アプリ開発を副業にするには？始め方や個人が収益化するコツを解説

アプリ開発の副業で収入を得る方法

アプリ開発の副業で収入を得る方法は、主に5つあります。ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。

開発したアプリの販売

開発したアプリのライセンスを、個人や企業に直接販売して収入を得る方法です。

アプリの主な販売形式は、一度購入すれば永続的に利用できる「買い切り」型と、月額や年額で定期的に料金が発生する「サブスクリプション」型の2種類です。
買い切り型の場合の収益は、購入時のみ発生します。
サブスクリプション型では契約が継続するかぎり定期的な収入が見込めます。サブスクリプション型でユーザーに継続利用してもらうためには、定期的なアップデートや新機能の追加など、アプリの価値を高め続ける努力が必要です。

アプリ内課金

アプリ内課金とは、開発したアプリを使用してもらい、必要に応じてユーザーに課金を促す収益化の手法です。
例えば、ツールのアプリであれば便利な機能の追加や利用制限の解除、ゲームアプリであればキャラクターの育成時間短縮やアイテムによる能力強化といった場面で課金を促します。

無料でアプリを提供しても、その後の課金によって収入を得られるのがポイントです。ユーザーが「お金を払ってでも利用したい」と感じるほどの強い訴求力や利便性があるアプリの開発を目指しましょう。

広告収入

広告収入は、開発したアプリ内に広告を表示することによって広告主から収入を得る方法です。無料でアプリを提供しても、ユーザーが広告を見たりクリックしたりすることで収益が発生します。広告の例は、アプリ利用中に表示される動画広告や、画面の一部に常に表示されるバナー広告などです。
ユーザー体験を損ねないように、広告の表示位置や頻度に配慮しましょう。

アプリ内課金とは異なり、ユーザーに直接的な金銭負担がかからないため、比較的収益化しやすい方法だといえます。

広告収入について詳しく知りたい方は、｢広告運用の副業は初心者・経験なしでも可能？仕事内容や必要なスキルを解説｣の記事を参考にしてください。

受託開発

受託開発とは、企業や個人からアプリ開発の依頼を受け、その対価として報酬を得る方法です。契約が成立すれば、開発したアプリの売上に左右されることなく、安定した収入を得られるのが大きなメリットです。

受託開発ではクライアントが求める仕様や機能を実現する必要があるため、一定レベル以上の開発スキルやコミュニケーション能力が求められます。
独創的なアイデアを生み出すのが苦手でも、確かな技術力があればアプリ開発の依頼を受けて活躍できます。安定志向の方や、特定の技術を活かしたい方におすすめの方法です。

アプリの有料化

アプリの有料化とは、開発したアプリケーションに販売価格を設定し、ユーザーがダウンロードする際に料金を支払ってもらうことで収益を得る方法です。アプリがダウンロードされるたびに「アプリ単価×ダウンロード数」の収益が得られます。

多くの無料アプリが存在するなかで、ユーザーにお金を払ってダウンロードしてもらうのは容易ではありません。個人でアプリ開発を始める場合は、まず無料でアプリを提供し、追加機能などで部分的に有料化する戦略がおすすめです。

副業で開発可能なアプリの種類

アプリ開発の副業を検討する際は、まずアプリの種類と特徴を理解しておくことが重要です。

ここでは、代表的なアプリの種類を3つ紹介します。自身のスキルや作りたいサービスに合わせて、最適なアプリの種類を選びましょう。

Webアプリ

Webアプリとは、Google ChromeやSafariといったインターネットブラウザを通じて利用するタイプのアプリケーションです。ユーザーは特定のソフトウェアを自身のデバイスにインストールする必要がなく、指定されたURLにアクセスするだけで利用できます。

Webアプリの開発によく利用されるのは、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語です。加えて、PHPやRuby、Pythonなどのサーバーサイド言語が用いられることもあります。
比較的学習しやすい言語を使用するため、プログラミング初学者や副業でアプリ開発を始める場合にも取り組みやすいでしょう。

ネイティブアプリ

ネイティブアプリとは、iOSやAndroidといった特定のOS専用に開発され、App StoreやGoogle Playなどの公式ストアを通じて、直接インストールして利用するアプリケーションです。
開発言語はOSごとに異なり、iOSアプリではSwift、AndroidアプリではKotlinやJavaが用いられます。

各OSの設計思想に基づいて開発されており、動作が軽く操作性に優れている特徴があります。そのため、カメラやGPS、プッシュ通知といったデバイス固有の機能を提供するのに長けています。

ハイブリッドアプリ

ハイブリッドアプリは、Webアプリとネイティブアプリの良い部分を併せ持ったアプリケーションです。
アプリ内部の表示コンテンツや機能の多くは、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を用いて構築されます。また、カメラやGPSなど一部のネイティブ機能へのアクセスも可能です。

副業に活かせるプログラミング言語について詳しく知りたい方は、｢プログラミングの副業でおすすめの言語は？必要スキルや案件獲得方法も解説｣の記事もご覧ください。

アプリ開発の副業に必要なもの

アプリ開発を副業で始めるためには、いくつかの準備が必要です。アイデアがあっても、それを形にするための環境やスキルがなければ始まりません。
ここでは、アプリ開発の副業に必要なものについて解説します。

開発環境

アプリを開発するためには、プログラムを作成して動作確認するための開発環境を整える必要があります。

まず必要になるのが、ある程度の処理能力を持つパソコンです。iOSアプリを開発する場合はMacのほうが適していますが、WindowsやLinuxでも開発は可能です。
パソコンを用意したら、次にプログラミング言語に対応した開発ツールや、アプリの動作をシミュレートするエミュレータと呼ばれるソフトウェアをインストールし、設定を行います。

アプリの開発に役立つ無料ツールについては、｢アプリ作成は無料で簡単にできる？開発に必要な知識やツールを紹介｣の記事もチェックしてください。

開発のためのスキル・知識

アプリ開発の副業には、プログラミング言語を扱うスキルやUI・UX設計の知識などが必要です。以下で、アプリ開発に必要なスキルについて見ていきましょう。

プログラミング言語を扱うスキル

アプリ開発に欠かせないのが、プログラミング言語を扱うスキルです。開発するアプリの種類や機能によって、必要な言語は異なります。

アプリの種類	使用するプログラミング言語の代表例
iOSアプリ	Swift
Androidアプリ	Kotlin、Java
Webアプリ	HTML、CSS、JavaScript、PHP、Python

まずは自分が作りたいアプリの種類を明確にし、開発に必要な言語を選択してスキルを身につけましょう。

UI／UX設計の知識

ユーザーにとって魅力的で使いやすいアプリを作るためには、UIやUXの設計の知識が求められます。

UI（ユーザーインターフェース）設計とは、アプリの見た目や操作感など、ユーザーが直接触れる部分をデザインすることです。一方、UX（ユーザーエクスペリエンス）設計は、ユーザーがアプリを通じて得られる体験全体を設計することを意味します。

直感的な操作性や情報の分かりやすさ、心地良いデザインはユーザーの満足度を高め、アプリの継続利用につながります。

マーケティングの知識

アプリ開発の副業には、マーケティングの知識も必要です。
どれほど素晴らしいアプリを開発したとしても、ユーザーに認知されなければダウンロードにつながりません。個人アプリ開発において、マーケティングの知識と実践は非常に重要です。
開発と並行して、アプリを広めるためのマーケティング戦略を考え、実行していくことが収益化につながります。

マーケティング戦略の例は、アプリストア内での検索順位を上げるためのASO（アプリストア最適化）対策や、SNS・ブログを活用した情報発信を通じてアプリの認知度を高める方法などです。

ビジネスの成功につなげるマーケティングについて知りたい方は、｢マーケティング戦略を極める！実践に活かせるお役立ち情報｣の記事もあわせてご覧ください。

API活用の知識

アプリ開発に役立つのが、API（Application Programming Interface）の活用です。APIとは、ソフトウェアやプログラム、Webサービスの間で情報をやり取りするための規約や仕組みを意味します。

APIを活用することで、自分で開発しなくても地図情報サービスや決済システム、SNS連携といった機能をアプリに組み込めます。これにより開発の効率を大幅に向上し、より高機能なアプリを短期間で作れるようになります。

パソコン操作するうえで理解しておきたいソフトウェアとハードウェアの違いについては、｢ソフトウェアとハードウェアの違いとは？それぞれの種類も解説｣の記事を参考にしてください。

アプリ開発の副業をするステップ

アプリ開発の副業に興味を持っても、何から手をつければよいか迷う場合もあるでしょう。段階を踏んで準備を進めれば、アプリ開発の副業で収益化を目指せます。

ここでは、アプリ開発の副業を始めるための具体的な3つのステップを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.簡易なアプリを開発する流れを知る

本格的な学習を始める前に、まずは簡単なアプリがどのように作られるのか、全体像を掴むことが大切です。

いきなり複雑な開発に挑戦するのではなく、ToDoリストやシンプルなカウントアプリなどから作ってみましょう。機能が限定された小規模のアプリを題材に、アイデアの発想から設計、コーディング、テスト、シミュレータでの動作確認までの一連のプロセスを体験します。

この段階では、完璧なアプリを作ることよりも、アプリ開発の流れを掴むのが目的です。実際に手を動かして小さな成功体験を積み重ねることが、学習へのモチベーションを高め、より良いアプリ開発に向けた大きな力となります。

2.アプリ開発の知識や技術を学ぶ

次のステップは、アプリ開発に関する知識や技術を深めることです。最近では、質の高い学習教材が豊富に揃っています。
アプリ開発の知識・技術を学ぶ主な方法は、オンラインの学習サイトや書籍、スクールの活用です。

スキルを身につけるために大切なのは、自分に合った学習スタイルを見つけ、継続することです。最初は分からなくても、繰り返し学ぶことで徐々にアプリ開発の知識が定着していきます。

3.案件を受注する

ある程度の知識と技術が身につき、簡単なアプリを自力で作れるようになったら、副業案件に挑戦してみましょう。最初の実績作りとして活用しやすいのが、クラウドソーシングサイトです。

クラウドソーシングサイトには、アプリ開発に関する幅広い案件が掲載されています。なかには「既存アプリの簡単な修正」「特定の画面のデザイン作成」など、初心者でも比較的取り組みやすい小規模な案件もあります。

まずは自分のレベルに合った案件を選び、誠実かつ丁寧に取り組みながら、実績を積み重ねていくことが重要です。また、自作アプリをポートフォリオにまとめて提示できるように準備しておくと、案件獲得において有利にはたらくでしょう。

業務委託契約での副業について知りたい方は、｢業務委託で副業をするには？メリットや案件の探し方を解説！｣の記事もご覧ください。

アプリ開発を副業にするメリット

アプリ開発の副業には、多くのメリットがあります。
ここでは、アプリ開発を副業にする主なメリットについて解説するので参考にしてください。

ITスキルの需要が多い

現代社会においてITスキルは非常に需要が高く、アプリ開発のスキルを持つ人材を求める企業も少なくありません。

各業界でデジタルトランスフォーメーション（DX）が推進されるなか、新しいサービスや業務効率化のためのアプリ開発は進化し続けています。そのため、アプリ開発スキルを身につけることは、副業としてだけでなく、本業のキャリアアップや将来的な独立に向けても大きな強みになるでしょう。

柔軟な働き方ができる

時間や場所に縛られない柔軟な働き方を実現しやすい点も、アプリ開発の副業における大きなメリットです。

多くの場合、パソコンとインターネット環境があれば作業を進められるため、自宅やカフェなど、自分が集中できる環境を自由に選べます。また、納期やミーティングの時間を調整すれば、自分のペースで仕事を進めることも可能です。
自由度の高い働き方は、本業やプライベートとの両立を目指す人にとって魅力的だといえるでしょう。

柔軟な働き方を実現したいと考えている方は、｢フリーランスの働き方とは？メリットや収入についても解説！｣の記事もぜひ参考にしてください。

収入アップが期待できる

アプリ開発を副業にするメリットとして、スキルや成果次第で大幅な収入アップが期待できる点が挙げられます。自身の技術力が高まれば、より高単価な案件を獲得するチャンスも増えるでしょう。

また、自分で開発したアプリがヒットすれば、広告収入やアプリ内課金によって大きな収益を得られる可能性もあります。努力と工夫次第で、アプリ開発の副業が本業の収入を超えることも夢ではありません。

個人がアプリ開発の副業で収益を上げる際の課題

アプリ開発の副業は挑戦しやすい一方で、収益を上げるためにはいくつかの課題があります。ここでは、アプリ開発の副業で収益を上げる際の課題について解説します。

競合が多い傾向にある

アプリ開発の世界は常に新しいアイデアと技術が登場し、競争が激しい市場です。学習コンテンツの充実や開発ツールの進化によって、企業だけでなく個人でアプリ開発に参入しやすい現状もあります。
競合のアプリと差別化を図り独自の価値を提供できなければ、ユーザーに選ばれずに埋もれてしまうおそれがあります。

収益化の難易度が高い

個人が開発したアプリで安定的に収益を得るのは、簡単ではありません。市場には、企業が多くの時間と資金をかけて開発した高品質なアプリや、本業として活躍する開発者が作ったアプリが多数存在します。無料で使える高機能なアプリも多く、有料アプリの販売やアプリ内課金で収益を上げるハードルは高いといえます。
副業として限られた時間でアプリ開発する場合は、品質や機能面でどう差をつけるかを工夫することが必要です。

iOSアプリの開発で収益化を目指す場合は、｢Swiftを使う副業案件の仕事は稼げる？需要や必要スキル・経験を解説｣の記事もあわせてご覧ください。

アプリ開発の副業に必要なスキルの習得方法

アプリ開発で副業するためには専門的なスキルが必要です。
ここでは、アプリ開発に必要なスキルを効率的に習得するための方法を紹介します。

学習サイトを活用する

インターネット上にはプログラミングスキルを学べる学習サイトが多く存在します。オンラインの学習サイトを利用すれば、場所を選ばずに自分のペースで学習を進めることが可能です。

動画教材を見て手を動かしながらゲーム感覚で楽しく学べるものや、テキストベースで体系的に知識を深められるものなど、学習サイトの形式はさまざまです。多くのサイトでは無料プランや体験期間が設けられているため、まずは自分に合ったサービスを探してみましょう。

書籍を読む

アプリ開発や特定のプログラミング言語に関する専門書を活用することも、スキル習得のための有効な手段です。書籍で勉強するメリットは、情報が体系的に整理されており、基礎から応用まで段階的に知識を深められる点にあります。

また、インターネット環境がない場所でも学習できるため、通勤中や休憩時間といった隙間時間の利用も可能です。

スクールに通う

独学でのスキル習得に不安を感じる方や、より短期間で集中的に知識・技術を身につけたい方には、プログラミングスクールがおすすめです。

専門の講師から直接指導を受けられるため、疑問点をすぐに解消でき、効率的に学習を進められる点がメリットです。また、同じ目標を持つ仲間との出会いを通じて、モチベーション維持にもつながるでしょう。

スクールに通うにはまとまった費用と時間が必要です。副業としてアプリ開発スキルを習得する場合は、本業とのスケジュール調整や費用について事前に検討しましょう。

プログラミングスクールについては、｢ITスキルを磨きたい！フリーランスにもおすすめのプログラミングスクール｣の記事もご覧ください。

個人がアプリ開発の副業で収益を上げるコツ

個人でアプリを開発し、副業として収益を上げるためには、いくつかのコツを押さえておくことが重要です。
ここでは、アプリ開発で収益を上げるための具体的なヒントを紹介します。

オリジナリティのあるアプリを作る

さまざまなアプリがあるなかで既存のアプリを模倣するだけでは、注目を集めるのは難しいでしょう。収益化を目指すためには、ユーザーに「使ってみたい」と思わせるオリジナリティが必要です。

多くの人に利用してもらい、かつ収益につながるアプリを開発するためには、以下のような需要を満たす分野を狙うのが効果的です。

• 生活を便利にするユーティリティアプリ
• 特定の趣味や仕事に特化した課題解決ツール
• 特定のターゲット層に向けた学習支援アプリや習慣化支援アプリ

独自のアイデアやニッチなニーズに応える機能などを盛り込み、ほかのアプリとの違いを打ち出すことが重要です。

複数の収益化モデルを作る

リスクを分散して収益を安定させるためには、複数の収益化モデルを組み合わせて構築することも有効な手段です。

基本的な機能を無料提供して高度な機能のアプリ内課金を促したり、広告収入や月額制のサブスクリプションモデルなどを検討したりしてみてください。
それぞれの収益化モデルのメリット・デメリットを理解し、最適な組み合わせを見つけることが大切です。

継続的にスキルアップする

IT技術のトレンドは速いスピードで変化し、ユーザーがアプリに求める機能や体験も日々変わっています。ユーザーニーズに応えるアプリを開発するためには、高度な技術や最新技術が求められることがあります。
そのため、一度スキルを身につけて終わりではなく、継続的に新しい知識や技術を学びましょう。自身のスキルをアップデートし続ける姿勢が重要です。

新しいプログラミング言語やフレームワーク、マーケティング手法などを積極的に取り入れていくと、より魅力的なアプリを開発できるでしょう。

アプリ開発の副業案件を獲得する方法

ここでは、アプリ開発の副業案件を獲得するための方法を紹介します。自身の状況やレベルに合った方法を選び、副業案件の獲得を目指しましょう。

クラウドソーシングサイトの活用

クラウドソーシングサイトには、未経験者向けの比較的簡単な副業案件も公開されています。特に、アプリ開発の副業を始めたばかりで実績を積みたい方にとって有効な手段です。

将来的に高レベルなアプリ開発案件を獲得するためには、実績を充実させていくことが大切です。積極的に副業案件に応募し、実績を積み重ねていきましょう。

クラウドソーシングについて詳しく知りたい方は、｢クラウドソーシングの仕事内容とは？必要なスキルや受注のコツも紹介｣の記事を参考にしてください。

副業案件を扱うエージェントの活用

エンジニアやクリエイター向けの副業・フリーランス案件を専門に扱うエージェントサービスを利用するのも、質の高いアプリ開発案件を獲得する一つの方法です。エージェントに相談すると、一人ひとりのスキルや経験、希望条件に合った案件を紹介してもらえます。一般公開されていない非公開案件を紹介してもらえるケースも少なくありません。
企業との条件交渉や契約手続きなどを代行してもらえる場合もあるので、営業活動に時間を割けない方にとっては大きなメリットになるでしょう。

｢フリーランスHub｣でも、エンジニア・クリエイター向けの案件情報を多数掲載しているのでぜひご活用ください。

人脈やSNSの活用

本業で築いた人脈、勉強会やセミナーなどで出会った同業者からの紹介をきっかけにアプリ開発の副業案件を獲得することも可能です。特に信頼できる知人からの紹介であれば、安心して仕事に取り組めます。
また、SNSや技術ブログで自身のスキルやアプリ開発の実績を発信したり、GitHubなどでソースコードを公開したりすると、企業担当者の目に留まり直接依頼が来る可能性もあります。

日頃から自身のスキルや活動を積極的にアピールし、人とのつながりを大切にすることが案件獲得のチャンスにつながるでしょう。

アプリ開発の副業をする際の注意点

アプリ開発を副業として始める際には、リリースにかかるコストや本業との兼ね合いなど、注意すべき点があります。
ここでは、アプリ開発の副業をするときの主な注意点を解説します。

リリースに有料ライセンスが必要になる

開発したアプリを多くの人に利用してもらうためには、App StoreやGoogle Playなどの公式のアプリストアで公開する必要があります。

公式アプリストアで公開するためには、開発者として年間登録料や初回登録料といったライセンス費用がかかります。2025年5月時点におけるそれぞれのライセンスの利用料は以下のとおりです。

• Apple Developer Program：年間登録料99米ドル
• Google Play デベロッパーアカウント：初回登録料25米ドル（1回限り）

リリースにかかる有料ライセンスの費用も考慮して、アプリ開発の副業計画を立てましょう。

iOSとAndroid両方のリリースは手間がかかる

iPhoneなどのiOS端末向けのアプリとAndroid OS向けのアプリでは、開発に使用するプログラミング言語や開発環境が異なるのが一般的です。両方のOSに対応したアプリをリリースしようとすると別々に開発を進める必要があり、時間も手間もかかります。
アプリ開発の副業をする際は、どちらか一方に絞って始めるのがおすすめです。

複数のOSに対応したアプリ開発をする場合は、クロスプラットフォーム対応の開発環境を利用することも検討しましょう。

開発依頼を受けるためにアプリを自作する

企業などからアプリ開発の依頼を受けたいと思っても、実績が少ない段階では案件を獲得するのは難しいといえます。技術力や実績を判断する材料がなければ、依頼者は安心して仕事を任せられないからです。

副業を始めるのであれば、まずいくつかのアプリを自作してみることをおすすめします。自作アプリを開発した実績は、スキルやセンスを具体的に示すポートフォリオとしても活用可能です。

副業が禁止されていないか就業規則を確認する

本業として会社に勤務しながらアプリ開発の副業をする場合は、勤務先の就業規則を必ず確認しましょう。

会社によっては、副業が全面的に禁止されていたり、許可制になっていたりします。無断で副業をして会社に発覚した場合、服務規程違反として懲戒処分の対象となる可能性もあります。
副業を始める前に、勤務先のルールを把握し、必要であれば上司や人事担当者に相談しましょう。

なお、公務員の場合は、国家公務員法の第103条により、原則として副業が禁止または厳しく制限されています。

副業禁止の会社でダブルワークをするリスクについて知りたい方は、｢副業禁止の理由とは？会社にバレる可能性や本業の仕事と両立するコツを解説｣を参考にしてください。

本業に影響が出ない範囲で副業する

副業としてアプリ開発をする際は、本業の業務に支障が出ないようにしましょう。副業のアプリ開発に熱中するあまり睡眠時間を削ったり、本業の就業時間中に副業の作業をしたりして、本業のパフォーマンスを低下させてはいけません。

特に、納期が決まっている案件を受注する際には、無理のないスケジュール管理が重要です。本業とのバランスをうまく取ることが、アプリ開発の副業を長く続けるためのポイントです。

所得金額に応じて確定申告する

副業で得た所得の合計が年間で20万円を超える場合は、会社員であっても確定申告を行う必要があります。

この「所得」には、アプリ開発による収入だけでなく、株式投資や不動産収入など、ほかの副収入も含まれる点に注意してください。
複数の副業をしている方や、ほかに収入源がある方は、すべての所得を合算して20万円を超えるかどうかの確認が必要です。そのうえで、必要に応じて確定申告の手続きを行いましょう。

会計ソフトやアプリなどを利用して日頃から収支を記録しておくと、確定申告が必要になってもスムーズに対応できます。

出典：国税庁｢確定申告が必要な方｣

まとめ

アプリ開発の副業は、アイデアとスキル次第で、場所に縛られない働き方や収入アップを実現できます。

多くのアプリが日々リリースされる競争の激しい市場で成果を出すためには、市場のニーズを捉え、ユーザーに価値を届けるためのマーケティング戦略が必要です。独自性の高いアプリを開発したり、収益化モデルを複数確立したりしましょう。

アプリ開発の副業で成功するためには、どのようなアプリを誰に届けたいのかというビジョンを明確にすることが大切です。常に新しい技術や情報を学び続ける向上心を持ち、アプリ開発の副業で収入アップを目指しましょう。