個人事業主の住宅ローンで通りやすい?必要な条件や審査通過のコツも紹介

最終更新日:2024年10月02日

住宅ローンは、多くの個人事業主が不安に感じるものです。個人事業主に求められる住宅ローンの条件や審査は、会社員とは異なります。収入証明や確定申告、物件の選定などへの正しい理解が必要です。

本記事では、個人事業主の住宅ローンに関する必要条件や金融機関の審査に通りやすい方法を解説します。おすすめのローン「フラット35」も紹介するので、ぜひお読みください。

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個人事業主は住宅ローンを組みにくい

個人事業主は住宅ローンを組みにくいとされます。収入証明が難しく、住宅ローンの審査のクリアが難しいためです。個人事業主の住宅ローン審査が厳しくなる理由を以下で詳しく見ていきましょう。

住宅ローンの審査通過が難しい理由

個人事業主の住宅ローン審査の通過が難しい理由としては、次の2点があげられます。

  • 給与明細がなく、収入証明が不十分と判断される
  • 事業の安定性や将来の収入の見通しがつかない

個人事業主は会社員とは違い、給与明細がありません。正確な収入額が分かりづらく、毎月一定額のローン返済が可能か判断しにくいのがデメリットです。企業の後ろ盾がなく、景気悪化などで収入が途絶えたり減少したりする可能性があるのも懸念されます。

住宅ローンは大きな金額を借りて毎月返済する必要があるので、審査では借りる本人に返済能力が備わっているか判断されます。不安要素が大きいと判断されると、審査に落ちるでしょう。

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個人事業主がローン審査で見られる要素・条件

個人事業主がローン審査で見られる要素を紹介します。申し込む前に、自分が条件を満たしているか確認しましょう。

過去3年分の所得

審査では、過去3年分の所得をもとに安定した収入があるかどうか判断します。年商ではなく、経費を差し引いた所得が重要です。節税対策で経費を多く計上すると所得が少なくなるため、住宅ローン審査に通過できない可能性があります。

基本的には3年間の所得の平均をもとにしますが、所得にばらつきがある場合は最も低い年の所得で審査されることもあるようです。

自己資金額

自己資金額が多いほど住宅ローンに通りやすくなるでしょう。借りる額が少なくなるためです。

審査の通過に不安がある方は、なるべく多くの自己資金を用意しておきましょう。もし、用意できない場合は、後述するフラット35の利用がおすすめです。

税金・保険料の支払い状況

税金や保険料を滞りなく支払っているかどうかも重要です。こういった支払い情報は、「信用情報」として金融機関同士で共有されています。

滞納を繰り返していたり現在進行形で支払いが滞ったりしていると、住宅ローン審査に悪影響を及ぼします。現在滞納している場合は速やかに支払いを済ませましょう。

年齢・健康状態

年齢や健康状態も住宅ローン審査で重視されるポイントです。

個人事業主は身体が資本。年齢や健康理由が原因で働けなくなると、住宅ローンの返済が難しくなります。高齢の人や持病がある人は、審査に通らない可能性が高くなるでしょう。健康診断の結果の提出を求める金融機関もあるようなので、日々の健康管理は重要です。

本人の個人信用情報

税金や保険料だけでなく、借りているカードローンやクレジットカード、奨学金などの支払い状況も見られます。

支払いが遅れたり、滞納したりすると個人信用情報に影響が出ます。個人信用情報に傷がつくと住宅ローンはもちろん、マイカーローンも組みにくくなるでしょう。金融関連の契約全般が難しくなります。

購入予定物件の情報

購入予定物件の状態や建築年数なども審査対象として見られます。設備や物件自体が古いと、「価値がなくなる可能性が高い」と判断されて審査に影響します。

なぜなら、住宅ローンでは返済ができなくなると、住宅を売って返済にあてるためです。物件に担保としての価値がなければ、審査に落ちる恐れがあります。また、古すぎる物件はリフォームや立て直しの必要があるので、将来ローンを組み直すことになるでしょう。

審査に落ちるケース

個人事業主としての収入が大きくても審査に落ちるケースは、次の5つです。

  • 数年間の所得金額が不安定で返済能力が不明瞭
  • 事業を立ち上げて間もない
  • 過去に赤字の年がある
  • 希望する物件が審査基準に合わない
  • 希望するローンの金額が大きすぎる

上記に当てはまる人は、いくらその年の収入や頭金が多くても、審査に落ちやすくなるでしょう。

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個人事業主が住宅ローンの審査を通過するコツ

個人事業主は住宅ローンの審査に通りにくいといわれますが、長年業務を続けていて安定した収入があれば別です。個人事業主や自営業向けの住宅ローンを利用すれば、審査に通る確率は上がるでしょう。審査通過のためのポイントを紹介します。

事業の安定性を示す

事業の安定性を示せば、住宅ローンの審査に通りやすくなります。将来的にも収入が安定していることを証明できれば、借入可能額も増えるでしょう。個人事業主が事業の安定性を示すには、次の3つの資料の提示が有効です。

  • 過去数年の売上推移
  • 将来の事業契約
  • 事業の集積性を説明するもの

他にも、保証人を立てたり物件の担保を設定したりすれば、住宅ローンの条件が緩和される可能性があります。

借入額の合計を少なめにする

借入金額を少なくすると、住宅ローンの審査に通りやすくなります。

住宅ローンの審査は所得や年齢などの条件をもとに借入可能額が設定されます。借入金額が少なくなればなるほど、滞納や返済不可に陥りにくくなり、住宅ローンの審査が緩和されるでしょう。

審査に通るか不安なときは、頭金を多めに準備する、または安い物件を購入するなどの対策をとってください。

必要以上に経費を計上しない

確定申告で必要以上に経費を計上しないのも、住宅ローンの審査に通るコツです。

住宅ローンの審査では、事業で得られた年商から経費を差し引いた所得が重要視されます。節税対策で多めに経費を計上すると、所得金額が少なくなり、住宅ローンの審査に通りにくくなります。

将来的に住宅ローンを検討している方は、必要以上に経費を計上しないのが得策です。

ローンが通りやすい金融機関を選ぶ

個人事業主や自営業者向けの住宅ローンを扱っている金融機関があります。

個人事業主向けの住宅ローンの審査は、会社員とは判断材料が異なります。個人事業主でも通りやすい条件が多いので、普通の住宅ローンの審査に落ちた方に向いているでしょう。

審査に不安があるときは、個人事業主向けの住宅ローンを扱う金融機関を探してみてください。

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個人事業主向け住宅ローンの申込条件

個人事業主向けの住宅ローンの申込条件や提出書類を紹介します。個人事業主向けの住宅ローンに興味がある方は参考にしてください。

個人事業主向け住宅ローンの申込条件

個人事業主向けの住宅ローンは、年収ではなく年間の所得が審査対象です。安定した所得、および継続的な事業実績を証明できる書類の提出が求められます。

また、信用度を測るのに有効なクレジットカードの履歴も重視されます。クレジットカードの滞納がないかどうか申請前に確認しましょう。

提出書類

個人事業主向けの住宅ローンに必要な提出書類は、以下のとおりです。

  • 本人確認書類
  • 最新の確定申告書3年分
  • 事業所得を証明するもの3年分
  • 取引先との銀行取引の記録
  • 物件に関する書類
  • 返済中の借り入れがある場合はそれらの書類

個人事業主の住宅ローン申請に必要な書類は、会社員の場合とは異なります。必要な書類を準備してください。

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個人事業主が住宅ローン控除を利用するときのポイント

住宅ローンに支払った金額は、住宅ローン控除として節税に使えます。基本的には給与所得者と同じ仕組みですが、個人事業主に特有のポイントもあります。ここからは、個人事業主が住宅ローン控除を利用するときのポイントを見ていきましょう。

個人事業主が住宅ローン控除を受ける条件

個人事業主が住宅ローン控除を受ける条件は、基本的には給与所得者と同じです。ただし、自宅と事務所を兼用している個人事業主は、控除の利用条件に注意しましょう。主な条件は以下のとおりです。

  • 住宅ローンを10年以上組んでいる
  • 控除を受ける年の所得の合計が3,000万円以下
  • 親族や配偶者から買った住宅ではない

そのほか、床面積や居住用スペースの割合にも細かい条件があります。こうした条件を満たしていなければ住宅と認められず、控除が受けられません。

控除対象は住居部分に限定

個人事業主が住宅ローン控除が受けられる対象は住居部分のみです。事務所部分は控除の対象外となります。

住宅ローン控除を申請するときは、事務所部分を除いた住居スペースを計算しましょう。また、住居取得後に事業を開始した場合は、建物評価額の計算が必要です。

控除を活用するときの注意点

個人事業主が住宅ローン控除を活用するときは、次の点に気をつけましょう。なお、「持分(もちぶん)」は住宅を共有する人それぞれの所有権の割合を指します。

  • 共有名義の場合は全員の持分の合計で判断する
  • 自分の持分だけでは控除を受けられない

共有名義の場合、自分の持分だけでは控除を受けられません。控除の金額を計算するときは、自分だけでなく名義人全員の持分の合計から求めましょう。

控除申請後の手続き

給与所得者は最初の年に確定申告すると、自動で住宅ローン控除が受けられます。しかし、個人事業主が控除を受ける場合、申請後は毎年住宅ローン控除の確定申告が必要です。

住居スペースと事務所スペースの比率に変更がない場合でも、毎年住宅ローン控除の申告が求められます。忘れずに確定申告しましょう。

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フラット35は個人事業主も利用できる住宅ローン

フラット35は個人事業主でも利用できる住宅ローンです。個人事業主でも利用しやすく、金融機関の住宅ローン審査に落ちた人に向いています。

フラット35とは

フラット35は、住宅金融支援機構と金融機関が民間人の住宅取得のために提携している住宅ローンです。

最長35年ローンで、借り入れ中の金利が全期間固定なのが特徴です。長期間の固定金利は貸している側に大きなリスクがあるため、多くの住宅ローンは変動期間を採用しています。

フラット35は、住宅金融支援機構がリスクを請け負うことで全期間の固定金利を実現しました。住宅金融支援機構は国土交通省と財務省が管轄する法人なので、安心して住宅ローンを組めるでしょう。

個人事業主がフラット35を利用するメリット

個人事業主がフラット35を利用するメリットは、大きく4つあります。

  • 日本国籍で70歳未満なら誰でも利用可能
  • 決算書の提出が不要で確定申告書をもとに審査
  • 前年の確定申告書をもとに返済負担率の条件が決まるため、前年所得が多いと通りやすい
  • ペアローンの利用が可能

金融機関の住宅ローン審査では、通常過去3年分の所得が重視されます。一方、フラット35は前年度の確定申告書をもとに年収や返済負担率の条件が判断されます。過去3年の所得に不安がある方も、直近1年の業績が好調なら審査に通りやすいでしょう。

また、ペアローンの申請ができ、パートナーや子どもと共同名義での借り入れが可能です。

フラット35の注意点

フラット35の申請を検討している方は、次の点に気をつけましょう。

  • 長期固定金利である分、金利が高めに設定されている
  • 返済負担率が年収によって異なる
  • 他の住宅ローンと同レベルの信用情報が求められる

フラット35は他の金融機関の住宅ローン審査に通らなかった方でも比較的通りやすいとされます。ただ、審査基準が低いとは断言できないので、事前準備は欠かせません。

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住宅ローンに不安があるときは金融機関へ相談しよう

住宅ローンに不安があるときは金融機関へ相談しましょう。金融商品やライフプランに合わせて、的確にアドバイスやサポートをしてもらえます。

住宅ローン審査に不安を感じる理由

住宅ローン審査に不安を感じる理由は人それぞれですが、主な理由は次の3点です。

  • 収入や事業が安定していない
  • 他にも借り入れしているお金がある
  • 希望の物件の価格が高い

個人事業主が抱える大きな悩みに、収入や事業の安定性による不安があげられます。また、他にも借り入れしているお金があると、借りられる上限額が少なくなるでしょう。物件価格が高い場合、住宅ローンで全額借りられない可能性があります。

このような不安がある方は、金融機関に相談してみましょう。

金融機関へ相談するメリット

金融機関へ相談するメリットは、お金の専門家に的確なアドバイスや具体的な審査基準の説明を受けられること、自分に合った最適なプランを提案してもらえることです。不安に思って前に進めないよりは、直接話を聞いてプランに合わせて行動する方が確実です。

もし、金融機関に赴く時間がなくても、オンラインで相談できる場合もあります。やりやすい方法で相談をしてみましょう。

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まとめ

個人事業主の住宅ローンについて解説しました。一般的に、個人事業主は住宅ローンの審査に通りにくいといわれています。しかし、住宅ローンは個人事業主でも利用できるので、頭金や住宅の価格を押さえれば通りやすくなるでしょう。審査が不安な方は、フラット35の利用や金融機関への相談という選択肢もあります。

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