SAPエンジニアとは?業務内容や収入、将来性について解説!

大企業・中小企業など事業の規模や業界に関わらず、現在急速に社内システムのデジタル化・IT化が進んでいます。とくに社内の“経営資源”と呼ばれる、人の動きやお金の流れ、情報などを一元化するシステム“ERP”は、業務の効率化とコスト削減に効果的だといわれており非常に注目を集めています。

ERPシステムにはさまざまな種類があり、その導入や運用・開発には専門の知識を持つERPエンジニアが求められます。この記事では世界的にニーズの高いERPシステムであるSAPと、それを取り扱うエンジニア「SAPエンジニア」について解説していきます。

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SAPエンジニアとは?

SAPエンジニアとは、ERPパッケージ製品である“SAP”を取り扱うエンジニアのことをいいます。

SAPとは、ドイツに本社を置く世界的なソフトウェアメーカー「SAP」が提供するERPパッケージのことを指します。SAPを利用している企業は世界中で18,300社以上あり、世界的にニーズの高いERP製品だといっても過言ではありません。

SAPの導入コストは非常に高額であるといわれますが、現在までに中小企業から大企業まで、さまざまな規模の会社がSAPを導入・運用しています。

SAPの知識とスキルを身に付けるには、実際にSAPの導入を行っている企業案件に参画する方法しかほぼないのが現状です。そのため他の言語のように独学でスキルアップすることが難しく、SAPエンジニアの数は非常に少ないといわれています。

また、SAPのシステム開発で使われる高級言語ABAPは、SAP案件でしか利用することができません。そのためABAPを学ぶ人は多くなく、ABAPを使いこなせる人材も希少であるのです。

SAPエンジニア不足は2025年に向けて加速傾向に

そんな人材不足のSAPエンジニアですが、足りない状況は2025年に向けてさらに加速すると見られています。

その理由としては、現在SAPが行っている“旧世代のSAP ERP”から“新世代(第4世代)と呼ばれるSAP S/4 HANA”への移行があります。

非常に便利なERPパッケージ製品であるSAPは、世界中のさまざまな企業で活用されています。使い方としてはそれぞれの企業に合わせたアドオン(追加機能)開発を行い、使いやすい状態にして活用を行っています。

しかし、メイン製品となるSAP(SAP ERP)がSAP S/4 HANAへ移行することにより、現在多く活用されているSAPへのサポートが2025年~2027年にかけて終了されます。そのため、今まで使っていたSAP ERPはSAP S/4 HANAへの移行、もしくは他のERPシステムへの変更を考えざるを得ません。

そのため企業がそれぞれ使用しているアドオンは、システム移行後に再度のテスト等が必要になります。多くの企業がそれらの対応を期限間際に行うこと、そしてその対応にはSAPエンジニアが必要となることから、今よりも急激なSAPエンジニア不足が起こると見られているのです。

新世代となるSAP S/4 HANAは現状のSAP ERPよりもさらに高速なデータ処理が可能であるため、今後新たに導入を検討する企業も増えてくるでしょう。そのため移行期限となる2025年~2027年以降も、継続してSAPエンジニア不足は続くと考えられるのです。

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SAPエンジニアの業務内容

SAPエンジニアが行う業務は主に設計から導入・開発・テストまでとなり、流れとしては一般的なシステムエンジニアと大きな違いはありません。

ただしSAPは独自の言語ABAPを使用した“アドオン開発”を行います。アドオンとは導入する企業に合わせた機能のことで、SAPエンジニアのメイン業務といっても過言ではないでしょう。

そのため、SAPエンジニアとして案件に参画するにはABAPの習得は欠かすことができません。

SAPエンジニアはモジュールごとに必要

SAPは販売管理や財務管理など、さまざまなシステム(モジュール)を一元管理できるERPパッケージ製品です。

これらはシステムごとに膨大な量の情報を取り扱うことになるほか、導入する企業に合わせた適切な設定・開発運用が必要です。これをすべてSAPエンジニア1人で対応することは現実的ではありません。

そのため通常、それぞれのモジュールを担当するエンジニアが配置され、開発などを行っていくのが一般的です。SAPエンジニアの業務は、それぞれのモジュールごとに必要となるABAPを使ったアドオン開発、そして運用・保守がメインとなります。

つまりSAPエンジニアに求められるのはABAPスキルとシステムの開発経験、そして会計や在庫管理などそれぞれのモジュールに精通した知識・経験であるといえるでしょう。

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SAPエンジニアの年収

SAPエンジニアは専門的な知識を求められる職業であるため、年収は非常に高くなる傾向にあります。しかし一般的なエンジニアと同じように、知識やスキル・実務経験年数が多くない場合は、SAP案件の中でも低い価格帯からのスタートとなるでしょう。

ITフリーランスのための転職エージェントレバテックフリーランスでSAPエンジニアを求めるABAP案件を探すと、数件の募集を見つけることができます(2021年11月7日時点)。

案件数は多くありませんが、価格としては月単価50万円~70万円前後のものが多く、一般的なシステムエンジニアよりはやはり高単価であるといえます。

ただし求められるスキルや知識・経験としてはやはりABAPを使ったSAP開発の経験、担当するモジュールにおける専門知識などがほとんどであり、参画へのハードルは高めです。

持っているスキルや実務経験、そしてリーダーやマネジメントの経験があれば一般的なエンジニアと同様に年収は高くなる傾向にあります。とくにSAP関連の業務は専門的となるため、エンジニアであっても参画できれば年収800万円~1,000万円が視野に入ることは充分考えられるでしょう。

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SAPエンジニアに求められるスキル

SAPエンジニアとして働く際に求められるのは、SAPとABAPに関する知識と開発スキル、そしてそれぞれのモジュールに関する深い知識です。

SAPに関わった経験は求められることが多いですが、中には一般的なエンジニアとしての経験があればSAP経験は問われない場合もあります。ただし常時案件数は決して多くない状況であることから、参画に繋がりやすいスキルは習得しておいた方が、いざという時にチャンスを逃しにくくなるといえるでしょう。

SAPで活躍し続けるならSAP認定を取得しよう

SAPエンジニアとして案件を受注する際、必要となる資格はとくにありません。

しかし、持っているスキルや知識を証明するための手段として、またSAPコンサルタントへのキャリアアップを考えている場合にも、SAPに関する資格を取得しておくのは非常に有効であるといえるでしょう。

資格として持っておきたいのは、SAP社のSAP認定です。こちらはアソシエイト認定・スペシャリスト認定・プロフェッショナル認定の3タイプ、計150を超える試験の中から選べるため、自身のスキルレベルに合ったものに挑戦してみると良いでしょう。

また、SAP認定を受けるための準備として学習プログラムも準備されており、それを受講してSAPを学ぶこともできます。ただし、注意したいのが、SAPの認定試験を受けるための費用は高額になりやすいことです。

SAP認定は全部で150を超える数がありますが、それぞれの認定が常にアップデートされる仕組みとなっています。もし取得したSAP認定が数年後にアップデートされれば、すでに取得済みの認定は最新のものではなくなり、認定から外れることになります。

それを維持するためにはアップデートした認定を再取得する必要が生じますが、その際はまた受験費用が発生します。

現在は比較的リーズナブルな価格のサブスクリプション形式を利用することができますが、こちらも決して手頃な価格であるとはいえないのが現状です。常時最新のSAP認定を保持しておくには金銭的にも労力的にも、かなりの負担がかかると考えられるでしょう。

SAP認定を持っていれば常に最新のSAPスキルを維持している証明になるほか、SAPコンサルタントの場合はSAP認定がないと参画できない案件にも携わることができます。ただしコスト的な負担は非常に大きくなってしまうのがデメリットであるといえます。

語学力があると選択肢が広がる

SAPエンジニアとして活動するなら、もうひとつ持っておきたいのが英語を始めとした語学力です。

SAPは世界中で利用されているERPパッケージのため、開発において必要な情報を調べる際に語学力があれば、スムーズに進められるシーンも少なくないでしょう。

また、英語を中心とした語学力があれば海外と関わる業務はもちろん、海外に拠点を持つ企業での活躍も視野に入れることができます。一般的なエンジニア案件に比べて、高単価だけれど数は多くないSAP案件だからこそ、語学力があれば働く環境を問わずさまざまなチャンスを逃しにくいといえるでしょう。

以上の2点は、可能であれば積極的に習得しておきたいスキル・資格です。それ以外にもエンジニアとして上流工程やリーダー経験、マネジメント経験などを持っていれば、案件獲得に有利になると考えられます。

SAPエンジニアになるには?

SAPエンジニアは独学で学びにくいスキルであることを前述しました。そのためJavaPythonのようにインターネットで簡単に情報を見つけられるわけではなく、習得する方法が分からないという人も多いのではないでしょうか。

SAPエンジニアとしてのスキルと知識を身に付けていくには、まずSAP案件に携わり、SAPを触りながら覚えていくしか方法がないのが実情です。そしてそのための入り口として、会社員エンジニアとしてSAPを取り扱う企業で働き、経験を積んでいくという方法があります。

フリーランスSAPエンジニアとして仕事をする場合は即戦力を期待されるため多くのスキルと知識・実務経験が求められがちですが、実は会社員として働く場合はSAP未経験でもOKという企業が少なくありません。

そのためSAPエンジニアを目指すなら、まずは一般的なシステムエンジニアとしての経験を積んでから、未経験でも参画可能なSAP案件を取り扱う企業へ転職を目指すと良いでしょう。

SAPエンジニアのメイン業務は、担当するモジュールごとの、ABAPを使ったアドオン開発やシステムの運用・保守です。ABAPはSAP独自の言語であり業務内容・処理方法も特殊であることから、最初は戸惑うことも多いかもしれません。

しかしある程度の開発経験があれば理解するのは難しくない場合がほとんどです。積極的にチャレンジしてみると良いでしょう。

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SAPエンジニアのキャリアパス

SAPエンジニアからのキャリアパスとしては、SAPエンジニアよりもさらに広い視野と経営視点が必要となるSAPコンサルタントへのキャリアアップが一般的です。

責任は非常に大きくなりますが、年収は1,000万円を超えることも珍しくなく、やりがいと収入の大幅なアップが期待できるでしょう。また、働き方の自由度が非常に高く、フリーランスとしての働き方とも好相性です。

SAPコンサルタントとSAPエンジニアの仕事には大きな違いがありますが、それはSAPエンジニアが指示に従って開発を行う技術者であるのに対し、SAPコンサルタントは経営者視点に立って将来的な企業運営まで考える必要があることです。

SAPエンジニアが決められた業務のみを行うのに対し、SAPコンサルタントはどのようなSAPシステムを導入するか、どのようなアドオン開発をするかまで考え、企業の経営をより効率化させるためのマネジメントを担います。

大きな責任がともなう仕事であるために、人によっては向き不向きもあります。そのためコンサルタントは目指さず、SAPエンジニアとしてずっと仕事をしていきたいと考える人も少なくはありません。

SAPエンジニア自体、実務経験と知識・スキルが豊富であれば高年収を見込める職種であるため、エンジニアとして活動を続けていくという選択肢ももちろんおすすめです。認定も常にアップデートされ続けていくSAPだからこそ、エンジニアとして高いスキルを目指し続ける面白さがあるといえるでしょう。

SAPエンジニアはそのシステムの特徴から、リモートワークで行える仕事も豊富です。自由な働き方を希望するなら、SAPエンジニアおよびSAPコンサルタントを目指すことは、非常におすすめの選択肢です。

SAP以外のERPエンジニアへの転向も

もうひとつ、SAPエンジニアからSAPコンサルタント以外へのキャリアパスとして、SAP以外のERPエンジニアへの転職を考えてみても良いでしょう。

この場合、世界的にシェアの大きいSAPで培った知識とスキル・経験は大きく役立つと考えられます。SAPエンジニアとして一定期間活躍した後は、どのようなキャリアパスを選んでも満足度の高い働き方ができるでしょう。

ただしSAP以外のERPエンジニアに転向すると、SAP案件以外では活用できないSAP認定を取得し、保持している場合はその意味がなくなってしまうといっても過言ではありません。

もちろん先のことを考えて転向するならOKですが、SAP認定を活かして仕事をしたいのであれば、SAP案件に関わり続けるのがおすすめです。

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今後も需要が増えるSAPエンジニアを目指そう

前述したように2025年~2027年にかけては、SAP ERPがSAP S/4 HANAへ移行するための期限となっています。この直前時期にはSAP ERPからの移行作業が増えてくると見られ、人手不足でさらに需要が高まることは間違いありません。

もちろん移行が終了した後もSAPエンジニアの需要は続くと見られており、その理由としてSAP S/4 HANAが非常に優れたサービスであることが挙げられます。

ITエンジニアの中でも特殊な業務を担うSAPエンジニアは高スキルかつ希少な存在で、今後も継続的に高い需要を維持するでしょう。グローバルな活躍も視野に入れられるSAPエンジニアを積極的に目指して、やりがいと年収アップを考えてみてはいかがでしょうか。

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