RPAの副業で稼ぐには？仕事の探し方と業務に必要なスキルを紹介

自動化や効率化が推進されている現代においてRPAの副業案件数は、増加傾向にあると考えられます。「RPAの知識やスキルを活用して副業ができないか？」と考えているエンジニアも多いでしょう。

RPAの副業をするには、仕事の種類や必要なスキルなどを知る必要があります。本記事では副業の仕事内容や探し方、スキル取得に役立つ関連資格などを紹介するので、RPAを使って稼ぎたい方はぜひ参考にしてください。

RPAとは？副業の仕事内容も紹介

RPAを活用した業務の効率化は近年注目され、需要が高まっているようです。副業を検討する方に向けて、RPAの概要と主な仕事内容を紹介します。

RPAとはロボットによる業務の効率化

RPAは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語で、ロボットによる業務の効率化の仕組みづくりや技術を意味します。AIやRPAツールを活用した型作業の自動化が例にあげられるでしょう。

RPAの導入や開発・保守をするRPAエンジニアは、近年需要が高まっている職種です。

RPAの副業の仕事内容

RPAの副業の仕事内容は、要件定義やRPAツールの開発、運用・保守です。

まずクライアントからヒアリングし、要件定義をします。次に業務分析を行い、自動化するタスクを特定。開発では「動作シナリオ」と呼ばれる業務の詳細設計をします。

上記を行うには、RPAツール開発の技術や専門知識が必要です。運用・保守業務では、利用するスタッフへのレクチャーやマニュアル作成を行い、日々の業務をサポートします。運用中に機能改善や安定した稼働を目指すのも大切な業務です。

RPAエンジニアの仕事内容や収入は、「RPAエンジニアとは？仕事内容や必要なスキル、収入について解説！」も参考にしてください。

RPAの副業の探し方

RPAの副業の探し方を5種類紹介します。

求人サイトで検索する

案件を探す際には、求人サイトでの検索がおすすめです。興味のある業種や職種を絞って検索すると、条件に合う求人・案件がヒットします。たとえば、「RPA 在宅 副業」と検索バーに入力すれば、無理なく働ける仕事が見つかる可能性があるでしょう。

クラウドソーシングサイトを活用する

クラウドソーシングサイトを活用して自分に合うRPAの副業を探す方法もあります。クラウドソーシングサイトにはフリーランス向け案件が豊富です。納品までのすべての作業を完全リモートで対応できる案件もあるでしょう。

自分の都合に合う案件を選べるのがクラウドソーシングサイトの大きなメリットです。

企業に営業をかける

RPAを導入する企業に直接営業活動をするのも手です。電話やメールで企業に連絡し、案件の有無を確認しましょう。

応募できる案件があれば、自分のRPAスキルと仕事への熱意をアピールします。これまでの業務効率化の実績、特定のRPAツールに関する知識・資格をポートフォリオに記載するのも有効です。

ただし、反応や案件の有無は企業次第なので、成果が出ない可能性もあります。定期的に連絡したり、複数の企業にアプローチしたりすると良いでしょう。

RPAに強いエージェントを活用する

RPAに特化したフリーランス・副業向けエージェントも活用可能です。フリーランス向けのエージェントは、企業情報や市場動向の把握にも役立ちます。副業向けエージェントは数が少なめなので、フリーランス向けとの併用がおすすめです。

エージェントのメリットは、自ら営業しなくても個々のスキルや経験に合った仕事を提案してもらえること。条件のミスマッチを防ぎつつ、効率的に案件を見つけられるでしょう。

RPAのコミュニティに参加する

情報交換やスキルアップのための交流会やフォーラムなど、RPAのコミュニティに参加して、人脈を作り、案件獲得につなげる方法もあります。

オンラインフォーラムやSNSグループに参加すると、他のRPAエンジニアや専門家と交流できます。また、最新の業界トレンドや技術情報の交換もできるでしょう。

信頼を築くことで、仕事の紹介や推薦などのチャンスを広げられます。定期的に参加し、副業スタートの機会につなげてください。

RPA副業の仕事の種類

RPAの副業には大きく分けて「エンジニア系」「コンサル系」の2系統があります。それぞれの業務範囲を見ていきましょう。

エンジニア系

エンジニア系の仕事は、主にRPAツールの開発・保守です。

開発では、RPAツールのシナリオ設計や開発作業をします。ユーザーインターフェースの改善や新しい機能の追加などが主な仕事です。

保守では、既存のRPAツールの定期的な更新やバグ修正をします。ユーザーからのフィードバックを受け、機能を改善するのも仕事です。

エンジニアの仕事自体に興味がある方は、「エンジニアの種類と仕事内容は？必要なスキルや平均年収も解説」を参考にしてください。

コンサル系

コンサル系の仕事内容は主に業務分析と設計、RPAツールの選定です。クライアントにヒアリングして業務プロセスを詳細に理解したあと、自動化が必要なタスクやプロセスを特定します。

また、社内調整に関わる案件もあります。マネジメント経験が求められることも多く、正社員と同様の作業時間になる案件もあるでしょう。そのため、案件あたりの単価は高い傾向です。

RPAの副業の特徴

需要が高まりつつあるRPA副業の特徴を4つ解説します。特徴を知って、副業へのチャレンジを検討しましょう。

高単価の仕事が多い傾向にある

RPAの副業には高単価の案件が多い傾向にあります。フリーランスHubのデータによると、PMをはじめとする上流工程を含む場合、70万円程度の案件が多く見受けられます（2024年7月時点）。専門知識と経験が求められるものの単価は高めといえるでしょう。

プロジェクトの規模や要求されるスキルに応じて単価は変動します。条件を確認してから取り組みましょう。

開発スピードが一般と比べて早い

従来のプログラミングの開発業務と比べて、開発スピードが早いのも特徴です。

RPAツールは、コーディングなしで開発が可能です。また、パソコンの操作を記録して開発する方法があり、開発にかかる時間を短縮できます。APIやプラグインが準備されていることが多いため、既存のシステムとの連携も比較的スムーズです。

ベンダーサポートのものやデスクトップ型、クラウド型があります。デスクトップ型のRPAツールは比較的簡単だとされているので、短期間で開発を進めたいときにおすすめです。

在宅ワークができる

RPAの副業で在宅ワークできる場合もあります。RPAツールを利用した業務の自動化は、主にオンラインで進めるからです。

在宅ワークは時間の調整もしやすく、ワークライフバランスを大切にできる働き方だといえます。副業では本業を配慮して在宅でできるものを選びましょう。

「リモートワークと相性がいい仕事とは？多くの選択肢の中から自分にぴったりの仕事と出会う方法」も参照し、在宅ワークでできる案件を調べてください。

スキルアップが図れる

RPAの副業にチャレンジすると、スキルアップが図れます。副業を通じて日常の業務では学びにくいRPAツールの最新動向や、開発手法を習得できるでしょう。新しいプロジェクトやクライアントの要件に対応するため、自ら技術を深める機会を得られます。

案件での経験を通じて、問題解決力や上流工程の知識を身につけながらプロジェクト管理スキルも高められるのもメリットです。

エンジニアがRPAの副業をするメリット

RPAの副業により、新しい技術を獲得できます。副業の実践で収入を増やせて、独立への一歩になるのもメリットです。以下でエンジニアが RPAの副業をする具体的な利点を見ていきましょう。

独立や起業への足掛かりになる

RPAの副業を始めると、独立や起業へのチャンスが広がります。副業を通じて事業の基盤を築けるからです。現状のスキルでの報酬を確認できたり、ポートフォリオに書ける実績も増やせたります。

自身のスキルや信頼性を高めて、クライアントや案件を増やせるのもメリットです。加えて、副業を通じて得た収入を資金にして、独立起業の準備を進められるでしょう。

収入が増える

RPのA副業に取り組むことで、本業とは別の収入源を確保し、経済的な安定を図れます。在宅でできる案件もあり、時間や場所を選ばずに効率良く高収入を得られるのは大きなメリットです。

「エンジニアの単価｜計算方法や相場、市場価値の高い人材になる方法を解説」では具体的なエンジニアの相場・市場価値を紹介しているので、こちらも参考にしてください。

エンジニアとしての魅力が高まる

RPAの副業でエンジニアの魅力が高まれば、さらなる案件獲得につながります。副業を通じてRPA関連のプロジェクトに参加すると、ポートフォリオの強化もできるでしょう。

エンジニアとして業界内での技術やスキルの評価を高めて、昇進や新たな案件の獲得を図りましょう。実務経験を通じて問題解決力やコミュニケーションスキルを磨くと、将来のキャリアパスの選択肢が広がります。

新しい技術を学ぶ機会になる

RPAの副業は、新しい技術を学ぶ機会となるでしょう。特にRPAとAIの組み合わせは増えていて、自動化の精度や範囲が広がっています。

副業を通じて、触れる機会の少ないAIや機械学習の応用を学べます。高度なデータ処理や予測分析などの技術習得は、自身のスキルアップにつながるでしょう。

新しい技術を用いて実践で経験を積めば、業務効率化や革新的な解決策を提供するスキルが身につく可能性があります。

RPAの副業の需要と将来性

業務効率化や自動化が進む現代では、RPAの副業は高い需要と将来性があると考えられます。RPAエンジニアは、需要が伸びている職種です。今後もデジタル化と自動化の進展が続く傾向にあり、RPAの需要はさらに増加すると見込まれています。

業界の変化や新しい技術に迅速に対応できるエンジニアは市場価値が高まっています。RPAの副業を通じて積極的にスキルを磨けば、将来性があるエンジニアを目指せるでしょう。

RPAの副業で成功するのに必要なスキル

RPAの副業を成功させるには、専門知識と実践力が欠かせません。ここからは、具体的に求められるスキルや資格を解説します。

RPAツールの実践的知識と応用力

RPAの副業案件では、UiPathやBlue Prism、Automation Anywhereなど主要RPAツールの実践的な知識と使用経験が求められます。これらのツールを実践で使いこなし、設計・開発する技術が必要です。

また、クライアントごとの業界や業務の特性に合わせて分析・提案できる応用力も身につけましょう。

プログラミングスキル

開発には、基本的なプログラミングスキルが必要です。RPAツールのスクリプト作成やAPIを利用するときは、プログラミングを活用します。

複雑な業務自動化やシステム連携を実現し、提案や実践の範囲を広げるためにも、プログラミングスキルを磨きましょう。スキルの習得方法を知りたい方は、「学習のコツがずらり！プログラミング学習方法まとめ」をご覧ください。

プロセス分析力や課題解決力を鍛える

RPAの副業には、業務プロセスの分析力や業務の課題を解決する力が重要です。特に、業務の分析スキルは必須です。たとえば、コンサル系RPAエンジニアは深く業務を理解し、どの業務にどのRPAツールを用いるかを見極めて提案する力が求められます。

業務のプロセスを的確に分析し、今ある課題の解決策を考えられるようになりましょう。

バックオフィスの知識

人事や経理、総務などのバックオフィスに関する深い知識を持っていると強みになります。バックオフィス業務の効率化のために、RPAツールの検討をする企業が増えているからです。データの転記やファイルの加工、経理業務などの自動化需要が高まっています。

バックオフィスの知識があれば、RPAツールの導入やシナリオ作成がスムーズになるでしょう。

RPAの副業に役立つ資格

RPAの副業案件を獲得するにあたって、基本的な知識と開発スキルを証明する資格があると大きなアピールとなるでしょう。役立つ資格を5つ紹介します。

RPA技術者検定

RPA技術者検定は、2018年よりNTTグループが提供するRPAツール「WinActor」の知識レベルを測る検定です。

検定は「アソシエイト」と「エキスパート」の2種類があります。「アソシエイト」では、WinActorの基本の活用方法や基礎知識の確認が可能です。「エキスパート」は中級レベルの試験で、「WinActor」によるシナリオ作成や自動化の技術レベルを証明できます。

UiPath Certified Professional

UiPathは、世界的に有名なRPAソフトウェアベンダーであるUiPath社が提供するツールです。UiPath Certified Professionalは、同ツールの専門知識とスキルを認定します。

レベルは「アソシエイト」「デベロッパー上級」「オートメーションビジネスアナリストプロフェッショナル」の3つがあります。デベロッパー上級以上は高度な専門知識が必要です。世界では4,000社以上、日本でも自治体や金融機関を中心に1,000社で導入されています。

Automation Anywhere RPA認定試験

Automation Anywhere RPA認定試験は、アメリカ製RPAツールのAutomation Anywhereの専門知識とスキルを評価する資格です。「エッセンシャル」「アドバンスド」「マスター」の3段階があります。

資格試験に関しては、「各方面で活躍するエンジニアの資格合格体験記まとめ」に合格の体験談がまとめられています。参考にして、自身の合格につなげましょう。

未経験でRPAの副業はできる？

実績がない状態で副業案件を獲得するのは難しいと考えられます。もし未経験でチャレンジするには、RPAツールやプログラミングの基礎知識の学習が欠かせません。オンラインスクールやベンダーによる講座などを活用し、知識を習得しましょう。

また、フリーランスとして始めるときは、自己PRにつながる経験を積むのが重要です。フリーランスの始め方や手続きについての詳細情報は、「フリーランスの始め方とは？手続きや注意点について解説！」を参考にしてください。

RPAの副業の注意点

RPAに限らず、副業を始めるときには注意点があります。トラブルの回避や失敗防止に役立つので、副業に取り組む前に予測できる注意点を把握しましょう。

本業の副業に関するルールを確認する

本業で副業が許可されているかを確認するために、会社の労働規約や契約書に目を通しましょう。一部の企業では副業を禁止しているからです。禁止されている状況で副業をして発覚すると、解雇や減給処分になる恐れもあります。

副業が許可されていても、本業と競合する活動や機密情報の取り扱いには注意しなければなりません。

競合他社で副業しない

副業をする際は、競合他社での副業を避けましょう。勤務先が副業を認めていても、同じ業界や類似したサービスを提供する競合他社の業務受託を禁止している場合があります。情報流出や利益相反のリスクがあるからです。

契約内容や企業の業務内容をもとに、競合関係にあるかどうかを判断しましょう。

副業先との契約内容によく目を通す

副業をする際は、契約内容の細部まで目を通しましょう。特に、報酬の支払い条件や業務の範囲、期間などに関する事項は把握してください。契約内容が不明確だとトラブルの原因になりかねません。

特に、クライアントが主体となって契約書を作った場合は、自分に不利な条件がないかチェックするのが得策です。予期しない問題を避けるためにも、詳細まで確認してください。

時間管理を徹底する

副業では時間管理が重要です。本業への影響を最小限に抑えるには、副業の時間確保が欠かせません。

副業をすると作業時間が増え、ワークライフバランスが崩れやすくなります。休息の時間を適切にとりましょう。適度な休息には、仕事の効率性を高めるだけでなく、心身の健康を保つ効果があります。

確定申告などの経理処理を適切にする

副業する際、事務作業や確定申告は自分で行う必要があります。所得税や住民税などの税金を適切に申告し、納税しましょう。確定申告を怠ると脱税になり、罰金や法的な問題につながる恐れがあります。

収入や経費の記録を正確にとり、年次の確定申告を忘れないようにしてください。自分での手続きに不安を感じる方は、税理士や会計士のサポートを受けることをおすすめします。

節税や控除については、「個人事業主が払う税金は？経費と控除を押さえた節税対策10選を紹介」も参考にしてください。

RPAの副業で成功するためのポイント

RPAの副業で成功するためのポイントを紹介します。実績や経験を積めば、大きな成功が得られるでしょう。副業成功のコツを知りたい方は、「副業の始め方は？具体的なステップや主な職種、稼ぐコツを解説」も参考にしてください。

小さなプロジェクトから始める

RPAの副業で成功するためには、小さなプロジェクトから始めることをおすすめします。

最初はリスクを最小限に抑えながら、実績を築くのを目標にしてください。いきなり高単価のプロジェクトを目指しても、案件受注は難しいでしょう。小さなプロジェクトの経験を積んでから、次第に高単価なプロジェクトを狙うのがコツです。

関連分野の勉強を続ける

RPAの副業では、関連分野の勉強を続けるのが重要です。技術の進化は速く、常に最新のトレンドや技術を学び続ける必要があります。新しいツールやプラットフォームの習得、AIとの統合など、業界の最前線を理解するとより高度なソリューションを提供できるでしょう。

継続的に学習をすれば自己成長にもつながり、自信を持って新しいプロジェクトに取り組めるのもメリットです。市場での評価が高まり、新しいビジネスチャンスを掴めます。

まとめ

RPAの副業は、新しい技術で業務自動化の経験を積むチャンスです。主要なRPAツールを利用して業務効率を向上させれば、迅速で精度の高い業務が実現できます。

技術やプログラミングスキルを持っている人が有利ですが、未経験者も学習を重ねれば挑戦できる可能性もあります。最初は小規模なプロジェクトから取り組み、経験と実績を積み重ねてください。