Linux資格のおすすめは？特徴から勉強法まで徹底解説！

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この記事のまとめ

• Linuxのスキルを証明できる資格として、世界的に有名な「LPIC」と国内で有名な「LinuC」がある
• LPICとLinuCはどちらも難易度別に複数のレベルがあり、エンジニアのスキルアップに役立つ
• Linux認定資格を取得すると、スキルを客観的に証明できたり、キャリアアップにつながる可能性がある

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Linuxはアプリケーション開発やサーバー管理など、幅広い場面で活躍するOSです。しかしその分、スキル習得に際して覚えなければならない事柄が多く、簡単ではないといわれています。

そこで本記事では、Linuxのスキルを身につけるのに役立つ資格を紹介します。国際的な知名度がある「LPIC」と国内の代表的な資格「LinuC」です。難易度や勉強方法も解説するので、スキルアップを目指す人はぜひご覧ください。

世界的なLinux認定資格「LPIC」

LPIC（エルピック）は、世界的に認められたLinuxの認定資格です。以前はLPI-Japanから受験できましたが、現在テスト配給は廃止されています。

LPIC自体は廃止されておらず、現在はLPI日本支部が試験を実施しています。オンラインやテストセンターで日本から受験可能です。LPICは難易度別に6種類に分けられます。

LPIC-1

LPIC-1は難易度が低い試験で、初めてLPICを受験する人におすすめです。

101試験・102試験の2つがあり、5年間の間に両方合格するとLPIC-1認定を受けられます。Linuxの基礎知識を中心に、セキュリティやメンテナンスに関する内容などが出題されます。

LPIC-2

LPIC-2は、中小規模ネットワークの管理能力が試される試験です。5年以内に201試験・202試験の両方に合格すると認定を受けられます。

システム・サーバーの管理スキルを持つエンジニア向けの試験で、中小規模なら自身でサーバー管理ができることを証明できます。LPIC-1認定がないと受験できないため、先に受けておきましょう。

LPIC-3 Mixed Environments

LPIC-3は分野ごとに4つの資格に分かれており、すべてLPIC-2の認定を受けていることが前提となります。

Mixed Environments試験は、混合環境下でLinuxのシステム管理ができることを証明する資格です。UNIX系OSをWindowsで利用するために欠かせない、Sambaを中心とした問題が出題されます。

LPIC-3 Security

LPIC-3のうち、セキュリティ分野に重きを置いた資格です。セキュリティ関連のスキルは、現在IT企業で需要が高まっています。

暗号技術やネットワークセキュリティなど、幅広いセキュリティスキルが試験範囲として提示されています。取得すれば、セキュリティ分野のエキスパートだということが証明できるでしょう。

LPIC-3 Virtualization and Containerization

Virtualization and Containerizationは、サーバーの仮想化やコンテナ化に関する内容が中心に出題されるLPIC-3試験です。

Linux環境のコンテナ化・仮想化スキルは、アプリケーション開発やシステム管理などを行うエンジニアにとって重要なスキルだといえます。本資格を取得すれば、それらの分野における専門的な知識があると証明できるでしょう。

LPIC-3 High Availability and Storage Clusters

High Availability and Storage Clustersは高可用性のシステムやストレージなど、クラウド環境に関する問題が多く出題されるLPIC-3試験です。LPIC試験の中でも、特に高度な知識を要するでしょう。

LPIC-3は専門分野ごとに試験が分けられており、4つのうち1つでも合格すれば認定を受けられるという仕組みです。専門知識を持つエンジニアへ向けた試験で、認定されれば高いスキルを証明できるため、キャリアアップにも役立ちます。

日本を代表するLinux認定資格「LinuC」

「LinuC」は、LPIｰJAPANが実施するLinux認定資格です。実践的なLinuxスキルを身につけられるのが特徴で、難易度に応じて5つに分類されています。

LinuCレベル1

LinuCレベル1は、Linuxシステムの基本的な操作とシステム管理スキルを測る験です。Linuxを扱うエンジニアの基礎固めとして受験が勧められています。

Linuxの知識だけでなく、クラウドセキュリティに関する内容も出題されるのが特徴です。試験は101・102試験の2つに分けられており、5年以内に両方合格すればレベル1認定が受けられます。

LinuCレベル2

LinuCレベル2は、Linuxのシステム設計・構築・監視・トラブルシューティング技術を測る試験です。

レベル1の内容に加えて、Linuxシステムの保守管理やシステムアーキテクチャの基本を理解する必要があります。201と202試験に5年以内に合格すれば、レベル2の認定が受けられます。

LinuCレベル3 300

LinuCレベル3 300は専門分野ごとに3種類に分けられます。300は、混在環境下でのシステムトラブルシューティング技術を測る試験です。

取得すれば、Linuxを使用した大規模なシステム構築スキルを証明できます。多様な環境下でシステム構築を行うため、LinuxだけでなくSambaなどのソフトウェアの知識と実践力も必要です。

LinuCレベル3 303

LinuCレベル3 303は、Linuxの環境下での多様なシステムを設計・構築する技術を測る試験です。安全なシステムにするためにシステムの脆弱性や改善策を見つけ、トラブルシューティングするスキルが試されます。認定されれば、安全性の高いシステムを設計する技術を証明できます。

LinuCレベル3 304

LinuCレベル3 304は、仮想化システム・高可用性システムの運用・構築ができる専門家として認定される試験です。LinuC試験の中でも特に難易度が高い試験だといえます。Linuxだけでなく、OSS全般の知識も必要です。

Linux認定資格を取得するメリット

Linux認定資格は、取得することで多くのメリットが得られます。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるかを見ていきましょう。

スキルを客観的に証明できる

資格を持っていると、Linux関連スキルがあることを客観的に証明できます。体系的な知識を持っている人材だとみなされるため、案件獲得時に有利に働くでしょう。

経験が少ないエンジニアは、実績豊富な人に比べて不利になりがちです。資格を取得すれば、経験の少なさを補える可能性があります。

Linuxのスキルアップ

LPICはLinuxの知識・スキルを網羅できる国際的な資格です。一方LinuCは、Linuxの実践的なスキルが身に付くのが特徴です。どちらの資格もLinuxに長けたエンジニアになるのに役立つので、さらなるスキルアップと成長を望む人は挑戦すると良いでしょう。

キャリアアップ

資格を取得すると、Linuxの専門知識と実践スキルを習得・証明できます。そのため、高単価案件や上位職種の案件に参画するのに役立つ可能性があります。今よりレベルの高い案件への参画を希望する人、キャリアアップを望んでいる人は、Linux認定資格の取得がおすすめです。

Linux認定資格の難易度・注意点

Linux認定資格は難易度によってレベル分けされています。ここでは、Linux認定資格の難易度と注意点を解説します。

Linux認定資格の難易度

LinuCレベル1の学習期間は約1ヶ月〜3ヶ月、レベル2は3ヶ月〜6ヶ月、レベル3は6ヶ月〜1年が目安であると、実施機関の公式サイトで公開されています。LPICは標準学習期間が明記されていませんが、出題範囲が似ているため同等の期間が目安と考えて良いでしょう。

LPIC-1・LinuCレベル1は基礎知識をしっかり学べば難易度は高くないと考えられますが、レベルが上がるにつれて専門性も難易度も上がります。しかし、どちらの試験も出題範囲が公開されているため、範囲をしっかりおさえれば未経験での合格も不可能ではないでしょう。

有効期限に注意

LPICの1・2、LinuCのレベル1・レベル2には2つの試験があり、5年以内に両方の試験への合格が必要です。

また、LPIC-3・LinuCレベル3を含め、認定日から5年以内に再認定を受けるか上位レベルの試験に合格しないと資格を失ってしまいます。資格取得時は期限があることを意識し、時機を見て再認定もしくは、上位レベル試験の受験を検討しましょう。

Linux認定資格を取得するための勉強法

Linux認定資格を取得するには、出題範囲をしっかりおさえて学習する必要があります。試験の実施機関では多様な学習ツールが提供されているので、自分に合った学習方法を見つけて利用すると良いでしょう。

認定パートナーを利用

LPIC試験の実施機関であるLPI日本支部とLinuC試験を実施するLPI-JAPANは、ともに資格取得のための学習環境を用意しています。

LPICには、アカデミックパートナー・トレーニングパートナーとして登録された団体や人物の授業を受けられる制度があります。LinuCもアカデミック認定校制度を導入しているのがポイントです。

実施機関が認めた学校で学習すると、質の高い授業を受けられたり、受験料が割引になったりといったメリットがあります。

オンライン学習を利用

実施機関では解説動画の公開やオンラインセミナーを開催しており、資格取得を助けるツールが多く配信されています。また、一般企業が提供する動画やオンライン講座もあるなど、学習ツールは豊富です。

YouTubeの動画配信のように無料のものから、有料で授業が受けられるものまでさまざまです。必要に応じて学習に取り入れると良いでしょう。

参考書・過去問題集の利用

参考書は、実施機関が公認しているものから非公認のものまでさまざまです。LinuCに関しては、標準教科書を無料でダウンロードできます。市販の書籍もインターネットで購入可能です。

また、実施機関の公式サイトでは練習問題やサンプル問題、過去問題も公開されています。こうした教材も適宜利用して対策しましょう。

Linux認定資格取得後のキャリアパス

Linuxの認定資格を取得したエンジニアはどのようなキャリアパスを歩んでいるのか、例を3つ紹介します。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、設置したサーバーのメンテナンスや調整・修理などを行う職種です。サーバーのスペックや処理能力を調べ、システムを正常に稼働させるためのメンテナンスをします。

Linux認定資格を取得すると自身でサーバー管理が可能になるため、サーバーエンジニアとしての活躍が期待できるでしょう。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、クラウド上で稼働するシステムインフラを管理する職種です。近年は自社サーバーではなくクラウドサービスを利用する企業が増えており、クラウドエンジニアの需要が高まっています。

Linux認定資格にはクラウド分野の内容も含まれているため、取得すればクラウドサービスを使いこなせるスキルの証明になります。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、1つのプロジェクトにおいてスケジュールや予算の管理、人材調整などを行うまとめ役です。エンジニア職で実績を出した人が担当する傾向にあります。

プロジェクトマネジメントに長けた人がLinux認定資格を活かせば、サーバーやシステム管理など技術者視点の深い知識を発揮できるでしょう。

まとめ

LPICとLinuCはLinux認定資格の代表例として知名度を上げており、IT企業も資格取得者を高く評価する傾向にあります。初心者からより高いレベルを求めるエンジニアまで、メリットが多い資格だといえるでしょう。

多様な学習ツールが揃い、出題範囲も公開されているので、勉強もしやすいです。今後Linuxに関わっていきたい人はぜひチャレンジしてみましょう。