ネットワークエンジニアの世代別の年収は?必要なスキルも紹介

最終更新日:2024年10月03日

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計・構築・保守管理を行うインフラエンジニアの1つである
  • ネットワークエンジニアの年収は経験やスキルによって異なり、スキルや技術を磨くことが重要である
  • フリーランスの場合、高単価案件の受注や上流工程の経験、資格取得などにより収入アップを目指せる

電子機器をつないでネットワーク環境を構築・運用するネットワークエンジニアの仕事は需要があり安定しているとされています。ネットワークエンジニアに興味がある方の中には、年収が気になる人も多いでしょう。すでに会社で働いているネットワークエンジニアなら、将来独立を検討している人もいるはずです。

ネットワークエンジニアの年収事情や仕事内容、必要スキル、目指し方、フリーランスになるための方法などをまとめました。

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ネットワークエンジニアは通信基盤を作る仕事

ネットワークエンジニアは、通信を行うための基盤となるネットワークシステムを構築・運用する技術者です。ネットワークエンジニアは、ファイアウォールやDNSなどの情報処理基盤を扱うサーバーエンジニアやセキュリティエンジニアなどと同様に、インフラエンジニアの1つとされています。

では、ネットワークエンジニアは具体的にどのような作業を行っているのでしょうか。ネットワーク構築の工程と役割を見ていきましょう。

ネットワークの設計

ネットワークエンジニアはまず、クライアント企業や部門からヒアリングを行い、必要なシステムやネットワーク構成を考え、提案します。クライアント企業の要望や予算に合わせながら要件を定義し、ネットワーク回線やネットワークに接続されるOS機器、サーバー、セキュリティなどを選定。それらに基づいて、設計書や仕様書を作成します。

ネットワークの設計はシステム構築の基盤となる作業で、全行程の中でも上流とされており、経験豊富なネットワークエンジニアが行うケースが一般的です。綿密な設計とネットワークに関連する幅広い知識が求められます。

ネットワークの構築

ネットワーク構築は設計書をもとに、実際にネットワーク回線の接続やルーター、OS機器の設置、インストール作業などを行いネットワークを開通させます。

さらに、設計したネットワークが正常に機能するかどうかのテストや動作チェックを繰り返し行い、必要に応じて修正・調整。ネットワーク構築はスケジュールに合わせて行われますが、緻密で根気の要る作業で、大規模なシステムになると期間が数ヶ月になることもあります。

ネットワークの保守管理

ネットワークエンジニアは、ネットワーク構築を完了させて終わりというわけではなく、その後の点検やトラブル対応などの運用を行う必要があります。

制御を行うOSと、業務に応じた処理を行うアプリケーションの間に位置し機能を補助するミドルウェアのアップデート、不具合の修正、トラブル発生時にユーザーであるクライアント企業からの問い合わせ対応など、専門的な知識を要する部分でサポートを行うのも大切な業務です。

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ネットワークエンジニアの年収はどれくらい?

ネットワークエンジニアの収入相場は、フリーランスHubによると、月60~70万円、次いで月70~80万円が多くなっています。最高単価は200万円、最低単価は25万円です(2024年9月3日時点)。

70万を月額平均と考えた場合、単純計算で12ヶ月分とすると平均年収は792万円、最高年収は2,400万円、最低単価は300万円と算出できます。

とはいえ、エンジニアは年代や業務内容によって年収に差が出やすい職種です。ネットワーク単体での内訳はないため、参考までに情報通信業全体での年代別収入も見ていきましょう。

20代の年収

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査によると、情報通信業の賃金は、20~24歳で243万1,000円、25~29歳は283万5,000円です。20~29歳の全産業でみると、最も低い賃金が202万3,000円、最も高い賃金が291万1,000円のため、他の産業と比べても収入が多いことが分かります。IT人材のスキルや技術力の高さが反映された結果といえるでしょう。

30代の年収

30代の全体的な年収は247万円2,000円から416万円5,000円となり、情報通信業の30~34歳は329万4,000円、35~39歳は387万1,000円です。

ただし、これはあくまで平均値。30代からエンジニアの中でもスキルや経験によって収入に差が開き始めます。

40代の年収

40代の情報通信業は、40~44歳が424万6,000円、45~49歳は459万2,000円です。30代と同様、これまで培ったスキルや経験次第で報酬は異なります。

経済産業省 我が国におけるIT人材の動向では、IT人材の中でも100~300万円程度の収入の差が見られます。20~40代でどこまでスキルや技術を磨けるかが、収入に反映されているのでしょう。

50代の収入

50代になると、会社勤めなら管理職の立場になる人もいるでしょう。
情報通信業では、50~54歳で467万5,000円、55~59歳で495万2,000円です。他の産業と比べても高い部類に属しています。

IT人材の収入は一般的に能力や成果に応じて算出されるのが特徴です。自身の持っているスキルや知識、ネットワークエンジニアとしての経験年数次第でも収入は異なりますが、請け負う仕事の規模の大きさによっても影響はあるでしょう。

また、ネットワークエンジニアでも上流工程の担当者の方が単価は高く、下流工程である構築や運用・保守業務は単価が低く設定されていることが一般的です。あわせて、スキルだけでなく情報セキュリティに関する知識を持っている人は重宝されやすく、単価は高めになるでしょう。

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【仕事別】ネットワークエンジニアの年収

ネットワークエンジニアがどの程度の報酬を得ているのか、フリーランスHubの求人案内を確認してみましょう。

ネットワークエンジニアに該当する仕事は、4,332件(2024年9月3日時点)。具体的な業務例や月額報酬は、以下の通りです。

ネットワーク製品の構築 ~65万円/月
ソウトウェアの開発・検証 ~60万円/月
IT機器の保守 ~50万円/月
化学メーカー内のインフラ運用支援 ~75万円
金融機関向けのネットワーク支援 ~65万円

これらは仕事の一部ですが、高い報酬が支払われていることが分かるでしょう。ただし、条件として経験年数の指定やマネジメントスキル、英語・中国語などの語学力を求める会社もあります。

報酬はこれまでの経験やスキルに応じて設定されるため、記載されている報酬の最高額が得られるとは限らないことを理解しておきましょう。

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ネットワークエンジニアが年収を上げる方法

ネットワークエンジニアは、IT分野の中でも報酬が高い傾向があると言われていますが、差別化を図ることでさらに収入アップにつながります。そのためにはどのようなことが必要でしょうか。収入を上げる行動や手段について紹介していきます。

企業で実績を積む

企業で実績を積んでいると、転職やフリーランスでの活動で評価されやすくなります。規模の大きいプロジェクトに携わっていたり多大な成果を挙げていたりする場合、特に評価されやすいです。

関連する技術のスキルを身につける

ネットワークエンジニアに限らず、エンジニア全般にいえることですが、新たな技術や情報を得ること、自身のスキルを磨くことはキャリアアップには欠かせません。

例えば、近年注目されたテレワークの背景には、クラウドと呼ばれる仕組みがあります。必要な情報もクラウドを利用すれば、いつでも好きな場所で閲覧可能です。今後もテレワークやビデオ会議など、業務においてクラウドは欠かせない仕組みとなるでしょう。

エンジニアの中にはクラウドエンジニアと呼ばれるこのクラウドを専門とした職種も存在するほか、サイバー攻撃に特化したセキュリティエンジニアと呼ばれるエンジニアも活躍しています。クラウドやオンプレミスなどに関連する技術のスキルを身につけることで、セキュリティやオンプレミスなどの業務にも携われるようになるでしょう。

プロジェクトマネージャーを経験する

要件定義、設計などの上流工程を担当できると収入は高くなる傾向にあります。さらに、技術者としてのスキルだけでなく、ビジネススキルを磨きプロジェクトマネージャーとしてチームをリード・マネジメントした経験があると報酬が高くなるでしょう。

外資系へ転職する

ITメーカー、コンサルティングファーム、Webサービス企業など、グローバルに展開する外資系企業は、企業規模が大きいため報酬も高水準になる傾向があります。

資格を取得する

資格手当を用意している企業では、取得によりひと月あたりの収入増が期待できます。資格の有無により昇給・昇格が決まる場所もあるでしょう。フリーランスも例外ではありません。そこで、ネットワークエンジニアにおすすめの資格を紹介します。

基本情報技術者

基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催し、経済産業大臣が認定する国家資格です。ネットワークやデータベース、セキュリティなど情報処理技術に関する基礎的な知識や原理を理解するもので、情報技術者のみならず、経営やITに関わる全ての人が活用できる資格となっています。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験も、IPAが主催しています。こちらは目的に合わせた堅牢で大規模なシステムの企画から構築・運用まで全ての工程を網羅し、ネットワークの専門性と構築の技術支援を評価するものです。

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、ネットワーク機器メーカー・シスコシステムズが主催しており、同社製品に関する知識や扱う技術などを認定するものです。レベルは初級向けの「エントリー」、基礎知識を習得する「アソシエイト」、知識と実務を要する「プロフェッショナル」「エキスパート」のレベルに分かれています。

LPIC

LPIC(エルピック)は、Linux Professional Institute Certificationと言うキャリアサポート組織が行っているLinuxの技術者認定資格です。

レベルは3段階で、サーバーの設計と構築に関わる多くのLinuxユーザーが試験を受けています。

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フリーランスネットワークエンジニアの年収アップ方法

スキルと経験を要求されるネットワークエンジニアは、会社員でもフリーランスでも業務や年収にあまり大きな違いはありません。とはいえ、毎月安定した収入を得られる会社員に対し、フリーランスは毎月収入があるとは限らないため、収入を上げる対策が必要です。

そのためには、できる限り単価の高い仕事を狙い、収益を確保する必要があります。単価アップを狙うためには、どのような方法があるでしょうか、いくつかポイントをあげていきます。

中間マージンの少ない仕事を狙う

二次・三次請けの仕事を請け負ったりフリーランス向けの仕事紹介サービスなどを利用したりすると仲介手数料(マージン)が発生する場合があります。

マージンがあると本来もらえる額より少ない金額と捉えることができるため、可能な限り直請けや仲介手数料の発生しない紹介サービスでの契約を狙うと良いでしょう。

企画・設計の仕事を受注する

ネットワークエンジニアの業務内容は「企画・設計」「構築」「監視・運用」ですが、単価で高額となるのは「企画・設計」が一般的です。設計や企画の仕事に参画するなど、上流工程の実務経験が必要になります。

ここでよい経験を得られれば、アドバイザーとしてのニーズに応えることも可能になり、より高い報酬が期待できるでしょう。

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ネットワークエンジニアになるには

ネットワークエンジニアになるためには、どのようなステップを踏んでいけばよいのでしょうか。ネットワークエンジニアは、大卒や高卒などの学歴が重視されるということはそれほどありません。

実務経験がない人

未経験からネットワークエンジニアを目指す人は、就職・転職の前にできるだけ知識とスキルを独学や学習講座などで身につけた後、会社で働いて経験を積むことが望ましいでしょう。なぜネットワークエンジニアになりたいのか、何を目標としているのかなど、応募する目的や方向性、キャリアプランなどを決めておくことも必要です。

未経験者を歓迎している会社としては、携帯・通信会社やインターネットサービス・Slerなどが多くなっています。会社で働けば実践を通して学ぶことができるほか、先輩社員からのサポートも受けられるため効率的にスキルを磨けるでしょう。

3年ほど経験を積めばフリーランスにもなれる

3年程度の経験とスキルを身につけたら、フリーランスとして独立することが可能です。フリーランスのメリットは、仕事を選べる、働く時間を選べるなど自由度が高いこと。自分の得意とする領域や、経験やスキルによっては報酬の高い仕事を受注できる可能性があるため、効率的な働き方を実現することができます。

ただし、フリーランスは収入が安定しないときもあること、基本的にボーナスや福利厚生などのサポートがないこと、自己管理をしっかりと行う必要があることなどを理解しておきましょう。

独立することが不安な人は、まずエージェントサービスを利用して相談することをおすすめします。エージェントは最新の市場動向を把握しており、スキルや悩みなどに合わせてアドバイスをしてくれるでしょう。

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備えておくべきスキル

ネットワークエンジニアの作業範囲は広く、豊富な知識やスキルが求められます。その中でも、まずは基本的なスキルを押さえておきましょう。

ネットワークの知識

ネットワークエンジニアには、さまざまな機器や通信技術、通信プロトコル、サーバー、OSなどのIT技術に関する知識が必須です。

近年ではクラウドサービスの利用も多く、IaaS、PaaS、SaaSなどの設定や接続など、現場での作業スキルも求められます。

論理的思考(ロジカルシンキング)

ネットワークエンジニアは、プロジェクトの規模が大きいほど設計が複雑になる傾向があります。スムーズで快適なネットワークを構築するためには、因果関係をとらえ物事を順序立てて論理的に考える能力が必要です。

論理的思考は、クライアントへの提案や説明、不具合やトラブルの解決にも必要となります。

コミュニケーション力

クライアントが求めているものを的確に把握するヒアリング能力は欠かせません。ネットワーク分野に精通していない人にも分かりやすく説明したり、意思の疎通を図ったりするコミュニケーション能力が必要です。

ビジネス全般で求められるスキルであり、相互理解と信頼関係の構築を行う上でも大切なスキルとなります。

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ネットワークエンジニアの将来性が明るい理由

現代社会において、ネットワークインフラは多くの企業にも必要とされています。ITインフラは企業にとって核となる部分であり、今後もネットワークエンジニアを求める企業は増え続け、活躍の場も広がるでしょう。

特にさまざまなものをインターネットでつなぐIoT(Internet of Things)の普及や、ゲームのネット対戦、不正アクセスやトラフィックの解消に携わる現場には、ネットワークエンジニアは欠かせません。

さらに最近では、フリーランスネットワークエンジニアの求人・仕事でも、クラウドサーバーへのシステム移行が多く見受けられます。従来のオンプレミスからクラウドサーバーに関する新しい知識や技術、データ負荷の解消などを身につけることは重要です。

オンラインショップやインターネットバンキングなど、お金に関するサービスも増加したため、今後はより一層セキュリティ対策が重視されるでしょう。ネットワークエンジニアにも不正アクセス防止や情報流出防止などの対応を盛り込んだネットワークの設計や、構築が求められると予想されています。

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まとめ

ネットワークエンジニアの報酬がIT分野の中でも高めと言われているのは、仕事の需要に対して経験豊かな技術者の割合が少ないためです。

近年はWeb上だけでなく、クラウドを利用したIoT、FinTechなど新しい分野でのITインフラの需要も高まっており、ネットワークエンジニアは変化に合わせた新しい知識と技術が求められています。

将来的にフリーランスを目指す人は、常に新しいスキルを習得し、同時にビジネススキルを磨いていくことで、活躍の場を広げることができるでしょう。

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