個人事業主になるには?開業手順や独立のメリットをご紹介

8 months ago

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近年、自身の働き方について見直し、個人事業主として事業を行うため、独立や起業を考える人が増加中です。
背景には、価値観の変化に伴って生き方が変化したことに加え、インターネットのインフラやサービスの多様化・一般化により個人でビジネスを行うためのハードルが低下したことなどが挙げられます。

このように自由度の高い働き方を望む人が増えているものの、個人事業主になるにはどういった手順を踏めば良いか分からない方も多いでしょう。
個人事業主として実際に開業するにはどうすればいいのか、平均的な収入、独立・起業するメリット・デメリットなどを詳しく解説します。

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個人事業主とは

個人事業主とは、法人を設立せず、個人で何らかの事業を営んでいる人のことです。つまり会社を設立せず、会社に雇用されていない人が該当。手続き上では、税務署に開業届を提出し、事業の開始を申請すれば、誰でも個人事業主となり、独立したと扱われるようになります。

「個人で事業を営んでいる」とされているものの、従業員を雇ったり、家族とともにそのビジネスを手がけたりしても、法人を設立していなければ、個人事業主です。
一方、たとえ実際に事業を営む人が代表の1人だけであっても、法人の設立手続きを行っていれば、その人は個人事業主ではありません。

また、「事業」とは、対価を伴って行われる労働や資産の取り引きなどを繰り返し、継続して、独立した状態で行われている業務のことを指します。事業と呼ぶには、この条件を全て満たしている必要があり、何が欠けても該当しません。
たとえば、雑貨店のオーナーは、商品を取引先から仕入れ、顧客に販売するという行為を繰り返し行います。その行為は店がある限り継続され、誰かの指示・管理下に置かれているわけでもありません。よって全ての要素を満たしています。
これに対し、家にある不用品などをフリーマーケットやネットオークションで単発的に販売する場合は、対価を伴う取り引きが独立して行われているものの、その時だけに限られているため、継続の要素を満たさず、事業にはなりません。

身近な個人事業主としては、先の雑貨店オーナーのほか、飲食店や美容院の個人オーナー、フリーランスのエンジニアやライター、開業医、弁護士、会計士、司法書士など士業で独立して働いている人などが挙げられます。

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個人事業主になるには?退職前から事業開始までの手順

この章では個人事業主となるための具体的な手順をご紹介します。
会社を辞めずに副業として始めることもできますが、今回は会社員が退職して個人事業主になるケースをまとめました。
また、事業内容の決定や必要資金の調達はすでに完了しているという前提です。

個人事業主になる手続きの前にすること

一般的には個人事業主よりも会社員のほうが社会的な信頼が高いとされます。そのため、住宅ローンやクレジットカードの申し込みは、会社をやめる前に済ませておきましょう。

また、事業用の口座やクレジットカードについても、会社を辞める前に取得しておくことをおすすめします。経費の管理も自分でする必要があるため、個人利用のものと事業利用のものとを分けておくとよいでしょう。

そして、会社から雇用保険被保険者証や源泉徴収票、年金手帳などの受け取りも忘れてはいけません。今後の手続きで雇用保険被保険者証と源泉徴収票、年金手帳の3種類を使用するため、必ず会社から受け取っておきます。

開業届の提出

個人事業主になるためには、原則開業届の提出が必要です。
開業届の提出は義務付けられており、開業後1ヶ月以内の提出が求められています。遅れたり、提出しなかったりしても罰則はありませんが、青色申告ができない・小規模企業共済に加入できない・屋号での口座開設ができない・補助金や助成金の申請ができないなどのデメリットが。事業をスムーズに行うためにも必ず提出しましょう。

開業届は、税務署の窓口か国税庁のHPから手に入れられます。用紙を手に入れたら必要事項を記入し、提出しましょう。
提出の際は税務署に直接持っていくほかに、郵送やインターネットのe-Taxを利用する方法があります。e-Taxは必要な内容を入力するだけで済み便利ですが、ICカードリーダーが必要なため事前に準備しておきましょう。
開業届の記入や提出が難しいと感じる場合は、開業届作成を支援するクラウドサービスもあるため使ってみるのがおすすめです。
開業届は、事業を行っている証明書として扱われるため、提出後も保管しておく必要があります。

事業開始等届出書の提出

提出が必要な書類は、開業届だけではありません。その1つとして、都道府県の税事務所や市町村に提出する「事業開始等申告書」があります。手続き内容は複雑ではありませんが、内容が市町村ごとに異なるため、どのようにして手続きをするかについて、事前に確認しておくことがおすすめです。

青色申告承認申請書の提出

開業届を出す際に、必須ではありませんが、併せて青色申告承認申請書を提出しておくことがおすすめです。
書類を提出しておくことで、確定申告の際に赤字を3年間繰り越せたり、65万円の控除が受けられたりするなどのメリットがあります。
青色申告承認申請書は事業開始から2ヶ月以内か、1月1日から3月15日までに提出しましょう。この書類を提出していなければ、会社員時代と同じ白色申告しかできず、青色申告特有の税制面でのメリットが受けられません。
提出する書類が増えると面倒に感じてしまいますが、長期的な目で見た場合、青色申告承認申請書を出しておくことがおすすめです。申請書は開業届と同じく、税務署の窓口で受け取るか国税庁のホームページよりダウンロードすれば手に入ります。

そのほか状況に応じて提出が必要な書類

その他提出が必要な書類をご紹介します。どのような状況で必要なのかも合わせて解説するため、必要に応じて参考にしていただければ幸いです。
まず、青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書という書類があります。こちらは、家族を従業員として雇用している場合に、その給与を必要経費として計上したいときに必要です。

次に、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書。こちらは、従業員の給与から源泉徴収した所得税の納付を、毎月から半年ごとに変更できる書類です。毎月の納付は手間がかかるため、こちらも提出し、変更しておくことをおすすめします。

最後に、給与支払事務所などの開設届出書があります。こちらは、従業員に給与支払いをする事務所を初めて開設した際に提出が必要な書類です。
前述した開業届作成を支援するクラウドサービスは、これらの書類作成の支援もできるため使用するとよいでしょう。

また、病院や飲食店、古本屋など、許認可が必要な事業もあります。許認可を管轄する窓口は事業によって異なるため、自分が考えている事業プランに許認可が必要か否か、必要な場合はどこに申請すればよいかは事前に確認しておくことが重要です。

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個人事業主になってからすること

ここからは個人事業主になってからすることをご紹介します。
個人事業主になってから必要なことは大きく分けて2種類。社会保険に関する手続きと、確定申告への準備です。個人ではなく従業員を雇う場合はほかにも必要な手続きがあります。

社会保険に関する手続き

会社員時代は会社に社会保険の加入手続きをしてもらえますが、個人事業主は自分で社会保険に加入する必要があります。

社会保険は事業所単位で保険に加入する制度であるため、個人事業主である場合は国民健康保険への加入が必要です。会社で加入する保険とは違い、全額自己負担になります。

会社員時代に支払っていた厚生年金については、国民年金に変更しましょう。
どちらも市役所で手続きができるため不明点がある場合は担当者に問い合わせてみましょう。

確定申告の準備

個人事業主の確定申告は青色申告を使用します。申告書一式のほかに、本人確認書類・口座情報・各種領収書・源泉徴収票などが必要です。作成は税務署でもできますが、インターネットで作成できるe-Taxの使用をおすすめします。
青色申告は控除が受けられるメリットがある反面、書類作成が白色申告に比べて複雑であることが特徴です。そのため、申告書類の作成には最低でも2ヶ月はかかるとみておきましょう。e-Taxを使用する場合は、マイナンバーカードで電子証明を取得する必要があるため、その時間も含めて計画します。
確定申告は毎年2月から3月に行われるため、申告の際に手間取らないように普段から帳簿をつけ、領収書や控除証明書を保管するクセをつけておきましょう。

従業員を雇用した場合に必要な手続き

個人で事業をしている場合は前述の2つの手続きをすれば問題ありませんが、従業員を雇っている場合は追加で手続きが必要です。5人以上の従業員を雇用していたら、事業所として必ず健康保険や厚生年金保険への加入が義務付けられています。
製造業や運送業、物品販売などの業種は個人ですることが難しいため、従業員を雇う場合が多いでしょう。さらに、40歳以上の従業員を雇用すると介護保険料の支払いも必要となります。
従業員が5人未満であったり、加入を義務付けられたりした業種でなくても任意で加入はでき、基本的に1人でも雇用すれば雇用保険や労災保険の適用対象となることも覚えておきましょう。
雇用保険の加入手続きはハローワークで、労災保険の加入手続きは労働基準監督署でできます。

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個人事業主とそのほかの働き方の違い

個人事業主は自由で魅力的な働き方ですが、自分にあっているかは分かりません。会社員、法人、フリーランスや自営業などとの違いを把握したうえで、働き方を選択したほうが良いといえるでしょう。

個人事業主とサラリーマンの違い

会社員は、特定の会社と雇用契約を結び、その管理下で働きます。原則として会社からの指示により、担当となった業務を遂行して労働の対価となる給与を得る働き方です。出社・退社時間や働く場所が決められていることが多く、異動・転勤などが決まれば、引っ越さなければならないこともあります。
収入は基本給が設定されていて、仕事の成果による手当やボーナス、残業代などが加算されるのが一般的です。
社会保険料や厚生年金などは会社側が加入手続きを行い、給与から天引きされる仕組み。転職活動中の生活を支える雇用保険や、勤務中に怪我をしたなどの万一の際に保障が受けられる労災保険などがあるのは会社員ならではの良い点でしょう。

対して、個人事業主は業務の裁量権が全て自分にあるため、自分の意思で案件の内容や量を自由に決めることができます。
事業活動を行う時間や場所の制約も基本的になく、自分のペースで作業することが可能です。
ただし会社員のように労働基準法に守られた存在ではなくなるため、自分で時間を管理し、ベストなコンディションを保ちながら事業活動を続けていくことが重要になります。

また、個人事業主は自らが案件を得る機会をつくって獲得していくため、本人のスキルとその期間に働いた分だけの成果が報酬としてダイレクトに反映。働くほど収入が伸ばしやすい一方で、基本給がないために安定せず、全てが自分次第の厳しさがあるでしょう。

さらに、国民健康保険や国民年金、税金類は自分で手続きをして納める必要があります。事業に必要な経費も自ら支出しなければならないため、事業収入がそのまま手元に残るわけではありません。

個人事業主と法人の違い

独立を決めたり、自分のひらめきで事業を始めようと考えたりした時、個人事業主となることも、法人を設立してその代表として事業を興すこともできます。しかし先述のように、個人事業と法人とは全く違うものです。

設立方法の違い

個人事業主となる場合、事業を行う場所から最寄りの税務署、管轄の税務署に開業届を提出すれば完了です。開業届の用紙は税務署の窓口でもらえるほか、国税庁のHPからダウンロードして利用することもできます。
書き方は後述しますが、税務署に足を運んでその場で記入・提出する場合も、あらかじめ書式を確認しておくと慌てずに済むでしょう。提出するにあたり、費用がかかることはありません。

一方、法人の設立では、会社の登記申請、定款作成、印鑑証明書の取得、資本金の準備などが必要です。資本金は1円でも可能ですが、株式会社とする場合は資本金の範囲内で債権者に責任を負うものとなるため、ある程度まとまった額がなければ信用を得にくいでしょう。資本金を最低限に抑えても、登録免許税や登記簿謄本代、定款認証手数料などが必要となるため、30万円程度の費用がかかります。

廃業方法の違い

個人事業主は廃業する旨を税務署に届け出ればよく、手間も費用もかかりません。

しかし、法人は、法律で決められた解散手続きや通知、清算の登記などが必要です。処理が煩雑で専門家のサポートを得ながら進めても、数ヶ月から数年かかるとされています。
費用は手続きだけで10万円程度、さらに専門家への報酬支払いが発生すれば、ある程度まとまった金額を用意しなければなりません。

税金の違い

個人事業主は、所得に応じた累進課税制度が適用されます。利益が出ていないと負担があまりありません。しかし、利益が大きくなると最も高い場合で所得税税率が45%になり、住民税や個人事業税も納めなければならず、大きな負担になります。

これに対し、法人はある程度税率が固定的で、法人税、法人住民税を合わせて30%前後。経費に計上できる費用の範囲も個人事業主より広く、節税メリットは大きいという特徴があります。ただし赤字でも最低7万円の税金負担が発生するため、極端に利益が低い場合はメリットを得られないケースもあるでしょう。

間接業務量の違い

日々の事業活動に伴う経理事務作業が、個人事業主ならばシンプルで少ない工数に抑えられる一方、法人になると多数の書類を作成せねばならず、手間がかかることなども主な違いとして挙げられます。

個人事業主は1人や少人数で行うことを想定されているため、手続き処理が簡単です。
法人になると担当者の分業体制が想定され、必要な手続きが増えます。

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個人事業主とフリーランスと自営業の違い

独立を考えた際に、個人事業主やフリーランス、自営業という3種類の言葉をよく耳にするでしょう。これら3つの言葉は厳密には違う意味を持ちます。

まずフリーランスとは、決まった組織や企業などには所属せず、案件ごとにクライアントと直接契約を交わす「働き方」のことです。

次に、自営業とは、個人事業主や会社などを自分の力で経営している人のことをいいます。自営業は「職業の分類」の1つで、一般的には個人事業主と同じ意味で使われるものの、正確には個人事業主を含むもう少し広い概念です。

最後に個人事業主についてです。個人事業主とは前述したとおり、法人化せずに個人で開業届けを出している人を指す「税制上の区分」のことを指します。

3つの言葉は間違えやすい言葉ですが、そもそもカテゴリーが違うと覚えましょう。

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個人事業主のメリット・デメリット

個人事業主として事業を行う場合のメリットとデメリットを考えてみましょう。

メリット

メリットは、以下の内容が挙げられます。

自分の努力次第で収入アップが期待できる

自分の努力とスキル次第で、収入を上げていける点があります。
先述のように、会社に雇用されていると担当業務の範囲や給与体系がほぼ固定されており、変更があっても思うようなタイミング・業務内容・昇給度合いではないことも。
しかし、個人事業主は自ら案件を探し、完遂することでその分だけ直接自身の収入に反映させられます。自分のスキルを活かしたい方や、成果を上げていきたい方にとって、このメリットは非常に大きなものとなるでしょう。

自分の都合に合わせたスケジュールを組める

業務量や事業に従事する時間を、自分のペースで調整しやすいこともメリットです。就業規則などに縛られることなく、全てを自己責任、自己管理下で行えるため、基本的にほかからの拘束を受けることがありません。
もちろん取引先との関係から、相手のスケジュールに合わせて動かなければならない場合もありますが、案件を受ける時点で交渉することも可能。交渉の結果、どういった条件を呑むかは自身次第のため、納得したうえでスケジュール管理ができるでしょう。

好きな事業を自分のやりたいタイミングでできる

事業の内容や目的を柔軟に変更できるメリットもあります。
一企業内のポストで変更できる自由はまずないといえるでしょう。法人では事業目的を定款に定めているため、変更する場合は株主総会による特別決議での定款変更を経なければならず、手続きが煩雑で容易にはいきません。

しかし、個人事業主は開業届で事業概要を記載するものの、それ以降に追加・変更を行ったとしても、特別な手続きは不要。そのため、時代のニーズに合わせたり、自分自身の興味関心やスキルレベル・置かれた環境要素に合わせたりと、臨機応変に事業を進めていくことができます。
幅広い分野に関心があり能力を総合的に活かしたいと考える方や、複数の案件を並行してこなし刺激を得ながら生活するといった働き方を望む方には嬉しいメリットです。

確定申告で青色申告ができる

比較的、手続きが容易であり、確定申告で青色申告による税制メリットを享受できる点も、個人事業主特有の利点でしょう。
開業届を提出し、帳簿付けや帳簿資料・書類の適切な保存を行えば、確定申告で青色申告特別控除や青色専従者給与など、さまざまな優遇を受けることができます。赤字が出た場合にも3年まで繰り越せるなど、会社組織でなくとも、それに準ずる税制メリットが豊富です。

経理ソフトやクラウドサービスなどを活用すれば、日常業務における記録も比較的簡単に済ませられ、さほど難しくありません。税理士に依頼する場合も、法人に比べ依頼費用は安く済む場合が多く、気軽に相談できるようになっています。

このほか、働き方が自由である点を利用して、会社員と兼業で行うことも可能であったり、定年がないため年齢に関係なく、自らのペースで長く働き、収入を得続けることができたりするといったメリットもあります。

デメリット

デメリットには、以下の内容が挙げられます。

社会的信用度が低い

一般に社会的信用が低い点が挙げられるでしょう。会社員であれば勤め先というバックグラウンドが信用の元になり、法人として起業すれば、その登記で営業実態が保証されるなど、第三者が参照しやすい仕組みがあるため、初めて取り引きする相手であっても、ある程度の信用してもらえます。

しかし、個人事業主は社会的に事業実態を証明することが難しく、信用を得にくい一面が。認知度の高い実績がある場合や、特別なスキル・資格があり、それが担保となる場合などは別ですが、信用面で苦心する可能性があるのはデメリットでしょう。

マンションの賃貸契約やクレジットカードの審査、金融機関から融資を受けるといったシーンでも、会社員や法人経営者に比べ、認められるまでのハードルが高くなりがちで、注意が必要です。

収入が安定しにくい

会社員に比べると収入が安定しにくいことがあります。
企業に雇われれば基本給が固定で保証されており、ボーナスの支給も見込めるなど、比較的大きな社会情勢の変化を受けても、想定したマネープランに近い収入で生活できるでしょう。
しかし、個人事業主はあくまでも獲得できた案件の量や内容次第になるため、月や年ごとでの差も大きくなりやすい傾向があり、あらゆるリスクに自分で全て対応していかねばなりません。

作業する上での一般的な各種保証が受けられない

会社員なら入れる社会保険に加入できないデメリットもあるでしょう。
厚生年金や雇用保険、福利厚生といった恩恵はなくなり、自らの責任で備える必要が生じます。

事業が上手くいかず経営が悪化し負債が発生した場合も、その全責任を自ら負わねばなりません。
法人を設立すると、社会保険加入が義務付けられ、経営者も遺族年金や障害年金など、公的な保障を受けられるようになります。また、負債も法人の債務となり、経営が行き詰まっても債務を法人資産の範囲内にとどめられるため、責任をある程度有限化でき、個人資産を守れる可能性も。ただし、中小企業などで融資を受ける際に、経営者個人の保証を求められた場合には、個人事業主と同じく全責任がかかります。

節税範囲が限定的

メリットとして青色申告ができる点を挙げましたが、個人事業主の控除額は最大でも65万円に限定され、赤字を繰り越せる年数も法人に比べ短いなど、節税できる範囲が小さめです。
納税額は利益が小さければ少なく済みますが、大きくなると、所得税の累進課税方式から法人よりも重い負担を課せられるものとなってしまいます。個人事業税という税金も別途かかるため、事業が大きくなった場合などは法人化へ向けた総合的判断が必要となるでしょう。

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サラリーマンは副業で個人事業主になれるか

結論から述べると、会社に所属しながら、副業として個人事業主になることは可能です。
ただし、会社員が個人事業主になるためには、就業規則に則る必要があります。勤めている企業が副業を許可しているかは真っ先に確認するべきことといえるでしょう。
企業によっては、就業規則違反になると判断され解雇されてしまう恐れもあります。

そのほかにも、その年の確定申告を自分でしなくてはならなかったり、失業保険が適用されなくなったりする場合も。判断が難しい場合は専門家に相談し、不安点をすべて解消してから開業届けを提出しましょう。

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主婦が個人事業主になれるか

パートナーの扶養に入っている主婦の方でも、独立して継続的な事業をしていれば個人事業主として認められます。個人事業主として開業届を提出していれば、事業の拡大や、経費の計上が可能です。
ただし、年間の合計所得額が一定額を超えると、パートナーの扶養から外れてしまうことは知っておきましょう。その場合は社会保険の扶養からも外れるため、自分で健康保険の加入手続きをしなくてはいけません。

パートナーの扶養に入り続けたい場合は、経費計上の際に所得額をコントロールする必要があります。上手くコントロールできれば、自身で事業を運用しながら、扶養に入り続けることも可能です。個人事業主は、自分で事業を運営するため時間にも融通が効きやすいため、子育てや家事などと両立しながら大きな収益をあげることもできるでしょう。

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個人事業主に自分は向いている?向いていない?

個人事業主として開業をするためのハードルは非常に低く、なりたいという意志さえあれば、誰でもなれるものといってよいでしょう。
しかし、なれるからといって、誰でも続けられるもの、理想的な働き方につながるというわけではありません。個人の努力はもちろんですが、そもそもの性格や価値観、考え方などの点で向き不向きはあります。ここでは、どういった方に向いているのか、また向いていないのかについて解説します。

個人事業主に向いている人

自分で物事を主体的に決定し、実行していくことに強いやりがいを感じる人は個人事業主に向いています。
個人事業主は、その事業についてあらゆることを自分で決め、その責任を自分でとる必要があります。組織に所属して働く場合のように、誰かの指示を仰いだり、責任を皆で分散したりすることはありません。
もちろん全てに関して知識を持ち、自分で実際に実行しなければならないというのではなく、専門家のアドバイスを受ける、仲間に助けを求める、外注するといったことは可能ですが、やはりその判断と行動は自分でする必要があるでしょう。

自由な中でもきちんと自分を律することができる方や、計画的に物事を進めていくことが得意な方にも向いています。自宅で作業をする可能性も高いため、オンとオフの気持ちの切り替えがスムーズにできることも大切です。

事業を続けていく観点では、チャレンジ精神が旺盛で、常に学び続けることを楽しめる方や、逆境にあっても強さを発揮できる方が個人事業主向き。学び続ける姿勢は雇用される労働者であっても重要であり、キャリアアップに欠かせないものですが、独立して事業を行う場合、より重要といえます。社会のニーズを踏まえて柔軟に対応するためにも、チャレンジを恐れず、新たな領域の知識やスキルについて、楽しみながら高められることが理想的です。

また、事業を行う上では、上手くいかない時期も必ずあります。落ち込む気持ちを引きずることなく、前向きに取り組めることは最も重要といえるでしょう。
このほか、自分の成果や能力を客観的にみることができる方も、市場価値を活かしやすくなるため、個人事業主に向いているでしょう。

個人事業主に向いていない人

自己責任となる決定プロセスを繰り返すことが負担になる人、受け身で動くタイプの人はあまり向いていません。自己管理の能力も必要で、計画性をもって取り組める人でなければ続けるのは難しいでしょう。
健康を維持するためのワークライフバランスも重要です。体調を崩し、受けた作業を途中で投げ出してしまうようでは、信頼を得られません。

取引先とのやりとりや、新たな案件を獲得しにいく場面など、人付き合いが思う以上に重要なため、基本的なビジネスマナーが身についていない方、コミュニケーション能力が低い方も、大変と感じる場面が多いでしょう。

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個人事業主の収入はどれくらい?

個人事業主は案件の内容や獲得量、スキルなどにより収入が変動します。

個人事業主の収入とは

具体的な年収をみる前に、個人事業主における収入とは何かを整理しましょう。
会社員であれば、年収とは1年間で得た給与合計であり、ボーナスも含めた金額をいいます。会社から受け取る源泉徴収票の「支払金額」欄で示されたものが、年収にあたると考えればよいでしょう。なお「所得」はこの年収から給与所得控除を差し引いたもので、これによって算定される給与所得額から所得税が計算されます。

一方、個人事業主の収入とは案件達成後に得られる報酬のことを指し、売上に該当。この売上から業務を進めるうえで必要な仕入れや経費を差し引き、事業所得金額を算出します。算出金額が一般の年収にあたると考えられるようです。

個人事業主の平均年収

事業所得を年収とすることを前提にデータをみていくと、国税庁が発表する「申告所得税標本調査結果」令和2年版では、個人事業主の平均所得金額(年収)は約420万です。

所得階級別申告納税者数の構成割合を見てみると、最も多いのは300~500万円以下で、23.2%を占めています。次いで100~200万以下が26.1%。200~300万円以下が21.7%と続きます。

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まとめ

漠然とした理解にとどまっていた個人事業主について、目指し方をはじめ基礎となる知識をご紹介しました。個人事業主は自由度が高く、さまざまなメリットがある一方、全てが自分次第、自己責任の世界になること、確定申告や納税など自らやらねばならないことが多いといったデメリットもあります。

独立を考える場合も、アイデアを事業にする場合も、個人事業主と法人のどちらを選ぶか、その判断も重要なポイントです。今回の解説内容をもとに、ぜひ自分なりに納得のいく最善の判断をして、新たな一歩を踏み出してみてください。

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