ネットワークエンジニアの副業で稼ぐには？案件の探し方や必要スキルを解説

「ネットワークエンジニアの副業は稼げる？」と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
ネットワークエンジニアは専門的なスキルが求められるため、報酬額は高く設定されている傾向があります。案件を獲得できれば稼げる可能性は高いです。

本記事では、ネットワークエンジニアの副業をするために必要な準備や案件の探し方などを紹介します。そのほか、仕事に役立つ資格や未経験者が副業に挑戦するときの流れも解説します。

ネットワークエンジニアの副業の事情

最初に、ネットワークエンジニアの副業動向や仕事の実情について解説します。

ネットワークエンジニアの副業は可能

ネットワークエンジニアの仕事は、副業として行うことが可能です。

ネットワークエンジニアは運用や保守の業務があるため、年中無休・24時間対応をしている会社も多いです。そのため、早朝や深夜、土日祝日など、副業として取り組みやすい勤務条件の案件があります。

ネットワークエンジニアの需要は高い

DXの推進や社内ネットワークのセキュリティ強化が要因となって、ネットワークエンジニアの需要は増加傾向にあります。

フリーランスHub の案件情報によると、ネットワークエンジニアの案件数は2,277件です。
また、ネットワークエンジニアは数多くの業界で必要とされています。サービス業界やIT業界、通信業界のほか、官公庁や銀行においても需要があります。
（2024年11月現在）

経験豊富な人は高収入も可能

フリーランスHub の案件情報によれば、ネットワークエンジニアの月額単価相場で最も比率が高いのは60万円～70万円です。その次に割合が多いのも70万円～80万円のレンジで、単価相場は高いといえます。（2024年11月現在）
実務経験豊富なネットワークエンジニアであれば、高額案件も受注できるでしょう。

ネットワークエンジニアの収入について詳しく知りたい方は「ネットワークエンジニアの世代別の年収は？必要なスキルも紹介」をご覧ください。

ネットワークエンジニアの副業の仕事内容

ここでは、ネットワークエンジニアとしてのノウハウを生かせる副業を紹介します。仕事内容を解説するため、ネットワークエンジニアの副業に興味がある方は参考にしてください。

ネットワーク設計

ネットワークを設計する段階では、まず、クライアントの要望を確認してシステムに必要な機器や回線、ソフトウェアなどを決め、要件定義としてまとめます。次に、システムの基本設計をしたうえで、詳細設計に進みます。

ネットワーク設計の仕事はネットワークのパフォーマンスや品質を決める大切な工程であり、スケジュールやコスト、さらにセキュリティを考慮した設計が必要です。設計は、オンプレミスとクラウドの違いによって異なります。

ネットワーク構築

ネットワーク構築の段階では、設計に従ってネットワーク機器の導入や機器同士の接続、各種の設定をします。

オンプレミスやプライベートクラウドを利用するときは、機器選定を含めた作業が発生します。パブリッククラウド利用の場合、システムはクラウド上に用意されており、使いたい機能のサービスを利用できます。

拠点の多い企業やネットワークの規模が大きなシステムでは、検証や調整に時間がかかることがあります。構築作業が長引くこともあるでしょう。

ネットワーク保守・運用

ネットワークの保守と運用は、サーバーシステムの更新や機器のメンテナンス、トラブル対応などをする作業です。セキュリティが確保された状態で安定した運用ができるように管理をします。ネットワーク障害が発生したときにも、迅速に対応しなければなりません。

24時間365日対応できる体制が必要であるため、副業案件の募集も多いです。

ネットワーク監視

ネットワーク監視は運用中の機器やソフトウェアが正常に稼働しているかを監視する業務で、異常が認められたときは迅速に報告し、保守につなげます。

監視はツールなどにより自動化されていることが多く、担当者が常に見張っているわけではありません。担当者はシステムが異常を検知した際のアラートを確認して、その後の対応を決めます。

パブリッククラウドと比較して、オンプレミスやプライベートクラウドは既存のランサムウェアハッカーによる攻撃を受ける危険性が高く、監視業務は非常に重要です。

ネットワークエンジニアの詳しい業務内容について知りたい場合は「ネットワークエンジニアとは？仕事内容や未経験でなる方法を解説」の記事も参考にしてください。

ネットワークに関する記事の執筆

ネットワークエンジニアとしての知識を活かして、書籍やWebに掲載するネットワークに関する記事の執筆をする副業もあります。
初心者向けのものからプロ向けのものまで、記事の内容は幅広く存在します。

記事の執筆の副業は時間や場所を選ばず、特殊なツールを使用しなくてもできるため、副業に向いている仕事といえるでしょう。
ネットワークエンジニアとしての知識が豊富にあり、文章を書くことが好きな方におすすめの副業です。

ネットワークエンジニアに求められる知識・スキル

ネットワークエンジニアとして副業をするためには、実務経験のほか関連する専門知識・スキルが求められます。
ここでは、ネットワークエンジニアに必要な専門知識やスキルについて解説します。

ネットワークに関する知識・スキル

ネットワークエンジニアの副業をする場合、ネットワーク機器やサーバー、関連ソフトウェアの知識を習得しておく必要があります。また、要件定義や設計のスキルも身に付けておきましょう。

自分が持つ専門知識・スキルを客観的に評価してもらうには、ネットワーク関連資格の取得がおすすめです。副業案件の受注に有利にはたらきます。

クラウド関連の知識・スキル

ネットワークはオンプレミスからクラウドへシフトしています。特にパブリッククラウドの活用が進んでいるため、クラウド関連の知識があると案件を獲得しやすいでしょう。
また、クラウド環境はリモートワークで対応可能な副業案件が増えています。クラウド関連の知識・スキルを磨いておけば、副業を在宅でできる可能性が高まります。

システム基盤の知識・スキル

システム基盤とは業務アプリケーションの土台となるもので、ハードウェアとソフトウェアで構成されます。

• ハードウェア：サーバー・ネットワーク・ストレージ・端末
• ソフトウェア：OS・ミドルウェア・データベース・ドライバ

あらゆるシステム基盤の特色を理解し、業務効率アップのための最適化ができるエンジニアは重宝されるでしょう。また、近年注目されているIoT開発では、特に求められるスキルといえます。

セキュリティ関連の知識・スキル

ネットワークエンジニアとして副業を考えている人は、セキュリティに関する知識・スキルを身に付けることがおすすめです。

ネットワークに接続しているあらゆる機器やソフトウェアには脆弱性が潜んでいる可能性があり、トラブルが発生したときの影響は広範囲に及びます。企業にとって、情報セキュリティはリスク管理の上で大きな課題です。
情報セキュリティやサイバーセキュリティの知識・スキルを備えている人は、副業案件に応募する際にクライアントに高く評価されるでしょう。

情報セキュリティに関する知識を深めたい方は、「情報セキュリティ管理士とは？メリットや試験内容を解説」の記事をご覧いただき、資格の取得も検討しましょう。
情報セキュリティ管理士の試験に合格すれば、情報セキュリティに関する知識を客観的に証明できます。

コミュニケーション能力

ネットワークエンジニアにはコミュニケーションスキルが求められます。

ネットワークエンジニアは専門性が問われる職種であり、課題解決への期待は大きいといえます。
課題を解決するためには、クライアントの要望や課題を聞き出し、的確に解釈することが必要です。また、クライアントに対して解決策を分かりやすく伝える必要があります。
コミュニケーション能力が高いネットワークエンジニアは、これらのプロセスを円滑に進めることが可能です。

ネットワークエンジニアの副業で活かせる資格

ネットワークエンジニアの副業をする際に、関連資格を持っていると案件獲得に有利にはたらきます。高報酬の案件や上流工程に関われたり、仕事の幅が広がったりする可能性があります。

ネットワークエンジニアに活かせる資格として次のものが挙げられます。

• ネットワークスペシャリスト試験
• 情報処理安全確保支援士試験
• 基本情報技術者試験
• CCNA
• CCIE
• CCNP
• LinuC（リナック）

学びを深めたい分野ややりたい副業の仕事に役立ちそうな資格があれば、チェックしてみましょう。

ネットワークエンジニアの副業をするメリット

ここでは、ネットワークエンジニアの副業をするメリットを紹介します。

高額案件が多い

ネットワークエンジニアの案件には高額なものが多数あります。フリーランスHub でネットワークエンジニアの案件情報を見ると、月額報酬60万円～80万円の案件が数多く存在します。
また、公開中のネットワークエンジニアの案件を「週3日以下」の条件を加えて検索した場合も、月額報酬が80万円以上の案件がいくつかヒットします。（2024年11月現在）
専門性が求められる分、高額な報酬条件を設けている案件が多いです。

在宅・リモート案件がある

フリーランスHub の案件情報によると、ネットワークエンジニアの常駐案件とリモートワーク案件の割合は、リモートワーク案件が1,736件で38.1％、常駐案件が2,826件で61.9％でした。（2024年11月現在）
常駐案件の割合のほうが多いものの、4割近くのリモートワーク案件が存在します。
クラウド技術の普及により、リモートで実施できる業務が増えたことが背景にあります。

リモートワークの副業を検討している方は「リモートワークで副業を始めるには？業務や案件の獲得方法を解説！」も参考にしてください。

週末に副業ができる

ネットワークは365日24時間稼働するため、正社員が対応しにくい週末や早朝・深夜の運用・保守が外部のエンジニアにアウトソーシングされる傾向にあります。
平日の日中は会社員として勤務している人は、そのような条件の案件を受注すれば本業と両立して稼ぎやすいでしょう。休日や余暇を有効活用できます。

本業では得られないスキルと経験が得られる

本業で携わっている業務内容と異なる領域のネットワークエンジニア案件を副業として選べば、新たなスキルを習得可能です。実務経験も積むことができます。

今まで取り組んだことがなかった分野のスキル・経験を磨くことによって、本業でさらなる活躍が可能になったり、キャリアアップやキャリアチェンジが可能になったりするでしょう。

独立への足掛かりになる

ネットワークエンジニアとしてフリーランスになるための準備としても、副業はおすすめです。
フリーランスは特定の企業や組織に所属せず、自ら仕事を獲得して生計を立てます。そのため、フリーランスになるにはその分野における確かな実力が必要です。いきなりフリーランスになるのはリスクが高いといえます。

将来的にネットワークエンジニアとして独立することを考えている場合は、まずは副業から始めてみましょう。さまざまな案件に対応できたり、高単価案件が受注できたりする実力がつけば、フリーランスとして独立できる可能性があります。

いつか独立してフリーランスとしてエンジニアをしていきたいと考えている方は、「フリーランスエンジニアの種類は？会社員との違いやメリットとは」の記事も参考にしてください。

ネットワークエンジニアの副業の注意点

ここでは、ネットワークエンジニアとして副業をする際の注意点をまとめました。ネットワークエンジニアの副業を検討中の方はあらかじめ知っておきましょう。

未経験者OKの副業案件はほとんどない

ネットワークエンジニアの仕事には専門性が求められるため、「未経験OK」を謳っている求人はほとんどありません。また、副業ワーカーを採用する場合、企業は即戦力を雇いたいと考えているケースが多いです。そのため、ネットワークエンジニアの副業を行うためにはノウハウや実績を備えている必要があります。

ネットワークエンジニア未経験の場合は、初心者向けの案件からスタートしたり、長期の雇用・育成を見込んだ経験不問の会社で働いたりして実績を作りましょう。

情報管理を徹底する

ネットワークエンジニアは企業のITインフラに関わるため、情報管理を徹底しなければなりません。情報管理を疎かにすると情報漏洩が起こるおそれがあります。もし情報漏洩をしてしまった場合、多額の損害賠償を請求されることもあるでしょう。

ネットワークエンジニアの副業をするときは、情報の取り扱いに十分気を付けましょう。
情報セキュリティやサイバーセキュリティなどに関する知識・技術も身に付けてください。

本業の就業規則を確認する

ネットワークエンジニアの副業を検討する際は、本業として勤めている会社の就業規則を入念に確認しましょう。
なかには副業を禁止している企業も存在します。もし就業規則を破って副業をした場合、減給や懲戒処分などの処罰を受けるリスクがあります。

副業を許可している会社では、副業の登録申請をルール化しているケースがほとんどです。会社が定める規則に則り、ネットワークエンジニアの副業の登録申請を行いましょう。

本業を疎かにしない

ネットワークエンジニアの副業をする場合は、本業が疎かになってしまうことのないようにしてください。副業が本業に支障をきたすと本末転倒です。

ネットワークエンジニアの副業をするときは、本業に差し支えないようなスケジュールを作成します。時間的な余裕を持ち、本業も副業も無理なく続けられる範囲で副業案件を受注しましょう。

健康に留意する

本業でも副業でも、ネットワークエンジニアの仕事で成果を上げるためには健康の維持が欠かせません。
副業が要因で多忙になり、体調を崩さないように注意しましょう。副業を始めるときは、休息や気分転換に充てる時間をスケジュールに組み込んでください。

支払いサイトを確認する

ネットワークエンジニアの副業案件を受注するときは、支払いサイトを必ず確認してください。支払いサイトとは、業務を終えた締め日から支払い日までの期間を指す言葉です。

「月末締め・翌月末払い」など、支払いサイトは30日のケースが一般的です。ただし、企業によって締めや支払いの時期が異なる場合があります。
自分が報酬を得たいと考えているタイミングがあれば、副業案件の条件において支払いサイトをチェックしましょう。

確定申告が必要なケースがある

本業の勤務先から給与を受け取っている人が、副業による収入で年間20万円を超えたケースでは、所得税の確定申告の義務が発生します。もし確定申告の手続きを怠った場合、無申告加算税や延滞税などが課税されてしまうため注意しましょう。

ネットワークエンジニアの報酬額は比較的高額です。副業案件を受注して働くケースにおいても、収入が年間20万円を超える可能性が高いといえます。
忘れずに確定申告を行いましょう。

確定申告について詳しく知りたい方は「確定申告に源泉徴収票は必要？書類一覧や確定申告に関する疑問を解説」の記事を参考にしてください。

ネットワークエンジニアの副業案件の探し方

ここでは、ネットワークエンジニアの副業を探す方法を解説します。自分に合った方法を探すときの参考にしてください。

副業エージェントに登録する

副業エージェントは、副業案件の紹介を受けられるサービスです。サービスに登録するとエージェントが担当について、企業・案件とのマッチングをサポートしてくれます。
副業エージェントを利用すれば、膨大な求人から自ら副業案件を探す手間が省けます。ネットワークエンジニアの副業を探す際に利用してみましょう。

副業エージェントを利用するときには、自分の能力や経歴、希望する副業案件の条件などをできるかぎり詳細に伝えてください。詳しく伝えることにより、マッチングの精度が高まります。

クラウドソーシングで探す

クラウドソーシングとは、インターネット上で不特定多数に向けて業務委託の案件依頼を行う仕組みです。クラウドソーシングを通じて、クライアントと受注者をマッチングさせます。
案件の契約成立のパターンには、主に次の2通りがあります。

• クライアントが案件情報を公開し、受注者が応募する
• 受注者が公開している実績や希望条件を見て、クライアントが依頼する

クラウドソーシングは、フリーランスや副業の仕事の案件を探すときに利用されることが多いです。
クラウドソーシングには幅広い案件が公開されています。小規模な案件や難しい技術が求められない案件も見つけやすいでしょう。

人脈を活用する

仕事やプライベートで築いた人脈を活用して、ネットワークエンジニアの副業案件を獲得する方法があります。また、SNS上でのつながりも副業案件を探す際に生かせます。
企業のITインフラに関わっている人が知り合いにいれば、ネットワークエンジニアの人材募集をしていないかどうか確認してみましょう。副業案件を紹介してもらえる可能性があります。

未経験者がネットワークエンジニアの副業をする流れ

ネットワークエンジニアの経験がない人が副業をしたいと考えた場合、いくつかのプロセスを経ることが必要です。
ここでは、未経験者がネットワークエンジニアの副業をするために必要なことについて解説します。

1.必要な知識・スキルを身に付ける

ネットワークエンジニアの未経験者は、まずは必要となる知識やスキルを身に付けてください。
先述のとおり、ネットワークエンジニアに求められるのは下記の能力です。

• ネットワークに関する知識・スキル
• クラウド関連の知識・スキル
• システム基盤の知識・スキル
• セキュリティ関連の知識・スキル
• コミュニケーション能力

IT業界は技術の進歩が著しい傾向があります。最新の情報を常にチェックし、研鑽を積みましょう。

2.実務経験を積む

実務経験がない状態でいきなりネットワークエンジニアの副業案件を受注することは難しいといえます。最低でも2～3年の実務経験が求められることが多いです。
ネットワークエンジニアの仕事を副業として行いたい場合は、実務経験を積んで準備しましょう。

3.難易度が低い案件から挑戦する

ある程度の知識・スキルを身に付けて、実務経験を積んだら、高度な技術が求められない副業案件からチャレンジしてみましょう。
難易度が低い案件で経験を積み、引き続きスキルアップしていくことで、いずれ高いレベルの副業案件を受注できる実力をつけることができます。

また、継続的に長期で携われる副業案件を見つけることがおすすめです。一つの仕事に長く関わって成果を出すことでクライアントとの信頼関係が構築され、将来的に好条件の副業案件を任せてもらえる可能性があります。

未経験からのITエンジニアを目指す方は「ITエンジニアは未経験でもなれる？仕事の種類やスキルを紹介」の記事もご覧ください。

まとめ

ネットワークエンジニアの業務は専門性が高く、副業では即戦力が求められます。ネットワークやサーバーのハード・ソフトなどの専門的な知識・スキルのほか、コミュニケーション能力も必要です。さらに、関連資格を持っていると副業案件の獲得に有利にはたらくでしょう。

ネットワークエンジニアの仕事は、リモートでできる案件があったり週末を利用して仕事ができたりと、副業としてこなしやすいメリットがあります。また、専門性が求められることから、報酬額が高額に設定されているケースも多いです。
ネットワークエンジニアとしての実績を重ねていき、副業案件の獲得を目指しましょう。