スクリプト言語とは？プログラムを組むための言語の種類や特徴、違いを解説

スクリプト言語とは、記述や実行が容易なプログラミング言語です。スクリプト言語にはPyhonやRubyなど多くの種類が存在し、メリット・デメリットがあります。

本記事では、スクリプト言語の概要や特徴について紹介します。習得してプログラムを組めるようになる方法も解説するので、スクリプト言語を身につけたい方は参考にしてください。

スクリプト言語とは

スクリプト言語とは、可読性が高く比較的容易に習得できるプログラミング言語の総称です。

本来はソースコードのコーディングをもとに比べて簡単にしたものを指しますが、厳密な定義は存在しません。現在は、簡単に習得できるプログラミング言語全般をスクリプト言語と呼びます。

決められた特定のプログラミング言語のことではなく、「習得や記述・実行が簡単な言語」という抽象的な概念を指すと考えましょう。

スクリプト言語の種類

スクリプト言語には複数の種類があります。ここからは、代表的なスクリプト言語を紹介します。スクリプト言語を習得してプログラムを組みたい方は、それぞれの特徴を比較してからどれを学ぶか決めましょう。

Python

Pythonは、コードの可読性が高いスクリプト言語です。

文法が簡単で習得のハードルが低く、幅広い場面で活用されています。近年はAI・機械学習でもよく用いられています。一つひとつのコードが短いので、エラーが出ても対応が容易でスムーズな開発が可能です。

また、ライブラリが豊富で少ない負担で開発ができる点も長所です。YouTubeやInstagramなど、さまざまなアプリがPythonで作られています。

Pythonについては､｢Pythonとは？主な活用領域やサービス事例を紹介｣の記事でもまとめているので興味のある方はご覧ください｡

JavaScript

JavaScriptは、Web開発においてよく使用されるスクリプト言語です。

Web開発に有用なライブラリやフレームワークが充実していて、効率的な開発を実現できます。ブラウザに実行環境が搭載されているのも特徴です。複雑な環境構築が必要ないので、プログラミング初心者にとって敷居が低い言語だといえます。

できることとしては、Webサイトに動きをつけられることがあげられます。ポップアップ表示や画像のスライド表示などの演出をつけたり、ユーザーに合わせて利便性を向上させたりするのが得意で、高品質なWebサイトの制作が可能です。

JavaScriptについては､｢初心者にもよくわかる！JavaScriptフレームワークの種類や特徴を紹介｣の記事でも詳しく解説しています｡

Ruby

Rubyは、Webアプリ開発においてよく用いられるスクリプト言語です。

コードがシンプルで、初心者でも習得しやすい言語です。エラーの対処へプログラムの書き換えもしやすく、複数人でコードを共有する場合でも理解しやすいという利点があります。

できることとしては、WebサービスやWebサイト、アプリの開発などが代表的です。Webアプリ開発に有用なフレームワークが豊富であり、アプリ開発に興味がある人におすすめの言語です。

また、Web上でのデータ処理が得意で、スクレイビング（Web上のデータを抽出すること）にも使えます。

Rubyについて知りたいという方は､｢Rubyフレームワークを7つ紹介！特徴や注意点を押さえよう｣の記事もおすすめです｡

PHP

PHPは、シンプルな文法が特徴のスクリプト言語です。

コード記入の自由度が高く、細かいルールを気にせずにプログラミングができます。記述や実効が比較的簡単で、初心者でも習得しやすいでしょう。PHPのプログラムは多様なOSで実行可能で、幅広い開発現場で使われています。

できることとしては、Webアプリの開発のほか、CMSのカスタマイズがあげられます。
Webアプリ開発に有用なフレームワークが豊富なので、効率的に開発を進められるでしょう。

ただし、この言語を実行するにはWebサーバなどが必要です。

PHPについては､｢PHPフレームワークとは？習得のメリットやおすすめの枠組みを紹介｣の記事でもまとめているので興味のある方はご覧ください｡

スクリプト言語と似たプログラミング言語

スクリプト言語と混同されやすい言葉として、インタプリタ言語やコンパイラ言語、LL言語があります。ここからは、それぞれの言葉の概要と、スクリプト言語との違いを解説します。

インタプリタ言語とは

インタプリタ言語とは、コードを1行ずつ機械語に翻訳して実行する言語です。他言語と比べて1一行ずつ実行でき、バグの対処がしやすいという利点があります。

スクリプト言語とは分類基準が異なります。スクリプト言語は言語の難易度や実行のしやすさから分類されていますが、インタプリタ言語はコードの実行方法によって分類されています。

多くのスクリプト言語がインタプリンタ言語に含まれるものの、分類方法が異なることを覚えておきましょう。

コンパイラ言語とは

コンパイラ言語とは、人が書いたコードをコンピューターが理解できる機械語に一括で翻訳して実行する言語です、大規模開発に向いている点が特徴です。

スクリプト言語は人間が理解しやすい言語であり、コンパイラ言語の方は機械が理解しやすいものと覚えておきましょう。

他にもいくつか違いがあります。スクリプト言語が低速で動作するのに対してコンパイラ言語は高速で動作します。また、コンパイラ言語はスクリプト言語と比べて、確認に時間が必要です。

LL言語とは

LL言語の「LL」とは、「Lightweight Language」の略です。プログラミング言語のうち、覚えやすく気軽に扱えるものを指します。スクリプト言語と混同されやすく、定義が曖昧なため同じ意味で使われる場合もあるようです。

LL言語の代表的なものとしては、JavaScriptやPython、PHPなどがあげられます。先に紹介した通り、これら3つはスクリプト言語の代表格でもあります。

スクリプト言語のメリット・デメリット

スクリプト言語のメリット・デメリットとは何か、気になる方も多いでしょう。ここからは、スクリプト言語の利点や注意点を紹介します。

環境構築が容易にできる

スクリプト言語は記述や実効の難易度が低いだけではなく、環境構築が簡単な点がメリットです。インストールするだけで動かせるものも多く、すぐに開発に取り掛かれます。

また、可読性が高く分かりやすいコード表記なので、ソースコードを完成させればすぐに実行と確認が可能です。 プログラムを一度で完璧に仕上げることは難しく、何度も修正する必要がありますが、スクリプト言語は修正後すぐに実行をして確認ができます。

小規模開発に向いている

スクリプト言語は、小規模なプログラムの短時間での作成を主な目的として作られた言語です。スクリプト言語のコーディングが簡単な理由として、記述の一部を省略していることがあげられます。

ただし、実行に必要な情報を一部省略しているため、開発者がその部分を詳しく把握する必要があります。コーディングを省略して手軽に実行を繰り返せる反面、実行速度が遅い欠点もあるので、大規模開発よりも小規模開発に向いているでしょう。

大規模な開発には向かない

スクリプト言語は1行ずつ機械語に変換する必要があるので、処理速度が遅いことが欠点です。

中規模以上の開発では処理速度が要求される場面が多いので、スクリプト言語は向いていません。大規模開発では多くの場合、JavaやC#、Go言語などのプログラミング言語が使われます。

どちらが良い・悪いということではないため、適材適所で活用しましょう。

用途が限定される場合がある

スクリプト言語は1行ずつコンパイルする場合が多く、処理速度を求められる環境では対応が難しいことがあります。

また、スクリプト言語はアプリ開発に用いられる本格的な言語と比べて用途・機能が少なく、簡単で覚えやすい構造になっています。1つの言語でできることが少ないため、状況に応じて言語を使い分ける必要があるでしょう。

実行するまで文法のチェックは行われない

スクリプト言語は、コードを実行するまで文法のチェックは行われません。エラーがあるときや実行後に初めて判明します。こまめにプログラムをチェックする習慣をつけないと、エラーに気づかない恐れがあります。

スクリプト言語を使うときは、定期的なチェックを心掛けましょう。

スクリプト言語の習得方法

スクリプト言語を習得する方法としては、スクールに通ったり、独学したりすることがあげられます。体系的に学びたい場合は、スクールの活用がおすすめです。ただし、時間がかかり、費用が高額になるデメリットはあります。

自分のペースで勉強したいときは、書籍やwebの教材を活用しましょう。スクリプト言語は習得しやすく、プログラミングの学び始めに適しているとされます。計画的に勉強すれば、独学でも十分習得できるでしょう。

まとめ

スクリプト言語とは、比較的容易に習得できるプログラミング言語を指します。決められた定義があるわけではなく、抽象的な概念を指す言葉です。

環境構築が容易なことがメリットで、小規模開発に向いています。その反面、用途が限定されていて、実行速度が遅いので、大規模開発に向かないのはデメリットです。

習得するときには、スクールを利用したり、独学で学んだりといった方法があります。初心者でも学びやすいので、これからプログラミングを始めたい方におすすめです。