フリーランスのメリット・デメリット9選！会社員・正社員との違いも解説

フリーランスとして働く9つのメリット

フリーランスとして働く主なメリットは下記の9つです。

• 働き方を選べる
• 自分次第で収入を増やせる
• 人間関係のストレスが少なめ
• 得意分野を活かせる
• 年齢に関係なく働ける
• 経費で節税ができる
• 新たな知見を獲得できる
• ワークライフバランスを実現しやすい
• 学歴や職歴を問わず活躍できる

ここでは、フリーランスとして働くことで得られる各メリットについて詳しく解説します。

1.働き方を選べる

働き方を比較的自由に選べる点は、フリーランスの大きなメリットです。

会社員の場合は基本的に労働契約の内容に応じて働き方が決まり、出勤時間や勤務地が変更になる可能性もあります。
一方で、フリーランスは指揮命令権を持つ雇用主がいないため、条件に縛られない働き方が可能です。フリーランスは業務場所・業務時間・休日などの作業条件を自分の都合に合わせて決められます。

2.自分次第で収入を増やせる

頑張れば収入を大きく増やせる点が、フリーランスのメリットです。実務経験の積み重ねなど、本人の努力が収入に反映されやすい分、やりがいのある働き方といえるでしょう。

会社員の場合、勤めている会社の企業規模や社内体制によっては、収入が思い通りに上がらないこともあります。特に年功序列の文化が根強い企業では、長年勤めなければ収入アップが難しいケースもあるでしょう。
対してフリーランスの場合、高いスキルを持っていれば高額報酬の案件を獲得できる可能性があります。また、仕事を納品してクライアントに高い価値を提供できれば、次回以降の報酬アップが期待できるでしょう。

3.人間関係のストレスが少なめ

フリーランスとして働くメリットの一つが、人間関係のストレスが少ない点です。

会社員は上司や同僚、取引先など多くの人と接点を持つため、その分人間関係に悩まされる可能性が高まります。
その点、フリーランスの場合は関わる人や取引先を自分で選べます。考え方が合わない苦手な人と接する機会を必要最小限に減らせるので、ストレスも軽減できるでしょう。

4.得意分野を活かせる

自分の得意分野を仕事に活かせる点は、フリーランスを選ぶメリットです。

会社員の場合、配属された部署や割り当てられた業務によっては、自分の長所やスキルを活かせない可能性があります。
その点、フリーランスであれば自分がやりたい得意分野を中心に案件を探せます。顧客との契約時に業務範囲を明確に設定すれば、苦手な仕事を任されるリスクも減らせるでしょう。

5.年齢に関係なく働ける

フリーランスになると、年齢に関係なく働けるメリットがあります。

多くの企業には定年があり、肉体的・精神的にまだ働けると思っていても、一定の年齢に達した人は基本的に退職しなければなりません。
一方で、フリーランスには定年がありません。年齢に関係なく取り組みたい仕事に挑戦する機会を得られます。

6.経費で節税ができる

フリーランスは、経費を活用して節税をすることが可能です。

フリーランスは業務上使った金額を経費として計上すれば節税が可能です。
仕入れや業務に用いた物品の購入費用に加えて、通信費や仕事上の移動で発生した交通費、書籍代なども経費として計上できます。詳しくは､｢経費の勘定科目一覧｜個人事業主の按分方法や節税対策なども解説｣の記事で解説しているため、あわせてご確認ください。

7.新たな知見を獲得できる

新たな知見を獲得できる点は、フリーランスとして仕事をするメリットの一つです。

フリーランスは営業活動や契約関係のやりとり、税務・財務関連の手続きなどもすべて自分1人で行います。そうした経験をとおして、キャッシュフローやビジネスの仕組み、法律などに関する知見を得られるでしょう。

8.ワークライフバランスを実現しやすい

フリーランスになるメリットとして、ワークライフバランスを実現しやすい点が挙げられます。

フリーランスは基本的に労働時間や場所に制限がありません。業種によってはリモート案件もあり、通勤・移動時間なしで働けるため、時間を効率的に使えます。
そのため、フリーランスはプライベートを大切にしながら働くことが可能です。また、家事や育児、介護などとも両立しやすいでしょう。

9.学歴や職歴を問わず活躍できる

学歴・職歴を問わず活躍できる点は、フリーランスになるメリットの一つです。

フリーランスになる条件は特に設けられておらず、学歴・職歴を問わず独立することが可能です。高い能力を持ち、その実力をクライアントに伝えることができれば案件を獲得できます。所持しているスキルや実績次第では、会社員時代よりも高収入を実現できるでしょう。

フリーランスとして働く9つのデメリット

フリーランスとして働く際に挙げられる主なデメリットは下記の9つです。

• 収入が不安定になるおそれがある
• 社会的信用を得にくい
• 生活リズムが乱れやすい
• 社会保障が少ない
• 確定申告をしなくてはならない
• 孤独を感じやすい
• 自分でトラブルに対処しなければならない
• スキルアップの機会が用意されていない
• 競争力が求められる

ここでは、フリーランスのそれぞれのデメリットについて詳しく解説します。フリーランスになることを検討する際は、リスクになりうる事項を前もって把握しておきましょう。

1.収入が不安定になるおそれがある

収入が不安定になりやすい点は、フリーランスのデメリットです。
フリーランスは基本的に案件ごとに報酬を受け取るため、会社員のように固定給はありません。受注数が普段より少ない月は、収入も下がってしまうでしょう。また、体調を崩して仕事をできない期間があると、無収入になるリスクもあります。

フリーランスになるときは、リスクヘッジのために複数の取引先を確保しておくことがおすすめです。

2.社会的信用を得にくい

社会的信用を得づらい点は、フリーランスになるデメリットの一つです。
収入が不安定になりやすいフリーランスは、金融機関の審査に通りづらい傾向があります。クレジットカードを作れなかったり、賃貸契約ができなかったりするほか、子どもの保育園の入園審査が難しくなる可能性もあるでしょう。

こうしたデメリットを避けるためには、フリーランスになる前に審査を通過させておくことが大切です。開業届を出して個人事業主になることは、審査を有利にするポイントです。

3.生活リズムが乱れやすい

フリーランスには、生活が不規則になりやすいというデメリットがあります。
フリーランスは作業時間や業務量を自由に決定することが可能です。基本的に勤務時間が定められている会社員と比べて、フリーランスは仕事とプライベートのメリハリがつきにくくなる傾向があります。その結果、生活リズムが乱れてしまうことがあるでしょう。

フリーランスとして長期的に活躍するために、仕事量や納期の管理を徹底して無理のないスケジュールを組むことが大切です。

4.社会保障が少ない

フリーランスになるデメリットの一つが、会社員より社会保障が手薄になりやすい点です。

会社員は雇用保険や労災保険、厚生年金、社会保険などに加入できます。将来的に受け取れる年金額、手当金、保障が充実しています。
一方でフリーランスは雇用保険や労災保険に原則加入できません。また、国民健康保険・国民年金に加入することになり、年金の2階建て部分にあたる厚生年金が存在せず、各種補償制度も少ないです。

独立する際はフリーランス向けの保険に加入したり資産形成をしたりするなど、自身で万が一のときに備える必要があります。

フリーランスを含む個人事業主向けの社会保障については、｢個人事業主向けの年金や健康保険は？代わりになる制度も紹介｣もあわせて参考にしてください。

5.確定申告をしなくてはならない

フリーランスのデメリットとして、確定申告を自分でしなくてはならない点が挙げられます。

会社員の場合、税務処理は基本的に会社が行います。
しかしフリーランスは自分で所得税の確定申告をする必要があります。確定申告をするにあたって、税金の知識を身につけたり帳簿をつけたりすることも必要です。

独立してから慌てないためにも、必要な知識を事前に身につけたうえでフリーランスとして活動し始めましょう。
フリーランスの確定申告の進め方は、｢フリーランスの確定申告はいくらから必要？必要書類ややり方も解説｣で解説しているので、あわせて参考にしてください。

6.孤独を感じやすい

フリーランスになるデメリットの一つが、孤独を感じやすい点です。

フリーランスは1人で仕事を進める機会が多く、会社員と比較すると他者とのコミュニケーションが減る傾向にあります。仕事を思い通りに進めやすい反面、悩みがあるときに頼れる上司・同僚がいないことによって寂しさを味わう可能性があるでしょう。

フリーランスとして活動するときは、意識的に他者と会話する機会を増やすのがおすすめです。

7.自分でトラブルに対処しなければならない

契約・支払いのトラブルに自分で対処しなければならない点は、フリーランスのデメリットです。

悪質なクライアントから案件を受注してしまうと、報酬の未払いや支払い遅延、減額、偽装請負など不当な扱いを受ける場合もあります。そのようなトラブルが発生した際、会社員であれば労働基準法によって保護されますが、原則フリーランスには適用されません。フリーランスはトラブルに自分で対処する必要があります。

フリーランスになる人は、2024年に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」などのような法令に関する知識を身につけるとともに、｢業務委託のトラブル事例｜仕事内容や報酬の問題解決・回避に必要な方法とは｣の記事を参考にして、トラブル対策を知りましょう。

8.スキルアップの機会が用意されていない

フリーランスのデメリットとして、スキルアップの機会が用意されていないことが挙げられます。

会社員であれば、社内の先輩や同僚から業界のトレンドや最新情報、スキルアップのコツなどを教えてもらえることも多いでしょう。
対して、基本的に個人で活動・作業するフリーランスの場合は、会社員よりも人と接する機会が減る傾向にあります。受動的な姿勢では、競合のフリーランスに後れをとってしまうでしょう。

フリーランスになることを決めたら、自分から積極的に情報収集や勉強をする意識を持ってスキルアップを図りましょう。

9.競争力が求められる

フリーランスとして独立するデメリットの一つは、競争力が求められる点です。

リモートワークの普及や働き方改革、フリーランス向け案件獲得サービスの登場などによって、フリーランスの数は増加傾向にあります。競争力がないフリーランスは、案件獲得に苦労することになるでしょう。
好条件の案件を勝ち取るためには、同業者のフリーランスよりも秀でたノウハウや独自性などが必要です。

フリーランスの人口増加の実態を知りたい人は、｢フリーランス人口の推移や割合は？増加の背景や働くうえでのポイントを解説｣の記事を参考にしてください。

フリーランスとほかの働き方の違い

フリーランスとして独立したいと考えている人は、ほかの働き方との違いを把握しておきましょう。

フリーランスとは、会社や組織に属さず、個人で仕事を請け負う働き方を意味します。主にクライアント企業と業務委託契約などを結び、成果物の納品や業務遂行により報酬を受け取ります。

フリーランスとほかの働き方には、以下のような違いがあります。

働き方	フリーランスとの主な違い
会社員	雇用契約を結び、企業に所属する労働者。 報酬は「基本給+各種手当」という形で支給されるのが一般的
個人事業主	「継続して事業を行う個人」を意味する税務上の区分。 税務署に開業届等の書類を提出することで個人事業主として認められる
自営業	個人で事業を営む業種形態。 店舗や事務所などの拠点を持つケースが多い。また、個人だけでなく法人も含まれる

フリーランスとほかの働き方の違いや仕事の詳細を知りたい人は、｢フリーランスとは？意味・仕事の実態や必要な準備をわかりやすく解説｣を参考にしてください。

会社員・正社員のメリットとデメリット

フリーランスという働き方に魅力を感じているものの、「会社員・正社員のまま働き続けるほうがよいのではないか」と迷っている人もいるでしょう。
一般的な会社員・正社員の主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。

会社員・正社員のメリット	会社員・正社員のデメリット
毎月決まった収入を得られる 福利厚生が充実している 税務や社会保険の手続きを会社に任せられる 仕事に必要なリソースが揃っている 社会的信用が高い	短期間での大幅な収入アップは難しい 働く時間・場所が定められている 会社都合の辞令に従わなければならない 人間関係が固定化しやすい

会社員・正社員にも、メリット・デメリットがあります。フリーランスのメリット・デメリットと比較して、会社に残るか独立するかを検討しましょう。
比較検討の際は、｢フリーランスと正社員どっちが得？メリット・デメリットや兼業の可否も解説｣の記事も参考にしてください。

フリーランスのメリットを最大化できる人の特徴

ここからは、フリーランスのメリットを最大化できる人の特徴を7つ紹介します。
紹介する特徴に当てはまる人は、フリーランスとして活躍できる可能性が高いです。

セルフコントロールができる

セルフコントロールが得意な人は、フリーランスになるメリットが大きいと考えられます。

フリーランスは業務量や業務時間を自分で決めて納期までに仕事を完了させる必要があるため、スケジュール管理が必要となります。また、フリーランスは仕事とプライベートの境目が曖昧になりやすいため、オンとオフのメリハリが重要です。
セルフコントロールがうまいフリーランスであれば、無理のないスケジュールを組み、仕事とプライベートの両方を充実させられます。自由に働けるというフリーランスのメリットを最大化しやすいでしょう。

臨機応変に対応できる

フリーランスのメリットを最大化できる人の特徴の一つは、臨機応変な対応ができることです。

フリーランスはクライアントや仕事内容がその都度変わり、状況を的確に把握して素早く対応するスキルが求められます。
環境の変化をマイナスに捉えず新しいことを楽しめる人は、フリーランスとして活躍できる素質が高いです。

仕事に能動的に取り組める

仕事に対して能動的に取り組める人は、フリーランスのメリットを最大化しやすいでしょう。

フリーランスは自ら案件を獲得しなければならないため、希望条件に合った仕事を探したりアピールポイントを外部に発信したりするなど、案件獲得に向けて積極的に活動する必要があります。また、仕事を指示してくれる同僚もいないため、自分で考えて業務を進めることが必要です。
仕事に能動的に取り組むフリーランスは、案件獲得のチャンスをつかめます。受注した仕事も納期までに完了させられるでしょう。

人脈作りが得意

人脈作りが得意な人は、フリーランスとして活躍しやすい傾向があります。

フリーランスにとって、人脈は重要です。知り合いの紹介から仕事につながることもあります。人脈を活かすことによって、フリーランスは案件を効率的に獲得できるでしょう。

絶えずスキルを磨ける

フリーランスのメリットを最大化できる人の特徴として、スキルを磨き続けられる姿勢が挙げられます。

クライアントに実力を示すことで案件獲得をするフリーランスは、スキルや実績の積み重ねが重要です。セミナーや交流会に参加するなど、常に新たな情報を探し、学ぶ必要があります。
継続的にスキルを磨けるフリーランスは、単価アップや高収入を実現させやすくなるでしょう。

専門的なスキルや資格を有している

フリーランスのメリットを最大化できる人の特徴には、専門的なスキルや資格を持っていることが挙げられます。

専門的なスキルや資格があれば、フリーランスは高単価案件を受注することが可能です。また、資格はクライアントに対して自分の能力を客観的に示す手段です。クライアントにスキルや強みを明確に示せれば、自分が得意な分野の案件をスムーズに獲得できます。

フリーランスにおすすめの資格について知りたい方は、｢ フリーランス向けの資格のおすすめは？種類や難易度・取得のメリットを解説｣の記事を参考にしてください。

ツール・ソフトをうまく活用できる

フリーランスのメリットを最大化できる人の特徴の一つは、各種ツール・ソフトを効果的に活用できることです。
フリーランスにおすすめのツールやソフトには下記のものが挙げられます。

• タスク管理ツール
• 会計ソフト
• セキュリティソフト
• チャットツール
• Web会議ツール
• AIツール　など

こうしたツール・ソフトを使いこなせるフリーランスは、仕事に割けるリソースを確保できます。無駄な時間を省くことができれば結果的に収入アップにつながり、フリーランスのメリットを享受できるでしょう。

フリーランスのデメリットを軽減する方法

フリーランスになる際は、独立後のデメリットを軽減するための対策を考えておくことが大切です。
ここでは、フリーランスのデメリットを軽減する3つの方法について解説します。

副業で経験を積む

フリーランスのデメリットを軽減するための対策として、副業で経験を積むことが挙げられます。

会社員時代に副業を経験しておけば、フリーランスとして独立したあとの案件獲得方法や業務の流れを予習できます。取引先の確保や実際の案件を通したスキルアップにも役立つため、独立準備として有用性が高い対策だといえるでしょう。

フリーランスを目指すにあたって副業を始めようと考えている方は、｢副業の始め方は？具体的なステップや主な職種、稼ぐコツを解説｣の記事を参考にしてください。

エージェントを利用する

デメリットを軽減するための対策として、フリーランス向けのエージェントを利用するのも効果的な方法です。

フリーランスエージェントとは、フリーランスと企業の間に入り、案件を紹介するサービスです。案件の紹介だけでなく､交渉や税金関係の手続きを代行してくれるエージェントもあるので、業務全般の効率化に役立ちます。
サービス内容や料金を照らし合わせて、自身に合ったフリーランスエージェントを選択しましょう。

エージェントの選び方や活用するコツについては、｢フリーランスエージェント徹底比較　【2025年最新】｣の記事で解説しています。併せてご覧ください。

生活の見通しが立った状態で独立する

フリーランスのデメリットを軽減する方法の一つは、生活の見通しが立った状態でフリーランスになることです。
生活の見通しを立てるのに必要な準備には以下のものが挙げられます。

• 生活資金を貯蓄しておく
• 取引先を確保しておく
• コストと収入のバランスをシミュレーションする　など

独立してから後悔しないために、しっかり準備を整えてからフリーランスになりましょう。

まとめ

フリーランスになれば、ライフスタイルに合わせた働き方ができたり、努力次第で収入アップを実現できたりするなど、さまざまなメリットが期待できます。
一方で、収入が不安定になりやすい、社会保障が乏しいといったデメリットがあるのも事実です。

フリーランスを目指す際は、メリットとデメリットの両方に考慮し、入念に準備を進める必要があります。本記事で紹介したフリーランスの基礎知識やデメリット対策を参考にして、メリットの最大化を図りましょう。