フリーランスの種類｜Webデザイナーなど25の職業や成功する方法を解説

フリーランスとして働く人が近年増えています。将来フリーランスとして働きたいと思っても、職業の種類を把握していないと具体的な行動が取れないでしょう。

そこで、フリーランスになりやすい職業の種類や特徴、必要なスキル、成功の方法などを解説します。主な職業の特徴や転向する際のイメージが思い描きやすくなるので、フリーランスに興味がある方はぜひお読みください。

【IT系】フリーランスの職業一覧

IT系の職業は、プログラマーやシステムエンジニアなどです。職業の種類が幅広く、それぞれ専門的なスキル・知識が求められます。IT人材は不足しているので、高いスキルがあれば年収1,000万円も目指せるでしょう。

プログラマー

会社から業務を請け負い、アプリやシステムを開発する職業です。言語を使い、プログラミングを担います。プログラミング言語にはJavaやJavaScriptなどさまざまな種類があります。

日本版O-NETの統計によると、プログラマーの平均年収は550.2万円です（2024年5月13日現在）。プログラミングの知識と開発物に合った言語のスキルを身につければ、未経験からなれる場合もあります。

プログラマーについては､｢プログラマーの仕事内容は？きついと言われる理由や将来性も解説｣の記事でも役立つ情報を紹介しています

システムエンジニア

依頼に沿ったシステムの設計や開発、管理をする職業です。

フリーランスの場合、クライアントの要望を把握し、システムの設計から実装・保守まで一連の工程を管理します。プログラマーが作業しやすいよう設計書を作成するのが主な仕事です。

日本版O-NETの統計によると、システムエンジニアの平均年収は660.4万円です（2024年5月13日現在）。未経験から目指すのはやや難しいので、会社で経験を積んでから独立すると良いでしょう。

システムエンジニアについては､｢システムエンジニアの仕事はきつい？文系や未経験でも目指せるかも解説｣の記事でも詳しく解説しています｡

Webコーダー

Webデザイナーが作成したデザインをWeb上で見られるようにする職業です。マークアップ言語やスタイルシート言語を駆使し、デザインどおりにWebサイトの作成をします。

HTMLやCSSといった言語の知識が必要ですが、IT関連では比較的初心者向けの職種だとされます。未経験からでも始めやすく、プログラミング言語を覚えればエンジニアへのキャリアアップを目指せます。

フリーランスHubに掲載されているコーダー案件の月単価は、20万～90万円ほど（2024年5月13日現在）。年収換算すると、240万～1080万円ほどとなります。

また､｢HTMLから仕事を広げよう！コーダーの作業内容や将来性などを紹介｣の記事では〇〇について紹介しています｡

ゲームエンジニア

ゲームを開発する職業で、業務はプログラミングやグラフィック、サウンドなどさまざまです。プログラミングならキャラクターを動かすためのプログラムを開発し、サウンドであればBGMや効果音の作成を担当します。

ゲームエンジニアの平均年収は担当する業務により異なります。フリーランスHubに掲載されているゲームエンジニア案件の月単価は50万～100万円ほど。年収換算すると、平均年収は600万～1200万円ほどとなります（2024年5月13日現在）。

未経験からフリーランスを目指すのは難しいため、ゲーム開発会社に転職して実務経験を積みましょう。

更に詳しく知りたいという方は､｢ゲームプログラマーがきついって本当？仕事内容や収入について解説！｣の記事も参考にしてみてください｡

【クリエイター系】フリーランスの職業一覧

デザイナーや作家、カメラマンなどがクリエイター系に該当します。職業ごとに専門性の高いスキルが必要です。発想力や想像力を求められ、フリーランスとして働く人が多い傾向にあります。

Webデザイナー

Webサイトを制作する職業です。ブランドイメージやメッセージ、クライアントの要望に沿ったWebサイトのデザインを考え、作成します。HTML・CSS・JavaScriptといった言語の知識に加え、Photoshopなどデザインツールを扱うスキルが必要です。

日本版O-NETの統計によると、Webデザイナーの年収は480.6万円です（2024年5月13日現在）。未経験から目指すためのスクールや書籍が豊富で、フリーランスが多い職業の一つです。

Webデザイナーについては､｢Webデザイナーとは？仕事内容や未経験からなる方法を解説｣の記事もチェックしてみてください｡

イラストレーター

Webサイトや雑誌、ゲームのキャラクターなどのイラストを描く職業です。クライアントに依頼されたロゴやキャラクターイラストを描き、納品します。有名になればパッケージやキャラクターの制作に企画から関わる場合もあります。

日本版O-NETの統計によると、イラストレーターの平均年収は466.7万円（2024年5月13日現在）。イラスト1枚あたりの金額での受注が主流です。

スクールや書籍が豊富にあるので、未経験からでもフリーランスを目指しやすい職業だといえます。

イラストレーターについては､｢イラストレーターに資格は必要？おすすめ6選と勉強方法を解説｣の記事でもまとめているので興味のある方はご覧ください。

カメラマン

カメラで写真・動画を撮影する職業です。広告・雑誌・Webサイトや結婚式の様子など、撮影対象はさまざまです。カメラマンには撮影技術のみならず、編集技術も求められます。

日本版O-NETによると、カメラマンの平均年収は466.7万円です（2024年5月13日現在）。フリーランスとして活動したい場合は転職して実務経験を積むか、アシスタントから始めるのがおすすめです。

また､｢Photoshopを使う仕事とは？必要なスキルや勉強法も解説｣の記事ではPhotoshopについて紹介しています｡

作家

小説・漫画・ゲームシナリオを創作する職業です。番組の台本を執筆する構成作家や放送作家もいます。作家の信頼できる年収データは現状ありません。

フリーランスとして活動するには、前職での経験・実績・人脈が求められます。そのため、未経験からフリーランスを目指すのは難しいでしょう。

動画編集者

撮影した動画を編集する職業です。撮影された動画にテロップ・BGM・エフェクトを加えます。動画編集ソフトを使いこなすスキルが必要で、構成力も求められるでしょう。年収はスキルや編集内容により変動します。

動画やサイトでの独学やスクールで学ぶのも可能なので、未経験からでもフリーランスを目指せます。最近ではYouTubeやTikTokの動画編集の需要が多く、フリーランスとして働きやすい職業です。

ハンドメイド作家

手作りのアクセサリーや小物、家具を製作・販売する職業です。自身で販売物を製作し、メルカリやminneなどのWebプラットフォームで販売します。

主にハンドメイド製品を作る技術と、商品を売るマーケティングスキルが求められます。ハンドメイド作家の年収は個人差が大きく、平均値や中央値は不明です。アクセサリーや刺しゅうなら初心者でも始めやすく、未経験からでもフリーランスを目指せます。

自由業については､｢自由業とは？フリーランスやフリーターとの違いや種類、働き方もご紹介｣の記事も参考にしてみてください｡

【マーケティング系】フリーランスの職業一覧

WebマーケターやWebライターなどがマーケティング系の職業に該当します。求められるスキルは主にデータを分析して活用する力です。未経験や初心者向けの作業・案件も多く、副業として始めやすいでしょう。

Webマーケター

Web上でマーケティングをする職業です。Webサイトの売上を伸ばし、訪問数を増やします。具体的な業務はデータ解析・Webページの改善・SNSの運用などです。Web全般の基本知識やディレクション力が求められます。

日本版O-NETの統計によると、Webマーケターの年収は630.3万円です（2024年5月13日現在）。経験や実績が必要なので、未経験の場合は独立前にWebマーケティングの会社への就職や転職をおすすめします。

データサイエンティスト

ビックデータを分析し、会社の課題解決や成長戦略を支援する職業です。トレンドワードや自社製品の口コミを分析し、商品の開発や改善点を会社に伝えます。統計学・機械学習の知識が求められます。

日本版O-NETの統計によると、データサイエンティストの平均年収は557.5万円です（2024年4月15日現在）。

多くの業界で求められる貴重な人材なので、フリーランスとして活動しやすい職業です。ただ、未経験から目指すのは難しいので、会社に勤めながら実務経験と実績を積む必要があります。

データサイエンティストについては､｢データサイエンティストに必要なスキルや資質、学習方法について解説｣の記事でもまとめているので興味のある方はご覧ください｡

Webライター

Webサイトに掲載する記事を書く職業で、執筆やリサーチが主な仕事です。文章力やリサーチ力、検索エンジンに上位表示させるSEOの知識などが求められます。Webライターに特化した信頼できる年収データは現状ありません。

報酬単価は、1文字あたり〇円という場合が多いようです。医療やITなど専門性の高い分野の記事は単価が高くなる傾向にあります。得意分野があれば、未経験からでもフリーランスを目指しやすい職業です。

フリーランスライターについては､｢フリーランスライターになるには？仕事の探し方や必要スキルを紹介｣の記事もチェックしてみてください｡

ブロガー・アフィリエイター

ブログを執筆して広告収入を得る職業です。ブログの記事やサイト内に広告を設置し、そこから商品の購入・サービスの申し込みがあったときに収益が発生します。アフィリエイトやSEOに関する知識、文章力が必要です。

フリーランスの年収は個人差が大きいため、一概に「〇万円」とはいえません。収入が全くない人もいます。未経験でもできますが収入は不安定なので、最初は副業として取り組むのが無難です。

【接客・営業系】フリーランスの職業一覧

美容師やカウンセラーが接客・営業系の職業に該当します。職業に応じた技術に加え、高いコミュニケーション力が必要な職業が多めです。

フリーランスとしては、価格を自分で決定しやすいのが特徴です。対面で働く職業だけでなく、オンラインを活用した働き方もあります。

美容師

髪の毛のカットやパーマ、カラーリングをする職業です。メイク・ネイル・着付けを担当する美容師もおり、さまざまな面から利用者の容姿を美しくします。

美容師になるには国家資格が必要です。資格取得後、いきなりフリーランスになる人は少ないと考えられます。お店で数年間経験を積み、独立してフリーランスになるのが一般的です。

日本版O-NETの統計によると、美容師の年収は330.1万円です（2024年5月13日現在）。

未経験ではなれず、専門学校で最低2年勉強して資格を取得します。すでに美容師として働いている人は、フリーランスを視野に入れても良いでしょう。

カウンセラー

心や対人関係で悩みを抱えた人の相談に乗る職業です。クライアントと対話して信頼関係を築き、問題解決や症状の緩和を促します。病院に勤めている人や独立医院を経営している人が多い傾向ですが、スキルマーケットやクラウドソーシングで収入を得る人もいます。

フリーランスの場合、公認心理師や臨床心理士の資格があると有利です。メンタルに関するカウンセラーだけでなく、職業の相談に乗るキャリアカウンセラーもいます。

カウンセラーの平均年収は専門分野ごとに異なります。たとえばキャリアカウンセラーなら、日本版O-NETの統計だと579.8万円です（2024年5月13日現在）。

未経験からでもフリーランスを目指せますが、活躍するには資格取得が欠かせません。

営業代行

企業や個人の営業活動を代行する職業です。市場分析や新規顧客の獲得など通常の営業職と変わらない業務をこなしつつ、クライアントへのヒアリングと提案をします。コミュニケーション力やデジタルマーケティングの知識、SNSでの販促スキルが必要です。

営業も年収の幅が広い職業です。たとえば広告営業なら、日本版O-NETの統計だと578.3万円です（2024年5月13日現在）。未経験からフリーランスを目指すのは難しいため、初めは会社で営業スキルを磨くと良いでしょう。

スポーツトレーナー・インストラクター

健康目的や競技目的のクライアントに運動やスポーツの指導をする職業です。目的に合わせた食生活やトレーニング内容を提案したり指導したりします。

フリーランスの場合、オンラインや自宅での指導、業務委託を受けてジムや派遣先で働くのが代表的です。パーソナルジムを開業する人もいます。ジムでの勤務経験や栄養学の知識が必要で、スポーツ指導基礎資格や健康運動指導士の資格があると有利です。

日本版O-NETの統計によると、スポーツインストラクターの平均年収は383.8万円です（2024年5月13日現在）。

フリーランスを未経験から目指すのは難しいため、アルバイトや就職で実務経験を積むことから始めましょう。

【経営系】フリーランスの職業一覧

ネットショップ運営やコンサルタントが経営系の職業に該当します。先行投資が必要な職業が多いのが特徴です。

ネットショップの運営

Web上でお店を開き、商品を販売する職業です。商品の仕入れ・在庫管理・集客・梱包・発送・問い合わせに対応します。初期投資ができる場合、サイトの構築・運営・商品の梱包を外注可能です。

必要なのは、ネットショップに関する知識やマーケティングスキルなど。年収は運営者ごとの差が大きいので、一概に「〇万円」とはいえません。

ネットショップは仕入れや広告にも費用がかかります。しかし、コネクションなど前職の状況に左右されづらいため、未経験でもフリーランスを目指しやすいでしょう。

投資家

個人の資金で株式やFXのトレードをする職業です。

世界や日本国内の経済の情報を参考に株式や外貨を購入し、価格の変動で利益を出します。利益だけでなく損失が発生するときもあるため、冷静な判断力が求められます。投資の知識や経済情報に通じているのが大切です。

投資家の年収は個人差が大きいので、一概に「〇万円」とはいえません。資金がマイナスになる場合もあり、余剰資金で投資をするのが原則です。

未経験からフリーランスを目指したい場合、いきなり本業にするのは避けるのが無難。本業で資金を貯め、勉強して小さな成功を繰り返してから本業にするのをおすすめします。

士業

税理士・弁護士の国家資格を活かした職業です。

専門的な知識を用いた業務で内容は多岐にわたります。たとえば司法書士なら、会社や不動産の登記を代行します。フリーランスに向いているとされる士業は、司法書士・土地家屋調査士・社会保険労務士の3つです。

年収は士業の種類で違います。たとえば税理士なら、日本版O-NETの統計だと746.6万円です（2024年5月13日現在）。

いずれの士業も公的資格が必要で、弁護士や税理士は合格率が低くなっています。資格を取得してフリーランスとして活動するには、営業スキルも必要です。

コンサルタント

クライアントが抱える問題を分析し、改善案を提案する職業です。フリーランスのコンサルタントには多くの分野があります。会社にアドバイスする経営コンサルタントや、個人に恋愛のアドバイスをする恋愛コンサルタントなどが代表的です。

作業内容は多様ですが各分野の専門知識・経験が必要で、即戦力を期待されます。コンサルティング会社での勤務経験があれば有利です。

日本版O-NETの統計によると、経営コンサルタントの平均年収は780.9万円（2024年5月13日現在）。特定分野の経験と知識があれば、未経験からでもフリーランスを目指せます。

副業については､｢コンサルタントの副業でできる仕事の種類は？必要なスキルや注意点も解説｣の記事でも役立つ情報を紹介しています

【インフルエンサー系】フリーランスの職業一覧

インスタグラマーやユーチューバーがインフルエンサー系の職業に該当します。動画や画像の編集技術や、人を引き付ける魅力が求められます。若い人が多く、ファンの獲得が重要になる職業です。

インスタグラマー

Instagramで自身の得意なことや好きなことをテーマに投稿をし、主にスポンサー契約による広告収入を得る職業です。

Instagramに画像を投稿し、スポンサーの商品やサービスのPRをします。スポンサー契約をするには、何十万人ものフォロワーが必要です。フォロワーの獲得には、継続した魅力ある投稿が求められます。

インスタグラマーを含むインフルエンサーは、人気の多寡に応じて収入に大きな差が出るのが特徴です。未経験からでも目指せますが、すぐに結果が出ないのを前提に行動しましょう。

ティックトッカー

SNSのTikTokに動画を投稿し、収入を得る職業です。魅力ある動画を投稿し、フォロワーを増やします。

TikTokで収入を得る方法は、視聴者からの投げ銭や会社からのPR案件、スポンサー契約、アフィリエイト収益などです。魅力ある動画を作るための編集技術や企画力が求められます。

ユーチューバー

YouTubeに動画を投稿し、広告収入を得る職業です。動画の撮影や制作、編集、投稿をします。動画の編集技術や企画力が必要なのはもちろん、他のユーチューバーと差別化できるオリジナリティも大切です。

フリーランスの働き方について

ここでは、フリーランスの特徴や働き方を紹介します。会社員・自営業・個人事業主との違いも交えつつ、フリーランスとは何かを確認しましょう。

フリーランスとは

フリーランスとは、会社に雇用されず自分1人で働く働き方です。制作物を納品・販売・サービスの提供、または会社と請負契約や委任契約を結んで報酬を得ます。

働く場所や時間が選べ、自由な働き方が可能です。一方で、営業・経理・納税の業務も1人でする必要があります。自分のスキルや知識、経験を最大限に活かす働き方ともいえるでしょう。

会社員との違い

会社員とフリーランスの大きな違いは、雇用契約の有無です。会社員は企業と雇用関係を結びますが、フリーランスは案件ごとに業務委託契約を結んで働きます。

会社員は与えられた業務をこなし、給料を得ます。雇用の継続が保証され、社会保障に加入できるのがメリットです。デメリットは勤務時間や場所は会社側が決定すること、収入に上限があることです。

フリーランスは働く時間や場所、内容を自由に選べるメリットがあります。デメリットは職業の不安定で、自分で営業しなければならない点です。

自営業との違い

フリーランスは店舗を持たず、自営業は実店舗を持って事業を行う点が異なります。自営業は経営が中心、フリーランスは業務そのものが中心ともいえるでしょう。会社に属していない点は両者とも同じです。

個人事業主との違い

フリーランスとは独立した働き方で、個人事業主は税法上の区分です。開業届を提出すると個人事業主と呼ばれます。青果商や鮮魚商の個人商店や個人スクール運営者が該当します。

個人事業主になると確定申告の際に青色申告が選べ、税制面で優遇が受けられるのがメリットです。フリーランスも開業届を提出すれば個人事業主になれます。

近年フリーランスが増えている理由

近年、フリーランスになる人が増加しています。コロナ禍による働き方の変化やリモートワークの普及、副業する人の増加などが要因です。働き方の自由度が高く、実力に合った報酬を得られるのもフリーランスが増加している理由です。

ここでは、フリーランスが増えた理由を4つ紹介します。

働き方の自由度が高い

働き方の自由度の高さがフリーランス増加の理由になっていると考えられます。

フリーランスは案件を選択でき、自身の強みやスキルを活かした働き方が可能です。結婚・出産のライフステージ変化や家庭の事情にも容易に対応できるでしょう。職業の負担や作業量を自分で決められる自由さが人気の理由といえます。

実力に合った報酬を得られる

フリーランスが増えている理由に、実績やスキルに見合った報酬を得られることがあります。スキルやキャリアがあれば好条件の案件を受注でき、それに応じて報酬も上がります。会社員と比べ、自分の実力と報酬が見合うケースが多いといえるでしょう。

コロナ禍をきっかけにリモートワークが促進されている

コロナ禍でリモートワークが普及し、在宅でできる職業の種類が増えたことでフリーランスが増加しました。副業のハードルが下がり、在宅ワークをする人が急激に増加したのです。

また、今まで会社でしていた業務や会議がリモートでできるようになったのも大きな要因でしょう。

副業を解禁する企業が増えた

フリーランスが増えている理由に、副業を解禁する企業の増加があげられます。解禁により、副業を始める人が増加しました。

労働人口が不足している現在、即戦力として働けるフリーランスは需要があります。副業で始めた職業が成功し、独立するケースもあります。

フリーランスとして働くメリット4選

フリーランスには、職業の選択肢や自由度の増加などのメリットがあります。また人間関係で悩む機会が減り、やりがいを感じやすいのも魅力です。フリーランスのメリットを4つ見ていきましょう。

仕事を選べる

フリーランスは自分がしたい案件を選んで受注できます。自身のスキル・経験・得意な仕事を選ぶため、対応したくないものや苦手な作業はしなくて済みます。転勤や部署移動もなく、案件だけに集中できるでしょう。

スキルや実績があれば、単価が高い案件を受注できます。自分のスキルや得意な職業に合わせて、好きな仕事を選べるのは大きなメリットです。

好きな場所で働ける

フリーランスは基本的に好きな場所で働けます。オンラインの業務なら、パソコンとインターネット環境さえあれば自宅でもカフェでも働けるでしょう。通勤時間を気にする必要がなく、満員電車に乗らずに済みます。

やりがいを感じられる

フリーランスは仕事のやりがいを感じやすい働き方だといえます。職業の成果が収入に反映されやすく、目に見える形で努力が表れるためです。案件を受注すればするほど、報酬は増加します。

煩わしい人間関係から解放される

フリーランスは煩わしい人間関係とは縁遠い働き方です。

フリーランスとして働くと、連絡や連携をとる相手は取引先に絞られます。職業にもよりますが、連絡方法はチャットやメールが一般的です。対面での人との接点が少なく、ストレスを感じにくいでしょう。

社内評価・上下関係・飲み会もないため、人間関係の悩みが少なくなります。人間関係におけるストレスの軽減はフリーランスのメリットです。

フリーランスとして働くデメリット5選

フリーランスとして働くことにはメリットだけでなく、デメリットもあります。生活のメリハリをつけにくい、収入が不安定でローン審査が通りにくいなど、現実的な問題が含まれます。

メリハリをつけにくい

フリーランスは、業務とプライベートのメリハリがつきにくくなります。

好きな時間や場所で働ける分、業務に集中できないときもあるでしょう。つい後回しにしてしまう、集中力が続かないといった状態になる人もいます。その結果、生産性の低下やクオリティの低下を引き起こします。

1日のスケジュールを決める、業務時間を管理するなどの対策が必要です。

収入が不安定になる

フリーランスのデメリットには収入の不安定さが含まれます。毎月安定した案件の受注が難しいためです。

営業をかけても、受注できなければ収入にはつながりません。受注案件が多い月は報酬も多くなりますが、少ない月は減少します。長期的に安定した報酬の確保が難しく、メンタルにも悪影響を与えるでしょう。

生活費・保険料・税金などを認識し、毎月お金を管理する姿勢が重要です。

ローン審査が通りにくい場合がある

フリーランスは、クレジットカードやローンの審査に通りにくくなる可能性があります。収入が安定せず、金融機関やクレジットカード会社からの信頼度が低いのが理由です。独立した後に仕事用のクレジットカードを作れないケースがあります。

フリーランスになる前に、クレジットカードやローンの申し込みを済ませておくと良いでしょう。

実績がないと仕事を得られない

フリーランスになっても、実績がない場合は案件を得られない可能性があります。大きな案件を依頼されるには実績が必要です。ポートフォリオの提出や実績の一覧を求められることもあるので、最初は低単価でしか受注できない人もいます。

フリーランスになる前に、提示できるような経験を積んだり小さい案件をこなしたりして実績を作り、ポートフォリオを作成しましょう。

トラブル対応に追われる可能性がある

フリーランスはトラブル対応に追われる可能性があります。トラブルが起きた場合、自分で対処しなければなりません。対応に時間がかかり、他案件の納期に間に合わなくなるケースも考えられます。

フリーランスで起こりやすいトラブルの例は以下の通りです。

• 報酬未払い
• 企業情報の漏えい
• 著作権侵害
• ミスによるクライアントへの損害

トラブルにより損害賠償が発生することもあります。対策としては、フリーランス向けの賠償責任保険への加入があげられます。

フリーランスで案件を取るまでの手順

フリーランスで案件を取るには、事前準備が大切です。案件を取るまでの流れは、5つのステップに分けられます。以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。

1.職業の種類を決める

フリーランスになるうえでの第一歩は、職業の種類を決めることです。

自身の経歴・スキル・趣味・特技が活かせる職業を選択しましょう。ほかにも、興味があった仕事や挑戦してみたかった職業に挑戦してみるのもおすすめです。自身の価値観に合い、努力が続けられる職業を選ぶのが望ましいといえます。

2.事前に情報収集する

目指す職業を決めたら、希望する業界のフリーランス事情を調べます。インターネットや求人情報で市場のニーズや求められるスキルを調べましょう。

自身のスキルや知識・実績が足りない場合、案件が受注できるまで時間がかかります。フリーランスになる前にスクールや書籍で勉強し、場合によっては副業から始めるのも検討しましょう。

自身の市場価値を認識し、提供するサービスの方向性を定めます。

3.フリーランスとして働く手続きをする

フリーランスとしての方向性が定まったら、開業届の提出や口座開設をします。フリーランスとして働く場合、税務署に開業届を提出した方が便利です。また、青色申告を希望する場合、青色申告承認申請書の提出が必要です。

会社員をやめるときは、国民年金・国民健康保険への加入手続きもしなければなりません。職業用のクレジットカード・銀行口座も準備しましょう。

4.案件を受注する

フリーランスとしての手続きを終えたら、いよいよ案件を受注します。代表的な方法は以下の通りです。

• 知人からの紹介
• 前職からの業務委託
• クラウドソーシング
• フリーランス向け求人サイト
• フリーランスエージェントの活用
• SNS

知人からの紹介や前職からの業務委託は、人脈がある人におすすめの方法です。クラウドソーシングやフリーランス向け求人サイトは、未経験や実績があまりない人に向いています。

ポートフォリオの提出やスキルのアピールで、クライアントからの信頼を獲得しましょう。

5.経験を積んで売上を伸ばす

フリーランスとして経験を積み、売上アップを目指しましょう。自分ができる業務量には限界があるため、外注を検討したり単価アップを交渉したりします。

ただし、売上を伸ばすには、スキルの向上やクオリティの維持などが不可欠です。また、案件を継続的に受注するには営業活動が欠かせません。

フリーランスが案件を獲得する方法

フリーランスは自身で案件を獲得しなければなりません。しかし、未経験の場合、獲得方法が分からない人もいるでしょう。以下では、フリーランスが案件を獲得する代表的な6つの方法を紹介します。

友人・知人から紹介してもらう

友人や知人などの人脈を活かして案件を獲得できます。駆け出しでも使える手段で、相手を知っているため互いに信頼して職業ができます。人脈があまりない人・増やしたい人は、セミナーや交流会に出席してみましょう。

フリーランスエージェントを利用する

フリーランスエージェントに営業を代行してもらうのも手です。エージェントは高単価案件や人材募集を積極的にする案件が多い傾向にあります。営業がない分業務に集中できるうえ、収入アップできる可能性があるのも魅力です。

営業の苦手な人や、ある程度安定した収入を得たい人におすすめの方法です。

フリーランスコミュニティに参加する

フリーランスコミュニティで案件を獲得する方法もあります。コミュニティに参加し、メンバーや運営者から案件の紹介を受けましょう。

案件獲得だけでなく、フリーランス同士で相談や情報交換できるのも魅力です。モチベーション維持が難しい人や悩みがある人に向いています。

マッチングプラットフォームを活用する

マッチングプラットフォームでも案件獲得が可能です。

クラウドソーシングサイトに登録し、案件に応募します。報酬単価の安い案件が多いですが、案件の種類が多いのがメリットです。未経験者歓迎の募集も多いため、初めての案件にもおすすめです。

企業に直接営業する

企業に直接営業をかけ、案件を獲得しても良いでしょう。企業に電話やメールで問い合わせ、売り込みをかけます。Webサイトに業務委託の求人情報を載せる企業もあります。

交渉次第では高単価案件を得られるでしょう。ただし、実績がある人でないと断られる可能性が高くなります。

WebサイトやSNSにポートフォリオを掲載する

WebサイトやSNSにポートフォリオを掲載し、依頼を待つ方法もあげられます。SNSで人材を探している人に向けて実績をアピールできます。

WebデザイナーやWebライターを目指す人は、ポートフォリオの作成により自己PRを練習できるでしょう。

詳しくは､｢フリーランスとして仕事を得るには?代表的な職種や案件探しの方法を紹介｣の記事でもまとめているので興味のある方はご覧ください｡

フリーランスとして成功するには

フリーランスとして成功するには、スキルを高める、独立資金を貯めるなどの事前準備が必要です。また、フリーランスとして活動してからも、納品物のクオリティ維持や案件を増やす努力が欠かせません。

ここからは、フリーランスとして成功するためのポイントを解説します。ポイントをおさえて成功を目指しましょう。

独立資金を貯める

フリーランスとして独立する前に、資金を貯めるのをおすすめします。独立の初期は、毎月安定した収入が得られるとは限らないためです。独立前は、最低でも半年分程度の生活資金を用意しておきましょう。

スキル・実績を高める

フリーランスとして成功するには、スキルと実績を高めることが求められます。スキルや実績を伸ばせないと、低単価案件しか受注できず、売上を伸ばせないためです。

自分自身に価値を持たせると、単価が向上し大型案件の受注にもつながります。競合のフリーランスに負けないよう、自己研鑽を続けましょう。

納品物のクオリティを保つ

フリーランスとして成功するには、納品物のクオリティを保つのが大切です。

クオリティが下がると、次の案件獲得に悪影響を及ぼします。安定した成果物を提供し続ければ、リピート依頼や口コミによる新規顧客の獲得が期待できます。顧客満足度を高め、次の依頼につなげましょう。

手持ち案件を複数持つ

フリーランスとして成功するには、手持ち案件を複数持つのが大切です。1つの案件だけでは、依頼が途切れたときに収入がゼロになります。営業活動を繰り返し、常に複数の案件を抱えておきましょう。

フリーランスに求められる資質

フリーランスに求められる資質は多くあります。専門的スキルをはじめ、スケジュール管理や自己管理能力が欠かせず、業務を見極める力や柔軟な対応力も必要です。代表的な4つの資質について説明します。

その分野の専門的なスキル

フリーランスに求められる資質に専門分野のスキルがあります。プログラマーであればプログラミングの知識、動画編集者であれば動画編集ツールを扱うスキルなどです。自身のスキルがどのレベルなのかをクライアントに分かりやすく伝えるのも重要です。

スケジュール管理能力

フリーランスに求められる資質にスケジュール管理能力があります。フリーランスは納品日や経費をすべて自分で管理するためです。

また、体調管理も大切です。フリーランスは体調を崩し、業務ができなくなると収入がなくなります。無理のない範囲で効率良く業務をこなす自己管理能力が必要です。

引き受ける業務の見極め力

フリーランスに求められる資質に、引き受ける業務を見極めるスキルがあります。

自身のスキルや実績に見合う案件かどうかを見極めなければなりません。スキルに対して低い案件を受注すれば、実力に対し報酬が低くなります。逆にスキルより高い案件を受注すると、業務がこなせずクライアントに迷惑がかかります。

柔軟力や対応力

フリーランスに求められる資質に対応力があります。クライアントが定めたルールや枠組みで働くこともあるため、柔軟な対応が大切です。スケジュールや仕様の変更・修正・変更が起きたときもスムーズに対処しましょう。

フリーランスに関するQ＆A

ここではフリーランスに関するよくある質問にお答えします。税金関係の質問や独立に関する4つの質問です。

フリーランスに必要な税金関係の手続きは？

年間の所得が48万円以上のフリーランスは、確定申告が必要です。確定申告では申告年度の翌年2月16日から3月15日の間に、税務署に確定申告書と添付書類を提出します。

請求書や明細書の情報を記帳し、所得の試算をします。試算の結果、所得控除を上回る場合は、確定申告書・収支内訳書もしくは青色申告決算書を作成しなければなりません。個人事業主なら、節税につながる青色申告を利用できます。

未経験でもフリーランスとして活躍できる？

職業未経験でも、フリーランスになることは可能です。しかし、いきなり生計を立てるのは難しいといえます。安定した収入を得るには、ある程度の経験や知識が必要だからです。

しかし、未経験でも始めやすい職業もあります。おすすめの職業は以下の通りです。

• ブロガー
• ライター
• ハンドメイド作成

初心者向けの案件で実績を積み、スキルを高めましょう。

独立のタイミングは？

務めている会社と似た業務内容で独立する場合、経験を積んでからの独立がおすすめです。フリーランスは即戦力として期待されるので、 分からない点は自己解決が求められます。会社で経験を積んだり副業から始めたりして、基礎を固めてから独立しましょう。

フリーランスに向いていない人の特徴は？

フリーランスに向いていない人の特徴は以下の通りです。

• 営業やコミュニケーションが苦手
• 自己管理や金銭管理ができない
• 専門的なスキルや実務経験がない
• 安定志向

フリーランスは自身で営業をする必要があり、コミュニケーションが苦手な人には向いていません。スケジュールや体調、金銭を自身で管理するため、計画性がなく金銭管理が甘い人には不向きです。

フリーランス案件では即戦力が求められるので、スキル・実務経験がないと難しいでしょう。さらに、フリーランスは収入が安定しにくい働き方です。案件ごとに環境が変化するので、安定志向が強い人はストレスを感じやすいといえます。

フリーランスの事務業務は外部ツールを活用しよう

大変な事務作業は、外部ツールを頼りましょう。主に確定申告をサポートするツールが多数存在します。多くの企業から発売・提供されており、経理や簿記のスキルがなくても簡単に操作できるものが多いので、初心者にもおすすめです。

無料で使用できるものもあり、税理士に頼るより費用がかからないのがメリットです。ツールを活用し、負担を減らしましょう。

まとめ

フリーランスの職業は多様です。未経験でも始めやすい職業や経験者でなければ難しい職業もあります。フリーランスに必要なスキルは職業により異なりますが、共通して必要なのは自己管理能力です。また、働き方の自由度が高い反面、スキルや実績も求められます。

フリーランスのメリットとデメリットを知り、自身に適した働き方かどうかを検討しましょう。