Javaの単価相場が気になる!将来性のホントのところと有効な対策は

3 years ago

現在、人気・需要ともに非常に高く、トップクラスの開発言語と認知されているJavaは、幅広い案件で用いられていることもあり、得意としているエンジニアの方も多いでしょう。さまざまな開発に向く言語であるJavaは、企業の基幹系アプリケーション・システム開発などで広く採用されてきました。

今やありとあらゆる業種業態・規模の企業が、ビジネスを行う上でICTの力を必要としており、今後もシステムへの依存度を増すことはあっても、ICTが不要になる、関連技術なしに業務を遂行するような未来は想定しづらいでしょう。効率良く業務を進めるため、生産性を高めるため、さらに有用なシステムを求める向きが強まり、活発なシステムの開発・改良と新技術の導入が続いていくと見込まれます。

それだけエンジニアは強く必要とされる職種であり、慢性的な人材不足への懸念はありますが、反対に供給がだぼつくということは考えにくく、将来性は高いとみられ、安定した高収入で働いていける可能性が高いでしょう。

一方で近年、ツールや言語の多様化も急速に進み、開発をより簡単に、高度な専門技術を用いなくとも可能にするといった傾向が広がってきています。新しいプログラミング言語への高い注目から、一部にはJavaの将来性に疑問符をつける向きも出てきました。変化のめまぐるしいIT業界だからこそ、Javaを得意とするエンジニアや学習途中の方にとって、このままで大丈夫なのか、Javaのスキルで生き残ることはできるのか、不安を抱かれている方もいるでしょう。

そこで今回は改めてJavaに注目し、現在の市場単価動向や開発の傾向、より高単価を得るためのコツ、そして気になる真の将来性と、今からできる有望なさらなるスキル強化の道まで、知っておきたい情報をまとめてご紹介します。

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Javaとは?基礎知識

Javaは1995年、Sun Microsystems社によってリリースされた歴史あるプログラミング言語です。現在は同社を買収したOracleが無償提供を行っています。200種類以上とされる膨大な数の開発言語がある中でも、エンタープライズ向けを中心に高いシェアを誇り、あのGoogleもC++、Pythonとともに開発に用いる三大言語としています。

主にC言語の構文形式を引き継いでいる、オブジェクト指向のコンパイラ言語で、人間が記述したソースコードを、実行前にコンピュータが理解できる機械語または中間言語に一括で変換するコンパイル(翻訳)を行っておくため、プログラムを解釈しながら並行して実行していくインタープリタ型のRubyやPHPといった言語に比べ、処理速度が速いという特長があります。

この安定した処理速度の速さから、高い負荷のかかる大規模システムやWebサービスの開発でよく採用されています。オブジェクト指向であることも、大規模な開発をしやすくしているでしょう。

また、Javaは「Write once, Run anywhere」を掲げ、「一度書けばどこでも使える」開発言語として作り出されており、WindowsやMacOS、Android、Linux、UNIXなどOSを問わず動作させられるという強みも持っています。加えて、使いこなすエンジニアが多く、コミュニティも活発でフレームワークやライブラリが充実していること、参考書やオンライン上の学習コンテンツなど学びのためのリソースも豊富で学びやすい環境が整っていることも特徴となっています。

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Javaでどんな仕事ができる?

OSに依存しないクロスプラットフォームな言語であることもあり、Javaは汎用性が高く、応用シーンやできる仕事が非常に多岐にわたっています。具体的にみていきましょう。

Webとスマホの両方で活躍可能

Javaの仕事はPCベースのWeb業界にも、スマートフォン業界にも豊富にあり、使いこなせるエンジニアには、どちらでも活躍できる強みがあります。例えばWebサイトの構築はJavaでできる代表的なことのひとつであり、マルチデバイス対応が重要な現代のサイトにおいて、Javaを実装するケースは多くみられています。

SNSなど、多くのユーザーを抱えるWebサービスもJavaで作られることが多く、今や生活に欠かせないECサイトや各種チケットなどの予約サイト・プラットフォームなども、Javaで構築される事例が多くなっています。ゲーム開発の現場でも用いられており、幅広い分野に仕事を見出すことができます。

アプリケーション開発

Javaを使う頻度が非常に高いのは、Webアプリケーションの開発案件です。昨今はサイトやWebサービスと明確な切り分けができなくなっているWebアプリですが、一般にサーバー上で動くアプリケーション全般をWebアプリケーションといい、サイトやサービスで用いられるプログラムもまた、Webアプリケーションのひとつとなります。

Javaの場合、とくにサーバーサイド開発での仕事が多く、クライアントサイド以上にサーバーサイドプログラムの構築で頻繁に用いられています。実行速度が速く安定していること、大量の要求に難解な処理をもって応える必要がある高度で入り組んだロジックが必要なケースでも、分かりやすくスピーディな開発を実現できることなどが評価されているためです。

Androidアプリの開発も、Javaの仕事として目立つものです。Javaでは、カメラや加速度センサーなど、Androidスマホに搭載された多様な機能を使って動作するオリジナルアプリをスピーディに作り出すことができます。

ソフトウェア開発

PCなどにインストールして利用するソフトウェアの開発仕事もJavaで行えます。アニメーションCGのソフトウェアや、ロケットや衛星に搭載する宇宙開発関連のソフトウェアまで、あらゆる分野でJavaの開発実績がみられます。

IoTなど組み込み系開発

Javaはもともと、バージョンアップを重ね、高性能になっていく家電製品の開発現場において、ハードウェアに依存しないプログラムが強く求められたところから開発された言語でした。そのため、家電製品から産業機械まで、組み込み系のシステム開発も得意とするところです。

より軽い動作が求められるものには、C言語やC++が採用される傾向にありますが、必要機能の多いプロダクツ、プリンタやBDレコーダー、携帯電話、カーナビなどを中心に、Javaで組み込み系システムの開発を行うことが一般的となっています。今後はネットワークで連携するIoT家電が広く普及し、開発事例を増やしていくと見込まれ、これらプログラムの多くはJavaで記述されるようになっていますから、仕事の案件としてもさらに増えていく可能性が高いでしょう。

基幹システム開発

企業の業務を支える基幹システムも、Javaによって開発されることが多いものです。購買管理や販売管理、在庫管理、財務処理、データの管理・分析など、止めることのできない重要なシステムの開発がJavaによってなされています。定期的な機能追加や改修を施しつつ、長期間運用することが多いシステムの開発シーンにJavaが向いていることも一因でしょう。

安定性やセキュリティの高さから金融機関での採用事例も目立ち、銀行システムやクレジットカードサービスのシステム、ATMなどにもJavaが用いられています。

実際にJavaが採用されている事例

私たちの身近なところでJavaが開発に用いられている例は非常に多くあります。代表的なものを挙げておきましょう。

楽天のECサイト「楽天市場」はJavaで開発されています。また転職サイトのビズリーチやグルメ飲食店情報サービスのRettyもJavaを採用、ブライダル関連の総合情報サイトとして知名度の高い「ゼクシィnet」もJavaによります。海外の主要サービスでは、クラウド情報蓄積・共有のEvernoteなどが該当します。またTwitterは、当初Rubyで開発されていましたが、ユーザーが増えるにつれ遅延などの問題が発生してきたため、Javaでの開発にシフトしたことが広く知られています。

グノシーやスマートニュースのようなニュースアプリとしておなじみの存在も、Javaで開発されています。Googleも開発の主要言語にJavaを挙げており、Webアプリケーション開発などを中心に採用ケースを増やしてきました。ソフトウェアでは、オフィススイートのOpenOfficeや、統合開発環境として名高いEclipseなどがJavaの開発事例として有名です。CGソフトの面では、Javaによるソフトで「ファインディングニモ」や「トイストーリー」といった作品が生み出されました。

ゲーム開発でも採用ケースは多く、サンドボックス型冒険・ものづくりゲームの「Minecraft」などはJavaで作られています。ブルーレイディスクでは、全てのプレイヤーにJavaが用いられています。

組み込み系として、Blu-rayの高度なメニューやネットワーク機能などを実現するため、Blu-ray Java(BD-J)という技術が標準化されており、プレーヤーへの搭載が義務付けられているため、どのレコーダー/プレーヤーでも、Javaが働いているのです。

基幹システム系では、国内の場合、みずほ銀行や三菱UFJ銀行など、大手銀行がシステム開発でJavaを用いています。クレジットカードでも、Java搭載のICカードを「Javaカード」といい、従来の磁気カードに比べて偽造防止に強い、膨大なデータの記録と暗号化が可能といったメリットがあるため、決済処理で多く使われるようになっています。個人認証情報などを扱うこともできることから、身分証や社員証として利活用するケースも国内外で増えており、世界中では、すでに50億枚以上のJavaカードが発行・運用されているといわれています。

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Javaの単価相場

人気が高く、身近な採用事例も多いJavaですが、学習者やこれを操るエンジニアにとって、やはり気になるのはJava案件の単価相場でしょう。最新の市場動向として、どの程度の単価になっているのか、ケース・条件別に概況をみていきます。

経験年数別

当然ながら経験年数によって月単価は異なります。週5日常駐勤務として経験年数別にJavaの月単価目安をみていくと、実務経験半年といったごく浅いケースでは20万円台が標準ですが、1年では30万円台に、2年で40万円台にアップ、3年以上の経験を積むと幅広い案件に参加可能となり、50万円台が見込めるようになります。また、5年以上になればマネジメント系を担当するケースも多くなり、Java以外のスキルも必要とされますが、それら条件を満たしていれば、月60万円以上の単価となる案件が多くなるでしょう。

Javaの経験年数だけでなく、その他の言語経験年数やスキル度合いによっても単価相場は異なってきます。例えばJavaの経験年数は2年程度でも、他のプログラミング言語による開発経験が豊富で、3年以上あり、相乗効果での能力が認められれば、週5日稼働の月単価で60万円台後半といった水準も視野に入ってきます。案件特有の業界知識や、プロジェクトの開発リーダー経験などが問われる場合もあり、そうした経験面を重視するケースもありますから、上記はあくまでも平均的な相場で、一般的な目安と考えてください。

リモート案件の場合

大規模案件も多いJavaの開発では、リモートOK、在宅可とした条件で、より柔軟な働き方を可能にし、必要なエンジニアの数を確保するケースが少なくありません。フリーランスのJavaエンジニアが、こうした案件を業務委託で請け負い、働く事例は多くみられています。

こうしたJavaリモート案件の単価は、エンジニアの経験年数やスキル・能力、案件詳細内容にもよりますが、平均して50万円台半ば程度、60万円弱といったところが相場になります。

常駐案件の場合

Javaの開発では、基幹系システムや組み込み系の開発などを中心に、クライアント企業の作業現場へ常に出向いて働く常駐型の案件もあります。常駐型のみに絞るケースは、全体の中で少数派となりますが、その平均単価はリモート・在宅OKの場合に比べてやや高めの傾向があり、週5日稼働では月70万円弱、週3日稼働でも月単価50万円台後半の水準になっています。

なお、フリーランスのJavaエンジニア月単価案件として、全体の相場をみておくと、レバテックフリーランスの「Java求人・案件月額単価相場」で、公開案件として6,245件が該当し、その平均月単価は69万円でした。60万円台が最大のボリュームゾーンで1,846件を数え、次いで多い70万円台が1,771件となっています。最低単価は30万円、最高単価は165万円と、かなり幅があることも分かりました(2021年7月19日時点)。

この相場を、他の言語と比較してみます。レバテックフリーランスの「単価相場を比較」を参照すると、高単価報酬で昨今人気と注目を集めるPythonの月単価77万円や、Rubyの80万円、Go言語の81万円などに比べ、Javaの単価69万円はやや低いランクとなります。しかし、C言語の月単価平均66万円や、COBOLの61万円などに比べると高めで、C#の68万円などが近い水準でした(2021年7月19日時点)。

Javaの場合、案件数が他言語に比べて圧倒的に多く、最高単価では相場として高単価のPythonやRuby、Go言語を上回る値にもなっていますから、スキル状況や案件内容によって単価の幅も非常に広く、高度人材となれば、この相場傾向でみる以上に、高い水準の報酬を得ていくことも十分に可能と考えられます。

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フリーランスのJavaエンジニアが即戦力として活躍できる現場は?

Javaによる開発案件は市場で非常に多く、エンジニアニーズも高いため、フリーランスのJavaエンジニアを求めるケースも多数見受けられます。業種業態・規模にかかわらず案件を見出すことが可能ですが、傾向としては、とくに対象とするユーザー数の多い堅牢なシステム、複雑かつ大量の要求処理も安定して迅速に行えるような大規模システムの開発、業務システムの開発事例で、即戦力として求められることが多くなっています。

週5日稼働の案件も多く、比較的長期で安定した稼働時間の契約となるプロジェクトが目立つ傾向にありますから、しっかり安定した報酬源を得たい、落ち着いて仕事に取り組める案件が理想といった方に向いていると考えられます。

Webアプリケーションやスマホアプリの開発案件では、スタートアップやベンチャー企業での社内が現場となり、先進的な顧客体験を実現するプロジェクトに関わることも多くあります。新規SNSのサーバーサイド開発や、Javaフレームワークを用いた効率的開発を求めるフリーランスの求人・案件も目立ちます。スマホアプリでは、Android開発が多いものの、iOS開発経験やSwift、Objective-Cのスキルがあわせて望まれるケースも多く、一体開発を図る現場が多いでしょう。

ゲーム開発では、大手企業が手がけるソーシャルゲームの案件が大半で、まとまった予算をかけるプロジェクトの占める割合が多くなっています。小規模でチャレンジングなゲーム会社の案件はあまりありませんが、大手クライアントが多い分、最先端の技術が搭載される現場を体験できるメリットがあります。

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案件は減少しているって本当?

JavaはWebとスマートフォンの両業界で用いることができ、活発にアプリケーション開発で用いられているほか、金融機関や大手企業の基幹システム開発などが行え、サイト制作や家電などの組み込み系システムの開発でも採用されるなど、活用シーンが実に幅広く、GoogleやTwitterなど世界的企業に利用されていることもあり、案件数は豊富で、エンジニア人気も高いプログラミング言語となっています。

しかし一方で、長い歴史を持ち、コンサバティブでレガシーな言語というイメージになりつつあること、新たな開発言語への関心が高まってきていることなどもあり、Javaの時代は終わった、もう“オワコン”になりつつあるといった評価をする向きもあります。

Java案件が減少してきたと感じるエンジニアの声もあり、実際のところはどうなのか、不安や心配を抱えている方も少なくないでしょう。Java案件をめぐる最新動向はどうなっているのでしょうか。

レバテックキャリアが2020年7月に発表した「プログラミング言語別求人案件ランキング」によると、正社員エンジニアの2019年度言語別新規求人割合では、Javaが全体の34.98%を占め、前年度に続く圧倒的1位となっていました。2位はPHPの16.43%、3位がPythonの9.43%です。2018年度のデータと比較した昨対増減率では、JavaがSwiftなどと同レベルの微減になっていますが、変化率はわずかであり、市場動向の変化を指摘するほどではありません。

フリーランス市場についても、同じ調査結果データからみてみましょう。こちらのレバテックフリーランス版「2019年度言語別新規案件割合ランキング」を参照すると、1位はやはりJavaでその割合は29.87%でした。2位がPHPの14.89%、3位にC#およびC#.NETの9.62%となっています。2018年度のデータと比較した昨対差分をみても、Java案件は微増しており、安定したニーズがあることが確認されます。

このように、実際のデータを確認すると、決してJavaの人気は揺らいでおらず、案件も減少傾向にはないことが分かりました。安定したニーズがあるにもかかわらず、Javaが減少しているように感じられるのは、市場全体の公開求人件数が増加し、採用される言語の多様化が進み続けていることで、Java案件を目にする割合が相対的に少なくなっていることが、ひとつの要因として考えられます。

また、もうひとつの要因として、Java案件の全体数が長く横ばいで安定した推移をみせている一方、その中身が変化してきていることも挙げられます。業務システム開発での採用が多いJavaでは、その業界の経済状況、景気・社会情勢にも左右されるところがあり、厳しい分野では一時的に投資を縮小することがあります。大規模開発での採用事例が多いJavaでは、特定の業界に特化して案件をみていると、減少傾向を感じることがあり得ます。

安定したニーズがあり、案件数としても豊富なBtoB案件に比べ、ECサイトやユーザー向け自社サイトの開発などBtoCでのJava案件は少なめで、昨今、PHPやRubyなどもポピュラーとなってきました。toC案件中心で活躍してきたJavaエンジニアが、案件数の減少を感じている可能性もあるでしょう。

BtoCで案件数割合を伸ばしているのは、Android案件です。Androidエンジニアとしての経験がなく、こちらを除外して見ている場合、よりJavaの案件数が減少しているといった感覚を覚えることになると考えられます。

Javaの案件数が減少しているという情報は、こうした要因が背景になって生まれているとみられます。しかし、実際のところ案件数に大きな変化はみられず、Javaは今もなおトップ水準で安定したニーズがあり、堅調な人気を保って推移しているのです。

今後は少子高齢化による労働力人口の減少が深刻となり、産業界全体で人手不足の問題、生産性向上が大きな課題となってくることが必然の流れでしょう。それを見越した動きとして、デジタルトランスフォーメーションへの関心が高まっています。DXとJavaは相性が良く、業務自動化ベースでの新たなシステム開発、既存システムの改修ニーズなどが増え、むしろJavaはさらに注目と人気を集める言語になっていくと期待されます。

IoT開発でも注目されており、これからの時代の社会をあらためて支える非常に大きな役割が、Javaという言語にはあるのです。よってJavaの案件数は、現状で堅調な横ばい、将来は増加の可能性が高いといえます。

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Javaエンジニアが高単価案件を得るために必要なスキル

Javaは引き続きニーズの高い言語であり、今後も安定した案件があると考えられます。しかし、長く人気でスタンダードな言語である分、マスターしているエンジニアも多く、案件を担当する現場では、価値のある即戦力としてプロジェクトに寄与できるだけのものが強く要求されます。十分な実績を積み上げ、高いスキルを身につけなければ、高単価案件を継続的に獲得し、稼いでいくことは難しいでしょう。

地道な努力と学習、最新情報を反映させた知識とスキルのブラッシュアップが欠かせないことは言うまでもありませんが、ただやみくもに上を目指せというのは、あまりにも乱暴な議論とアドバイスですね。より実践的で重要なポイントとなるのは、ニーズを踏まえて自分自身の市場価値を高めるためのスキルアップを図ることです。

膨大な数が存在するただのJavaエンジニアを脱し、高単価案件を得られる独自の価値を持ったJavaエンジニア、ワンランク上のJavaエンジニアになるために、どのようなスキルが必要なのか、主なものをまとめました。

開発マネジメントと設計のスキル

Javaに限らず言えることですが、要件定義や企画・設計などの上流工程から参画し、進捗状態を把握して調整するなど、開発プロジェクトにおけるマネジメントスキルを発揮して仕事ができるエンジニアは希少性が高く、高単価の評価を受けます。

マネジメントを実行するためのスキルや知識に加え、一般に、より高いプログラミング能力を持ってチームリーダーのような役割を果たせること、チームワークがスムーズに推進できる実行力と統率力、信頼され頼りにされるだけのリーダーシップなどが求められますから、豊富な経験と知識、スキル習得の努力が必要ですが、このマネジメントスキルや経験を持っていると、大きな強みになるでしょう。要件定義や設計には、ビジネスの観点からサービスやプロダクトのことを深く理解し、技術的知識と組み合わせて、実際の仕様に落とし込んでいく力も欠かせません。それだけマルチに能力を発揮してくれるエンジニアが、高単価になるのは当然とも言えます。

なお、ソースコードレビューのような最終チェックを実行し、必要な修正を的確に見出せる力も、高度なスキルを持ったエンジニアならではと考えられやすいため、レビューのスキルや経験も高単価を引き寄せやすくなるポイントです。

大規模開発の経験

Javaは業務システムの中でも、その高い安定性やセキュリティ面から、大企業をクライアントとする大きなシステム開発の事例で採用されることが多い特徴があります。現時点ではまだ大企業といえるまでに成長していなくとも、事業展開するサービスが大きくなり、資金も安定してよりシステムのパフォーマンスを上げたい、機能を追加したいといったケースで、Javaによる開発、改修が依頼として出てくることも多いものです。

こうした大規模開発となる案件では、複雑なロジックや分業によるパーツ構成がみられ、特有の理解力とセンスが必要とされがちですが、潤沢な資金を反映し、高単価案件となる可能性が高いのも事実です。そのため、大規模開発の経験やスキルがしっかり身についている、サービス規模が大きくなっても全体を把握・管理できる、LinuxまたはUNIXコマンドを活用した負荷調査や、パフォーマンスチューニングの経験があるといったJavaエンジニアは、高い報酬を得やすくなる傾向にあります。

特定の業界やサービスにかかる深い知識

Javaが活躍する分野は非常に多岐にわたるため、エンジニアは特定の業界に限定されない、自由な働き方を選択していくことができるメリットがあります。しかし、一方でクライアント側としては、Javaの扱いには長けていても、開発したいジャンルには疎いエンジニアでは、即戦力として高く評価できない気持ちになるのも当然です。

人材確保の面で仕方がない場合には、Javaエンジニアと別に、業界や対象とする領域の知識に長けた人材をさらに外部調達し、橋渡しとなる存在を置いてチーム開発の骨格とすることが現実的ですが、できるならば、そのように2人3人と余分に人材を使うより、1人のエンジニアが知識を持ってカバーしてくれれば理想的で、単価を引き上げてでも2倍3倍とかかるよりは安い、開発もスムーズでプロジェクトを成功に導きやすそうと考えるものです。

そのため、Javaエンジニアとしての基礎スキルに加え、業界知識や開発対象に関する専門的な知識を有している人材、周辺領域での開発実績がある人材を、高単価で求めるという流れが生まれます。よってAIやIoT、ブロックチェーン、仮想通貨、ゲーム開発、SNS、動画配信プラットフォームなどの知識や、同業界企業でのDX導入経験など、プラスアルファの知識やスキルがあり、それがクライアントニーズとマッチしていれば、高単価案件が獲得できるでしょう。

フレームワークを用いた開発スキル

昨今はJavaの案件でも、開発コストを抑えながらより効率的にプロジェクトを進めていくため、フレームワークを用いた開発案件が増加しています。そのため、主要なフレームワークを使いこなせるスキルがあると、幅広い案件を対象とできるほか、高単価を引き出しやすくなり、有利に働く傾向があります。

一口にJavaのフレームワークと言っても、実にさまざまなものがあるため、何からマスターしておけば良いか、どう選択して活用していくか迷う方も少なくありませんが、とくに使用頻度が高いのはSpring Frameworkです。業務アプリ開発に有用な幅広い機能があり、依存性の高いプログラムを外部から取り込めるDI機能や、AOPプログラミングが可能といった特徴があります。Spring Frameworkに組み込まれたフレームワークのひとつであるSpring Bootも、ニーズの高い代表格となっています。

このほか、メモリ使用量やCPUリソースを節約しやすいPlay Framework、軽量動作でシンプルな構成のマイクロフレームワークとして人気の高いSpark Framework、複雑さを軽減しスムーズな開発を促す基本セットとして有力なJava EE(Java Platform, Enterprise Edition・現Jakarta EE)、MVCモデル採用で高い知名度のあるApache Strutsなどが主要なものとして挙げられるでしょう。

なおトレンドによって使いこなせると良いフレームワークも変化し、新たに生み出されるものも候補として加わってきますから、常に最新の情報を仕入れるようアンテナを張って学びの範囲を広げ、スキル拡充に努めることがポイントです。

クラウドファーストに対応したスキル

金融系や大手の基幹システム系では、まだ慎重な姿勢をとるところもあるものの、社会全体としては、企業のシステム利用におけるクラウドファーストが加速度的に進行しています。よってJavaの業務アプリケーション開発案件でも、クラウド前提での開発が求められるケースが増えており、クラウド環境の開発経験やスキルが単価に影響を与え始めています。エンジニアとして高単価を狙うなら、AWSのPaaSサービスなど、主なクラウド関連の知識と開発スキルを持っておくことが望ましいでしょう。

今後が期待されるIoTも、そのプラットフォームを大手クラウドサービスが提供しているため、組み込み系開発として、クラウドの知識や環境対応スキルがあると、高い評価を受けやすくなります。

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Javaで稼ぐポイント3つ

Javaエンジニアとして働いているけれど、なかなか報酬が伸び悩んでいるという方もあるでしょう。今の報酬や評価に納得がいかない、もっと上を目指したいと思うなら、下記のポイントを試してみてください。

Oracle認定Java資格を取得する

より上位のエンジニアとなり、高い報酬を得るには、資格の取得が有効となる場合がよくあります。Javaの場合、「Oracle認定Java資格」(https://www.oracle.com/jp/education/certification/jse11-5570635-ja.html)を取得すると良いでしょう。Oracleが認定するJavaの技術者資格で、これを取得することにより、Javaの正しい知識やスキルを保有していると広く証明できます。民間資格ですが認知度が高く、エンジニアとしての市場価値アップに有効です。

直近のリニューアルにより、実践的応用力も問われるようになり、さらに実務経験の豊富さや判断力など、知識だけではない開発にあたっての力が試される内容となったことから、学習価値・評価ともさらに向上しています。エントリーレベルのBronzeから、基本的な開発者としての知識・スキルを認められるSilver、最上位のGoldと3つの段階がありますが、独力で開発が担えるJavaエンジニアとして評価されるのは、ProfessionalのGoldレベルです。

難易度は高く、前提として取得しておくべき資格もあるなど、ステップを踏んで目指す必要がありますが、保有価値の高い資格ですから、ぜひ挑戦してみてください。

J2EE・オブジェクト指向の知識を鍛える

企業向けの大規模開発において、優れた開発生産性を確保するには、J2EE(Java2 Platform, Enterprise Edition)や最新のJava EEに関する知識が欠かせません。Javaのプログラミングはできるけれど、これらの知識やスキルがないエンジニアでは、サーバーサイドのアプリケーション開発案件に対応できないでしょう。サーバーサイドはさっぱり、という状態では、とてもJavaで稼いでいくことはできません。

新世代のJava EEは、全レイヤを標準技術だけで作成でき、使いやすさやセキュリティ・ITガバナンス面でJ2EEに勝りますが、国内企業では今もJ2EEによるシステムを用いている事例も多く、これらの移行・改修がいよいよ必要になっており、両知識を備えたエンジニアの支援が強く求められるようにもなっています。この面でJ2EEの知識も蓄えておくと役立つでしょう。

また、Java開発の基本として、オブジェクト指向の知識や思考スタイルをしっかりと身につけておくこと、あらためて深部まで理解しておくことも重要です。不変箇所を軸に、頻繁な変更が必要になる可能性のある部分をクラスに抽出、柔軟に対応できるようにしておくオブジェクト指向のプログラミングは、分かりやすさと利便性、柔軟性と堅牢性・保守性を両立させるメリットがあります。

このメリットをどんなシーンでも引き出せるレベルのオブジェクト指向に関する根本理解、思想概念理解がなければ、Javaの開発では、優れた全体設計ができるアーキテクトスキル、プロジェクトの全体を管理するマネジメント能力、プログラムの実装能力という、上級エンジニアに欠かせない代表的な力を、真の意味で発揮することはできなくなってしまうのです。ですから、分かってるつもりでも、再度オブジェクト指向について確認しておくこと、その知識を磨くよう努めることは、重要なポイントとなります。

プレゼンテーションスキルを高める

フリーランスのJavaエンジニアで活躍する道を選択したり、会社員エンジニアや派遣エンジニアでも独力開発で上流工程からプロジェクトに参画していったりするような、より高い報酬が見込みやすい働き方をとっていく場合、専門技術面に加え、プレゼンテーションのスキルが重要になってきます。

クライアントのITに関する理解度は、ケースや対象者によって大きく異なり、技術者同士で情報交換をするようなコミュニケーションの取り方ではまるで通用しませんから、それを前提に予備知識の度合いをくみ取って、分かりやすく的確に自身の提案を伝えられるようにならなければなりません。何がニーズや課題・問題意識としてあり、それにどう対応した設計になっているのか、どういう点に他では得られない優れたところがあるのか、魅力的に、高い説得力をもってプレゼンできる力があるエンジニアこそ、高い評価と信頼を得ることができ、良い契約も取ることができるようになります。

フリーランスならば、開発計画、企画提案のプレゼンに加え、自身の価値アピールにおけるプレゼンテーションスキルも当然重要となります。キャリアプランを見据える上でも、早期からプレゼンテーションスキルを高める努力をしておけば、より稼げるエンジニアへの道を拓きやすくなるでしょう。

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Javaは安定の市場ニーズで高収入が期待できる!

Javaはクライアントサイド、サーバーサイド、スマートフォンベースのモバイル領域と、いずれの領域における開発でも使うことができる言語です。中でも企業の基幹系システムやアプリケーション開発では採用事例が非常に多く、こうした業務の根幹に関わるものを容易に他の言語へ置き換えることはないため、今後も安定したニーズが見込まれています。

機能追加や保守・メンテナンス性に優れる点、セキュリティ性を高く維持しやすい点など、Javaの持つメリットを同等に有し、幅広い対象の開発で採用できるようなパワフルな言語は、新たに開発された習得しやすい人気言語の中に見られておらず、代わりがきかない点もJavaの将来性を高めているでしょう。Googleが三大開発言語のひとつとしていることからも、その今なお変わることのない重要性は理解されます。

企業におけるDXの推進や働き方改革、レガシーシステムの刷新などでJavaエンジニアが求められるシーンは、今後さらに増えていくと考えられるほか、IoT開発やAndroidの開発案件、フィンテック関連でも高いニーズが生じていくとみられています。

扱うエンジニアも多い言語ですから、しっかりと最新動向をとらえ、自身の知識やスキルのブラッシュアップを図りながら、他との差別化を進めていくこと、自らの市場価値を高めていく努力と工夫が欠かせませんが、ポイントを押さえて自己研鑽に励めば、豊富な案件の中で高単価を実現し、高収入のエンジニアとなることも十分に可能です。ぜひJavaとその関連スキルを磨き、第一線で大いに活躍していってください。

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