Rubyフレームワークを7つ紹介!特徴や注意点を押さえよう

Webアプリケーション開発などで需要の高いRubyですが、Rubyプログラマーになるためにはフレームワークの使い方や概念を学ぶことが重要です。

本記事では、フレームワークの意味や市場動向、使用するメリット・デメリットなどを解説しながら、Rubyで使われるフレームワークの特徴を種類別に紹介します。

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Rubyフレームワークとライブラリの違いについて

Rubyフレームワークとは、Rubyを使ってWeb開発が簡単に行えるようにするツールです。

フレームワークとは、WebアプリケーションやWebシステム開発の土台となる「枠組み」を作るソフトウェアで、「Webアプリケーションフレームワーク」とも呼ばれます。システムが機能するための規則的なパターンを、構造化された枠組みの中に当てはめてコーディングを行います。

Web開発では、規模が大きくなるほど機能が増え、プログラミングの量は膨大になります。

フレームワークを活用すれば、WebアプリケーションやWebシステムに実装される基本的な機能をテンプレートに合わせて開発できるのがポイントです。土台から作る必要がなくなるので、作業工数を削減できます。

フレームワークは、どこにどのコードを使うかなど一定のルールに従って作業を行うため、経験の浅い初心者でも比較的簡単にプログラミングが可能になります。

フレームワークとともに使用されるのがライブラリです。この2つは混同されがちですが、どのような違いがあるのか改めて理解しておきましょう。

フレームワークは、システムを開発するために必要なプログラムの土台、または骨組みのことです。

一方、ライブラリは、プログラムに必要なクラスや関数などが集められたデータの中から、多く用いられるコードを複数まとめてファイルにしたものです。特定のプログラムが使えるようになるための部品のようなものであり、単体のプログラムではありません。

つまり、フレームワークは、アプリケーションやシステムを構成するクラスやライブラリが集まったものであり、ライブラリはプログラムでよく使われる要素が集まったものであると言えます。

自動車にたとえると、自動車が走るための仕組みはフレームワークであり、ハンドルやライト、タイヤなどがライブラリに当たります。ライトやタイヤは単体では機能しませんが、ほかの部品とつなげることで自動車が走るのをサポートする、ということです。

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Rubyフレームワークの市場動向

Rubyは日本で開発されたプログラミング言語です。シンプルで使いやすく実用的であることから、Rubyでの開発案件は増加しているとされます。それに伴い、フレームワークのニーズも高まっているようです。

フリーランスのRubyフレームワーク案件

フリーランスHub
の求人案件を見ると、2022年3月22日時点のRuby求人案件数は 5,167件、Rubyで使われる代表的なフレームワーク「Ruby on Rails(ルビー・オン・レイルズ)」を使った案件は 3,501件となっています。

国内外の開発案件とコミュニティ

今度は、実績の側面からも見ていきましょう。Rubyは、これまでも国内外を問わず多くの企業で採用されています。

たとえば、「クックパッド」「食べログ」「Gunosy」「価格.com」「Twitter」などは、RubyとRuby on Railsを使って開発されています。

別のRubyフレームワーク「Sinatra」は、「GitHub」「イギリス政府」「BBC」「LinkedIn」「スタンフォード大学」「Apple」「レッドハット」などで使われているようです。

世界的にも知名度の高い企業やプラットフォームに採用された実績を踏まえると、今後もRubyフレームワークを使ったWeb開発、または機能改善・拡張などでの需要拡大が予想されます。求人案件も安定した増加が見込まれるでしょう。

Rubyの安定した需要の背景には、コミュニティの存在もあると考えられます。Rubyが発表された1995年当時の完成度は高いものではなく、たくさんのバグが発生していました。そのため、多くのエンジニアが知恵を出し合い、効率的・効果的な方法を解決していったのです。

これらの協力関係や、Rubyの在り方などに共感する人々が集まるようになり、コミュニティが形成されます。皆で意見やアイデアを出しながら、Rubyを日々ブラッシュアップしていきました。エンジニア同士でサポートするコミュニティの存在は、Rubyでの開発を促進するものと考えられます。

言語やフレームワークは処理能力や容量、使い勝手などに違いがあり、時代によって流行があります。複数のフレームワークに注目し、常に最新の情報を取り入れるようにしておきましょう。

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Rubyフレームワーク利用のメリットとデメリットについて

Rubyフレームワークは多くのWebアプリケーションやWebシステムの開発に活用されていることが分かりました。しかし、Rubyフレームワークは大きなメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットもあります。

フレームワークの特徴や仕組みを理解するためにも、メリット・デメリットを把握しておきましょう。

メリット

フレームワークを活用するメリットの1つは、効率的な作業を実現できることにあります。

フレームワークは、基本的なシステムを実装できるようにプログラミングの枠組みが決められています。開発にフレームワークを活用すれば膨大な量のコードを記述する必要はなくなり、ゼロから開発するよりも作業効率がアップするのが利点です。

専用のテンプレートや再利用が可能な要素を使うことで、コードを統一しやすくなるのもメリットだと言えます。バグも発生しにくくなるため、多数のプログラマーが分担して作業をする大規模案件に向くでしょう。

セキュリティ上安全なコードを使う仕組みが完成しているのも、フレームワークのメリットです。運用・保守工程でのセキュリティ対策もしやすくなります。

さらに、フレームワークは機能やデザインのカスタマイズも簡単にできます。限られた期間でも創造性の高い高品質なアプリケーションを構築することが可能です。

デメリット

Rubyフレームワークは機能性が高く使い勝手が良い一方で、使えるようになるまである程度の学習時間が必要になることがデメリットと言えるでしょう。

フレームワークは、はじめに使い方や規約を覚えなければならず、習得に時間がかかります。ドキュメントが英語で作成されていること、フレームワークによっては指南書が少ないことなども、学習の妨げとなっているようです。

特に、独学での学習はハードルが高くなるため、初心者の場合はRubyフレームワークの講座があるスクールに通うと良いでしょう。

また、Rubyフレームワークはオープンソースで提供されているものばかりでなく、有料のものもあります。自分自身のスキル、学習にかかる時間・費用を調べ、確認してから取り組みましょう。

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Rubyフレームワーク「Ruby on Rails」の3つの理念とは

Rubyフレームワークは、少ないコードで作業が可能であること、素早く簡単に効果的なアプリケーションを構築できることが魅力です。これまでのエンジニアたちの経験と高い技術力、そしてコミュニティでの意見や問題解決などが凝縮された結果だと言えるでしょう。

正しく実践するには、Rubyフレームワークの意義や仕組みを理解しておくことが大切です。それにより、その後の機能拡張、改善をはじめ、保守・運用にも役立ちます。

Rubyの代表的なフレームワークと言えばRuby on Railsです。Rubyが多くのエンジニアに支持されているのは、このフレームワークの使いやすさがあったからだとも言われています。

「Ruby on Rails」は、Rubyプログラム言語に魅了されたデンマーク人のDavid Heinemeier Hansson氏によって開発されたWebアプリケーションフレームワークです。

「Ruby on Rails」には明確な理念があり、それに従ってこれまで言語とフレームワークがともに発展してきました。その理念とはどのようなものか見ていきましょう。

DRY・同じことを繰り返さない

1つは「Don't Repeat Yourself(DRY)」で、同じようなコードや似たようなコードを繰り返すのは効率的ではないという考えを示すものです。つまり、システムを構成するあらゆる要素は同じではなく、それぞれが明確な形を持って表現されていることを目指しています。

コードの繰り返しを避けることで、1つのデータを保守します。機能の修正や拡張を行うとき、そのデータを修正・変更しても、同じデータが含まれているほかのシステムは影響を受けにくくなります。これにより、バグ(不具合)の発生を抑えることが可能です。

CoC・本人の意思より規約を優先

もう1つは「Convention Over Configuration(CoC)」で、プログラマー本人のやり方よりも、規約に決められたルールに則して行うべきであるという考えを示すものです。

Rubyフレームワークは、よく使う基本的な処理はすでに実装されており、それをルール(規約)として設定しています。はじめから定義された処理が最適化されているため、初心者でもスムーズに実行できるようになっています。

やり方を制限され使いにくいと感じる人もいますが、フレームワークの目的は基本的な処理に手間をかけないことです。時間が短縮される分、カスタマイズできる機能やデザインに力をいれることができます。

そのようにして、これまでも品質の高いアプリケーションが多く開発されてきました。

オブジェクト指向プログラミング

オブジェクト指向とは、ある役割を持ったデータ処理の集まりを「モノ」としてクラスごとに分類し、それらの関係性を定義することでシステムを構築していく概念です。

データ処理などは目に見えるものではありませんが、これらを「モノ」として捉えながら操作・組み立てを行うことで、プログラミング全体の構造が把握しやすくなります。フレームワークは、これらのオブジェクトで構成されています。

Rubyのプログラマーを目指す人は、フレームワークの学習に取り組む前にRuby on Railsの理念をしっかりと把握しておきましょう。

なお、このRuby on Railsフレームワークは、プログラムの処理を「Model」「View」「Controller」の3つに分割したMVCモデルで構成されています。

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「Ruby on Rails」以外のRubyフレームワーク

Rubyフレームワークは「Ruby on Rails」のほかにもあるので、いくつか紹介しましょう。

Sinatra(シナトラ)

Sinatraは、オープンソースのWebアプリケーションフレームワークで、Rubyフレームワークの中では最も少ないコード記述でアプリケーションの開発を実現します。MVCモデルではないため、柔軟なプログラミングが可能です。

シンプルなアプリケーションを開発するのに向いており、低コストで手軽に学べるので、スクールや新人エンジニアの研修に教材として多く使われています。

多彩な機能が備わった「Ruby on Rails」はハードルが高いですが、Sinatraは単純なフレームワークであるため分かりやすく、楽しみながらWebアプリケーションの仕組みを学ぶことができます。

これからRubyプログラミング言語やフレームワークを学習する人は、チャレンジしてみましょう。

Ramaze(ラマゼ)

Ramazeも、Sinatraと同じように自由度が高くシンプルなアプリケーション開発に適したフレームワークです。Ramazeは、2つの法則・概念を取り入れて開発されています。

その1つがKISSの原則「Keep it simple stupid」(シンプルにしておけ)というもので、複雑なコードを記述せずにアプリケーション開発ができるのが特徴です。また、Rubyの特徴を損なわずにそのまま表現できるように作成されています。

もう1つが「Principle of least astonishment」(驚き、最小の法則)です。2つの要素がどちらも不明瞭だった場合、「リスク(驚き)が少ない」ほうを選ぶべきという考え方を取り入れています。ただし、Ruby開発者のまつもと氏の設計哲学とは解釈が異なります。

HANAMI

HANAMIは、2017年4月に誕生したMVCモデルのWebアプリケーションフレームワークです。

ほかのフレームワークと比較してコードを短く記述できるのがHANAMIの特徴で、素早いWebアプリケーションの開発を実現します。軽量ながらモジュールやライブラリも豊富に揃っているので、プログラミングしやすくなっています。

また、HANAMIは「スレッドセーフ」という機能を搭載しています。

スレッドセーフとは、複数のスレッド(CPU利用の単位)が同時に実行されても問題が発生しないようにする機能です。多くのユーザーから集中的にアクセスがあったときのサーバーダウンを防いでくれます。

cuba microframework

cuba microframeworkは「Ceci n’est pas un framework」(キューバはフレームワークではない)と掲げています。実際にはフレームワークなのですが、機能を最小化してあるためマイクロフレームワークという位置づけになっています。

開発者がミニマリストで「小さい」「軽量」「高速」を信念としており、シンプルな構造で軽量、実行速度も速いのが特徴です。

Padrino

Padrinoは、Sinatraのフレームワークとライブラリに、Ruby on Railsの機能を加えたもので、Sinatraと同様に軽量なコード記述を実現しながら、Ruby on Railsの性能も実装されているのが特徴です。

追加された機能は、「メールを配信するための基本テンプレート」「言語を国ごとに対応させる国際化機能」「Ruby on Railsを模したMVC機能」「各種コード機能テストツール」などがあります。

Ruby on Railsの次の選択肢としてよく挙げられているフレームワークで、軽量を重視したアプリケーション開発に向いています。

Camping

Campingは2010年に発表されたマイクロフレームワークで、4KBという軽量さが特徴です。MVCモデルを搭載しており、Ruby on Railsへの移行も容易にできるフレームワークとして知られています。

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Ruby フレームワークを選ぶ際の注意点

Rubyフレームワークを見ていきましたが、種類や特徴、難易度もさまざまあるため、どれを選ぶか悩みがちです。Rubyフレームワークを選ぶにはいくつかコツがあるので、次のポイントを押さえて慎重に検討しましょう。

レベルで選ぶ

フレームワークは、難易度が高いものから低いものまでバリエーションが豊富です。自分に合ったレベルのフレームワークを選びましょう。

Ruby on Railsは有名で需要が高く、Rubyプログラマーを目指す上で身につけたいフレームワークの1つですが、難易度は高く学習にも時間がかかります。

難しいものから入ってしまうと、モチベーションが維持できずに諦めてしまう可能性もあるため、SinatraやPadrinoなど比較的習得しやすいフレームワークから選んでいきましょう。

教育コストで選ぶ

Rubyフレームワークは、フレームワークごとに学習が必要です。学習にかかる時間やコスト、また学習のしやすさなどもフレームワーク選びの重要なポイントとなります。

実行速度で選ぶ

それぞれのフレームワークは実行速度の速さも異なります。実行速度が速いものはシンプルで軽量、反対に遅いものは機能性が高くなります。

選ぶ目安は重視するものによって異なります。セキュリティのため保守性を重視するなら軽量なフレームワーク、開発スピードを上げるなら機能性が高いフレームワークなどです。軽量なフレームワークであればcuba、HANAMIなどが挙げられます。

フレームワークは、言語選びもポイントになってきます。Rubyそのものが高速な言語ではないため、Ruby on Railsでは多くの処理が必要になりますが、年々性能は向上しています。

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まとめ

Rubyフレームワークにはさまざまな種類があることが分かりました。Rubyフレームワークを使いこなせることで、初心者でもプログラミングは可能になります。

一方で、フレームワークに当てはめるだけになってしまうと、その理念や仕組みを形成する概念などを見落としがちです。システムがどのような構造で、どのような仕組みになっているかを把握することで、バグの発生、運用・保守などにも対応できます。

Rubyを学びたい人はもちろん、Rubyプログラマーを目指す人は、フレームワークについてしっかりと学習しましょう。

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