最終更新日:2025年04月02日
働き方の多様化が進む近年、フリーランスとして働くことに興味をお持ちの方もいるのではないでしょうか。フリーランスとは、特定の組織に所属せず、自分の知識や能力を活かして自由に仕事をする働き方です。 本記事では、フリーランスの意味や個人事業主・自営業などの言葉との違いなどを解説します。また、フリーランスの実態やインボイス制度・フリーランス新法についても解説。さらに、フリーランスに必要な準備も紹介します。
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フリーランスとは、特定の企業や組織に所属せず、自らのスキルや知識を活かして仕事を請け負い、報酬を得る働き方です。
フリーランスという言葉は特定の職種や立場を示すものではなく、「働き方」を表現したものです。そのため、フリーランスという枠組みには、エンジニアやライター、デザイナーなどあらゆる職業が含まれます。
また、フリーランスとしての活動は本業だけでなく、副業としても行うことが可能です。会社員の立場はそのままに、副業でフリーランスとして働く人も増えています。
フリーランスでよくある仕事が気になる人は、「フリーランスの種類|Webデザイナーなど25の職業や成功する方法を解説」の記事をご参照ください。
フリーランスになるかの情報収集に
おすすめの案件を受け取るフリーランスとは、働き方を指す言葉です。
ここでは、フリーランスとほかの用語「個人事業主」「自営業」「会社員」との違いを解説します。
個人事業主とは税務上の区分で、法人を設立せず個人で事業を営む人を指します。個人事業主になるには、開業届を所轄の税務署に出す必要があります。
フリーランスは働き方を示す言葉であるため、特定の企業・組織に所属せずに働いている個人事業主は同時に「フリーランスである」といえます。
個人事業主についてさらに詳しく知りたい場合は「個人事業主になるには?開業手順や独立のメリットをご紹介」の記事を参考にしてください。
自営業とは、自分の責任において自ら事業を行っている人のことです。自営業は、個人で事業を営む個人事業主だけでなく、自分で法人を設立して会社の責任者として事業を行うケースも含まれます。
法人化して自ら事業を行っている自営業者は、一般的には「フリーランス」には区分しません。
自営業とよく似た言葉には「自由業」があります。こちらの言葉については「自由業とは?フリーランスやフリーターとの違いや種類、働き方もご紹介」の記事をご覧ください。
会社員とは、特定の企業に所属して働く人のことです。会社員は特定の企業と雇用契約を結び、契約内容に基づいて労務を提供して給与を得ます。
一方、フリーランスは案件ごとに企業や個人など多くのクライアントと契約を結びますが、特定の組織に所属するわけではありません。あくまで案件の契約を交わすのみで、独立して働き、対等な立場を保ちます。
ほかの働き方と比較したときのフリーランスの特徴について知りたい方は、「フリーランスのメリットとデメリットとは?向いている人も解説」の記事を参考にしてください。
フリーランスになるかの情報収集に
おすすめの案件を受け取るここでは、日本においてフリーランスとして働く人々の実態について解説します。
内閣官房がまとめた令和4年度フリーランス実態調査結果のQ8によると、フリーランスとして1年間で得た事業の収入額とその割合は下記の表のとおりです。
フリーランスとしての事業の年収 | 割合 |
---|---|
100万円未満 | 14.1% |
100〜200万円未満 | 12.6% |
200〜300万円未満 | 12.7% |
300〜400万円未満 | 12.6% |
400〜500万円未満 | 9.5% |
500〜600万年未満 | 6.9% |
600〜700万円未満 | 4.2% |
700〜800万円未満 | 3.3% |
800〜900万円未満 | 2.0% |
900〜1,000万円未満 | 2.1% |
1,000万円以上 | 3.4% |
分からない・答えたくない | 16.4% |
国税庁の令和5年分 民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均給与額は460万円です。
上記の表にあるとおり、フリーランスとしての事業年収が400万円未満の割合は52%で、半数を超えています。こうして比較するとフリーランスの年収が低いように思われますが、フリーランスの収入には副業として事業を営んでいるケースも含まれているため、一概に「年収が低い」とはいえません。
フリーランスの年収について詳しく知りたい人は、「フリーランスの年収は?中央値や手取り相場、収入アップの方法を紹介!」をご参照ください。
内閣官房の令和2年度版「フリーランス実態調査結果」によると、フリーランスの7割以上が「仕事上の人間関係」「環境(働く時間や場所など)」「プライベートとの両立」「達成感や充足感」などの面で満足感を持っていることが示されました。
また、今後もフリーランスとして働き続けたいという人は78.3%にのぼり、事業規模の維持・拡大を予定している人がそのうちの9割を超えるなど、積極的な継続意欲もみられます。
フリーランスとして働いている人はそれだけ満足度が高く、モチベーションも高く維持できていると考えられるでしょう。
一方で、収入面で「非常に満足」と答えた人はわずか4.1%で、「満足」と回答した人も33.3%と全体の3分の1ほどです。「不満」「非常に不満」と答えた人の割合の合計は6割を超えています。
フリーランスとして働くうえにおける障壁を尋ねた問いでも、「収入が少ない・安定しない」という回答がほかの項目を大きく引き離して59.0%でした。
現在の日本のフリーランスにおける最大の課題は、収入面であるといえるでしょう。
フリーランスとして働くリスクについてあらかじめ知って備えたい場合は、「フリーランスは後悔する仕事?不安定な収入などの現実を知り、適性見極めを」の記事を併せてご覧ください。
総務省統計局がまとめた、令和4年就業構造基本調査 結果の概要の「6 フリーランスの数」によると、 フリーランスを本業とする人口は209万人です。仕事を持つ人全体の中で占める割合でいうと、3.1%がフリーランスだということになります。
年代別では45歳から49歳がもっとも多く、24.5万人にのぼります。また、50歳から54歳
の層や55歳から59歳の層のフリーランス人口も多くなっています。
フリーランス人口が増加している主な理由は、以下の4つです。
それぞれの詳細について解説します。
フリーランスが増加している背景には、働き方への価値観に変化が生じていることがあります。
2019年4月から順次施行されている「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」、通称「働き方改革関連法」では、それぞれ事情を抱える労働者が自分に合った働き方を選べるように、あらゆる雇用形態の待遇改善に取り組んでいます。
また、2018年1月には「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が策定され、会社員として働きながら副業ができる環境が整えられています。
さらに2024年11月には「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」、通称「フリーランス新法」が施行されました。フリーランスが安心して仕事ができる環境作りが進行しています。
政府主導で労働環境の整備が進められて、多様な働き方への理解が深まったり、会社以外で働く経験をする人が増えたりしました。そして人々の働き方への価値観が変化し、フリーランスへ転向する人の増加につながったと考えられます。
参考先:
厚生労働省「『働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律』について」
厚生労働省「副業・兼業」
厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」
フリーランスが増加している理由の一つは、DXの領域において人材が不足していることが挙げられます。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、企業がデータとデジタル技術を活用してビジネスモデルや組織体制を変革し、事業の競争優位性を確立しようとするものです。
経済産業省主導でDX推進施策が行われ、あらゆる企業でDXの推進が求められています。しかし需要に対してDXに対応できるIT人材が不足している状態です。
このような状況を受けて、IT業界でもフリーランスが増加しています。
DX推進の業務において即戦力として参画できるフリーランスエンジニアは、市場価値が高い人材です。
IT業界でフリーランスになることを目指している場合は、「フリーランスエンジニアの種類は?会社員との違いやメリットとは」の記事も参考にしてください。
フリーランスが増加している背景に、フリーランス向けの支援サービスが充実してきていることが挙げられます。
近年、フリーランス向けの案件仲介サービスがオンラインで提供されるようになりました。幅広い業種を取り扱っているサービスから、エンジニアやクリエイターなど特定の職業に特化したサービスまで、さまざまなものがあります。
また、コワーキングスペースも増加しており、フリーランスにとって働きやすい環境が整ってきたといえます。
フリーランスの仕事を獲得する方法はさまざまです。
フリーランスの案件獲得方法について詳しく知りたい方は、「フリーランスとして仕事を得るには? 代表的な職種や案件の探し方を紹介」の記事も併せてご覧ください。
フリーランスが増加した理由の一つは、コロナ禍をきっかけにリモートワーク・テレワークが普及したことです。
2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、感染拡大を防ぐために多くの企業がリモートワークやテレワークを導入しました。その結果、会社に出社せず、自宅やコワーキングスペースで仕事をする働き方が世の中に広まります。
会社や組織に所属せずに個人で仕事を行うフリーランスの自由な働き方は、リモートワーク・テレワークとの相性が良いです。リモートワーク・テレワークを経験したことにより、フリーランスとして働くことを決意した人も多いでしょう。
フリーランスになるかの情報収集に
おすすめの案件を受け取るここでは、フリーランスの仕事に大きく関係する「インボイス制度」と「フリーランス新法」についてそれぞれ解説します。
インボイス制度とは、複数税率が採用されているなかで事業者が消費税を正しく納められるように、インボイス(適格請求書)をもとに納税額を計算する仕組みのことです。インボイス制度は2023年10月1日から開始されました。
買い手が消費税の仕入税額控除を受けるためには、インボイスを保存する必要があります。
売り手が買い手にインボイスを交付するためには、インボイス発行事業者の登録が必要です。また、登録後は課税事業者として消費税の申告をしなければなりません。
クライアントと取引を行うフリーランスの方は、インボイス制度への理解を深めて、必要な手続きを行いましょう。
また、インボイス制度が導入されたあとの取引について、クライアントに確認してください。
インボイス制度についてより詳しく知りたい場合は、「インボイス制度とは?個人事業主に必要な対応をわかりやすく解説」の記事をご参照ください。
参考先:
国税庁「インボイス制度について」
フリーランス新法とは、フリーランスが安心して仕事ができる環境を整えるために作られた法律です。フリーランスと発注事業者の間で行われる取引を適性化したり、フリーランスの就業環境を整備したりすることで、フリーランスが安定して業務に取り組めるようにします。
フリーランス新法は2024年11月に施行された法律で、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」や「フリーランス・事業者間取引適正化等法」とも呼ばれます。
従業員を雇用せずに仕事をしているフリーランスの業務委託期間によって、発注事業者側の義務項目が変動します。
フリーランスの方は、取引において守られるべき義務の内容を把握しておき、義務が遵守されているかどうかを確認してください。もし義務が履行されていない場合は、取引先に伝えたり、フリーランス・トラブル110番などのサポート窓口に相談したりしましょう。
フリーランス新法をより詳しく知りたいときは、「フリーランス保護法とは?施行される時期や下請法との違いなどを紹介」をご参照ください。
参考先:
公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
フリーランスになるかの情報収集に
おすすめの案件を受け取るフリーランスとして成功するには、スタートを切る前に準備を進めておくことが大切です。
ここでは、フリーランスになるために必要な準備について解説します。
フリーランスは働き方が自由な反面、大きなライフステージの変化があった場合にも自分自身で対応しなければなりません。結婚・出産・育児など、これから迎えるライフプラン、ライフステージについても考えておきましょう。
子どもを持つことを望んでいる場合、フリーランスは出産手当金や育児休業給付金の受給対象外になる点に注意が必要です。フリーランスでも対象になる助成金制度や支援サービスなどを調べておきましょう。
フリーランスが案件を安定的に獲得するには、人脈づくりが重要になります。これまでの人脈を活かしつつ、新たな人脈を作るために積極的に行動しましょう。
勉強会や講習へ参加したり、オンラインコミュニティに参加したりするのがおすすめです。
フリーランスは自身で案件を獲得していかなければならないため、コミュニケーション力を磨く必要があります。営業や交渉のノウハウを調べ、実践で得られたフィードバックを元に改善を重ねましょう。
フリーランスの仕事の取り方については、「フリーランスの仕事の取り方とは?初心者でもできる案件の探し方を紹介」をご参照ください。
近年はフリーランスの社会的認知度と信用度も改善傾向にありますが、それでも会社員などに比べると社会的信用が低いとみなされがちです。そのため、クレジットカードや各種ローンの審査が通りにくくなります。
フリーランスになる予定の人は、企業に勤めている間に、クレジットカードの作成やローン契約を済ませておきましょう。
フリーランスになる前に、以下の観点などから自分に合った職種を選びましょう。
フリーランスとして成功するには、安定して長く働ける状況を保つことが大切です。
上記以外にも、自分がフリーランスとして働くにあたって求める条件があれば、項目に加えて仕事を探すときの基準にしましょう。
フリーランスになるときには、事業計画を立ててください。事業計画書は法的に必要な書類ではありませんが、作成することでビジネスの方向性を明確にし、収益の見通しや必要な準備を具体化するための指針となります。
事業計画では、自分の強みや差別化ポイントの明確化に加えて、収益目標の設定も大切です。必要経費や資金繰りをシミュレーションし、収支のバランスを把握して、無理のない運営を心がけましょう。
事業計画書の作成に関しては、「事業計画書の書き方とは?個人事業主が作成するメリットや必要性を解説」の記事も参考にしてください。
事業としてみなされるのに十分な収入・規模・継続性が認められる場合は、「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を出しましょう。開業届は事業をスタートした事実があった日から1ヶ月以内に、所轄の税務署に提出するよう定められています。
フリーランスが開業届を提出すると、税務上の区分における個人事業主となります。
個人事業主になると、主に下記のメリットがあります。
開業届について詳しく知りたい人は「個人事業主が出す開業届とは?書き方や提出するメリットなども解説」を参考にしてください。
参考先:
国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
会社員からフリーランスになる場合には、基本的に国民健康保険に加入します。国民健康保険への加入を選択する場合、手続きは会社を退職した翌日から14日以内に行います。
なお、国民健康保険への切り替え以外にも選択肢はあります。
退職前の会社で加入していた健康保険を任意継続することも可能です。
フリーランスになっても同じ健康保険を継続したい場合、被保険者の期間が会社の退職日までに継続して2ヶ月以上あったことや、退職の日から20日以内に申請することが要件になります。この条件を2つとも満たす場合に限り、2年間の継続が可能です。
ただし、保険料が全額自己負担になる点や、保険料を滞納すると即脱退になる点には注意が必要です。
親や配偶者などの家族が健康保険に加入していれば、家族の社会保険の扶養に入るのも一つの方法です。自身の年間収入が130万円未満で、家族の年収の2分の1未満であることなどが条件として設けられています。
リスクへの備えについてさらに情報を知りたい方は、「個人事業主の保険|加入を検討した方がいいおすすめの制度を紹介」をご参照ください。
会社を辞めると厚生年金から脱退することになるため、フリーランスになる際には国民年金の第1号被保険者になるための切り替え手続きが必要です。退職した翌日から14日以内に手続きをしてください。
厚生年金に加入している場合は、国民年金の第2号被保険者である状態です。1階が国民年金、2階が厚生年金のような2階建て構造になっており、老後に受け取れる年金額も充実したものとなります。
一方フリーランスになってからは基礎年金である国民年金分のみ納付することになります。厚生年金に加入し続けるケースと比べると、将来受け取る年金が少なくなるため、自主的に将来への備えをすることが必要です。
資産形成に興味をお持ちの方は「個人事業主向けの年金や健康保険は?代わりになる制度も紹介」の記事も併せてチェックしてください。
フリーランスとして事業を営む場合、確定申告の義務が発生するケースがあります。所得金額が48万円を超えると、確定申告をしなければなりません。例年2~3月にある申告期間に向けて、確定申告の準備をしましょう。
こまめに帳簿をつけたり、必要書類をファイリングしたりして、確定申告がスムーズにできるように備えてください。また、資金の管理をしやすくするために、事業用の銀行口座とクレジットカードを作成することもおすすめです。
フリーランスが納める税金について詳しく知りたい方は、「フリーランスが支払う税金の種類や節税対策について解説!」の記事を参考にしてください。
フリーランスになるかの情報収集に
おすすめの案件を受け取るフリーランスとは、特定の会社や組織に属さずに個人で仕事をして稼ぐ働き方のことです。
日本でもフリーランスは増加傾向にあり、さまざまな面においてフリーランスの働き方に対して満足感を覚えている方が多いです。
その一方で、収入面では不満に感じているフリーランスの方も多く、6割を超えています。
フリーランスとして安心して働くためには、準備をしっかり整えておくことが重要です。
インボイス制度やフリーランス新法など、フリーランスに関わりの深い制度について理解を深めましょう。また、事業計画を立てたり各種切り替えの手続きをしたりするなどして、フリーランスになる準備を進めてください。
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