PHPはフリーランスに最適　初心者でも未経験でも始められる！

PHPは、多くのWebページやWebアプリケーションに用いられており、人気のある言語の1つと言われています。初心者でも学びやすく、市場でも需要のある言語であることから、現在会社員としてPHPエンジニアをしているがフリーランスになりたいと考えている人、また、これから学習してフリーランスを目指したい人にもおすすめの言語となっています。

とはいっても、PHPエンジニアはフリーランスとしてやっていけるのか、どのような案件がどのくらいあるのか、そして何よりフリーランスで生活していけるのかといった不安を感じている人も多いでしょう。

この記事では、まずPHPとはどのような言語かを理解し、フリーランスでの案件内容、年収、PHP案件で報酬を得るためのスキルなどを具体的に説明します。また、未経験でも始められるのか、フリーランスにはどんなことが期待できるのかなど、一般的に考えられる疑問についても明らかにしていきます。

PHPとは

それではまずPHPがどのような言語であるのか、作られた背景や特徴についておさらいしておきましょう。PHPによって、これまで多くのWebサイトやWebサービスが開発されています。PHPは様々な機能を持っており、高い汎用性と需要を持っています。

概要

PHPは、「Personal Home Page Tools」(PHP Tools)という意味であり、Webページを生成することができるオープンソースのスクリプト言語の1つです。1995年に、カナダのラスマス・ラードフ氏によって公開されました。

その後新しくバージョンが展開されていき、PHP3、PHP4、PHP5、PHP6、PHP7、そして2021年3月時点の最新バージョンは、PHP8.0.3となっています。

PHPはC言語に近く、ほかの言語と比較しても、シンプルで学びやすい言語となっています。それだけではなく、C言語やJavaを学んでからPHPを学ぶ、またはPHPからC言語やJavaを学ぶといったケースもあり、効率的に学習できるのが特徴です。

PHPを使用している代表的なシステムには、WordPressがあります。現在、世界のWebサイトの約4割がWordPressを使っていると言われており、広く使われていることが分かります。

特徴

PHPは、Webサイト、Webページの開発用に作られたもので、HTMLファイルに埋め込む形で構成されています。HTMLが静的なページを、PHPが動的な表示を担います。

静的なページとは、誰がいつ見ても同じように表示される部分やページを指し、動的とは、アクセスしたタイミングや状況で表示される内容が変わるページです。

例えば、FacebookやYahoo!、ウィキペディアなどもPHPで開発されています。ユーザー側から、書き込みやリクエストなどを受け取ると、サーバーに組み込まれたPHPによって高速で処理され、動的にHTML生成が行われます。そののち、更新された情報がWeb上に表示できるようにする仕組みになっています。

基本的に、Webアプリケーションの開発に関する実装はほとんどできるため、PHPを覚えることで、Webサイトや様々なサービスを作ることが可能になります。

案件数

PHPの案件数は、求人サイトやエージェントサービスの規模、取り扱いなどによって異なり、また日によって変動します。フリーランスのエージェントサイトから、2021年3月13日現在の案件数を見ていきます。

フリーランスHubでPHP関連の案件を見てみると、案件の総数は9,287件になります。単価は、システムエンジニアの応募で月50～75万円、中には80万円というものもあります。

これらは大規模な案件での金額ですが、小規模から様々な案件があり、また公開されていない案件なども含めると、需要は高く仕事は常にある状態だと言えます。

PHPフリーランスエンジニアの仕事内容

案件数とともに、どのような仕事内容があるのか把握しておきましょう。PHPは、WebサイトやWebサービスに特化した言語です。そのため、仕事は主に「Web開発」「WordPress開発」の2つがあげられます。

またPHPは古い言語であるため、既存の「システムの改修・機能追加」などの依頼もあります。

規模は、WordPressであれば個人のブログ、中小企業、大企業のWebサイトまで様々です。個人や小規模の場合は、エンジニアがクライアントの要望を聞き、それに合わせて適切な設計・構築を行います。

中規模から大規模なWebサイト、ECサイト、予約サイトなどのWebアプリケーションになると、Webデザイナーやプロダクトマネージャーなど様々な役割を持った人たちとチームを組んで行います。

要件の落とし込み、設計、構築、テストに至るまで、チームで調整を繰り返しながら開発していきます。

個人ブログや小規模な案件であれば、在宅での仕事も可能ですが、大規模なプロジェクトに参画する場合は、会社員と同様職場で働くことがほとんどで、その分単価も高くなります。

また、フレームワークを扱えるようになると、求人や案件の幅が広がります。フレームワークとは、Webアプリケーションの骨組みを作る作業で、構築の作業を効率的にするものです。初心者が学ぶのであれば、[Laravel（ララベル）](Laravel - The PHP Framework For Web Artisans)というフレームワークがおすすめです。

「Laravel」は、データ取得処理やログイン認証処理など充実した機能を揃えており、綺麗なコードを書きやすいという特徴からも人気があります。

PHPフリーランスエンジニアの平均年収

それでは、PHPフリーランスエンジニアはどのくらい稼げるのか見ていきましょう。

2021年5月時点でのレバテックフリーランスでは、単価相場を比較したものが公開されています。それによると、PHP案件の平均単価は71万円、最高単価は145万円となっています。平均の月71万円を、税金や控除を考えずに12か月で計算した場合、年収は852万円になります。

ちなみにJavaは平均単価が69万円、最高単価145万円、JavaScriptの平均単価が72万円、最高単価が135万円、C言語の平均単価は67万円、最高単価は115万円です。

もう少し具体的に年収を見ていきましょう。独立行政法人情報処理推進機構のIT人材白書2016では、フリーランスエンジニアの年収について、年代別に割合を示したものがあります。

年収	30代以下	40代	50代
300万円未満	35.3%	32.6%	31.2%
300～500万円	27.9%	31.8%	29.8%
500～700万円	19.1%	15.5%	19.7%
700～1000万円	8.8%	14.0%	17.0%
1,000万円以上	8.8%	6.2%	2.3%

エンジニアは、実務経験や実績などによって評価されるため、単価が変化します。これを見ると、実際のエンジニアの収入は、300～500万円というところでしょうか。

どの年代でも、年収が高くなるにつれ割合は減少していきますが、「1,000万円以上」の割合は、30代以下が最も多くなっています。フリーランスエンジニアの場合、報酬の高さは年代による差ではないことが分かります。

未経験からの習得難易度

たくさん存在するスクリプト言語の中でも、PHPは未経験者でも学習でき、身につけやすいのでおすすめの言語です。

20年以上使用されていることから分かるように、安定性があり、ほかの言語に比べて、コード記述に関する厳密な決まり事が少ないため、環境設定がシンプルになっています。またHTMLと組み合わせることで汎用性が高くなり、実際に手を動かしながら様々な設定を学ぶことができます。

複雑なプログラミング言語を先に学ぼうとすると挫折しがちですが、PHPは難易度が低いため未経験から始めるのに最適な言語と言えます。

世界的な支持を受けているWordPressを始め、実際に多くのWebアプリケーションで使われていることから、需要も安定しています。これから学習したいという人はもちろん、現在PHPエンジニアをしていて、フリーランスへの移行を検討している人も、様々な事例が揃っており実績を積みやすい言語です。

PHPフリーランスエンジニアに必要なスキル

それでは、フリーランスエンジニアとして活躍するために、具体的にどのようなスキルを身につけていくとよいのでしょうか。

PHPのスキル

当然のことですが、まずはPHPの基本的な記述ルールを学ぶ必要があります。文法、関数、if／while文など、始めは複雑に感じるかもしれませんが、実際にコーディングを行いながら、教材やドキュメントを読み解いていくことで、簡単に扱えるようになります。

公開ライブラリやフレームワークを使うスキル

Webアプリケーションの開発において、ただコーディングを行っていると型どおりになってしまい時間ばかりかかってしまいますが、それをサポートしてくれるのが「公開ライブラリ」や「フレームワーク」です。

アプリケーション開発に便利なツールなので、活用できるスキルを身につけましょう。

先ほどフレームワークには「Laravel（ララベル）」をおすすめしましたが、ほかにもVue.js（ヴュージェイエス）など新しいものがあります。公開ライブラリやフレームワークにもたくさんの種類があるので、いろいろ触りながらWebアプリケーションを作ってみましょう。

HTML、CSS、JavaScriptなどのフロントスキル

PHPによるWebアプリケーションの開発では、HTML、CSS、JavaScriptなどのフロント技術を使いこなせると案件獲得の幅が広がります。

フロントとは、ソフトウェア設計において、ユーザーと直接データのやり取りするシステムのことで、ブラウザ上のユーザーから情報を収集し、サーバー処理を行うPHPに指示を送ることで、データ処理や保存を行います。

通常、HTMLやJavaScriptなどはフロントエンド（ユーザー側）、PHPはバックエンド（サーバー側）と呼ばれています。

これらは常に関連しており、アプリケーションを作るときは、両方の開発を同時に行うことがほとんどです。そのため、どちらか一方ではなく、どちらの側の技術にも精通していることが求められます。

WordPressのスキル

WordPressは、PHPで作られています。PHPエンジニアの仕事は、WordPressを使ったWebサイト開発から、テーマの修正、機能実装・追加などがあり、案件の規模は大きなものから小さなものまで様々あります。

WordPressを熟知することで、低コストで効率的な作業ができるため、たくさん案件を獲得することで収入につなげていくことができます。実際に、WordPress案件を専門に扱っているエンジニアもいるほどです。

未経験からフリーランスになることは可能か

多くのスキルが求められるPHPエンジニアですが、未経験からフリーランスになることは可能でしょうか。

結論から言うと、未経験からでも可能です。PHPは、多くのエンジニアに使われてきたことから、書籍やWeb上などで、教材やノウハウが豊富に揃っているので、これから学習するという人でも、PHPを身につけ実践を重ねることで、フリーランスとして活躍するチャンスがあると言えるでしょう。

必要な実務経験

案件の中には、既存のWebサイトやWebサービスの「問い合わせフォーム」「予約システム」「検索機能」の作成、「ログイン機能」など追加で行われる機能の開発などがあります。

まずは副業として始めるのもよいでしょう。エンジニアに求められるのは、経験と実績なので、まずはこれらの小さな案件から始め、コツコツと実績を重ねていきましょう。

Webサイトの改修、Webサイトの作成など、ステップを踏んでいくことで、レベルの高い案件にも参画できるスキルが身についていきます。さらに長期的な見方をすれば、要件の定義、チームを率いるマネジメントスキルなどを身につけていくことで、エンジニアとしての需要はさらに高まります。

PHPエンジニア、フリーランスになったらいいことばかり？

現在企業のPHPエンジニア、またはこれからPHPを学ぶ、実践していく人で、フリーランスを目指すなら、まずはキャリアプランをしっかりと考えましょう。

同じ職業でも、フリーランスは会社員と異なり、それぞれ向き、不向きがあります。

会社では、企業側から仕事が与えられるため、企業の方針にそって行われ選ぶことはできませんが、収入は安定しており、失敗しても先輩や上司、チームなどがサポートしてくれたり、問題を解決してくれたりというメリットを享受できます。

一方でフリーランスは、案件や職場を選ぶ自由がありますが、案件の獲得から契約、見積もりなどすべて個人で行わなければならず、基本的にサポートはありません。すべて自分で責任を持ってやるという意気込みと、忍耐力が必要です。

またプログラミングのほかにも、デザインやマネジメントなど、仕事に必要な技術力を身につけ、仕事を取れる環境も揃えておく必要があります。何も考えずにフリーランスになるのではなく、実際に下調べや知識を身につけ、準備をして独立しましょう。

仕事上のテクニカルなトラブルはもちろん、契約上のトラブルなどが起こってしまうと、訴訟問題にもなりかねません。

新しい知識・スキル、市場動向や最新情報などの獲得、顧客開拓のための営業活動なども必要です。また、フリーランスは収入が安定しておらず、収入がない期間もあります。

フリーランスは「好きな仕事を選んで生活することをやって生活する」働き方ですから、仕事が楽しいと感じるポジティブさは大切ですが、どうしても悩みや不安が出てくるときがあります。そのようなときでも、その気持ちを受け入れて前向きに努力していくことが大切です。

自由にできるということは、それだけ自分自身に責任を持たなければいけません。そこをしっかりと踏まえた上で、フリーランスを目指していきましょう。

PHPフリーランスエンジニアの案件の探し方

PHPフリーランスエンジニアとして、案件を探す方法には次のようなものがあります。

1.知人から紹介してもらう
2.SNS等で探す
3.クラウドソーシングサービスを利用する
4.フリーランスエージェントを利用する
5.プログラミングスクールで紹介してもらう
6.ポートフォリオを作成する

知人の紹介やSNSの活用では、フリーランスになる前、その後も、積極的に勉強会やワークショップに参加してネットワークを広げておきましょう。現在勤めている企業との関係も良好であれば、仕事をもらえる可能性もあります。

ただし、これらの方法は受け身でいつも仕事がもらえるとは限りません。クラウドソーシング、クラウドエージェントサービスを利用して、積極的に応募・アピールしていきましょう。

クラウドソーシングサービスは、在宅でできる少額案件から、大きなプロジェクト参画への応募まで幅広く揃えていますが、営業活動は自分自身で行います。

一方フリーランスエージェントは、自分のスキルや条件に合わせてエージェントが営業活動や交渉を行い、契約のサポートなどもしてもらえます。エージェントは常勤タイプの仕事が大半ですが、高額案件が多数揃っています。個人では難しい大手との取引を紹介してもらうチャンスもあります。

もし、未経験で案件を獲得する場合は、プログラミングスクールで案件を紹介してもらう方法があります。独学の場合は、実績を証明するために作品をいくつか用意してポートフォリオを作成しましょう。ポートフォリオは、紹介でも営業活動でも、自分のスキルを見てもらうために必ず用意しておきましょう。

PHPフリーランスエンジニアが高単価を獲得するには

PHPエンジニアに限らず、フリーランスでやっていくためには、スキルアップや経験が必要になります。特に高単価の案件を獲得するためには、これらのスキルを磨いておきましょう。

上流工程、プログラマー経験

PHPエンジニアとして一通りこなせるようになることが大切です。特に要件の定義、設計などの上流工程に携わった経験がある、プログラマーとしての経験があると高単価の案件を獲得しやすくなります。

また、プロジェクトマネージャーなどチームを統括するスキルがあると、技術者としてよりもはるかに単価が高くなるだけでなく、長期的に安定した収入を得られる案件を獲得することにもつながります。

小規模から大規模までの開発経験

Webサービスやサイトの開発では、幅広いジャンルや規模の異なる開発経験を持っていると、活躍の場が広がります。また内容も、新規開発、リプレースなどがあり、それぞれの要件に柔軟に対応できることで、多くの案件をこなすことが可能になり、単価アップにつながる可能性があります。

システムやアプリケーション開発の経験

大規模なWebサイトを手がけると、システムやアプリケーションの連携なども工程へ組み込まれることが考えられます。このとき、PHPだけでなく、システムやアプリケーションを始め、クラウドサーバーなどインフラ領域、フレームワークなど、新しい領域の知識も深めていくと、貴重な人材として高額案件を取得しやすくなります。

PHPでフリーランスになったら。需要と将来性は？

PHPは、歴史が長く安定している言語であることから、PHPを習得しているエンジニアは多く、それだけに教材などが豊富に揃っているため、これから学習する人も習得しやすいのが特徴の1つです。

そのような現状を受け、クライアント側もPHPを採用するところが増えているため、結果として案件数も多くなっています。

特にWordPress関連の案件は膨大で、規模も様々です。WordPressは世界中で使用されているため、今後海外で展開したいと考えている人にも可能性があります。

また、PHPは汎用性が高く、モダンな環境やシステムにも対応します。新しい技術に興味のある企業も多いことから、今後、こうした領域での需要も増えると見込まれています。

一方でPHPは、シンプルで誰でも比較的簡単に記述できることを目的に作られているため、言語仕様が緩くメンテナンスに問題が発生しやすくなります。つまり、コード内容にバラツキが出てしまうため、Webサービスの品質に関わります。

今日では、将来を見据えてPHPをモダンなRudyにリプレースするという案件も出てきています。今後の普及や動向の変化は様子を見る必要がありますが、対応できるようにほかの言語も習得しておくと、案件獲得が容易になるでしょう。

まとめ

PHPは、未経験でも学びやすく、フリーランスを検討している人に最適と言えます。

また、その幅広い需要と新しいシステムにも対応できる柔軟性によって、エンジニアも様々な言語やシステムを学び、経験する場が増えていくと見込まれます。そうした将来性を考えると、現在PHPエンジニアで、フリーランスを目指そうかどうか悩んでいる人にもおすすめです。

まずは副業で市場における自分の能力を試しながら実績を積み、将来的にどんなフリーランスになりたいのか、どのような案件を担当したいのかなど、しっかりと見極めていきましょう。

＜WordPress＞は＜ワードプレス　ファウンデーション＞の登録商標です。
＜Facebook＞は＜フェイスブック・インコーポレイテッド＞の登録商標です。
＜Yahoo!＞は＜オース　インコーポレイテッド＞の登録商標です。