フリーランスを目指す！Reactエンジニアが高収入を得るポイントを知ろう

まずはReactをおさらい

Reactは、よく知られたユーザインターフェース（UI）開発向きのJavaScriptライブラリです。モダンなWeb開発環境を語る際には、欠かすことのできない存在であると言っていいでしょう。

Facebookのエンジニアにより設計開発されたReactですが、2013年にオープンソース化されてからは、多くのプロジェクトで使われるようになっています。

Reactの公式サイトには、以下の3点がアピールポイントとして示されています。

• コンポーネントベース
• 宣言的なView
• 一度学習すれば、どこでも使える

「コンポーネントベース」とは、コンポーネントを組み合わせてUIを設計するという考え方です。コンポーネントとは、レイアウト構造などをひとまとめにした、いわば「部品」となります。部品化を行うことで管理負担を軽減することができますし、再利用も容易になることから、結果として複雑かつ規模の大きなUI開発の敷居を下げることができます。

「宣言的なView」とは、アプリケーションの内部状況からUI変更を行うような仕組みの構築が可能であることを言います。モダンでありながら、応用範囲も広いReactは、エンジニアにとって魅力的な技術と言えそうです。

間口の広さもReactの強み

このReactは、さまざまな強みを持ちます。それはコンポーネントベースのような、言語仕様的な強みだけではありません。

興味深いのは、JavaScriptを習得しているエンジニアであれば、学習コストを低く抑えられるということです。これは、Reactで用いる文法がJavaScriptの基本文法であることに由来します。コード記述を簡単にするために用いられるJSXと呼ばれる文法の存在など、完全に一致するわけではないのですが、そういったものは追加で覚えれば済みます。

このことは、C系のプログラミング言語を習得しているエンジニアであれば、Reactの習得も比較的容易であることを意味します。よく知られている通り、JavaScriptはC言語から派生した言語であり、C言語の特徴をよく残しているためです。

学習コストをあまりかけずにReactを習得できるエンジニアは、思いの外多いと言えそうです。

React活用企業

このReactですが、どういった企業で活用されているのでしょうか。よく知られているのが、以下の3社です。

• Netflix
• Airbnb
• Yahoo

Netflixは世界各国で事業展開している、定額制の動画配信サービスを提供する企業です。Airbnbは民泊仲介サービスの世界最大手であり、Yahooも世界的な情報検索サービスを提供していますから、いずれもサイトの規模はかなり大きなものになります。そして、各社には比較的新しい、元気のある企業という印象を持つ人も多いのではないでしょうか。

例示した各社が運営するような大規模のサイトでは、Reactが持つ「アプリケーションとは、コンポーネントという部品の集合体」という特性が活きてきます。Reactで開発したアプリケーションは、それが大規模なものであっても管理が格段に行いやすくなるというメリットを持ちます。大規模サイトを運営する事業者にとって、Reactの採用がもたらすメリットは計り知れないほどに大きなものと言えるでしょう。

フリーランスとReactの相性

フリーランスという働き方は、自己責任となる部分も大きく、安定性に欠ける面は否定できないとはいえ、裁量範囲は広く、自由度が高いものです。仕事の進め方も多彩で、クライアントに常駐するだけでなく、リモート案件では在宅での対応が可能なケースもあります。

Reactの案件はその性質上、リモート可能な案件の比率も比較的高くなっています。注目度の高い技術であるだけに、案件数も多いですから、フリーランスらしい働き方の実現も期待できます。Reactという技術とフリーランスとの相性は、良好と言えそうです。

React案件は多彩

Reactの案件ですが、一言では言えないほど、さまざまな分野のものがあります。著名な採用例としてその名前が挙げられることも多いAirbnbのような予約受付サービスが代表例と言えるでしょう。近年では、仮想通貨取引やAI関係のような最先端の案件もあります。マッチングアプリケーションやゲーム、広告といった身近なサイトの開発にも、数多くのReact案件があります。

これだけバラエティに富んでいると、案件選択のひとつの目安として「自分自身が興味を持っている分野」にフォーカスすることも可能になることがあります。興味がある分野の案件を選択することは、仕事を通じたスキルアップのモチベーションを高めることにもつながりますので、案件を選べる状況であれば積極的に検討しましょう。

なおReact案件全体の傾向としては、新規開発が多くなります。Reactというライブラリはコンポーネントベースということもあり、大規模案件が多いことも特徴です。規模の大きな案件は、一般に単価も高くなりますので、そういう意味でもReactはチャンスが広がる技術と言えそうです。

React案件がもたらす、働き方の可能性

React案件の働き方は多彩です。対応可能なエンジニアが全体に不足していることもあって、案件数自体かなり多くなっていることに加え、在宅での対応も可能なリモート案件の比率も高くなっています。また、数は決して多くありませんが、週3日の対応でも可能という案件もあります。

なお、Reactのスキルを持ち、かつ英語を主とした外国語が堪能なエンジニアには、日本国外のReact案件を、フルリモートで受注できる可能性があります。国外の案件は日本国内の案件に比較しても単価が高いことも多く、収入面での魅力も高いと言えます。チャレンジする価値はあると言えるでしょう。

そしてフルリモートでの対応が可能な案件であれば、働く場所は選びません。これらのことから、地方圏在住のエンジニアにも、チャンスをもたらすのがReactのスキルであると言うこともできそうです。フレキシブルな働き方を指向するエンジニアだけでなく、ライフスタイルを重視するエンジニアにとっても、Reactこそが最優先で習得すべきスキルなのかも知れません。

Reactの案件数は？

レバテックフリーランスで、技術要件としてReactが指定されている案件を検索してみましょう。案件数はどのようになっているでしょうか（2021年6月1日時点）。

案件数の合計は863件です。ReactはJavaScriptのライブラリであり、プログラミング言語ではありませんから、この案件数はかなり多いと考えていいでしょう。うち、リモート可能な案件は347件です。これは全体全体の40%ほどとなり、かなり高い比率であることがわかります。

参考までに、案件の平均単価は77万円で、最高単価が145万円、最低単価は40万円です。最多は80万円台の案件で267件と全体の30%ほどを占め、ついで70万円台の案件が234件あります。平均単価については、メジャーなプログラミング言語で案件数も非常に多いJavaなどを大きく上回っており、単価が高いことで知られるPythonと遜色ないレベルになっています。

このようにReactの案件は数も多く、平均単価とリモート可能案件の比率も高いという特徴を持っています。フリーランスらしいフレキシブルな働き方の実現に、Reactという選択は大いに役立つと考えていいでしょう。

React案件、経験年数別の単価目安

エンジニアの単価を左右する要素として、経験年数があります。Reactの案件では、この経験年数はどのように影響するのでしょうか。

当然ながら、経験年数が長くなれば単価は上昇します。大まかな目安として、経験年数が1年未満の場合を1とすると、それが2になるのは経験年数3年から5年あたりと考えてください。経験年数が5年を越えた後は、単価は頭打ちというケースが一般的と言えそうです。

具体的な金額をイメージする場合は、レバテックフリーランスにおけるReact案件の最低単価である40万円を、経験年数が1年未満のエンジニアの1と置き換えてください。こうすると、実態にかなり近くなります（2021年6月1日時点）。

なお、保有スキルによって、得ることができる金額は上下します。前述した、新人時代の2倍強で頭打ちということはあくまで傾向であって、レバテックフリーランスを見ても、それを大きく上回る単価の案件の情報が公開されています。

スキル次第ではありますが、一定以上の年数経験を重ねることで、高単価案件の獲得は十分可能であると考えていいでしょう。

なおReact案件の単価が比較的高いことの背景には、案件数に比較してReactに対応可能なエンジニアが少ないという現状の影響が指摘されています。将来的に、単価相場は変化する可能性があることには、十分な注意をしておくべきでしょう。

高収入を狙うポイントは

React案件の魅力のひとつが、高収入が期待できることは間違いのないところでしょう。では、さらなる高収入を目指すためには、具体的に何が必要なのでしょうか。以下に示します。

SPA（Single Page Application）の開発経験

SPAとは、動的にWebページを生成する方法のひとつを言います。コード量が増えるといった欠点はあるものの、ユーザビリティの高い実装が可能です。SPAで組まれるシステムは、GoogleのSEOに対しても有利に働くこともあって、SPAの開発経験が要件に含まれる案件が見られるようになっています。

Reduxのスキル

Reduxは「リダックス」と発音する、状態管理のライブラリです。一定水準以上の単価の案件では、ReactとReduxのスキルがセットで求められることが多くなります。規模の大きいWebアプリケーションの開発では必須と言ってもいいスキルですので、高収入を目指すためには、積極的に取り入れていくべきでしょう。

他のプログラミング言語、フレームワーク

Webアプリケーションの開発プロジェクトでは、開発チームがフロントエンドと、サーバサイドにきっちりと分かれておらず、システム全般を担当することもあります。

ここでサーバサイドの技術に対応可能であれば、守備範囲の広いエンジニアとして高い評価を得ることもでき、単価アップにつながる可能性もあります。具体的には、RubyとRuby on Railsなどのような、サーバサイドで使用する言語とフレームワークのスキルであると考えてください。

スクラム開発の経験

モダンな開発環境であるReactは、開発組織も従来型のウォーターフォールモデルではない、モダンなスタイルを取ることがあります。スクラム開発とは、アジャイル開発における手法のひとつで、少人数の開発チームを構成し、短期的にシステム開発を行うものです。

スクラム開発を導入したいクライアントにとって、その経験を持つエンジニアは非常に魅力的なのです。

UI設計と要件定義

フロントエンドを担当するReactエンジニアにとって、UI設計の能力は必要不可欠です。また、ユーザに対し、その要望を正確にくみ取り、より良いインターフェースを提供するためには、きちんとした要件定義ができる能力も必要です。

これらは上流工程に位置する、習得難易度が高い重要なスキルでもあります。高収入をねらうために、確実に抑えておきましょう。

テストスキル

意外に思われるかも知れませんが、Reactのフリーランス案件のうち、単価が一定以上の案件では、テストの知見や経験が求められています。すなわち、テストスキルは高単価の案件を得るために欠かせないものと言えます。

ソフトウェアテストに関しては、さまざまな技法が確立されています。テスト設計やテスト実施の実務経験を積むとともに、ソフトウェアテストについて体系的に学習しておきましょう。これらにより、高いテストスキルを持つことのアピールが可能となります。

活用したい、フリーランス特化型エージェント

フリーランスエンジニアにとって、最大の関心事は仕事の確保であると言っても差し支えないでしょう。フリーランスデビューにしても、案件の切り替えにしても、不安はつきまといますし、営業にかかる時間や経費も、無視できるものではありません。

これを解決するためにぜひ活用したいのが、フリーランス特化型エージェントです。エージェントは数多くの案件を保有しており、エンジニアが保有しているスキルや希望を勘案し、最適と思われる案件情報を提供してくれます。さまざまな事情により、公開できない案件情報を保有しているのもエージェントです。一般に、非公開案件には好条件のものも多く、そのような案件を通常の営業活動で掘り出すことは難しいでしょう。

条件交渉のように、エンジニアが決して得意とは言えないことも代行してくれますし、税務などのサポートを受けることもできます。エンジニアにとって、大切なのは仕事に注力することであるのは言うまでもないことですから、エージェントの活用は必須と言うべきなのかも知れません。

なお、エージェント選びのポイントとして、フリーランスへのサポートが手厚いフリーランス特化型と呼ばれるエージェントを優先しましょう。さらに、浅い商流の案件を多く持つことも重視したいところです。一次請け案件を多く保有するエージェントであれば、マージンによる単金の目減りを最小限に抑えることができます。

エージェントを利用して案件を探したいという方はこちらのページを参考にしてみてください。

Reactの将来性

JavaScriptのライブラリの中でも主要な存在と言えるReactですが、その将来像はどうでしょうか。

現状でもReactの開発案件は多く、案件数は今後も安定的に推移していくものと考えることができそうです。Angularが衰退の兆しを見せているという見方もあることから、Reactを採用するプロジェクトはむしろ増加していくと考えることが可能なのかも知れません。

Webアプリケーション開発が存在する限り、Reactの案件はなくならないという意見もあります。将来的にReactに置き換わるようなJavaScriptライブラリが開発され、古い技術になる日が来る可能性はあるとはいえ、Reactが有望な技術であることに変わりはありません。

これらのことを考え合わせると、Reactは習得する価値の高いスキルと言えるでしょう。ここで気をつけたいのは、自身がどのようなエンジニアになりたいのか、どのようにキャリアを形成していくのかを明確にし、目標を持って取り組むことです。

習得の動機はシンプルに「稼げる、新しいスキルを身につける」でも問題はありません。次のステージを見つめての行動が、エンジニアとしての価値を高めることにつながります。