PHPの副業で稼ぐには？収入の相場と必要なスキル・経験を解説

「PHP関連の副業を始めたい」「どんな仕事内容があるか分からない」「単価の高い仕事を得る方法を知りたい」と思っている人は多いでしょう。PHP関連の仕事は人気が高く、好条件の案件を獲得するには豊富なスキルや実務経験が必要になります。

そこで本記事では、PHPの副業で稼ぐコツや注意点、フリーランスとして独立するポイントを紹介します。PHPを使う副業に興味がある方はぜひご覧ください。

PHPを使う副業の主な仕事内容

PHPの副業には多くの仕事内容があります。Webサイトの開発・システムの保守や運用・講師など、6つの仕事を見ていきましょう。

ECサイト開発

PHPを使用する代表的な仕事に、ECサイト開発があります。商品カタログ・カート機能・決済システム・マーケティング機能などを実装し、ECサイトを構築する仕事です。

PHPフレームワークにはWeb開発に適したものがあるので、使い方をマスターしておくと良いでしょう。

Webサイト開発

PHPは動的なページの開発に適したスクリプト言語なので、Webサイト開発の仕事もよくあります。Webサイトを扱う案件ではクライアントの要望に応じて、独自のテーマやAPI連携の開発をします。WordPressをカスタマイズしてサイトを構築する案件が多いようです。

ゲームアプリケーション開発

PHPを使用したゲームアプリケーション開発の仕事も多い傾向です。PHPを使い、サーバーサイドのロジックやデータベース管理の機能を実装します。プレイヤーのデータ管理・課金システム実装・セキュリティ対策なども主な業務です。

ゲームアプリケーション開発については、「ゲーム開発する前に知っておきたい！ゲームエンジン選びに役立つ記事まとめ」も参照してください。

業務システム開発

業務システム開発は、PHPを用いてCRM・在庫管理システム・予約管理システムなどを構築する仕事です。長期にわたる案件が多い傾向にあります。

システム開発の目的を明確にする要件定義をはじめ、設計・実装・テスト・導入まで開発全体を担当するなど、求められる業務が幅広いのも特徴です。

サイトやシステムの保守・運用

PHPの仕事内容は、ECサイト開発や業務システム開発などの大規模な仕事だけではありません。既存のWebサイトの一部改修といった小規模な仕事や、システムの保守と運用などの継続的な仕事もあります。

システムの定期的なメンテナンスやセキュリティパッチの適用、バグの修正や機能追加、システムのパフォーマンス改善などが主な業務です。

PHPプログラミング講師

PHPの知識や経験を活かし、インターネット上のスクールでPHPプログラミングを教える講師の仕事があります。講師業は拘束される時間や報酬が決まっているので、比較的安定した仕事です。ただし、講義の準備や予習に時間を割かなければなりません。

実務経験に基づいた講義になる工夫も必要です。知識だけでなく、人に分かりやすく伝える技術も求められます。

PHPを使う副業の仕事の数や単価相場

PHP副業の仕事の数や報酬の相場を紹介します。フリーランスHubを参照し、PHPの仕事の平均単価を計算しました。

PHPの仕事の収入やジャンルについては、「PHPの仕事を開発ジャンルごとに紹介！メリットや収入、仕事先の選び方も」も参考にしてください。

細かな修正などの小さな案件

Webサイトやアプリケーションの修正や機能追加などの細かな修正は、規模の小さな案件に含まれます。フリーランスHubに掲載されている小規模案件の数は約60件で、平均月単価は約65万円でした（2024年7月15日時点）。

Webサイト制作等の中規模案件

中規模な案件としては、WordPressをはじめとするCMSを使ったWebサイト制作が中心です。フリーランスHubに掲載されているサイト制作案件の数は約30件で、平均月単価は約60万円でした（2024年7月15日時点）。

業務システムやアプリ開発などの大規模案件

業務システムやゲームアプリケーションの開発などは、大規模な案件に含まれます。フリーランスHubに掲載されている開発案件の数は約5,000件で、平均月単価は約70万円でした（2024年7月15日時点）。

高度な技術力と豊富な実務経験が重視される案件は、1件あたりの報酬が50万円を超えることもあるようです。

PHPを使う副業の魅力とは？

ここでは、PHPを使う副業の魅力を紹介します。仕事の獲得方法について知りたい方は、、「PHPの案件を獲得するための方法は？どんな業務で使用される？」を参照してください。

PHPエンジニアは需要が高い

PHPはWeb開発で高い需要があります。PHPがHTML文書に直接記述でき、使い勝手が良いのが理由です。

HTMLにPHPを組み込むと、静的な画面からフレキシブルな操作が可能になります。表現力の高さから多くのWebアプリに使われるため、PHPの案件は数も種類も豊富です。

PHPには将来性がある

Web開発の主要言語として使用されるので、PHPを利用したシステムやサービスは多数あります。今後も最新のフレームワークやツールの進化に伴い、PHPの需要・将来性は高まるでしょう。

また、既存システムの保守や追加開発にもPHPが使われるなど、汎用性が高いのも特徴です。PHPを用いた既存のシステムが多く存在する以上、需要がすぐになくなるとは考えにくいでしょう。

土日に家で働ける

PHPは案件数が多い言語なので、希望する働き方が叶いやすいです。近年はリモートワークの浸透により、企業側でも在宅ワークができる環境も整いつつあります。その結果、土日や空いた時間で副業しやすくなりました。

ただし、土日のみの仕事は少ないと考えられます。土日を利用して副業したいときは、「土日OK」の記載がある案件を探してください。「一部リモート可」か「フルリモート可」かどうかも確認してみましょう。

初心者でもチャレンジできる

PHPは構文がシンプルで学習しやすく、初心者でもスキルを身につけやすい言語です。

また、PHPの仕事内容は大規模なプロジェクトから小規模なものまで、種類も豊富。小規模案件なら、経験の浅い人も比較的参入しやすいでしょう。間口の広さもPHP副業の魅力の1つです。

PHPの副業の仕事に必要なスキル・経験

PHPの副業の仕事をする際は、Webサイト制作やアプリ開発など多くのスキル・経験が必要です。必要とされる主なスキル・経験を5つ紹介します。

Webサイト制作スキル

Webサイト制作は、PHPの副業案件で大きな比重を占めています。多くの場合、WordPressを中心としたCMSをカスタマイズしてサイトを制作するため、これらのスキルや経験が求められるでしょう。

また、Webサイト制作の基礎となるHTMLやCSSなどのスキルも必要です。Webサイトの設計やデータベース管理、セキュリティなどの知識もあれば、クライアントの要求に幅広く応えられるようになります。

アプリ開発のスキル・経験

PHPの副業では、ネイティブアプリやゲームアプリを開発できる技術と実務経験が求められます。PHPの実装のみでなく、デザインや音声、3Dといった関連する知識や経験もあると重宝されるでしょう。

また、データベース設計やAPIの開発設計のスキルも必要です。携わりたい業務に関連したスキルや経験を積みましょう。

フロントエンドのプログラミングスキル

PHPは主に内部のデータを処理するバックエンド用の言語です。ただし、Webサイトを作るには見た目を装飾するフロントエンドの技術や知識も必要になります。フロントエンドの言語であるHTMLやCSS、JavaScripのスキルを身につけましょう。

Webサイト制作案件では、見た目やデザインにこだわるクライアントが多い傾向にあります。フロントエンドのスキルがあれば、幅広い案件で活躍できるでしょう。

フレームワークの知識

PHPのフレームワークはWebアプリケーションの開発を効率化するツールです。空き時間を有効活用してPHPの副業をするには、作業の効率化が欠かせません。

PHPのフレームワークでおすすめなのはLaravelやSymfonyです。また、アプリ開発時には、ReactやVue.jsなど、JavaScriptのフレームワークのスキルも求められます。

人気の高いフレームワークを使えれば、質の高いアプリケーションを制作できるでしょう。PHPフレームワークについて詳しく知りたい方は、「PHPフレームワークとは？習得のメリットやおすすめの枠組みを紹介」をご覧ください。

コミュニケーションスキル

PHPの副業は在宅で独りコツコツと取り組むものが中心ですが、コミュニケーションスキルが求められる場面も多々あります。チームメンバーと協力してアプリケーションを開発するとき、進捗状況を連絡し合ったりトラブル情報を共有したりするときです。

「報連相」の徹底によってプロジェクトの進行がスムーズになり、クライアントからの信頼も高まります。マネジメント部門や上級職を目指したい人は、コミュニケーションスキルを磨きましょう。

PHP技術者認定試験とは

PHPのスキルを客観的に証明できる手段として、PHP関連の資格を取得する方法があります。ここでは、PHP技術者認定試験について見ていきましょう。

さらに詳しく知りたい方は、「PHP関連資格のPHP認定技術者試験とは？難易度や取得メリットも解説」もご覧ください。

PHPスキルを証明できる資格

PHP技術者認定試験は、PHPのスキルの習熟度を証明できる唯一の認定資格です（2024年7月時点）。一般社団法人PHP技術者認定機構が実施しています。

合格するには、自分のスキル・経験・業務状況をもとに適切なグレードを選び、計画的な学習が必要です。

試験のグレードは3段階

PHP技術者認定試験には、以下に示す3段階のグレードが用意されています。

• 初級試験（PHP5・PHP7・PHP8）
• 上級・準上級試験（PHP5・PHP8）
• ウィザード

ただし、この区分はバージョンによって異なります。

試験の難易度

初級試験はPHPプログラミングの基礎知識を問うものです。バージョン5・7・8を対象にした試験区分があります。

上級・準上級試験では、PHPの言語仕様の知識や実務的なプログラミングのテクニックが問われます。正解数によって準上級合格者、または上級合格者として認定されるのが特徴です。5割以上7割未満の正解で準上級合格、7割以上の正解で上級合格になります。

ウィザードは、PHP8上級試験で85％以上正解した人が認定される資格です。高度なスキルが求められるため、合格率は極めて低くなっています。

初めての人は初級試験の学習から始めるのがおすすめです。学習手段としては、公式認定のオンラインマニュアルや学習書籍、公式サイトの模擬試験を受ける方法があります。

資格を取得するメリット

PHP技術者認定試験に合格すると、スキルを有する証明となります。クライアントからの信頼を得やすくなるでしょう。資格を取得する過程で身につけた知識や技術は、実務にも役に立ちます。

PHPの副業案件の探し方

自分に合ったPHP副業案件の探し方は人によって異なりますが、「人脈を活かす」「SNSを活用する」「フリーランスエージェントを使う」「クラウドソーシングを利用する」の3つが主な探し方です。ここでは、それぞれの方法を解説します。

エンジニアの副業案件の獲得方法については、「エンジニアが副業をするメリットは？案件の獲得方法も紹介」も参考にしてください。

友人、知人など人脈を活かす

個人で起業してWebサイトを作りたい友人からの依頼が来ることもあるでしょう。また、PHP関連の業務に携わる知人から仕事を提案され、受託するケースも考えられます。

信頼できる友人や知人経由の提案なら、安心して仕事が始められるのがポイント。営業活動に時間がかからない点もメリットです。

ただし、面識のある人からの提案なので、一旦仕事を受けたら単価や納期などの条件が合わなくても続けなくてはならないプレッシャーがあります。親しい間柄なら特に、報酬をはじめとする条件を確認してから受注しましょう。

SNSを活用する

FacebookやXなどのSNSも仕事探しに活用できます。

「PHP副業」で検索すると、企業や個人による求人の情報を見つけられるでしょう。自ら「#PHP副業」といったハッシュタグをつけて投稿すれば、オファーを受けられる可能性があります。

また、ビジネスSNSでプロフェッショナルなネットワークを構築すれば、直接クライアントとつながって依頼が来ることもあるようです。

自分のプロフィールを記載する欄には、得意分野やアピールポイントを記入しましょう。ポートフォリオはクライアントに訴えかける重要な手段なので、随時アップデートするのが大切です。

フリーランスエージェントを使う

ITエンジニア専門のフリーランスエージェントに登録すると、希望条件に合う案件の提案を受けられます。

営業に時間を割く必要がなくなるだけでなく、個人では関わるのが難しい大企業と取引できる可能性もあるのがエージェントの魅力です。契約関係の手続きの代行や確定申告のサポートなどが受けられるエージェントもあります。

ただし、受注が成立した際または納品が完了した際には手数料を支払わなければなりません。営業活動をする手間が省けることと手数料を比較して、利用を検討しましょう。

フリーランスエージェントが扱う案件は、比較的高単価の傾向にあります。ただしその分、求められるスキルも高いでしょう。アピールできるスキルや実務経験を持つ人に向いています。

クラウドソーシングを利用する

副業にそれほど時間を取れない、あるいは実務経験が浅い人にはクラウドソーシングの利用がおすすめです。

フリーランスエージェントと比べて高いスキルを求められない初心者向け案件も多いので、これから副業を始めようと考えている人に向いています。多様な職種や規模の案件があるため、自分のペースで仕事を探して実績を積めるでしょう。

ただし、比較的小規模の案件が多く、単価は安い傾向にあります。また、報酬が支払われる際にクラウドソーシングのシステム利用料が引かれる点にも注意してください。

PHPの副業で単価を上げるためのポイント

PHPの副業が軌道に乗ってきたら、単価アップを目指しましょう。単価を上げるための4つのポイントを紹介します。

実務経験を積み重ねる

単価を上げるには、実務経験を積み重ねるのが重要です。実績は自分のスキルをクライアントにアピールする重要な要素となります。たとえ小規模でも単価が低くても、多くの案件を積極的にこなしてください。

実績を積んだらポートフォリオを作成しましょう。実績を記載し、クライアントの目に留まりやすいよう心がけるのが大切です。

技術のトレンドを追い続ける

PHPをはじめとするWeb開発に関連した技術は日々進化しています。スキルを向上させるために、新しいフレームワークやツール、開発手法などを学び続ける姿勢が重要です。

PHP関連のオンラインコミュニティへの参加もおすすめです。技術のトレンドにアンテナを張り、情報のキャッチアップをしましょう。

自分の得意分野を持つ

何でもオールマイティにこなせるより、他人に負けない得意分野を持っている方が案件あたりの単価を上げやすくなります。「ECサイトの開発に特化する」「特定のフレームワークに強い」などの強みがあると、クライアントへのアピールにつながるでしょう。

自分の得意分野を明確にし、ポートフォリオに反映させましょう。PHPのスキルを可視化するためにも、ポートフォリオの役割は重要です。

付加価値が高いスキルも身につける

PHPエンジニアとしての市場価値を上げるには、付加価値の高いスキルを身につけなければなりません。PythonやRubyのプログラミングスキルやデータベースの知識、WebサーバーやOSの知識などです。

こうしたスキルを身につければ他のエンジニアと差別化でき、幅広い案件に対応できるでしょう。

PythonやRubyなどのプログラミング言語については、「スクリプト言語とは？プログラムを組むための言語の種類や特徴、違いを解説」を参照してください。

PHPを使う副業からフリーランスを目指す

副業でPHPの経験と実績を積み重ねて高収入を得られるようになれば、フリーランスへの道が開ける場合もあります。

求められる実務経験の目安は3年とされますが、期間は人それぞれです。豊富なスキルと経験があれば、高単価のフリーランス案件も問題なく受けられるでしょう。自身に付加価値をつけて市場価値を高め、フリーランスとしての独立を目指してください。

フリーランスになるには、税務処理や法務知識も必要です。独立してから慌てないためにも早めに準備しましょう。副業フリーランスについて詳しく知りたい人は、「副業でフリーランスとして活躍するメリットとは」を参照してください。

PHPを使う副業に臨むときの注意点

PHPの副業に臨む際に注意したいポイントは4つあるので、それぞれ詳細を見ていきましょう。あわせて「副業起業とは？メリット・注意点や始めやすい仕事などを解説」も参照すれば、より詳しく注意点が把握できます。

勤務する会社の就業規則を確認する

PHPを使う副業を始める前に、勤務先の会社の就業規則を確認してください。副業を禁止する企業もあるからです。副業を認めている企業でも、ルールに則らないと減給や解雇など処分の対象になる恐れがあります。

バレないと思っていても、住民税の金額や同僚からの報告で発覚するケースもあります。トラブルを避けるためにも、就業規則に違反しないよう注意してください。

副業の契約内容を把握する

仕事を受けるときは口約束ではなく、書面で契約を取り交わしましょう。契約書には、報酬額・納期・作業範囲・知的財産権に関する事項を明記します。条件が曖昧なまま仕事を進めると、トラブルが起こる恐れがあるので注意してください。

たとえば、「納品した後も修正が繰り返されて終わらない」「想定外の仕事がまわってきた」などです。こういったトラブルは、契約書の不備が原因で起こることが多い傾向にあります。

確定申告についての知識を得る

副業を始めるなら確定申告に関する知識も重要です。副業の年収が20万円を超えた場合、確定申告が必要になります。

確定申告の期間は毎年2月16日から3月15日と決められており、期日を過ぎると追徴課税や延滞税が発生する恐れも。前年の1年分の収入や経費から税額を算出するため、準備する書類は多岐にわたります。余裕を持って準備しましょう。

確定申告は税務署の窓口でするほか、インターネットで申告する方法もあります。書類や申告方法に関しては、「国税庁・所得税の確定申告」を確認してください。

副業する際の確定申告については、「確定申告は個人事業主の場合年収いくらから？ ケース別の要不要や手順」も参考になります。

体調管理を徹底する

副業をするときは体調管理も徹底ください。本業と副業の並行により、時間や体力面に大きな負担がかかるでしょう。

特に、副業を始めたばかりの時期は、1つの案件にどの程度時間を要するかが推測しにくく、納期間際に無理をすることもあります。慣れないうちは負荷の小さい案件を中心に取り組み、適切な休息が取れる範囲で副業を進めましょう。

まとめ

PHPを使う副業は仕事内容も規模も多様です。自身のスキルや経験に合った仕事を選べるため、副業として魅力的といえます。

PHPエンジニアは数が多いので、希望に合った案件を獲得するには、PHP以外の言語やコミュニケーションのスキルなど自身に付加価値をつけるのが重要です。税金や法務関係の知識も身につけなければなりません。

効率的に仕事を探すにはフリーランスエージェントへの登録がおすすめです。本記事で紹介した内容を踏まえ、十分に準備してからPHPを使う副業に臨みましょう。