フリーランスのメリットとデメリットとは？向いている人も解説

近年、会社や組織に属さずフリーランスとして働く文化が定着してきました。時間や場所を問わず自由に働ける点に魅力を抱く人が多い一方で、「やめたほうがいい」との声も聞かれます。

本記事では、フリーランスとして働くうえでのメリット・デメリットを解説します。フリーランスになりたい方は、活躍できる職種とあわせてぜひ参考にしてください。

フリーランスとは？

フリーランスとは、会社や組織に属さず個人で仕事を受ける働き方です。

一般企業では、社員が仕事を分担して会社として利益を上げます。一方、フリーランスでは顧客との契約や成果物の納品、報酬の請求を個人で行うのが特徴です。

「フリーランス」という言葉は、現状法律で定められていません。ただ、厚生労働省の「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」には定義が記されています。

フリーランスで働くメリット

フリーランスで働くメリットを6つ紹介します。会社員と異なり、努力次第で収入アップできる点に魅力を感じる人は多いでしょう。個人事業主は経費の活用により節税効果を生み出せるのもメリットです。

働き方を選べる

1つめのメリットは働き方を自由に選べる点です。フリーランスは、業務場所・業務時間・休日の作業条件を自分の都合に合わせて決められます。一般企業に勤める人は労働契約に応じて働き方が決まり、勤務地が突然変わる可能性もあります。

フリーランスは指揮命令権を持つ雇用主がいないので、条件に縛られない働き方が可能です。通勤がなければ転勤の恐れもなく、プライベートと仕事の両立がしやすいでしょう。

自分次第で収入を増やせる

頑張れば収入を大きく増やせるのがフリーランスのメリットです。会社員の場合、企業規模が小さいと収入が思い通りに上がらない場合も。また、年功序列の文化が根強い企業では、長年勤めなければ収入アップが難しくなります。

フリーランスでは高いスキルを発揮してクライアントに喜ばれると、より高額の報酬を受け取れます。実務経験の積み重ねなどの努力次第で収入アップできるので、やりがいが大きいでしょう。

人間関係のストレスが少なめ

フリーランスは会社員と比べて、人間関係のストレスが少ない傾向にあります。

企業に勤めると、上司や同僚、取引先ら多くの人と接点を持ち、人間関係に悩まされる機会が多くあります。人付き合いの結果が上下関係や評価査定に影響する場合もあるでしょう。

フリーランスは取引先や協力者を選べるので、苦手な人と関わる機会が減ります。

得意分野を生かせる

フリーランスは自分の得意分野を仕事に活かせます。会社員だと希望の部署や職種に配属されるとは限らず、自分の強みを仕事に活かせない可能性があります。

フリーランスなら得意分野で営業して案件を受注できるでしょう。顧客との契約時に責任を負う範囲を明確に設定すれば、苦手な仕事を任されるリスクが減ります。

年齢に関係なく働ける

フリーランスの働き方は、年齢を問わず誰でも挑戦できます。

多くの企業では定年制があり、肉体や気持ちのうえではまだ働けても一定の年齢に達した場合は退職しなければなりません。採用の募集要項に年齢制限の指定があって応募不可の場合もあるでしょう。

フリーランスなら年齢に関係なく、取り組みたい仕事に挑戦する機会を得られます。

経費で節税ができる

フリーランスは経費を活用して節税できます。

所得税は、収入から経費を引いた金額の所得に対して発生します。会社員は毎月の給料から所得税が源泉徴収されますが、フリーランスは業務上使った金額を経費として計上すれば節税が可能です。

仕入れや業務に用いた物品の購入費用に加えて、仕事上の移動で発生した交通費や図書費なども経費に算入できます。

フリーランスで働くデメリット

フリーランスで働くデメリットを6つ紹介します。収入や生活面でのリスクにつながる恐れがあるので、しっかり把握しておきましょう。

収入が不安定になりやすい

会社員より収入が不安定になるのがフリーランスのデメリットです。フリーランスは案件ごとに報酬を受け取るので、会社員のように固定給はありません。受注数が普段より少ない月は、収入も下がってしまうでしょう。

ただし、営業活動やスキル習得に向けた努力次第では、会社員より多額の収入を得られます。

生活が不規則になりやすい

フリーランスには、生活リズムが不規則になりやすいというデメリットが存在します。

会社員は労働時間が決まっているので、睡眠や食事も含めた生活リズムが自然に整います。対してフリーランスは、作業時間や業務量は任意です。深夜や休日も働くと生活リズムが不規則になり、体調を崩す恐れがあります。

仕事量や納期の管理を徹底したうえで働くのが大切です。

社会的信用を得ることが難しい

フリーランスは会社員より社会的な信用を得にくく、金融機関の審査に落ちる場合があります。収入が不安定なのが理由です。フリーランスが審査に通るための解決策は以下のとおりです。

• 事業の継続年数を重ねる
• 個人事業主から法人化する
• 仕事で残した実績を証明する

上記をアピールすると、社会的信用を得やすくなります。

社会保障が手薄になりやすい

会社員より社会保障が手薄になりやすいのがフリーランスのデメリットです。

会社員は年金や社会保険が福利厚生として提供されます。フリーランスには年金の2階建て部分にあたる厚生年金が存在せず、雇用保険に入れません。そのため、会社員よりも社会保障が手薄となります。

万が一の健康問題や老後の資産形成を想定したうえでの資金計画が欠かせません。

確定申告を自分でしなくてはならない

フリーランスは、確定申告を自分でしなくてはなりません。会社員は毎月給料から源泉徴収が発生し、年末調整を経て所得額が確定する仕組みです。フリーランスには源泉徴収がないので、自分で所得を計算する確定申告が必要になります。

税金の知識を身につけ、手続きに費やす時間を確保しなければなりません。日々の帳簿作成や資金繰り、その他の事務手続きも自分で進めます。

孤独を感じやすい

最後に紹介するフリーランスのデメリットは、孤独を感じやすいことです。

フリーランスは1人で仕事を進める機会が多く、会社員と比較すると他者とのコミュニケーションが減ります。仕事を思い通りに進めやすい一方、悩みがあるときに頼る相手がおらず孤独を感じるでしょう。

意識的に他者と会話する機会を増やし、メンタルケアを心がけるのがおすすめです。

女性がフリーランスになるメリットは？

女性がフリーランスとして働くメリットを3つ紹介します。一般企業で働く際女性の悩みとなる問題は、フリーランスになれば解決できる可能性があります。特に、自ら働きやすい環境を作れるのが魅力です。

女性のライフスタイルに合わせられる

フリーランスは自分で働き方を決められるため、ライフスタイルに仕事を合わせられるのがメリットです。出産や育児をする際、会社員は長期休暇の取得や退職をします。復職時にブランクに悩まされたり、転職に苦労したりする可能性があります。

フリーランスは働く時間と場所が自由なので、仕事と育児を両立しやすいです。復職する際も段階を踏んで取り組めるでしょう。

ハラスメントに遭いにくい

会社員と比べてハラスメントに遭いにくいのも女性がフリーランスで働くメリットです。

会社で働く女性に対するセクハラ・マタハラ・パワハラは重大な社会問題です。発覚した場合は相手に処分が下されるものの、被害者側が会社内での立場を気にして告発できないケースもあります。

フリーランスは複雑な人間関係が少ない傾向なので、ハラスメントを受ける可能性は会社員より低くなるでしょう。

女性ばかりの職場でのストレスから解放される

フリーランスになると、女性ばかりの職場でのストレスから解放される可能性があります。性別は関係ない場合もありますが、女性が多い職場でその場にいない人の陰口や派閥争いに悩む人は多いようです。

フリーランスでは自分のペースで作業を進められるため、仕事と関係ない部分でのストレスを避けられます。

フリーランスが増えている背景

昨今フリーランスとして働く人が増えている背景は以下の3つです。

• コロナ禍で働き方改革やDXが促進
• 労働者の意識変化
• エージェントサービスの充実

コロナ禍で出社制限や時差出勤が広まり、時間や場所にとらわれない働き方が定着しました。労働者側の意識も変化し、フリーランスを志す人が増えています。また、働き手とクライアントを仲介するエージェントサービスの充実も要因の一つです。

フリーランスに向いている人

フリーランスが向いている人の特徴を6つ紹介します。自分で仕事のやり方を決めるので、納期に責任を負う姿勢や自ら仕事を探す積極性が求められます。また、人脈やツールを活用する器用さも重要です。

セルフコントロールができる人

セルフコントロールが得意な人は、フリーランスに向いていると考えられます。

フリーランスは仕事量や納期を自ら管理します。仕事とプライベートの境目が曖昧になりやすいので、オンとオフのメリハリをつけるのが重要です。時間の使い方に気を配り、1日のスケジュールをあらかじめ決めると効果的な管理につながるでしょう。

臨機応変に対応できる人

変化する環境に臨機応変な対応ができる人はフリーランスに向いています。

会社員は長年同じ職場で同僚と働き、馴染みの取引先と関わりを持つ働き方が主流です。フリーランスはクライアントや仕事内容がその都度変わり、状況を的確に把握して素早く対応するスキルが求められます。

環境の変化をマイナスに捉えず、新しいことを楽しめる人には活躍できる素質があるでしょう。

仕事に能動的に取り組める人

積極的、能動的に仕事ができる人もフリーランスに向いています。

フリーランスは、企業のように営業や内勤担当がいないため、自分で仕事を受注します。アピールポイントを外部に発信したり、クライアントの悩みや課題を聞いて解決したりなど、積極的に受注につながる取り組みをするのが大切です。

積極性に優れる人はフリーランスとして成果を上げられるでしょう。

人脈を作ることが得意な人

人脈の形成が得意な人もフリーランス向きです。

フリーランスの特徴として、クライアントや取引先が頻繁に変わりやすい点があげられます。収入の不安定さにつながる可能性があるので、得意先となるクライアントから定期的に仕事をもらえるよう努力が欠かせません。

幅広い人脈があれば、知人からの紹介で新規クライアントと契約できるでしょう。人脈は独立前にある程度作っておくのをおすすめします。

絶えずスキルを磨ける人

向上心があり、スキルを磨き続けられる人もフリーランスに向いています。

会社の査定ではなくクライアントからの評価で報酬が決まるフリーランスは、スキルや実績の積み重ねが重要です。常に新たな情報を探し、自分の仕事に活かす姿勢で取り組めば、単価アップが期待できるでしょう。

セミナーや交流会への参加がスキルアップに効果的です。同業者やクライアントとの意見交換で視野を広げられます。

ツールをうまく活用できる人

ITツールやWebサイトを効果的に活用できる人も向いています。

近年はフリーランス向けに案件を提案するサービスが数多くリリースされています。発注先を探す企業と仕事を受けたいフリーランスをつなぐマッチングサイトなどです。サービスを利用すれば営業に費やす時間や労力を削減でき、本業により集中できるでしょう。

おすすめなフリーランスの職種

フリーランスとしての活動におすすめの職種を3つ紹介します。

• エンジニア
• Webデザイナー
• ライター

上記の職種は、時間や場所に縛られず取り組めるうえ、マッチングサイトや仕事紹介のサービスが豊富です。特に、エンジニアの職種は多く、システムを構築するプログラマーや、アプリ・ゲーム・AIの専門分野に強い技術者など幅広いキャリアが存在します。

まとめ

本記事ではフリーランスのメリット・デメリットを紹介しました。自由な働き方を実現できるのは魅力ですが、社会保障やボーナスなど組織で受けられる恩恵が乏しいのはデメリットです。フリーランスを目指す際は、メリットとデメリットを知って入念に事前準備しましょう。