件の獲得が可能である

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情報化社会が進展し生きる上でITの技術は不可欠のものとなり、あらゆる場所・シーンに浸透しています。
ITの対象領域がおよそ社会の全体、世界規模へと拡張されたことによって、ITエンジニアといっても業務やスキルが異なってきたため、職種の細分化が進んできました。

そこで今回はエンジニアの中でも注目を集めるフロントエンドエンジニアを取り上げ、解説していくこととします。

フロントエンドエンジニアとは？

フロントエンドエンジニアとは、Webサイトやアプリケーション、SaaSツールなど、Web制作一般において、ユーザーが画面越しに直接触れる部分、クライアントユーザーやブラウザの側で作動する部分を設計し、構築するエンジニアです。

広くインターネットの利活用が普及し、Web関連の技術・サービスの増加、市場の複雑化に伴って誕生した比較的新しい職種で、ユーザーインターフェース（UI）やユーザーエクスペリエンス（UX）を左右する働きをしています。

かつてはフロントエンドエンジニアという専門職はなく、コーダーやWebデザイナーが主に作業を行い、対応していました。しかし近年は、ITが進化して技術の多様化・複雑化が進んできています。それを受け、フロントエンドの重要性が増し担当作業が増加したことなどから、より高度なスキルと知見を有するプロフェッショナルが求められるようになり、フロントエンドエンジニアが生まれました。

フロントエンドエンジニアの仕事内容

仕事は主にHTMLやCSSなどでのコーディング、JavaScriptによる開発などでフロントエンドの設計・構築を行っています。

ユーザーが直接触れる部分を担当するため、UI・UXにおける深い知見やデザイン、SEOの知識をもとに、デザイナーが示したプランに改善提案を行ったり、要求に合う技術的解決策を提示したりと細かなやりとりを行って、ともに仕事を進める場合も多いです。

WordPressをはじめとするCMSを用いた開発事例や機能拡張にかかるカスタマイズといった案件もあり、PHPなどのサーバーサイドプログラムに関する知識が役立つシーンも多いでしょう。

サイトサービスやアプリケーションとして仕組みが成立するためには、フロントエンドとバックエンドが適切に連結されていることが重要で、実際の現場ではその接続動作箇所の開発までを担当することもしばしば。サーバーサイドエンジニアやデータベースエンジニアなど、バックエンド側を担うエンジニアらと共同で作業したり、情報のやりとりを行ったりすることは、一般的にみられるものとなっています。

フロントエンドエンジニアとコーダーとの違い

フロントエンドエンジニアが生まれる前から存在した職種で、現在も混同されることの多いものにコーダーがあります。コーダーはWebサイトを中心に、表示レイアウトやその画面移動に関わる部分を担当して、設計書をもとに実際のコーディングを行っていく職種です。

サイト表示の基本言語として広く普及しているHTMLとCSS、JavaScriptなどを用い、ソースコードの記述を進めます。WebコーダーやHTMLコーダーなどもコーダーです。

フロントエンドエンジニアはコーダーより上流職種にあたります。依頼通りにコードを書いていくことがメインのコーダーに対し、多様なフレームワークやライブラリも活用しながら、幅広いスキルと知見をもって、フロントエンドの開発工程全体に関わっていくのが違いです。

マークアップエンジニアとの違い

マークアップエンジニアは、コーダーより上位の職種です。コーダーを経てキャリアアップする人も多く、HTMLやCSSといった言語を用い、Webサイトやアプリケーションの開発工程における仕上げ部分、フロントエンド部分の構築を行います。

マークアップ言語によるコーディングやWebのマークアップ作業を担当するのがマークアップエンジニアです。コーダーは自らの考えでデザインや構成を最適化は行わず、依頼内容や設計書通りにページの実装を行いますが、マークアップエンジニアになるとUXを考慮した快適性の面で、必要な改良・工夫を加えて作業を進めることも求められるようになります。

よりHTMLやCSSに詳しいことはもちろん、UIやUXの基礎知識を有していることが必要で、あらかじめ設計されたものの実現だけでなく、ユーザビリティに配慮した知的開発を行わなければなりません。検索エンジン最適化（SEO）の観点でも、最善といえるコーディングが求められ、そもそもの設計意図をくみ取りながらソースコードを記述、レイアウトやタグ付けを進めていきます。コーダーよりリッチコンテンツの制作を任されるケースも多いです。

フロントエンドエンジニアはフロントエンド開発領域における最上位の専門技術者と位置づけられており、マークアップエンジニアに比べるとコーディング業務の比重は小さくなり、フロントエンド全般の機能実装や開発に携わります。

APIを用いた多機能なWebサービスの構築や、フレームワークを駆使した複雑なWebアプリケーションの開発に取り組むケースも多く、業務の幅広さと高度さにおいて明確な違いがあるといえるでしょう。

フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアとの違い

バックエンドエンジニアはWebサイトやWebアプリケーション、ツールなどにおいて、一般ユーザーの目には触れることがないバックエンド側、つまりサーバー側でのシステムの根幹づくりを幅広く担う職種です。

サーバーの構築からサーバーサイドのプログラム開発、データベース処理、それらシステムの保守・運用などを手がけており、サーバー側で動作するPHPやRuby、Pythonといったスクリプト言語を用いて作業することを基本としています。

知識面でもミドルウェアやITインフラ、データベース関連についての蓄積が必要で、フロントエンドエンジニアとは異なった分野のスペシャリストです。1つの開発プロジェクトを成功させる観点では、互いの連携が重要であり、それぞれが共通した基礎的な知識と知見をもって情報を共有しなければなりません。

フロントエンドエンジニアになるには

近年はWeb系サービス・アプリケーションの増加に伴い、研修制度を設けて未経験のフロントエンドエンジニアの採用を行っている企業も増えています。HTMLやCSS、JavaScriptなど事前にフロントエンドエンジニアに必要なスキルをある程度身につけているのは前提となりますが、十分に目指しやすい職種といえるでしょう。

また、これらの必要なスキルも比較的習得しやすい技術です。学習時の挫折のリスクが低いといえ、モチベーションを維持して身につけていけるでしょう。

目指し方の流れとしては、以下の手順で進めると転職に成功しやすくなります。

必要なプログラミング言語・ライブラリを習得する

フロントエンドエンジニアに必要なスキルについて、言語やフレームワーク、ライブラリなどを確認していきましょう。

HTML

HTML（Hypertext Markup Language）は、Webサイトを作成する際、そのコンテンツの構造を指定するため、主に使用されている言語です。コンピュータが理解可能なマークアップを行うための言語で、ブラウザ上で見るWebページもほとんどがHTMLを用いています。

表示されるコンテンツの内容やレイアウトの基本を決定、情報に目印やリンクを付けることで、視覚的な構造化を行える言語です。

Webサイトの構築だけでなく、Webアプリケーションの基礎を作る際にもHTMLが用いられます。Web構築の骨格作りに欠かせないもので、フロントエンドエンジニアは、仕様書に基づいたHTMLによるコーディングを行い、クライアントの希望をかたちにする力がなくてはなりません。

CSS

HTMLに続いて学ぶという人も多いCSS（Cascading Style Sheets）も必須のスキルです。表示のスタイルを細かく指定するための言語で、レイアウトを整え、さまざまなデザイン表現を実現させます。HTMLでは味気ない骨格に過ぎなかった見た目を、このスタイルシート言語によるコーディングで、美しく、また見やすく、テキストに色や枠を付加したり、画像表示のカスタマイズを行ったりすることが可能です。

HTMLでもある程度の見た目を整備することはできますが、より詳細な装飾を施し、理想とするデザインを具現化したり、微調整を行って更新性を保ちながら細部デザインを作り込んだりするには、CSSが欠かせません。実際のシーンでは、フロントエンドエンジニアは、HTMLとCSSの両方を駆使し、相互にコーディングを繰り返しつつ、求められるフロントエンドの完成・開発を目指していくこととなるでしょう。

JavaScript

JavaScriptはPCやスマート端末、コネクテッドカーなど、あらゆるデバイスの開発に用いられる言語です。UI・UXを意識した表示デザインのブラッシュアップ、快適な操作性やユーザーにとっての利便性を向上させる仕組み、表示されるページをダイナミックに動かすプログラムを作成する言語として多用されています。

HTMLやCSSと組み合わせて使うことで、動きのあるサイトの作成、アニメーションやポップアップコンテンツの表示、更新情報の表示自動化、インタラクティブな仕組みの実装など、複雑な表現や機能の実現が可能です。

Webサービス、ページの制作はもちろん、Webアプリケーションの開発、スマートフォン向けアプリ、ゲームの開発にも用いることができ、動きのあるオンラインコンテンツの多くにJavaScriptの技術が活かされていると考えられるでしょう。フロントエンドだけでなく、サーバーサイドの開発にも適用できる汎用性の高さも持っています。

フレームワークやライブラリも豊富に存在し、これらを駆使することで、さらに複雑な開発も効率良く、迅速に進めることができます。

React

Reactは、UIを効率的に構築することを目的として生み出されたJavaScriptのライブラリです。オープンソースでコミュニティによる開発・改良が常に進んでいることから、高い品質と利便性、信頼性が保たれているライブラリでもあります。

UIの部品に対し「こうした表示になる」と宣言するように実装できる「Declarative」と呼ばれる特徴があり、誰が見てもシンプルで理解しやすいソースコードで開発が進められるほか、データの配置を事前に定義しておくと変更を検知し自動で表示を更新するなど、作業のしやすい仕組みが整っているのが特徴です。

フロントエンド開発にこのReactを用いると、仮想DOMによるレンダリング機構でパフォーマンス性をアップさせ、高速動作・処理を可能にしたり、トレンドのSPA開発が容易になったりといったメリットも。React Nativeでスマートフォン向けアプリの開発も可能になるなど、現代のフロントエンド・ニーズに即した充実のライブラリです。

開発の途中から利用されることを念頭に作成されており、新たに機能を追加する場合でも、既存コードを書き換えることなく、対象部分にだけReactを用いた開発を施して対応できる利便性も支持のあるのがポイント。一度学べば、あらゆるWebアプリケーション、システムにすぐ導入することができます。

Vue.js

Vue.jsは、JavaScriptのフレームワークです。Vue.jsは容易に使えてDOM操作を自動化できる、効率の良いフロントエンド開発に寄与すると評価されています。学習コストの低さ、導入のしやすさに優れ、コンポーネント指向であるため構築したパーツやモジュールの再利用も容易です。

既存のプロジェクトやライブラリにも組み込みやすく、ごくシンプルな構造となっていることから、エラー部分の発見や解決もスムーズで、気軽に使い始められます。オンライン上で得られる情報や日本語ドキュメントも充実しており、学びやすい環境です。

AngularJS

AngularJSは、Googleとそのユーザーコミュニティによって開発・公開されているオープンソースのJavaScriptフレームワークです。「MVW」フレームワークを掲げるもので、Model（データ・データベースとのやりとりやシステム処理を行う機能）、View（画面・画面表示を行う機能）、Whatever（その他細かな作業何でも）を搭載、収集して設計したと定義されています。複雑なWebアプリケーションのフロントエンド開発も効率良く、シンプルに行え、必要機能をすぐに実装可能です。

特にマスターメンテナンスのようなCRUD系のアプリケーションや業務系アプリなど、各搭載機能が独立した画面としてあり、フォームを用いてデータの送受信を行うといったタイプの仕組みを開発・構築するシーンに向き、適用されることが多くなっています。

分業体制での開発業務を行いやすく、大規模かつ複雑なプロジェクトのコーディングも迅速に行えるのがメリットです。SPA手法で、多機能なフルスタックフレームワークであること、Googleが開発元であることによる信頼性・汎用性の高さといった点でも採用例が多くなっているとみられます。

CMS構築のスキル

CMS（Content Management System）は、サイトの管理や更新を手軽に行えるようにするシステムです。Webコンテンツであるテキストや画像など、個々のデジタルコンテンツを統合的、体系的に管理し、必要な処理をシンプルに実行可能にします。さまざまなCMSがありますが、採用例が圧倒的に多いのはWordPressです。

近年、リアルタイムに情報を発信し、一般生活者や顧客企業などターゲットへのアプローチを効果的かつ効率良く行う仕組みを整えるため、CMS構築を含む開発を依頼するクライアントが増えています。Webサービスやサイトのリピート率向上につながるものでもありますから、WordPress関連だけでもスキルとして習得し、提案時にもこれを含めて考え、プランに反映させられると良いです。

UI・UX設計の知識、デザインの知識

UI（User Interface）と略されるユーザーインターフェースは、ユーザーとWebサービスやアプリケーションなどの接点・接触部分を指す言葉です。デバイス画面上に表示されている情報、フォントやレイアウト、メニューなどのデザイン全般から、設置されているボタンの操作性など、目に見えている部分のあらゆるものが含まれます。

これに対し、UX（User Experience）と示すユーザーエクスペリエンスは、ユーザーがそのWebサービスやアプリケーションに触れることで得られる体験や経験のこと。魅力的に設計されたUIのサイトを閲覧し、「デザインが美しい」「得たい情報がすぐに見つけられて便利」「読み込み速度が速く使いやすい」などといった感想を抱けば、それらはすべて好ましいUXです。UXの範囲は広く、UI以外の世界にも広がっており、あらゆる顧客体験がその概念の中に含まれます。

質の高いプロダクトやサービスであっても、ターゲットユーザーに伝わらず、入り口であるページが見にくかったり、入力操作が行いにくかったりして、使うことにストレスを与えてしまうと、悪い印象のまま終わってしまいます。ユーザーはアプリやサービスを使わなくなっていくでしょう。

反対に、良好な感情が残れば、プロダクトやサービスのファンになり、継続的に利用したりサービスの利用頻度を上げたりする可能性があるほか、同じ会社の別のものも支持するようになったり、友人・知人に勧めたりすることも考えられます。

機能の利便性や提供される価格などだけでは差別化を図ることが困難になっている現代では、UI・UXの重要性は増すばかりです。事業そのものの行く末に直結するポイントであり、顧客満足度や売上を大きく左右するため、UI・UX設計の知識を持ち、技術的な側面から最善の提案や改善ができるフロントエンドエンジニアは重宝され、高く評価されるものとなります。

サーバーサイドやデータベースまわりの知見

フロントエンドエンジニアが携わるのは、ユーザーが直接触れるフロントエンドの部分ですが、実際の開発プロジェクトでは、サーバー側と対応関係を確認しつつ進めることがよくあります。そのため、バックエンドにあたる領域ですが、サーバーサイドの知見も有していると、開発が最適な形でスムーズに効率良く進められ、クライアントをうならせるより高度なパフォーマンスを発揮することができるでしょう。

Web全般の知識が活きる職種ですから、フロントエンドだけでなく、サーバーサイドやインフラまでひととおり学習しておくことをおすすめします。

ヒューマンスキル

フロントエンドエンジニアは技術的なアドバイスをクライアントやコーダーに行ったり、デザイン設計をWebディレクターやデザイナーによる要求・提案を踏まえて検討したりと、さまざまな人と関わりながらプロジェクト全体を円滑に、成功へと導く職種です。そのため、全体を俯瞰する力と管理するマネジメント能力、高いコミュニケーション能力も求められます。

フリーランスで活動を続けるなら、自己プロデュースや営業のセンスも必要で、何より自己裁量で業務全般を進めていきますから、普段の生活面を含めた自己管理能力も重要です。変化の激しいフロントエンド領域のプロとして、常にトレンドを意識し、必要な知識やスキルを積極的に獲得していく学習意欲、ブラッシュアップを繰り返す自己研鑽の力も不可欠でしょう。

習得スキルを使い開発しポートフォリオを作成する

習得した技術を使って、実際にWebサイトやアプリなどを開発します。このメリットは、アウトプットによる技術定着だけではありません。開発したサイトやアプリが分かるポートフォリオを作成して志望企業に提出すれば、意欲やスキルの高さを証明できます。

転職エージェントに相談してみる

転職エージェントはスキル・経験・本人の希望に応じて求人を紹介しています。未経験者も対象としているエージェントを利用すれば、自分のレベルに適した求人紹介が期待できるでしょう。

また、書類作成や面接対策のアドバイスなども受けられるため、自信を持って就活に臨めます。

フリーランスのフロントエンドエンジニアになるには

フロントエンドエンジニアの場合、未経験でフリーランスになることも不可能ではありません。会社員のフリーランスと同様に必要なスキルを身につけてポートフォリオを作成し、参画したい案件に応募すれば可能性はあります。

ただし、フリーランスは即戦力が求められる働き方で、実績がない状態の契約は難しい傾向です。実績がなくて良いとされるのは、簡単な業務かつ低安価な案件が基本となっています。

未経験でフリーランスをはじめた際には、しばらくの間は参画先や収入が安定しないと覚悟しておきましょう。こうした事態を避けるには、会社員で3年程度経験を積み、アピールできる実績をつくっておいてから独立すると安心です。

副業ができる職場であれば、本業と並行して副業にてフロントエンドエンジニアとしてのフリーランス活動をはじめてみるのも良いでしょう。

フリーランスのフロントエンド案件はどうやって獲得する？

フリーランスは、自分から動いて仕事の案件を獲得しなければなりません。どうやって案件を獲得すれば良いのか方法を知り、対策を練っておくことが重要でしょう。そこで、フリーランスのフロントエンドエンジニアが仕事を獲得する主な手段について、具体的にご紹介します。

フリーランス向けのエージェントを利用する

効率的に独立したばかりでも安定して仕事の案件を得やすい方法として考えられるのは、ITエンジニアへの仕事の紹介、委託案件とのマッチングを専門とするエージェントサービスを利用することです。多くのエージェントが存在しますが、保有する案件やクライアントのネットワークなどが異なり、強みやサービス特徴に違いがあります。内容を比較し、自身と相性の良いところを選定すると良いでしょう。

希望のエージェントを決めたら、簡単な登録手続きやコンサルタントによるヒアリングが行われるので、自分のスキルシートや職務経歴書を提出し、今後のキャリアプランや請けたい仕事のタイプなど具体的な希望を伝えて、準備を整えます。あとは自ら営業をかけずとも、エージェントが仕事案件を継続的に紹介してくれるため、内容に納得したら契約して仕事を始めましょう。

活動を始めたばかりのフリーランスエンジニアでも、無理なく仕事を続けられるのが大きなメリットです。登録すると基本的な福利厚生をつけてくれたり、スキルアップに欠かせない学習の機会やエンジニア同士の交流の機会など有用なサポートを定期的に提供してくれたりするエージェントもあります。

確定申告前の税務処理アドバイスなど、必要情報をスムーズに得られることも多く、フロントエンドを含むフリーランスのITエンジニアにとって、非常に利便性の高いサービスです。どの程度利用していくか分からない場合も、まず一度はエージェントに登録しておくことをおすすめします。

個人では情報を得にくい案件を紹介してもらえるケースも多く、積極的に実績を積み重ねていくことが重要なフロントエンドエンジニアには有用で、強力なパートナーとなってくれることでしょう。

クラウドソーシングを利用する

昨今、多くのサービスが誕生し、取り扱う案件数も増加しているクラウドソーシングを利用するのも一案です。オンラインで手軽に仕事を依頼したいクライアントとつながることができる仕組みで、エンジニアに限らず、さまざまな職種のフリーランスがクラウドソーシング経由で仕事を獲得しています。

ただし、エージェントサービスで紹介される案件に比べると、小規模で単純な案件、単価の低い、スキルレベルとしても初級クラスの案件が多数を占めており、フロントエンドエンジニアとしての経験が浅い人向けとなるでしょう。

高単価案件や、ベテランがキャリアアップを目指せるような高度案件は少なめですが、小さなところから実績を積み重ねていきたい、エンジニアデビューから間もない人には、自分に合う仕事案件を見つけやすい場になると期待されます。

条件の良い案件の場合は競争相手も必然的に多いです。業務に応じ、さまざまな人材募集の案件が常に見られ、契約期間や内容も実にさまざまですから、自分の希望する働き方に合った案件を手軽に見つけやすいというメリットがあります。

人脈を活かして直接仕事を請ける

友人・知人やかつての職場の同僚・先輩、現場で付き合いができた取引先など、自身の知り合いやそのつてから仕事を紹介してもらえれば、提案を受けて業務を行うことができます。企業に所属して現場経験を積んでいる間に、一定の人脈を形成しておけば、そこから仕事をもらえることもあるでしょう。

こうした関係先には、自身がフリーランスになったことを電子メールや挨拶状などを通じて伝え、可能であれば仕事を回してもらえるよう、話をしておくのが大切です。ただし、勝手に情報を利用して元職場や取引相手の事業活動の妨害になるような行為をする、しつこく営業姿勢で迫るなど、社会人としての礼節を欠いた行為は絶対にしてはなりません。基本的なコミュニケーションマナーとビジネスマナーを守り、声をかけてもらえたら、しっかり感謝の意も伝えて誠実に対応しましょう。

知り合いからの仲介があることで、一定の信頼関係がある状態から契約交渉をスタートできるため、話をスムーズに進めやすく、契約がまとまりやすいメリットがあります。手数料なども不要で、直接報酬全額を受け取れるのもメリットです。

信頼関係のもと任せられた仕事ですから、当然のことですがくれぐれも紹介してくれた相手を裏切るようなことにならないよう、最後まで責任を持ち、質の高い業務態度と成果で完遂させましょう。高い評価につながる仕事ができればさらに人脈が広がったり、継続的に仕事の依頼をもらえたりと、理想的なサイクルで回していくことも可能になります。

フリーランスは企業や組織に所属する以上に人と人とのつながりがものをいう働き方です。持てるコミュニケーション能力を発揮し、信頼関係の構築と人脈形成を図りましょう。

新たなスキルアップのために参加した勉強会やセミナー、仕事場として利用するコワーキングスペースなどでは新たな人と接し、情報交換していきます。

SNSやホームページを窓口に仕事を請ける

SNSアカウントや自身のWebサイトを開設し、自ら情報を発信して顧客を増やす、仕事を依頼したいクライアントからの問い合わせを受けるという方法もあります。初めのうちは、なかなか声をかけてもらうことが難しいかもしれませんが、フリーランスとして活動するなら、こうした窓口をあらかじめ設けておくことは重要です。

直接の問い合わせから、指名されるかたちで仕事を請けることができれば、高単価での契約が見込めやすく、契約交渉も有利に進めやすいでしょう。自身が持っているスキルや実績について、顧客目線で分かりやすく発信しておくことが大切です。窓口には、理解しやすい形式でポートフォリオをまとめ、掲載しておくようにします。これまでの仕事実績については、クライアントの許可を得て、できる限り具体的に紹介させてもらえるよう準備しておきましょう。

ブログの執筆や書籍出版、講演活動など、現場業務とともにセルフプロデュース力を発揮したブランディング活動を行えば、さらに理想的な形で指名依頼を得やすくなります。

フロントエンドエンジニア案件の今後と将来性について

さまざまなWebサービスやアプリケーション、Webサイトが次々に生み出されていく現在、人びとの生活におけるITの必要性、インフラとしての重要性は、今後さらに増していくでしょう。利用シーンが広がり人びとのニーズが寄せられれば、それに応じるソリューションが生み出され世に出ることとなります。フロントエンドエンジニアの仕事はサービスやプロダクトが生み出される限り、常に必要なものですから、当面多くの引きがあるでしょう。

膨大な選択肢があり、競合サービスが多数生まれては消える世界では、UI・UXの重要性もより高まっていきます。単純な機能の高度化追求だけでなく、ターゲットユーザーを意識した開発の進化で、フロントエンド領域への注力化、投資拡大が進む期待もあります。

すでに確立されたWebサービスやサイトにおいても、技術の進歩やトレンドの変化、刷新のための開発作業が求められるでしょう。今後もフロントエンドエンジニアの業務が縮小される可能性は低く、案件も豊富に高単価で推移すると考えられます。

ただし懸念材料が全くないわけではありません。今後は要求されるスキルの水準や方向性が変化する可能性があります。フロントエンドエンジニアとして求められるのは、量をこなすことよりも、成果につながる業務の質です。変容する社会においても、高い質があると認められるスキルや知識についてアンテナを張り、テクノロジーの発展方向性に関する最新情報をキャッチアップしながら、自身のプロデュースを柔軟に行っていく必要があります。

とくに将来はAIの発達により、エンジニアの担ってきた業務においても自動化が進む可能性があり、人に期待される領域が今とは違うところへシフトしていくことも考えておかねばなりません。今のスキルを磨くだけでなく、デザインやマーケティングなど、関連業務の知識も積極的に吸収していくようにしましょう。業界の動向をつかみ、トレンドの変化に遅れることなく、市場価値を維持向上させていく取り組みが必要です。

フロントエンドエンジニアの案件単価と年収相場

フロントエンドエンジニアの市場相場として、案件の単価についてデータを参照し、詳しくみていきましょう。

フリーランスの単価・年収

2024年8月時点で公開されている、フリーランスHubで、フロントエンドエンジニアについて調べてみると募集中の案件は2,417件あります。月額単価では70万円台が最も多く、次いで多い案件は60万円台でした。

案件月額の最低単価は30万円ですが数は少なく、例外的に低いものといえるでしょう。募集が終了しているすべての案件（合計17,291件）を含めたボリュームゾーンは70万～80万円です。80万円以上の案件は7,479件と全体の約43％を占め、月額単価で100万円を超える高額案件も1,000件を超えています。掲載されていた最高単価は月額で200万円でした。

月額平均を70万円と考えた場合、単純計算で年間840万円を手にすることができます。また、最高単価200万円の案件を継続的に得ることができれば、1年で2,000万円の収入を得られる計算です。

税金や保険料、経費などを差し引く前の金額ですが、かなりの年収額が見込めるため、フロントエンドエンジニアとしての練度が高ければ、1,000万円超の収入を得ることも夢ではありません。

正社員の平均年収

正社員として会社に所属して働くフロントエンドエンジニアの収入と比較すると、どうでしょうか。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査　結果の概況」のデータを参照します。

フロントエンドエンジニアに特化した項目がないため、同職種が含まれていると考えられる「情報通信業」を参考とした場合の平均年収は378万8,000円とされていました。

正社員の場合の年収は年代ごとに大きくばらつきがあります。
20代前半では平均年収が約231万円のところ、30代前半になると平均年収は約333万円と大幅にアップ、40代前半では約426万円、50代前半では約462万円となっていました。

会社に所属するエンジニアの場合、企業業績や市場の景気動向によって年収が変動することも多く、年功序列や勤続年数による年収アップもみられます。

高単価のフロントエンドエンジニアになるには？

高単価案件を獲得していけるフロントエンドエンジニアには、一定の共通点があります。どのようなエンジニアになれば高単価の案件を得て、高い収入を得られるようになるのでしょうか。そのポイントを解説します。

上流工程や開発マネジメントに関わる

同じフロントエンドエンジニアでも、仕様書に従って開発するだけの場合と、経営層とやりとりをしながらプロジェクトの初期から関与し全体を統括・管理する立場で開発に臨む場合では、後者が高単価になります。

そこまで至らなくても、開発チームの中でリーダー的立場を担うことができれば、単価は上がるでしょう。プロジェクトのマネジメントが行えるエンジニアとなり、次回以降の仕事における案件応募時や契約交渉時に、マネジメント経験や能力、実績をアピールできれば、高単価を引き出しやすくなるからです。

サーバーサイドの知識と経験

Webサービスは、ユーザーが直接触れる部分とユーザーからは見えないデータ処理の根幹を担う部分との両方で成り立っています。それぞれの領域では開発に用いられるプログラミング言語や技術が異なり、双方にプロフェッショナルが存在。それぞれが別に活動し開発を行いますが、プロジェクトとしてはつながっており、連携が上手く取れていないと、不具合も発生しやすくなります。

動作自体は正常であっても、最善のパフォーマンスを発揮するものとはならない可能性が高く、作業進捗面でも非効率的、生産性の低い取り組みとなってしまうでしょう。

フロントエンドエンジニアも、サーバーサイドに関する一定の知識とスキル、経験があり、言語や技術も扱えるエンジニアは市場価値の高いエンジニアで、高単価案件を獲得しやすいものとなります。

近年の開発では、APIやデータベースまわりの知識、サーバーサイドエンジニアとのやりとりができるスキルが評価されています。技術指向性の高い企業の現場や高度な案件では、アーキテクチャや設計関連、SSR（Server Side Rendering）、GraphQLなどの扱いにおいて、サーバーサイドの基本技術が必要です。

実際の開発経験があればなお良く、ある程度マルチなジェネラリストとしてエンジニアの能力をフルに発揮できると理想的といえます。PHPやPerl、Rubyなどの言語スキル、データベース関連、OS、ネットワーク、サーバー環境の設定構築における基本など、Web開発にかかるさまざまな領域の知識と経験を自らのものとしていきましょう。

デザインスキル

フロントエンドの領域では、デザイン思考が重要になります。ユーザーが実際に触れる部分として、美しく、快適に接することができ、使う喜び、持つ誇りを生み出せるようなデザインで開発・設計が行えると、高い成果につながるからです。

専門のWebデザイナーなどがデザインを担当している場合でも、UI・UXの技術的観点から画面動作とあわせて改善提案が行えたり、デザイナーの意図をよりクライアントやユーザーのニーズに即した形で具現化、実装できたりする能力があれば、フロントエンドエンジニアとして高く評価されます。

その他周辺業界の知識や経験

業界の周辺事情やトレンドについて知見を提供したり、専門知識を持って社内にない視点を与えたりする人材であれば、報酬もその分をプラスした条件で契約してもらえるようになります。

AIやIoT、動画配信、先端技術、ビジネス面のコンサルティングなど、何か関連性が見出せる分野の専門的な知識や業務経験を持っているならクライアントにアピールしましょう。

営業力とコミュニケーション能力

最終的に価値評価を決定し、単価を決めるのは、仕事を依頼して報酬を支払うクライアントです。相手のニーズをタイミング良くくみ取り、自身の強みやスキル、実績を分かりやすく最大限にアピールできるエンジニアは、高単価の仕事を得やすくなります。

クライアントの立場に立った提案ができる営業力、スキルを示せるポートフォリオやその他資料、日頃の活動によるセルフプロデュースとブランディング力、交渉の場でも発揮される高いコミュニケーション能力を持つフロントエンドエンジニアは、高い報酬単価で仕事をし、安定した年収の高さを実現できるものとなるでしょう。

フロントエンドエンジニアの仕事のやりがい

ここでは、フロントエンドエンジニアのやりがいを解説します。

最新技術の誕生による技術習得機会が多い

フロントエンドエンジニアが担当する仕事の領域は、Web技術の進展とコンテンツの多様化などから拡張傾向にあり、作業の高度化も進んでいます。JavaScriptについては、フレームワークの増加と充実化も加速度的に進んでおり、トレンドに沿った最新技術が次々に誕生している状況です。

必要な情報を収集して知識やスキルをキャッチアップし、自身のスキルやノウハウもアップデートさせるのは、大きな喜びと仕事のやりがいになります。新たな挑戦をする機会が多いといえ、変化やチャレンジングな環境を楽しめる方にとってモチベーションの種にもなるところです。

ユーザーからの反応を目にしやすい

ユーザーが直接目にする・触れる部分を担当するためユーザーとの距離が近いといえ、反応やフィードバックもダイレクトに届きやすいです。仕事の結果がタイムリーなリアクションや各種指標数値にすぐ表れ、自身でも見てとれるでしょう。

開発担当への評価として反映もされやすく、日々のやりがいになる面も大いにあります。

フロントエンドエンジニアに向いている人

フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴を紹介します。

デザイン関係やモノづくりが好き

トレンドに敏感で、デザイン関係に興味が強い人、モノづくりに関心がある人はフロントエンドエンジニア向きです。バックエンドエンジニアとは対照的に成果物を視覚的に確認しやすく、モノを美しく形にして生み出す喜びや、思い描いたものが完成した時の達成感を味わうことができます。

論理的に考え、効率良く集中して取り組むのが得意

コーディング作業が長く業務の全体に占めるシェアも大きいため、論理的な思考力と集中力が要求されます。集中してロジックを組み立て、ミスなく仕上げていくことに没頭できる人なら、フロントエンドエンジニアの仕事も上手くこなせるでしょう。

常に効率良く済ませたいと考えるタイプであることもフロントエンドエンジニア向きといえる点です。ショートカットやエディタ、フレームワーク、ライブラリを活用すれば、開発作業の迅速化、生産性向上につながるからです。

人を喜ばせたり驚かせたりするのが好き

フロントエンドエンジニアの仕事は、開発したフロントエンドの画面表現や動的ツール、実装機能などによって、ユーザーに新しい体験や便利さ、驚きを与えるなど他とは違う魅力を感じさせることが大切です。

考えることを楽しみ、優れた提案ができるフロントエンドエンジニアには、世の人々を喜ばせたい、驚かせたいというサービス精神が強く働いています。

あるとフロントエンジニアに役立つ資格

フロントエンドエンジニアは、資格試験に合格してなるものではありません。クリア必須の資格はありませんが、必要なスキルや知識の習得の証明に有効な資格はいくつか挙げることができます。自身のキャリアプランの中で、必要に応じてチャレンジしていくと良いでしょう。

Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験は、ビジネス能力・技能に関する認定試験の開発・実施を行うサーティファイの主催する試験です。比較的難易度は低く、初心者からチャレンジしやすい資格であり、HTMLやCSSについての基本知識とWebページの作成能力などが問われます。入り口として取得を目指すと、フロントエンドエンジニアを目指す上での学習にも効果的でしょう。

試験はスタンダードとエキスパートの2種があり、スタンダードではHTMLとCSSのマークアップスキル、Webサイトのデザインやレイアウトに関する知識が問われます。エキスパートになると、さらにユーザビリティやアクセシビリティを考慮したWebデザインの作成スキル、動的サイトやマルチデバイス対応といった現代の現場で求められる制作スキルが問われるものに。フロントエンドエンジニアなら、エキスパート取得を目指したいところです。

HTML5プロフェッショナル認定資格

HTML5プロフェッショナル認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが行っている資格試験です。HTML5やCSS3、JavaScriptなど、最新のWeb標準となる言語について扱う技術力と知識を問い、公正かつ中立的にレベルを認定するものとして運営されています。

独立行政法人情報処理推進機構（IPA）が策定するITスキル標準（ITSS）指標にも反映されるなど、資格取得によって広く業界評価を得ることができるメリットがあります。

試験はCBT方式でLevel.1とLevel.2が存在。Level.1はマルチデバイスに対応したWebコンテンツのデザインと制作が行える幅広いWeb職種向け、Level.2は動的なリッチユーザーインターフェースの制作やシステム間連携などでリアルタイムの情報を提供するアプリケーション開発、ネイティブアプリに近い機能を組み込んだスマートフォン先端アプリの開発などが行える、各種エンジニア向けです。

難易度はやや高めですが、フロントエンドエンジニアとしての実務経験を積みながら、Level.2まで取得できると良いでしょう。

CIW JavaScript Specialist

CIW JavaScript Specialistは、米国のCertification Partnerによって運営されているWeb技術者認定の資格であり、グローバルに通用する国際資格として知られています。

フロントエンドエンジニアのスキルとして重要なJavaScriptについて、知識やスキルを高度に備え、精通しているということを証明できる資格です。ただし、出題が全て英語のため言語ハードルがあり、やや難しいと感じられるかもしれません。

ユーザーとのインタラクションやDOM操作、プログラム制御、フォーム認証、アニメーションなど、多岐にわたる領域から出題されます。

フロントエンドエンジニアのさらなるキャリアパス

フロントエンドエンジニアの場合、大別すると2つの方向性があります。1つは特定のスキルに磨きをかけ、別の専門職へキャリアチェンジするというもの。もう1つは幅広い知見と知識を活かし、オールラウンダーの技術者やマネジメント職種などを目指すものです。具体的にみていきましょう。

Webデザイナーにキャリアチェンジする

Webデザイナーに求められるスキルレベルは多様で、初期レベルで働いている人も高いスキルを有している人も存在します。フロントエンドエンジニアを経験していれば、高度なスキルを持ち、実装まで一貫して担えるWebデザイナーとして高く評価されるでしょう。

配色やフォント、レイアウトに関する知識を増やし、PhotoshopやIllustratorなどのスキルを身につければ、幅広い案件に携われるWebデザイナーの高度人材となることができます。

UI・UXエンジニアにキャリアチェンジする

サービスの機能性や操作性、ユーザビリティ関連に強い興味を持ったなら、UI・UXエンジニアにキャリアチェンジすることも可能です。使いやすく楽しい、驚きがあるなど、ユーザーにより良い体験を提供するために働くエンジニアの重要性は増しており、求める企業・団体も多く存在します。

PHPやJava、Rubyをはじめとするプログラミングスキルを高めておくこと、マーケティング・分析面でGoogle AnalyticsやGoogleウェブマスターなど各ツールを使いこなす知識とスキル、統計の基礎知識などを身につけておくと役立つでしょう。

デザイン面やサイト設計・改善などにかかる幅広い知識やスキル、最新トレンドの把握などは、フロントエンドエンジニアと同様に求められるところです。

フロントエンドエンジニアの中のリーダーになる

より深く多彩な知識やスキルを身につけ現場経験も数多く積んでいくことで、高度な人材としてキャリアアップを図っていくことができます。コミュニケーションスキルやビジネスの知識を強化し、マネジメントスキルを身につければ、大規模プロジェクトでもリーダー職を任されるようなトップ人材を目指せるでしょう。

設計・企画段階から携わり、進捗管理を担ったり、人材育成にもあたったりするマネージャーとなれば、年収アップにもつながり、新たなキャリアがひらけてきます。

フルスタックエンジニアにキャリアチェンジする

技術面を中心に磨きをかけてプロフェッショナルを目指したいなら、フルスタックエンジニアへのキャリアチェンジが候補となります。フルスタックエンジニアは複数の技術分野における知識やスキルを習得し1人で万能の働きをする、ジャンルを超えたシステム開発や運用を担当できる技術者のことです。

オールラウンダーなエンジニアで、1人で何役ものエンジニア業務を担えます。一貫していて破綻がなく最も効率化されたシステムを全体として構築する、これまでにない発想のサービスやアプリを開発するケースなどで有用な知見を提供できる存在として評価されています。

フロントエンドエンジニアであれば幅広い知識とスキルを有していますから、バックエンドの知識やスキル、クラウドの知識などを中心に補えば良いでしょう。

小規模なものであれば一人称で開発できるなど網羅的に業務を任せられることから、スタートアップやベンチャー企業をはじめとする成長が期待されるジャンルでのチャレンジングな現場を好む人にも向くキャリアチェンジです。

まとめ

いかがでしたか。注目されるフロントエンドエンジニアについて、目指し方や仕事内容、求人動向、案件単価相場など知っておきたいトピックスを詳しく解説してきました。フロントエンドへのキャリアチェンジやキャリアアップを考えている方、独立を検討されている人など、ぜひ情報を参考にしていただければ幸いです。

2024年8月現在、フロントエンドエンジニアに必要とされるスキルと情報、知見は日々増加している状況にあります。それらを活かした開発は、あらゆる業種業態・規模のクライアント企業における課題解決や事業目標の達成、新領域での事業成長など、会社の今後の成功を引き寄せられるかどうか、その成否を大きく左右するものとして重要性を増しており、寄せられる期待とニーズが非常に高い状態です。

質の高い業務パフォーマンスが求められ、高度化・複雑化も進行していますが、重要と認知されるからこそ、高い収入とやりがいも見込むことができます。最後に将来性で触れた通り、世のトレンドに沿ったスキルの入れ替えや拡張、ブラッシュアップが欠かせない職種ですが、さまざまな関連分野に興味を持ち、自らをプロデュースして取り組んでいくことができれば、自分なりのスタイルで長く活躍することができるでしょう。ぜひ積極的な姿勢で、キャリアと経験を重ねていってください。