Blenderでフリーランスになれる?案件獲得に必要なことを知ろう

最終更新日:2025年02月06日

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そもそもBlenderとは

Blenderという3DCG制作ソフトが、たびたび話題になります。高機能かつ無償で使用できるという点が魅力的、という文脈で語られることが多いのですが、このBlenderとはどのようなソフトなのでしょうか。

Blenderの最初のバージョンがリリースされたのは、1998年です。開発したのはオランダのトン・ローゼンダール(Ton Roosendaal)氏で、その後はオープンソースとして、多数のエンジニアが開発に関係してきました。

そのため、Blenderが持つ機能は他の有料ソフト、たとえばMaya3ds Maxと比較しても遜色ないと評されるほどの豊富さを誇ります。現在では、Blender Foundationにより、プロダクトロードマップに沿った形での開発が進められています。

デザインからレンダリングまで、3DCG制作に関わる作業を完結できるBlenderは、無償ということもあり広く利用されています。学生をはじめとした個人での人気が高いと言われていますが、近年では、自社内で作業を完結させることができる企業などで、積極的にBlenderを採用するところも増えています。

Blenderの仕事については、「Blenderは仕事につながるのか?磨いたスキルを活かすために必要なこと」の記事も参考にしてください。

よく比較されるMayaなどプロ用ソフトとの違い

Blenderは、その豊富な機能から、Mayaに代表されるプロ用3DCG制作ソフトと比較されることがあります。ではBlenderとそれらのソフトでは、具体的にどのような機能の違いがあるのでしょうか。

Mayaとの違い

Autodeskが開発したMayaは、世界的なクリエイティブ企業にも数多く採用されている3DCG制作ソフトです。Blenderと同様で、モデリングからリギング、アニメーション、シミュレーションなどを経てレンダリングに至るまで、Mayaだけで作業を完結させることができます。

特筆するべきはそのシェアの高さです。Mayaは、アニメーションおよびビジュアルエフェクツの分野では特に高い評価を受けています。ゲームやスマートフォンアプリの3DCGの制作に使われることも多く、Mayaで制作されたものは世に満ちあふれているとも言っていいでしょう。

気になるBlenderとの相違点ですが、一番目立つのはその費用でしょう。1ライセンスあたりの年間利用料は286,000円/年(税込)で、3DCG制作を趣味としている個人が気軽に導入できるような金額ではありません。(2021年9月7日時点、1年契約の場合)

それでも、Mayaは長年トップを走り続けてきた製品です。使用中の問題点や疑問などを解決するための情報は、検索するとすぐに得ることができます。技術習得に役立つチュートリアル動画も多数あります。

3ds Maxとの違い

3ds Maxは、Mayaと同じAutodeskが開発したソフトです。建築分野やアニメーションCGなどに強みを発揮します。1ライセンスあたりの利用料は286,000円/年(税込)で、Mayaと同様高価なソフトと言えるでしょう。(2021年9月7日時点、1年契約の場合)

もちろん、費用負担に見合う価値はあるソフトであることは言うまでもありません。Mayaと比較すると、対応するプラグインが豊富という点が大きな魅力です。

Blenderの強み

それでも、Blenderには他のソフトにはない特徴があります。それはWindowsやmacOS、Linuxといった広く使われているOSだけでなく、FreeBSDのようにMayaではサポートしていないOS上でも動作が可能です。

Linuxまで対応済みのMayaはむしろ、サポートOSの多いソフトと言えます。Blenderはそれより広い範囲をカバーおり、これは開発サイドにおける対応力の高さを示していると考えていいでしょう。

Blenderの案件はどれくらいあるの?

このように、Blenderは魅力的なソフトですから、フリーランス向けの案件がどれくらいあるのかが気になるところです。そこで、フリーランスハブで、Blenderの案件がどのくらいあるのかを確認してみましょう。
フリーワード検索でヒットしたのは、14件です。いっぽうでMayaのスキルが求められている案件は286件あり、3ds Maxも81件あります(2021年8月25日現在)。

これらを見る限りでは、Blenderを使うことができるクリエイターを募集する案件は、きわめて少ないと考えるべきなのかも知れません。

Blenderの案件例と単価

数が非常に少ないとはいえ、実際のBlender案件がないわけではありません。募集終了となってはいますが、レバテックフリーランスに掲載されていた案件を、詳しく見てみましょう(2021年4月30日現在)。

この案件は、スマートフォンのゲーム開発のうち、3D制作とディレクション業務に携わるクリエイターを募集するものです。職務内容はディレクション、外注指示書作成、3Dモデリング、3Dモーション作成で単価は80万円と、魅力的な案件と言えるでしょう。

求められるスキルは、まず3D制作に関する知見が挙げられています。ついで、Unity、Maya、Blender、PhotoshopIllustratorの基本操作が示されています。3D制作ツールのほかに、ゲームエンジンや画像編集ソフトのスキルが必要ということがわかります。

このほかにはディレクションや外注管理の実務経験が求められており、クリエイターというよりはむしろプロジェクトの管理者に近い、高スキル者を求める案件であると言うことができます。80万円という高い単価の理由は、高スキル者対象の案件であるからです。仮に、もっとシンプルなBlenderによる3D制作という案件があった場合、単価はこれより低いと想定しておくべきです。

フリーランスの収入アップを目指したいという方は、「フリーランスの年収は?中央値や手取り相場、収入アップの方法を紹介!」の記事も参考にしてみてください。

Blenderの習得方法

フリーランス案件は数が少ないとはいえ、Blenderの習得がまったく役立たないわけではありません。同じ分野のソフトは、基本的に同じことができるものです。Blenderの操作ができれば、Mayaなど他の3DCG制作ソフトの操作を身につけることは、決して難しいことではありません。

3DCGに関心があり、Blenderに触ってみたいと考えたのであれば、まずは実際に操作して、一部だけでも習得することを考えてもいいでしょう。Blenderはフリーソフトですから、ダウンロードやインストールも気軽にトライすることができます。

わからないことは、すぐに調べる

ここで注意したいのは、Blenderの操作は、Mayaなど他の3DCG制作ソフトと比較して難しい面があるということです。よく指摘されるのが、直感的な操作ができない点です。

Blenderはオープンソースのフリーウェアとして、さまざまなエンジニアが開発してきました。このことが、ユーザーインターフェイスの不統一という形で現れているのですが「操作等でわからないことがあった場合は自己解決を図るのではなく、検索などをしてすぐに調べる」ということを忘れなければ、大きな障害にはなりません。

やりたいことを限定する

また、Blenderの学習を行うにあたって、やりたいことを絞ることも必須と言えるでしょう。多機能なソフトですから、3DCG制作については、多くのことが出来ます。

まずはピンポイントで、やりたいことを絞ってそれだけを実現するようにしましょう。操作を覚えるにあたって、細かな目標を設定し、そこをひとつずつクリアしていくことも有効です。Blenderの習得で挫折を経験した人にも、「直感的な操作がほぼできない」あるいは「何でもできるのでどっちつかずになってしまった」が理由という声があります。

確実な習得を目指すのであれば、こういったBlenderの特性を理解しておきましょう。

操作を含めた基本知識を身につける

何をするかを明確にしたところで、Blenderの基本知識を身につけましょう。Blenderの習得に関しては、それをまとめた初心者向けのサイトはもちろん、書籍もあります。それらを参照しながら、徐々に進めていく必要があります。

最初に覚えるべきは、画面構成です。各ウィンドウの名前と役割を覚えてください。当然ながら、ソフトを起動して実際の画面上で覚えるほうが、イメージがしやすくなります。また、Blenderの基本操作も一通り覚えましょう。強制終了からの復旧まで知っておくと、安心感が増します。

Blenderに限らず、3DCGソフトを扱う上で必須となる被写体とランプ、カメラの3つの要素や、Blenderで作品を作る際の流れも理解しておきたいところです。なかなか3DCG作りに入らないと感じるかも知れません。しかし、Blenderというソフトの特性上、基本知識を得ておくことの重要性が高いため、基礎はしっかりと身につけておく必要があります。

チュートリアルの活用

基本知識が固まったら、実際にBlenderを操作します。チュートリアル動画を見ながら、それを模倣していきましょう。チュートリアル動画のサイトやチャンネルは、検索をすればすぐに見つかります。その中で、自分がやりたいことに近いものを選んでください。

日本語のチュートリアルも数が多いのですが、外国語のチュートリアルには質のよいものがたくさんあります。言葉がわからなくてもBlenderの操作だけであれば、動画を見ることで大枠をつかむことが可能です。Blenderの操作に習熟したクリエイターたちが、どのような操作を行うのかは、習得にあたって大きな助けになるはずです。

繰り返しになりますが、最初はあまり高いところに目標を置かないことと、小さな目標を複数設定し、到達できたことを都度確認するように心がけましょう。成果物ができれば学習の意欲も上がりますし、ひとつひとつの操作がBlender上でどのように反映されるのかを確認することで、Blenderの操作を覚えていることが実感できます。

Blenderだけで、3DCGの現場で通用するのか?

残念ながら3DCGの現場は、Blenderのスキルだけを持ったフリーランスには厳しいものになる可能性が高くなるでしょう。3DCGの制作現場で求められているのは、その能力だけではありません。画像編集やグラフィックデザインの技術が求められることもありますし、現場によってはゲームエンジンの知識を求められるかも知れません。

何よりも、Blenderを扱える人材を求める案件はきわめて少ないことが象徴的であると言えるでしょう。3DCGの制作を行う場合、使われるソフトはBlenderとは限らず、むしろMayaなどのプロ向けソフトのほうが多いと考えるべきでしょう。Blenderを導入する企業は増えてはいますが、今はまだマイナーツールであるのが現実です。

Blenderだけでなく、3DCG制作で用いられる他のソフトやツールの操作にも慣れておくことが、案件を得ていく上では重要になります。とはいえ、Blenderを習得する価値は低いのかと言うと、そのようなことはありません。Blenderで3DCG制作の基本を押さえておくことが前提とはなりますが、現場で実際に使うソフトがMayaであったとしても、十分に対応できるからです。

Blenderで生きる道は?

どうしてもBlenderだけで生きていきたい、何があってもプロフェッショナル用のソフトは使いたくないという人がいるかも知れません。残念ながら、その希望をかなえるような案件を見つけ出すことは非常に困難なのが現状であると言わざるを得ません。

とはいえ、そういった希望を持つ人が進める道がないわけではありません。ひとつの例として、3DCGアーティストを目指して活動することが考えられます。できあがった作品のクオリティで評価が決まる、きわめて厳しい世界ではありますが、使用するソフトなどの制約はありませんから、自分が思う方向で、Blenderを極めていくことができるかも知れません。

安定的な案件獲得のために

さて、培ったBlenderの技術を活かし、案件獲得に結びつけるためには、Blender以外の技能も必要です。まず、同じ3DCG制作ソフトであるMayaあるいは3ds Maxの操作にも習熟しておく必要があります。実は、これらのソフトは、Blenderを使いこなすことができれば、習得コストは決して高いものではありません。

Mayaや3ds Maxを主に使う案件であれば、Blenderの技術を十分に活用することができます。加えて、ゲーム関係の仕事をメインにしたいのであればUnityなどのゲームエンジンのスキルを習得することが有効です。クリエイターとして、仕事の幅を広げるためには、PhotoshopなどのAdobe製品についても、スキルを身につけておくといいでしょう。

このような、受注できる仕事の幅を広げておく努力こそが、安定的な案件獲得につながります。日常の中で業務をこなしつつも、徐々に新しいことを取り入れていくようにしましょう。

案件獲得方法については、「案件獲得できるフリーランスになる方法とは?営業スキルの重要性も解説」の記事でも役立つ情報を紹介しています。

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