Notesの仕事はこれからどうなる?移行に迷う企業からエンジニアまで今後の対策を考える

3 years ago

ビジネス展開にITが不可欠のものとなって以降、社内にグループウェアを導入し、ある時は組織全体で、またある時は各部署やプロジェクトチーム内で、さらに社外の関係先となど、シーンに応じた適切なグループメンバーで、仕事に必要なコミュニケーションを円滑なものとすることは基本中の基本であり続けています。

そうしたグループウェアソフトの元祖として登場、普及し、今なお日本国内で多くの企業が導入しているものにNotesがあります。標準で搭載された情報共有機能やメッセージ交換機能の充実と、幅広いデータの蓄積、柔軟かつ高度な情報整理機能の搭載などで、大いに活躍してきたNotesですが、昨今はNotes以外のグループウェアを選択する企業も増えてきました。

かつては圧倒的シェアを誇り、黄金時代を築いたNotesですが、その他のテクノロジーと同じく、時代の変化に伴い、見直しを行う向きも進んでいるのが現状です。Notesを基盤に業務システムを構築・運用する仕事など、Notesエンジニアとして活躍されてきた方にとっては、導入ケースが減少すれば、直結して仕事の案件もなくなっていくため、今後の動向が非常に気になるところでしょう。

また、現在はNotesを導入している企業の担当者で、移行を決断すべきか、実行するならどのタイミングで、何にどうやって移行すれば良いのか、迷われている方もいるかと思われます。長年基盤としてきたものを変更することは容易ではありませんし、長年活用されていればいるほど、蓄積データも膨大で、Notesからの移行を行うも行わないも、いずれにしても今後に向けた対策は喫緊の課題となっているのではないでしょうか。

そこで今回はこのNotesについて、基礎事項と現状を押さえるとともに、今後の動向を見据え、Notesに関わる人間はこれからどう仕事を進めていけば良いのか、実際の市場案件に注目しながら、分かりやすく解説していきます。

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Notesはグループウェア

Notesは、1989年にLotus Developmentが開発し、リリースしたグループウェアです。まだITが黎明期であった時代にグループウェアという情報共有システムを作りあげ、その名称を浸透させた元祖であり、時代に記録されるべきエポックメーキングな製品といえるでしょう。

ここで念のため、グループウェアとは何かも簡単に確認しておきましょう。グループウェアとは、企業など組織内でスムーズな情報共有やコミュニケーションを促進するために用いられるネットワークツールの総称で、業務を効率的に遂行する目的で使われているものです。

具体的には、メールやスケジュール機能、掲示板機能、ファイルやデータの共有機能など、複数人で仕事を行うシーンで役立つ補助ツールがこれに当たり、メンバーやグループごとに公開範囲を決めて使うことで、情報を効率良く、かつ適切、迅速に共有し、業務の完了やプロジェクトの目標達成を生産的に目指していくことが可能になります。

Notesにもメールや掲示板、文書共有、スケジュール管理、会議室予約などの機能があり、必要なものをユーザーが組み合わせて利用できる仕組みになっています。そのため、導入時にはデータベースやプログラムを業務内容に応じて用意する必要がありますが、高いカスタマイズ性が確保されており、あらゆる業種業態の企業、団体が活用しやすい特徴があります。

文書だけでなく数値や画像、音声など多様なデータを扱うことができ、情報共有システムとして今なお高い機能性を誇っている点もポイントでしょう。きわめて高度かつ柔軟な検索機能を有する点も特徴的で、データの分類や検索、並べ替えなどの操作が自在に行えます。さらにアプリケーション開発環境を有しており、あまりITの専門知識を持たないユーザーでも、柔軟な開発が可能というメリットもあります。このほか、用途に応じたセキュリティ管理の実行性、強力な複製機能を備えることでも知られ、優れた万能型のグループウェアとなっていることから、一般企業はもちろん、大企業や官公庁、大手銀行などでの採用実績が豊富です。

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Notesの過去と現在

1989年に時代に先駆けて誕生したNotesは、画期的なシステムとして受け入れられ、みるみるうちに世界的なシェアを伸ばしていきました。1995年にはIBMが買収し、オールインワンの強力なツールとしてさらに進化と普及を続けていきます。2000年前後には頂点を極め、世界最高峰のシステムシェアを誇るものとなりました。

しかし、その後は徐々に衰退の道をたどっています。その端緒は1995年にMicrosoftのWindows95が登場、続いてExcelが生まれ、これを業務に導入する企業が大幅に増加、個人にも広がり、表計算ソフトで頂点の座を奪われたところなどにすでに現れていたといえるでしょう。

そしてNotes衰退を決定づけたのは、社会のWeb化の波、クラウド化の流れに大きく乗り遅れたことでした。Notesも進化を続け、求められる最新機能を搭載、変わらぬかつてからの使いやすさを維持しながら、現在の業務システムや開発シーンに欠かせないモバイル対応も実現するなどしてきましたが、Notesのシェア低下は否めない状況となっています。

歴史あるシステムであるがゆえに、長年Notesを運用している企業も多く、導入時に在籍していた技術者が退職や異動で社内からいなくなり、作り込まれたシステムとしてブラックボックス化が進んでしまったこと、その結果として運用効率が低下し、外部委託でメンテナンス費用ばかりがかさむようになってきたことなどが背景としてあり、よりコストパフォーマンスに優れる新たなグループウェアへ移行するケースが頻発、Notes離れが進んでいるのです。

シェアが低下することでNotes独自の知識やスキルを新しく獲得するメリットも低下し、技術者の不在と馴染みやすい新ツールの増加によって、新規で導入する企業がほとんど見られないほど、現在では衰退が決定的な状況となっています。

こうした流れもあり、2019年にはIBMがNotes事業の売却を決定、現在はインドのHCL Technologiesがこれを保有しています。

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Notesの案件はある?

Notesのスキル保有者や、関連する仕事を行っている人にとって、Notesの衰退傾向が顕著となっている今、市場に案件はあるのか、仕事がなくなってしまうのではないかという不安は非常に大きく、強い関心を持たれているところでしょう。

レバテックフリーランスの求人・案件一覧で、Notesが何らかのかたちで関係しているものを探すと、公開案件で59件(2021年7月12日時点)が該当しました。なお、業務委託の「Notes求人・案件一覧」とすると、公開案件で37件(2021年7月12日時点)になっています。

レバテックが扱う案件数としてみると、さまざまなタイプ条件の中で、やはり数として多くはない印象ですが、全く仕事がないわけではありません。どういった案件が掲載されているか、実際の事例からいくつかご紹介しましょう。

某大手製造メーカーからの案件では、Notesで運用してきたワークフローシステムを刷新するリプレイスの委託仕事が出されていました。チームで開発を行うもので、MicrosoftのコラボレーションツールであるイントラネットソリューションのSharePointへシステム移行を図るとともに、ワークフローをサイボウズの業務改善プラットフォーム、Kintoneにのせ換えることがミッションとなっています。元の仕様などを深く理解する必要性があることから、Notesの知識とスキルを持った人材で、SharePointによる開発・導入経験を有することが条件でした。ちなみに月単価は最高65万円で設定されています。

製造業メーカーからは、Notesアプリケーション刷新の案件がありました。ユーザーへの業務ヒアリング、要求事項の洗い出し、RFP策定、見積依頼の作成などにかかる事前準備と実施支援が業務内容で、要求仕様書の作成やRFP作成などに知見があること、Notesを用いるためその知見と経験があることが条件になっています。月単価はこちらも上限65万円です。

生命保険システム会社向けで基盤開発推進のNotes案件もあります。Notesの利用経験に加え、システム開発、議事録作成の経験、Excel VBAによる開発経験が問われており、Notes環境でのスクリプト開発経験もあると望ましいとされています。これらスキルを活かしたプロジェクト推進チームのPMOが委託求人として募集されており、Notesに詳しく、今後プロジェクト管理系のキャリアを目指している人に向く案件といえます。月単価はやはり上限65万円でした。

このほか、Notesからの社内システム移行として、クラウドサービスの導入・構築、ベンダー調整などを進め、システムとアプリケーションの移行・新規構築、社内拠点閉域網ネットワークの再構築を図る案件で、月単価上限82万円というもの、Notesの改修や機能追加依頼への対応、組織変更や社内ルール変更などに伴う改修作業、不具合に関する調査と修正、新規開発、Notes agentscriptのメンテナンスなどを業務とするNotesシステムとデータベース関連の案件で、月単価上限53万円とするものなどもみられています。

全体としては、移行支援にかかる案件が多く、Notesの知識やスキルを活かして現システムの読解やフロー解析を行い、SharePointやOffice365、G Suiteなどへ変更するタイプの仕事が多くなっています。システム全体のほか、メール基盤など一部を別のサービスへ移行するものも散見されました。それ以外では保守・メンテナンス、改修、障害対応といった案件が多く、Notesの新規導入や開発案件は、やはりほぼ見当たらないといった状況です。

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Notesの単価相場

案件の有無に続いて気になることといえば、やはり単価の相場でしょう。Notesの仕事では、どの程度の報酬を得ることができるのでしょうか。

レバテックフリーランスの「Notes求人・案件の月額単価相場」を参照すると、月単価60万円台が圧倒的に多く、平均単価も64万円となっていました。ちなみに最低単価は53万円、最高単価は82万円となっています(2021年7月12日時点)。平均的な案件を継続的に受注できたと仮定すると、単純計算で64万円×12カ月から、1年間では768万円の報酬が得られることになります。

もちろんこの金額はあくまで目安であり、実際の月単価は個人の経験やスキルその他によって変化してきます。案件数も限られる中での平均値ですから、参考値として考えておいてください。

この相場をレバテックフリーランスの「単価相場を比較」をもとに、条件を変えて比べてみましょう。平均の月単価で64万円という水準は、職種でみると、月単価平均65万円のインフラエンジニアや、64万円のネットワークエンジニアと同程度になります。主要言語別でいえば、Shellの月単価65万円やSQLの65万円、C言語の66万円などが比較的近い水準でしょう。システムエンジニアの平均や、フロントエンドエンジニアなどに比べるとやや低く、またプログラミング言語でも低めのタイプとなり、高額報酬で注目されるRubyの平均80万円やGo言語の81万円などからは、大きく差をつけられています(2021年7月12日時点)。

とはいえ、能力次第でより高額報酬も目指せる状況で、平均相場としての水準が月単価60万円台の半ばであれば、一般的にみて恵まれた環境にあると言ってよいでしょう。

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Notesの未来は明るくないが・・・

これまで見てきたように、すでにNotesの衰退は明らかなものとなっており、他のグループウェア製品にシェアを奪われていっているため、これからを見据える観点では、その未来が明るいとは言えない状況です。Lotusからの買収時には、どんなことをしてでも手中に収めたかったIBMが、誕生から約30年、買収から約25年の時を経て、協業するHCL TechnologiesにNotesを売却、完全移行させてしまったことからも、それは明らかです。

しかし、業務の基盤システムとして自社にカスタマイズし、これまでの貴重なデータを収めて長きにわたり用いてきたものを、新しい仕組みへと移行・変換するのは容易なことではありません。そのため、問題性を意識しつつも、レガシー企業を中心に、多くの国内企業が今もなお、何らかのかたちでNotesを用いていることも事実です。

使いやすさや機能性の高さが大きく失われたわけではなく、メリットも残った状態で、その移行や再構築に膨大なコストと手間がかかるとなれば、Notesが市場からすぐに消え去ってしまうとは考えにくいでしょう。

当面の間は、生じた問題性を回避するための改修・更新を行いながら、使えるものは使い続けようとする企業も一定数存在すると考えられ、そうした運用・保守にかかるNotesの仕事は出てくるものと見込まれます。

また、作り込んだシステムと蓄積されたデータの移行は技術的にも高度で、考慮すべき内容も広範にわたりますから、移行を決めた企業からも、Notesの専門スキルを持った人材を求める声が多くあがるでしょう。システムを用いて実際に仕事をする従業員らの疑問や不安を解消しつつ、本業に支障をきたすことがないよう、細心の注意を払って進めなければならないこととなりますから、一気に全てを移行・変換してしまうのではなく、部分的に移行するところから始めたり、新たなグループウェアとNotesとを並行運用して慣らしていったりすることが現実的であり、そのような選択をする企業も多くなっています。

こうしたある程度の期間を要する移行作業となるため、ひとつひとつのケースで比較的長期にわたり、Notesエンジニアの助けが必要になります。このようなことから、Notesの未来は明るいものではないものの、今後しばらくは保守・メンテナンスサポートや、移行支援案件を中心に、一定以上の需要が継続発生するとみられています。

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Notesへの需要パターン

先に見たように、近年のNotesにおける需要では、新規導入に関するものは非常に少なく、そのほとんどが移行にかかるもの、そうでない場合は改修・メンテナンス関連となっています。Notesの導入が非常に多くの企業へ広がっていたからこそ、Notesで行っている業務を他のグループウェアで実現させたり、蓄積データの移行を図ったりする流れが主潮流として発生すると、移行需要はきわめて高いものとなるのです。

長年、中心基盤として活用してきたNotesからの移行検討は、今に始まった動きではなく、これまでにも繰り返し話題となり、必要性が叫ばれてきましたが、いざ移行しようとすると、膨大な手間とコストが発生したり、全容がつかめず作業が上手く進められなかったり、社内の不安・不満が高まるなどさまざまな問題が噴出し、計画が途中で頓挫する、移行に失敗する企業も少なくありません。

そのために問題が先延ばしされ、ビジネス環境が大きく変化しつつある今になって、もはやNotesを使い続けるのは限界と判断するケースが急増、Notes移行の仕事に大きな需要が発生してきているのです。

しかし、NotesもWebブラウザから機能を利用できるようにするなど、オンラインやイントラネットとの統合を推進する動きを進め、進化している中、そもそもなぜNotesからの移行が不可避と判断されるようになっているのでしょうか。Notes運用で発生している問題とともに、移行需要が増している背景パターンを整理してみていきましょう。

技術者の高齢化・不在化

Notesが初めて世に出たのが1989年のこと、すでに30年が経過しており、爆発的な普及を遂げた頃に活躍したエンジニアらは、高齢化して引退、退職したり、社内でも異動したりして、導入時の知識を備える技術者がいまも在籍するというケースが非常に少なくなりました。

設計やメンテナンス、アプリ開発には、独特の知識が必要とされることに加え、きわめて高いカスタマイズ性を有していることがNotesの特徴でもあることから、導入時の状況を知って対応する技術者がいなくなると、十分な手入れがなされないまま、長くNotesが運用され続けることになります。

日々情報共有基盤として使用され、多種多様なファイルが保管されたり、業務コミュニケーションが取られたりするものですから、かかる負荷も高く、当然システムの老朽化はかなり速いペースで進んでしまいます。大量の蓄積されたデータはレスポンスを悪化させ、複雑になっていくワークフローとともに、使い勝手が悪い肥大化した仕組みとなってしまうでしょう。

一部のデータベースを移行させるなどし、老朽化に対応できても、Notesのブラックボックス化は止められません。誰でも自由にデータベースを作成できるNotesの場合、社内のIT管理部門が把握し切れていないものが乱立している、個別業務に特化したものがあまりにも多く整理・制御不能になっているケースも少なくありません。

こうした管理負荷の増大と老朽化、生産性を低下させる肥大化や、維持コストの増加、ブラックボックス化によるリスクの増大など、いくつもの課題が発生し、一方で対応する技術者はいないというさらに課題を深刻化させる状況があることで、Notesを離れ、移行を本格的に検討する企業が増えています。

Notesのスキル新規獲得にメリットが少ない

新規導入ケースも多いOffice365やG Suiteなどであれば、案件も多彩で将来性が見込みやすく、現在の隆盛ぶりが確認されていますから、新たにその知識やスキルを身につけるエンジニアも自然と多くなりますが、Notesの場合は状況が真逆です。当面の移行案件はあっても、将来に対してのスキル取得メリットが少ないため、このようなレガシースキルを今更身につけても仕方がないと離れていく向きが強まっています。

導入企業でも、自社でNotesエンジニアを育成することをしなくなり、必要時にのみ外部業者に委託するようになります。結果としてNotesエンジニアの数は減少し、小さい市場で優れた技術者の単価は高くなる、企業にとってはNotesの運用・保守にかかるコストが増大の一途をたどることとなって、エンジニアの委託先確保にも苦心するようになったことから、他のグループウェアに移行するほかないと考えるものとなりました。

バージョンロックとサポート切れによるセキュリティ低下

Notesには、独自のスクリプト言語でアプリケーション開発を容易に行うことができるという強みがあります。導入企業はこれまでそのメリットを活かし、部署ごとの業務要件にマッチした開発を進めてシステムの利便性を高めたり、業務の効率化と生産性向上を図ったりしてきました。

しかし、こうして独自の発展を遂げさせたシステムが、Notesの提供するバージョンの最新版に対応するか、更新後に正常動作するかは分からない面があります。そのため、業務遂行の上で依存性が高いアプリケーションが多く存在すると、バージョンアップさせることが、あまりにリスクが高くて行えないという事態にも陥ります。アプリケーションだけでなく、貴重なデータが蓄積されたデータベースについても、同様の問題が発生するでしょう。

結果として古いバージョンのままNotesの運用を行う企業も多く、サポート切れが多発しているのです。最新状態が保たれないシステムは、当然のことながらセキュリティリスクを増大させるものとなってしまいます。セキュリティ修正プログラムの適用が必要になった場合にも、ベンダー側対応が難しくなり、高度な対処が必要となってさらに運用負担が膨らむもとにもなります。

多様なワークスタイルによる外部アクセスシーンも増え、柔軟かつ強固なセキュリティ性を備えたシステムが強く求められる時代になっていることと合わせ、こうした運用課題もNotes移行の需要を高める背景としてあります。

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Notesの仕事を効率良く見つける方法

新規導入案件は稀な事例となってしまったものの、Notesの移行関連や、長期運用となっているNotesの保守・改修・メンテナンス領域では、今も広く案件が見受けられます。現状ですでにNotes特有の知識や扱う経験・スキルを持っているなら、Notesエンジニアの不足を背景に、外部へと委託する企業が多く、確実なニーズがありますから、自身の能力を活かして案件を取っていくと良いでしょう。

では、こうしたNotesの仕事案件をどのようにして見つけ、獲得していけば良いのでしょうか。フリーランス・エンジニアなどで活動している方が、業務委託として案件を引き受ける場合として、有効な方法をピックアップしてご紹介します。

インターネットで探す

現在の仕事の探し方として広く普及している、インターネットを使う方法がまず考えられます。「Notes 案件」などで検索すれば、さまざまな仕事の情報が得られるでしょう。公開求人サイトで募集されていたり、クラウドソーシングの案件として挙がっていたり、企業ホームページなどから直接募集がかけられているケースなど、スタイルに違いはありますが、多くの案件を効率良く見つけることができます。

時間や場所を問わず利用でき、気軽に探すことができる点やスピーディさなどは、この方法の大きなメリットです。一方、ケースにもよりますが、どのような仕事内容なのか、どういった条件での契約になるのか、案件情報の詳細が見えにくい場合が少なくありません。応募し、実際に契約することとなったら、サインする前に詳しい内容をよくよく確認しておきましょう。

現場に入る前にもしっかり担当者から説明があるかと思われますが、契約前に疑問点や不明点についてはきちんと解消しておかないと、後々トラブルに発展しかねません。自身の身を守るためにも、より良い仕事をするためにも、確認は念入りに、丁寧に行って契約を交わし、実際の仕事に着手するようにしてください。

エージェントに登録・利用して探す

近年はITエンジニアに特化したエージェントサービスなど、マッチングをサポートするエージェントが活発に活動し、多くの人々に利用されるものとなっています。利便性も高く、自身で営業をかけたり、検索して仕事を見つけ、交渉を行ったりしなくとも、プロフェッショナルが自らの希望に合う案件を見つけ、クライアントとつないでくれるので、大いに頼りになります。

自身で探すことに不安がある方や、人脈はあまりないという方には、とくに有用でしょう。エージェントによって得意な領域や保有する案件、ネットワーク、提供サービスに違いがありますから、Notesに強いところ、自身の好みに合う雰囲気やサービスの仕組みがあるところなどを見極めて利用先を選びましょう。1社に絞り込む必要はありません。有効そうなところをいくつか絞り込んでピックアップし、複数に登録しておくと効率的です。

エージェントとやりとりをする手間はありますが、職務経歴書や履歴書、スキルシートの提出、希望条件やキャリアプランにかかる面談・ヒアリングなどを行うことで、ミスマッチやトラブルを防いだ希望に合う案件を確実に獲得しやすくなるメリットがあります。契約交渉などの場に立ち会ってもらえることもあるなど、サポートが充実している点も魅力で、アフターフォローもしっかりなされるケースが多くなっています。

エージェントでなければ扱えないような、一般非公開案件も多く存在しますから、登録して利用する価値は十分にあるでしょう。

エージェントを利用して案件を探したいという方はこちらのページを参考にしてみてください。

知人や同僚などからの紹介

これまでともに仕事をしてきた同僚や上司、仲良くなった取引先、勉強会で知り合った知人や旧知の仲の友人など、自らの人脈を活かし、そのつてで紹介される仕事を請けるという方法もあります。

一匹狼の印象が強いフリーランスですが、実際には人と人とのつながり、人脈形成が大いに大切でものをいうところがあります。IT業界も横のつながりで仕事が広がっていく、決まっていくことが少なくない世界です。Notes関連で仕事を探していることを伝えておけば、知人などから声をかけてもらえるかもしれません。

仕事を紹介してもらうには、日頃から多方面に人脈ネットワークを築くよう努力すること、その築いたネットワークのメンバーとは、こまめに連絡を取り合うようにしておくことが大切です。コミュニケーションを大切にしながら、やりとりの中で自身の近況として、Notesの仕事を探していることを伝え、アピールしておきましょう。

運良く紹介してもらえた場合、互いに見知った知人を介していることで、一定の信頼関係のもとで契約交渉へと進めますから、スムーズに合意となりやすい傾向があります。現場に入ったら、紹介してくれた知人の顔を潰すことがないよう、より一層気を引き締め、優れたパフォーマンスを発揮するよう最大限努めることも忘れてはいけません。

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未経験からNotesはどう?

案件が限られることや、クラウド移行や他グループウェアへの移行が進んでいるため新規導入ケースがほとんど見られないといった将来性の低さといった観点から、Notesのエンジニアにこれからなりたい、これからNotesを身につけたいという方は少ないでしょう。

しかし、すでに高齢化と社内技術者の不在化が進み、残る導入企業からの外注が増えていること、移行ニーズは強く、それに対して現役のNotesエンジニアが少数であるということを逆手に取り、あえてチャレンジしてみたいという方もいるかもしれません。現在、未経験でこれからNotesの技術を身につけることは可能なのでしょうか。

結論から言うと、それはかなり難しい状況にあります。独学で学んでいくことは絶対に不可能というわけではありませんが、参照できるテキストや学習コンテンツがすでに非常に少なくなっており、それでいて独特の考え方や知識を必要とする面があるため、学んでいくステップでつまずきやすく、十分に学習が進捗しない、疑問が解決できず挫折してしまうといった可能性が高いのです。

他のエンジニア技術や言語であれば、プログラミングスクールやオンラインの学習プラットフォームなどを利用して学ぶ方法が考えられますが、Notesの場合、そもそも関連するコースが開講されているケースが非常に少なく、学ぶ場所や機会を得ることが困難になっています。一部、Lotusが認定するコースをNotesにおける開発手法の学習コースとして提供する向きもありますが、基礎知識なしでは内容を身につけにくかったり、参加費用が高額であったりと、未経験者にはかなりハードルが高い状況です。

こうした中で将来性が明るくないことを考えると、やはり他のグループウェアやネットワークソリューション、言語について学習を行っていく方が、メリットとして大きく、キャリアにプラスとなると考えるのが自然でしょう。

それでもやはりNotesのスキルを今から身につけ、案件を獲得したいと思うならば、エージェントの担当者に相談するなどし、サポートを求めてみると良いかもしれません。

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番外編・HCLによる取り組み~Notesの新たなロードマップとは

これまでNotesの衰退の現状を中心に解説してきましたが、IBMから事業を引き継いだHCL Technologiesがこの状況を放置しているわけではありません。NotesをHCLの製品として、次のステージへと進ませるため、新たなロードマップを描いてその有用性をアピールしています。ここでは番外編として、その最新の取り組みと展望をご紹介します。

HCL Technologiesは、ただレガシー製品としてNotesを引き継いだわけではありません。同社なりに、新たな時代のWebベース製品、ITサービスの世界で中心的役割をオールインワンで果たすソフトウェアに進化させられるものとして受け止め、既存顧客を大事にしながら、新しいメリットを還元していくロードマップを描いています。

その最大のポイントは、グループウェアであると同時に、プロの開発者だけでなく、ビジネスユーザーの誰もが使え、企業や組織に固有の業務アプリケーションを開発・展開・実行できる基盤たるプラットフォームとして機能させるという点です。

これまでに実績として示してきたNotesの汎用性、スケーラビリティなどにおける独自の価値は残しつつ、最新技術を導入、V11ではアプリのモバイル対応を実現させ、新しいアプリを従来比で3倍速く構築可能なローコード開発もサポートしました。ライセンスがユーザー単位のみであるシンプルな構成をメリットに、コストパフォーマンス面の改善や、災害・障害対策を強化、在宅勤務など新しい働き方にも対応するマルチデバイス利用も可能としています。

1つのソリューションでデータベース機能から検索エンジン、メールサーバー、HTTPサーバー機能、サーバーの冗長化にシステム連携機能、ディレクトリ機能、認証・アクセス制御、アプリケーション開発をカバーできるNotesらしい強みも、現代ニーズに合わせて進化させてきました。

モバイル向け業務アプリも、HCL Nomadとの組み合わせで開発・運用しやすく、多様な現場で活きるパワフルなソリューションとなってきています。戦略的展開として、よりクラウドネイティブな方向への進化も見せており、Notes自身がクラウド化していくだけでなく、Notesファミリー製品そのものをマイクロサービスとして利用可能にしたり、他のマイクロサービスと自由に連携可能としたりする方針も打ち出しました。

さらにサービスとサービスを結合させ、特定のイベントを間にかませることで、必要な機能を自動稼働させるイベントドリブンアーキテクチャを軸とした展望を示しており、APIによる自由なシステム連携、ユーザーの自由度がきわめて高く、効率的な業務の実行、生産性を高めるものになっていく可能性が説かれています。

かねてよりオールインワンの多機能な業務ソリューションとして、またアプリケーションを独自にカスタマイズして作り込みやすいものとして、高い評価を受けてきたNotesが、こうして過去の資産も新たな時代のアーキテクチャにより、存分な活用を簡単に行えるものとして進化し、新たな価値体験を提供するものとなるならば、移行判断を見直す企業が多数出てくるかもしれません。

Notesが今後どのようになっていくか、生まれ変わったHCLのもとでのNotesがどう受け止められ、発展していくかは、まだ動向として注視しておく必要がありそうです。

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NotesとNotesエンジニアの将来性

自社向けに最適化した情報共有基盤、業務基盤システムとして、国内企業でも非常に幅広く採用されてきたNotesですが、時代の変化による技術者の不足・高齢化や不在化が進んだことや、過剰なカスタマイズとアプリケーション、データベースの乱立によってガバナンスが低下し、適切な管理・制御が困難となったり、社内全体での統一したIT戦略の実施の妨げとなったりし始めたことから、昨今は見直しを進める企業が非常に多くなっています。

移行需要中心といった市場の仕事傾向から、新たに知識を身につけるメリットも薄れ、新規のNotesエンジニア人材も育成されないため、さらに新規導入事例は減少、コストパフォーマンスの面からも、クラウド型グループウェアなど、新しいソリューションを選択するケースが圧倒的に多くなり、Notesの将来性は決して明るいとはいえない状況にあります。

Notesの進化も続いていますが、新規需要獲得はなかなか難しく、大きな変化因子がもたらされない限り、既存の導入企業でも移行作業が徐々に進み、新しい環境下でのワークフローが根づいていくとみられ、全体需要がじわじわと減少していく流れは止められないでしょう。

しかし一方で、Notes自体はオールインワン型の非常に便利なグループウェアであり、用い方によっては現在も有用な業務ソリューションであることに変わりはありませんから、レガシー企業における採用は続いています。HCL Technologiesによって示されている展望のように、新たなNotesの強みを活かして過去の企業資産も最大限に活用し、独自のシステムを築いていく事例もまた、多数派ではなくとも、一定数出てくる可能性があります。

こうした点に加え、本業とする業務の遂行に深く関わり、長年基盤として浸透してきたものであるからこそ、移行を検討する場合でも、その作業は決して容易でなく、かなりの長期計画で進めなければならないということも考え合わせると、Notesへの需要が市場から急に消え去るとは考えられません。

新たにNotesエンジニアとなる道は考えにくくとも、すでに一定の知識を身につけている方であれば、それを活かした仕事を、レアスキルの持ち主として、当面の間獲得していくことができると見込まれます。市場動向に注意しつつ、新たな領域の知識へ学びを拡張しながら対応していけば良いでしょう。

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まとめ

いかがでしたか。かつて一世を風靡したNotesについて、過去・現在・未来にわたり、判明している事実、状況の分析と考察をまとめてきました。需要の中心はNotesからの移行にかかる仕事となっていますが、今なお根強い人気を誇るソリューションであり、新たな展開の兆しもみられています。

しかし、大勢の傾向としては、時代に合わせて情報共有基盤はもちろん、既存の業務プロセスから根本的に見直し、改革を推進すべき時期に来ていると判断する向きが強くなっています。便利でコスト削減にもつなげやすい新たな選択肢が多く発生してきている昨今ですから、現状に比べて、Notesの先行きが明るいとは考えにくいでしょう。

言うまでもなく、IT業界の移り変わりは激しく、今、有望視されているものも絶対ではありません。細分化されていくニーズと新たに登場する技術で、いかようにも変化していく市場動向には、常に注意する姿勢をもっておくことが重要です。Notesエンジニアや、Notesを採用する企業担当者の方は、視野と知識・スキルを他の領域にも広げながら、賢い最善の判断ができる力を養っていくことをお勧めします。

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