ネットワークエンジニアに役立つ資格|仕事内容や必要スキルも

最終更新日:2024年10月02日

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアは、ネットワーク環境の設計・構築・運用・保守を行うITインフラの中核を担う仕事である
  • ネットワークエンジニアは、専門知識やスキルに加え、コミュニケーション能力や情報リテラシーの高さも求められる
  • ネットワークエンジニアは未経験者でもチャレンジしやすく、将来性も高い職種である

ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計・構築から運用・保守に至るまで、さまざまな業務に関わる仕事です。求められる知識やスキルの範囲も広く、土日や夜間に対応する場合もあるなど体力的にきつい職場が存在することでも知られています。
本記事では、ネットワークエンジニアの業務の特徴ややりがい、取得におすすめの資格や求められる知識とスキルについてもまとめました。

ネットワークエンジニアの仕事はネットワーク構築から運用、検証、トラブル対応まで範囲が多岐にわたり、将来性も高いと言われています。

では、ネットワークエンジニアとは具体的にどのような仕事をし、どういったやりがいがあるのでしょうか?ネットワークエンジニアを目指すにあたって習得しておきたいスキル、資格などとともに説明していきます。

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ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアとは、データのやり取りを行うネットワーク環境の設計・構築・運用・保守を担う技術者です。

データのやり取りを快適で安全な通信のもとできるのは、ネットワークエンジニアが構築・監視を行っているからであり、企業の業務フローや戦略にも影響を与える重要な役割を担っています。

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ネットワークエンジニアにおすすめの資格7選

ネットワークエンジニアとして働くのに必須の資格はありませんが、持っていると知識やスキルなど自分の専門性を証明する手段になります。どのような資格があるかみていきましょう。

ITパスポート試験

ITパスポート試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が認定する国家資格で、ITを活用するすべての社会人・学生が備えておくべき基本的な知識を証明する資格です。

ネットワークやセキュリティなどのIT関連の知識だけではなく、マーケティングやマネジメント戦略、財務、法務など総合的な知識が問われます。専門的ではなく一般知識としての資格ですが、業種を問わず評価する企業も多いので、取得してみるとよいでしょう。

基本情報技術者試験

同じくIPAが実施している基本情報技術者試験は、各種エンジニア向けの資格です。情報処理技術の基本的な知識・スキルを幅広く総合的に評価するもので、情報処理技術者試験の区分の一つとされています。

資格を取得することで、各種エンジニアは指導者の指示のもと、システムの設計やソフトウェアの開発、予測・分析・評価ができるレベルであることを証明可能です。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、高度IT人材となるために必要な応用知識とスキルを評価する資格です。

情報技術を活用した戦略立案、システムの設計や開発、汎用製品の組み合わせなどの知識とスキルを持ち合わせ、システムを構築できる能力を証明します。

情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティに関する知識と技術を持っていることを証明する国家資格とされています。サイバーセキュリティのマネジメントや、情報システムの企画・開発・運用のなかでのセキュリティ管理、リスク対応などを担当する際に取っておきたい資格です。

情報処理安全確保支援士の資格を保有することで、セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントなどへキャリアパスを広げられます。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークエンジニアとしてネットワークシステムを企画・要件定義・設計・構築・運用・保守まですべて行うことができ、チームの指導者になり得るスキルを持っていることを証明する資格です。

基本情報技術者試験や応用情報技術者試験よりレベルが高く、合格率が10%前後となっており、試験の難度は高いとされています。

CCNA/CCNP

ネットワーク関連機器メーカー・シスコシステムズ社が実施しているシスコ認定試験は、民間資格ですが、世界共通の資格であり、多くの企業で評価されています。

CCNAはシスコシステムズのルーターやスイッチを扱う技術、ネットワーク構築や運用・保守のスキル。CCNPはCCNAの上位資格にあたり、大規模システムの設計・構築・運用・保守までのスキルを証明します。

CompTIA認定資格試験

CompTIA(コンプティア)は、国際的なIT業界団体。CompTIAがIT業界の専門家と共に、IT業界の実践力と応用力を評価するために作ったものがCompTIA認定資格試験です。

CompTIA認定資格に合格し、資格を保有することで、IT業界の基本的な知識と技術を持っていることが証明されます。それによって、現場での作業が可能と判断してもらいやすくなるでしょう。

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資格を取得することのメリット

ネットワークエンジニアになるために、資格を取ることは必須ではありません。
しかし、ネットワークエンジニアに関連する資格を取得するメリットは数多いです。
ここからは、資格を保有することで得られるメリットをご紹介します。

取得段階でスキルが身につく

資格を取得する際には、普段現場で必要になる技術や知識だけでなく、幅広いスキルを身につけることが必要です。同じ現場で働いていると知識や技術に偏りが出たり、業務に必要な箇所しか身についていなかったりします。そうなると、他の場所で仕事をすることになった際には通用しないことがあるでしょう。

資格を取るために勉強をすることによって、広範囲で基本的なスキルが身につきます。

収入アップにつながる可能性がある

働く時間や内容は変わらなくても、資格を保有していることで収入アップにつながる可能性があります。ある特定の資格を保有していると、資格手当を支給している会社が多くあるためです。

資格の保有でモチベーションが高いことを周りにアピールでき、仕事に対する姿勢やスキルアップの努力が昇格・昇給に影響することも考えられます。
また、社内の評価制度に、資格の有無が関係していることも多いです。

対外的なスキル証明になり転職や独立の際に有利に働く

ネットワークエンジニアとして転職や独立をする場合、これまでの経験や経歴だけでなく、資格の有無を見られることが多い傾向にあります。特に転職の際には経験年数やスキルだけでなく、ある特定の資格を持っていることが条件であることも少なくないでしょう。
資格を持っていることで選択の幅が広がり、転職の際に有利に働くということです。

また、転職活動において経験年数やスキルが同じような条件だった場合、資格を保有しているほうが有利になる可能性が高いでしょう。独立をした場合には、資格を保有していることで顧客に信頼感を与えられ、仕事を受注しやすくなります。
保有する資格の難易度が高ければ高いほど、顧客や会社からの信頼も得やすいでしょう。

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ネットワークエンジニアに求められる知識とスキル

ネットワークエンジニアは、多くの知識と実践的なスキルが求められます。専門的な知識に留まらず、ビジネスにおいて必要とされるスキルも必要です。

ネットワークの知識

ネットワークの種類には、ケーブルでつなぐ有線LAN(ローカルエリアネットワーク)と電波でつなぐ無線WAN(ワイドエリアネットワーク)などがあります。電話回線や専用回線、IP-VPNといった接続方法などの専門用語も多くあり、それらを理解したうえで、ケーブル接続や設定など構築をしなければなりません。

ネットワーク機器の知識

ネットワーク機器はルーター、スイッチ、ブリッジなどアプリケーションのデータをコンピューターに転送するために対応する機種があり、設計には豊富な知識が必要です。また設定、VLAN、IP、DMZの設定など、知識だけでなく実際に作業するスキルが求められます。

セキュリティへの知識

ネットワークのトラブルは、企業の損害にも関わります。セキュリティではファイアウォールやIDS、IPSなどへの知識が求められ、不正アクセスや情報漏えいを防止しなければなりません。

トラブルが起きないよう、または何が起こってもすぐに対応できる知識と能力が求められます。

論理的思考能力

ネットワーク構築は、ケーブルや回線に合わせたOA機器、企業の業務ツール、部門間の連携、将来的な展望を踏まえた機能の導入や拡張性、トラブルの予測など、あらゆる観点を想定して設計されます。規模が大きくなるほど盛り込むべき要件が増え、複雑になっていきますが、ネットワークエンジニアは要件に過不足がないかなど論理的な考えで整理しなければなりません。

またトラブルが発生したときも、原因を突き止め冷静に対応する必要が。論理的思考はものごとの仕組みを組み立て、正しい方向に導くために必要なスキルと言えます。

コミュニケーション能力

ネットワークエンジニアは、クライアント、チーム、サーバーサイドエンジニア、マネージャー、ネットワークを利用する社員たちなど、人との交渉が多い仕事です。そのため、コミュニケーションスキルは欠かせません。

特にクライアントやネットワーク利用者は、専門知識を持ち合わせていないことが多いです。どの相手でも、きちんと対応できるコミュニケーション能力が求められます。

設計段階での要望、運用中のトラブルなど、状況を正しく理解するヒアリング能力、要望や課題解決を分かりやすく明快に提案する・伝える能力を身につけていきましょう。

情報リテラシーの高さ

ネットワークやIT技術は常に進化を続け市場のトレンドも変化するため、新しい情報をキャッチできる能力も求められます。

特に近年ではクラウドコンピューティングが発展していることにより、仮想サーバーや仮想ネットワークの構築に関する知識やスキルが必須になるでしょう。また、サイバー攻撃も常に巧妙化し、変化しているため、セキュリティ対策に対応できるように最新の知識が必要になります。

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ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアの仕事内容を把握するために、行うべき作業の一連の流れをみていきましょう。大きく分けると「設計」「構築」「運用・保守」に分類されます。

設計

まず、ネットワークシステムの設計を行います。設計では、クライアントにヒアリングを行い、必要となるOA機器や業務ツール、セキュリティなどの要望を聞き取り、どのようなネットワーク環境にするか話し合います。

その定義された内容にもとづき、ネットワークの構成、機器の種類や数、開発にあたる社員の数なども予測しながら、回線など詳細な設計を作成。ネットワークの設計とともに、コストや構築スケジュールなどもこの段階で検討し、設計書を作成します。

要件設定やネットワークの設計は、適切な環境づくりの骨組みであり、上流工程となるためネットワークや機器に関する幅広い知識、技術、経験を持った上級のエンジニアが担当する工程です。

構築

設計書をもとに、実際に機器を設置、ケーブルに接続し、ネットワーク環境を構築していきます。それが終わると、設計書通りに動くか、エラーなどが起きないかなど、テスト検証や確認、調整を行ったうえで運用を開始。多くの拠点を持つ企業をはじめ、ネットワーク構築の規模が大きくなると、構築作業は数ヶ月以上かかることもあります。

運用・保守

ネットワークを構築したら、その後の運用・監視・保守まで行います。具体的には、ネットワークやサーバーが正常に機能しているかをチェックし、必要に応じて機器の構成や設定の変更、拡張など運用のサポートを実施。監視ツールを使って故障やトラブルの検知を行います。

もしトラブルを発見したら、原因をできるだけ早く突き止めて解決しなければなりません。
ネットワークの運用・監視は、未経験でもチャレンジしやすい工程で、実際にエンジニア初心者が受け持つことの多い業務です。対応や作業がマニュアル化されていることも多く、この工程で実践しながら知識とスキルを磨いていきます。

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ネットワークエンジニアの仕事の特徴

多くのITインフラは24時間365日稼働していて当たり前のため、一般的にネットワークエンジニアは数人でシフトを組み、監視・運用・保守を行っています。メンテナンスなどの作業は、システムの稼働に影響が出ないよう、仕事をしていない夜間や土日などに行うことがあるため、作業時間が不規則になりがちです。

故障やトラブルなどが発生したときは、深夜でも駆けつけて対応します。このようなときは、長時間システムを停止させておくわけにはいかないため、徹夜をしてでも復旧作業をしなければなりません。業務が停滞すれば、企業全体の業務効率化や生産性に影響を与える可能性があるからです。

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ネットワークエンジニアのやりがい

ネットワークエンジニアの責任は重大になりますが、自分たちが作り出すネットワークの安定した稼働が企業の根幹ともなる部分を支えているという充実感があります。実際、現場でのネットワークエンジニアに対する信頼性は高く、トラブルが発生したときにネットワークエンジニアは必要不可欠な存在です。

企業、人に必要とされる仕事で役に立っているという実感は、大きなやりがいに値するのではないでしょうか。

また、ネットワークエンジニアはチームでの作業が多くなります。助け合う仲間がいて、構築したネットワークが稼働したときの達成感を共有できるのも、やりがいにつながると言えるでしょう。

さらに、ネットワークエンジニアの仕事は幅広い知識やスキルが必要なため、取得できる資格も多く揃っています。実績と資格を持つことによって、キャリアアップ、キャリアパス、収入アップにつながる可能性があることも大きなメリットです。

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ネットワークエンジニアに向いている人の特徴

知識やスキルに加えて、ネットワークエンジニアに向いている人の特徴をあげてみましょう。

ネットワーク機器に興味がある

ネットワークエンジニアは、ケーブルやルーター、スイッチなどの機器を実際に設定したりつないだりする作業を行うため、機器に対して興味が湧く人、実機を触るのが好きだという人はネットワークエンジニアに向いていると言えます。配線設計通りに並べられる、美しく配列できるなどのスキルを持つことも大切です。

新しい技術を吸収する意欲がある

ネットワークやIT業界は常に進化しているため、ネットワークエンジニアは習得した知識やスキルを活用できる情報リテラシーの高さも必要です。学ぶことが好きな人、新しい情報を積極的に収集する意欲もネットワークエンジニアに求められます。

忍耐力と遂行力がある

ネットワーク構築の作業はもちろんのこと、故障、トラブルなど、ネットワークエンジニアの仕事はスムーズに進行しないことがあります。トラブル発生時に早急な対応が必要な場合でも焦らず、冷静に対応し、忍耐強く作業を遂行できることが大切です。

体力に自信がある人・深夜作業ができる

ネットワーク構築から運用、保守まで担うネットワークエンジニアは、土日や夜間での作業を行うことがあります。不規則になりがちなので、体力が必要になるでしょう。

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ネットワークエンジニアのキャリアパス

ネットワークエンジニアは、学ぶべき領域が広いため、経験を積むことによってさまざまなキャリアパスが考えられます。主なキャリアパスを見ていきましょう。

ジェネラリスト

ジェネラリストの場合は、「プロジェクトマネージャー」「管理職」などの役割が考えられます。プロジェクトマネージャーは、現場全体の業務に対して広範囲に采配をふるい、統括する業務です。

スペシャリスト

スペシャリストは、専門分野を極める職種です。ネットワーク、セキュリティ、システム管理、データベースなど、各分野においてそれぞれを極め専門領域を広げていきます。

ITコンサルタント

ITコンサルタントはITという専門分野の観点から、ビジネスの課題解決に向けた施策の提案などを行う仕事です。ジェネラリスト、またはスペシャリストなどで十分な経験を積んだのち、その実績を活かしてITコンサルタントとして独立する人もいます。

臨機応変な対応ができる、コミュニケーションスキルがある、好奇心が旺盛で積極的に情報を収集する人などが向いている職種です。

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ネットワークエンジニアは未経験からなれる

インフラ系のエンジニアは、未経験の人でもチャレンジしやすいのが特徴です。実際に、新卒者だけでなく、これまでIT業界とは異なる仕事をしてきた人の転職例も少なくありません。

その理由として、IT人材が不足していることがあげられます。企業が望むのは、ただ優秀であるかどうかだけではありません。ネットワークエンジニアを目指すやる気があるか、成長意欲があるかを見ていると考えられます。

また、ネットワークエンジニアには上流工程、下流工程などプロセスによって分けられ、段階的に実践しながら学んでいけるところも、始めやすい理由と言えるでしょう。たとえば、始めの1年間は監視・運用業務を行ってネットワークに関する知識を身につけ、3年目くらいから、構築や保守、設計などの業務を担当していくというやり方が多くなっています。

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まとめ

ネットワークエンジニアはエンジニアを目指す人にも始めやすく、勉強次第でキャリアパスが広がる仕事です。また、人材に対する今後のニーズなどをみてみると、ネットワークエンジニアは方向性やキャリアプランを立てやすく、将来性もあり大きな可能性を含んでいると言えるのではないでしょうか。

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