電子帳簿保存法とは?対応する書類や正しい処理の仕方をわかりやすく紹介

最終更新日:2025年02月26日

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2024年から本格的に義務化が開始される電子帳簿保存法について、まだよく理解できていない方は多いでしょう。そこで本記事では、電子帳簿保存法とは何かとともに、対象の書類や必要な対応も紹介します。

タイムスタンプの概要や付与方法もあわせて解説します。どのように対応すべきか知りたい方や注意したいトラブルについて興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。

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電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法は、国税に関係のある帳簿・書類を電子データとして保存する際のルールをまとめた法律です。2021年の改正により、2024年から電子取引に関するデータの保存が義務化されました。

電子帳簿保存法の基礎知識

電子帳簿保存法は、法人税や所得税などの国税に関する帳簿・書類を電子データとして保存する際の規定についてまとめた法律です。

この法律により、パソコンで作成した書類や帳簿などの紙保存が不要になりました。損益計算書・貸借対照表や請求書・領収書などの電子保存が可能です。ただし、法的に定められたいくつかの要件を満たす必要があります。

2024年1月から義務化

2024年1月1日から電子取引に関するデータの保存が義務化されました。2021年に電子帳簿保存法が改正された際に設けられていた猶予期間が終了したためです。

このことで、電子取引を行った請求書や領収書は紙ではなく電子データでの保存が義務付けられました。2023年以前のものは紙でも可能ですが、確定申告ごとの必要書類の管理はしなければなりません。

保存する電子データは3種類

電子帳簿保存法に該当する電子データは、大きく3種類に分けられます。

  • 電子取引保存
  • 電子帳簿保存
  • スキャナ保存

電子取引保存は、メールやクラウド上で取引した電子データが対象です。受け取ったり発行したりしたオリジナルの電子データ、およびその控えを保存する義務があります。

電子帳簿保存は、会計ソフトで作成した帳簿や決算関係書類などの電子データが対象です。一定の要件を満たせば、電子データのまま保存できます。

今回の法改正で作成しなければならない帳簿範囲が見直され、要件が緩和されました。電子帳簿保存の対応は任意ですが、過少申告加算税が軽減されるメリットがあります。

スキャナ保存は、紙面で受け取った書類をスキャニングし電子データ化したものが対象です。今回の法改正で要件が緩和され、解像度・階調・大きさ・入力者などに関する情報の保存が不要になりました。こちらに関しても、対応するか否かは任意です。

電子帳簿等保存スキャナ保存については、紙で保存するか電子データで保存するかを選択できます。ただし、電子取引に関する履歴は必ず電子データで保存しなければなりません。

また、「電子帳簿保存法とは?対応する書類や正しい処理の仕方をわかりやすく紹介」の記事でも電子帳簿保存法について詳しく紹介しています。

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電子帳簿保存が必要な書類一覧

電子取引保存・電子帳簿保存・スキャナ保存では、それぞれ保存が必要な書類が異なります。具体的にどのような書類が対象になるか見ていきましょう。

電子取引保存の対象書類

電子取引保存の対象書類は、電子データで授受した請求書や領収書、注文書などです。電子データの授受に使うツールは、メール・クラウドサービス・ペーパーレスFAX・USBメモリなど。したがって、メールで受け取ったPDFの領収書などが保存対象となります。

これらの電子データは、オリジナルの電子データを保存しなければなりません。

電子帳簿等保存の対象書類

電子帳簿保存の対象書類は、パソコンで作成した国税関係帳簿や決算関連書類、請求書・領収書の控えなどです。具体的には、会計ソフトで作成した仕訳帳総勘定元帳や損益計算書貸借対照表が該当します。自社発行した見積書や請求書などの控えも当てはまるでしょう。

会計ソフトを使用している企業や個人事業主は対応が求められます。

スキャナ保存の対象書類

スキャナ保存では、紙面で存在する請求書領収書などの書類をスキャニングして電子データ化したものが対象です。相手先から受け取ったものだけでなく、自社発行の控えも対象となります。

具体例を挙げると、紙面で受け取った見積書や紙面で自社発行した請求書などが該当します。ただし、損益計算書や貸借対照表、電子取引の電子データを出⼒した書⾯は対象外です。

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電子帳簿の保存に必要な条件

電子帳簿の保存は、次の2つの規則を満たしている必要があります。

  • 電子データの改ざんができないようにすること
  • 検索機能がついていること

各条件の内容や対応方法を以下で紹介します。

1.データの改ざんができないようにすること

電子データの改ざん防止のため、次の4つのうちいずれかの対応が必要です。

  • タイムスタンプが付与された電子データを受け取る(受取側)
  • タイムスタンプを保存する電子データに付与する(発行側)
  • 訂正や削除の履歴が残るシステム、もしくは訂正や削除が不可能なシステムを用いる
  • 不当な訂正や削除を禁止する規則の制定、順守

タイムスタンプは、存在証明と非改ざん証明が可能なシステムです。データの受取側または発行側のいずれかでシステムを利用します。

訂正や削除の履歴が残る、または訂正や履歴が不可能なシステムを用いれば、タイムスタンプは不要です。労力があまりかからない保存措置です。

不当な訂正・削除を禁止する規則は国税庁がサンプルを公表しています。このサンプルを参考にして規則を定めれば、タイムスタンプがなくても正式な電子書類として認められます。

2.検索機能がついていること

可視性の確保のため、検索機能が必要です。求められる検索機能は次の5つです。

  • 取引年月日や登録日などの日付
  • 取引金額
  • 取引先
  • 日付や金額の範囲指定検索が可能であること
  • 2つ以上の記録項目を組み合わせて検索できること

対策としては、検索機能のある専用ソフトを利用したり、表計算ソフトで索引簿を作成したりする方法があります。

保存するファイル名に日付・取引先・金額の情報を規則的に記入しておくのも有効です。たとえば、「20240111_株式会社〇〇_100000」のようなファイル名にすれば、フォルダの検索機能で簡単に見つけられるでしょう。

費用や手間を考慮し、利用しやすい方法を選択してください。

請求書の書き方については、「業務委託の請求書の書き方とは?フリーランスが知るべき作成の注意点を解説」の記事でもまとめているので興味のある方はご覧ください。

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タイムスタンプとは

タイムスタンプとは、保存される電子データの信頼性を保障するものです。電子データに日付と時刻が付与され、付与時にデータが存在したこと・改ざんされていないことを証明します。

タイムスタンプを付与する者は電子データの保持者ではなく、第三者機関の時刻認証業務認定事業者(以下、時刻認証局)です。

タイムスタンプの目的

タイムスタンプの目的は電子データがいつから存在したか、改ざんされていないかを証明することです。

電子帳簿保存法では、オリジナルの電子データを保存する必要があります。保存された電子データの作成時期と、改ざんされていないことの証明が必要です。そのため、信頼できる第三者機関がタイムスタンプを付与することで、改ざんがされていないと証明します。

タイムスタンプは電子データに信頼性の保証を与える有効な手段です。

タイムスタンプの重要性

タイムスタンプは電子データの完全性に貢献しています。

電子データが紙文書と変わらない法的効果を維持する要件に、「完全性」があります。「いつ」「誰が」「なにを作成したか」「改ざんの防止と検出」が確保された状態が完全性です。タイムスタンプにより、「誰が」以外の要素が保証されます。

「誰か」を証明できる電子署名と組み合わせれば、完全性を実現できるのがポイントです。

タイムスタンプの期限

国税庁によると、タイムスタンプの付与期限は最長で約2ヶ月と7営業日以内とされています。これは、記録時間の入力期限と同じ期間です。

改正前までは3営業日以内だったため、大幅に緩和されたといえるでしょう。

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タイムスタンプの付与方法

タイムスタンプを付与するには、使用しているシステムにタイムスタンプを発行する機能が必要です。

機能がない場合、時刻認証局との契約や専用のシステムを導入して対応します。タイムスタンプの付与がメインの機能ではなくとも、オプションサービスとして提供しているシステムも存在します。

ここからは、スキャナ保存をした書類に時刻認証局を使ってタイムスタンプを付与する方法を紹介します。

1.書類をスキャンしてデータ化

電子データ化したい紙面の書類をスキャナでスキャンします。スキャンした画像はいくつかの要件を満たしている必要があります。代表的な要件は次のとおりです。

  • スキャンする際の解像度は解像度200dpi以上
  • 赤色、緑色、青色のそれぞれ階調が256階調(約1677万色)以上

上記の要件を満たせば、スマートフォンでの撮影も可能です。

2.書類をアップロード

システムにスキャンまたは撮影した画像をアップロードします。アップロードした書類に不備や不足がないかを確認しましょう。

電子データのアップロードが完了後、タイムスタンプの付与を時刻認証局に依頼します。

3.時刻認証局によるスタンプの付与

時刻認証局に電子データのハッシュ値を送信します。その後、時刻認証局からハッシュ値と時刻情報を結合したタイムスタンプトークンが送付されます。

最後にタイムスタンプトークンとオリジナルの電子データを一緒に保存して、タイムスタンプの付与は完了です。

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電子帳簿保存のメリット

一見面倒に感じる電子帳簿保存ですが、企業や個人事業主にとってのメリットが多く存在します。ここからは、電子帳簿保存をすることで得られるメリットについて解説します。

書類の紛失リスクが低くなる

電子帳簿保存をすることで、書類の紛失リスクを軽減できます。

紙での保存と違い、ファイリングミスや印字消え・紙が破れるなどのリスクを軽減可能です。たとえば、印字消えしやすいレシートをスキャン保存すれば、印字消えの心配がなくなります。

クラウド上に保存すれば、災害による紛失も防止できます。書類管理の安全性が高まるでしょう。

業務効率が向上する

電子帳簿保存により、書類を受け渡す手間やファイリングの作業がなくなり、業務効率が向上します。

電子データが一元管理されるため、誰でも簡単に書類の確認が可能です。外回り中に確認の必要な書類があっても、会社に戻らずスマートフォンで確認できるでしょう。

作業効率が向上するだけでなく、手間が減ることによるストレスの減少効果も見込めます。

ペーパーレスが促進する

電子帳簿保存により、紙の費用や管理する手間が減ります。紙の使用が減れば、印紙代・インク代の費用削減につながります。保管場所を確保する必要もありません。

また、昨今は企業の社会的責任が求められています。ペーパーレスの促進は環境問題解決への貢献となり、企業のイメージアップや取引先との関係向上も狙えるでしょう。費用低減だけでなく、取引のクリーンさの証明や企業イメージの向上にまで効果が及びます。

セキュリティが強化される

電子帳簿保存はセキュリティの強化につながります。

紙やPCのハードディスクに書類を保存していると、盗難のリスクが存在します。しかし、書類をクラウド上に保存し閲覧制限をかければ、あらかじめ認証した人物しかアクセスできません。アクセス履歴が残るため、クラウド上からの持ち出しや不正利用も防げます。

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電子帳簿保存におけるトラブルの対処法

新たに電子帳簿保存をはじめると、トラブルも想定されます。電子帳簿保存におけるトラブルの対処法を3つ見ていきましょう。

社内の体制に合うような仕組みづくり

書類の電子データ化に対応する社内体制を構築しましょう。書類の管理手順が変わり、経理や事務担当者の負担低減が求められるためです。新たな体制としては、スキャナ保存の規定や社内の経理規程などの作成があげられます。

また、法改正によって要件が緩和された分、不正のリスクが高まりました。不正が起きないよう、一定の社内規程を設ける必要もあります。

JIIMA認定の会計ソフトやサービスの利用

JIIMA認証された会計ソフトやサービスを利用すると、トラブルを減らせます。JIIMA認証は、電子帳簿保存法の要件を満たすと判断された会計ソフトやサービスに与えられる認証です。

JIIMA認証されたものの利用により、電子帳簿保存法に詳しくなくても法律に準拠した税務処理が可能です。認証された会計ソフトやサービスかどうかは、サービス紹介ページや商品パッケージに認証ロゴがあるかで判断できます。

会計ソフトやサービスを利用するならば、JIIMA認証されたものの使用がおすすめです。

定期的なバックアップ

電子保存した書類が消失しないよう、定期的にバックアップをとりましょう。会計ソフトやサービス上の書類がトラブルで消失しても、バックアップがあれば被害を最小限に抑えられます。

複数のサービスを使ったり、パソコンのハードディスク上・クラウド上に分けて保存したりなど、すべてが同時に消えない形でバックアップを取ることをおすすめします。

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電子帳簿保存法改正に関するよくある質問

電子帳簿保存法の改正について理解を深めるため、よくある2つの質問の回答をまとめました。あらかじめ確認して、電子帳簿の保存体制をスムーズに構築しましょう。

システムや準備が間に合わないときは?

システムの準備が間に合わず電⼦取引保存ができない場合、猶予措置があります。

国税庁によると、猶予措置を受けるには次の2つの要件を満たすことが必要です。

  • 所轄税務署⻑が「ルールに乗っ取った電子データの保存ができない相当の理由がある」と認めたとき
  • 税務調査で電子取引データのダウンロードとプリントアウトした書⾯の提示や提出に応じられる場合

上記の2つを満たせば、ルールに乗っ取っていない方法でも取引記録を保存できます。

システム構築で悩んだときは?

システム構築で悩んだ際は、国税庁の要件適合性に関する事前相談窓口の利用がおすすめです。各税務署に相談窓口が設けられており、電子帳簿保存法の要件や疑問に関する相談ができます。

また、電話相談センターもあるので、早めの回答や対応を望むときにはこちらが向いています。所轄の税務署に電話し、自動音声に従い操作すると、各国税局の電話相談センターにつながります。電子帳簿保存法の要件を満たしているかが不安な方、システム構築に悩む方は問い合わせてみましょう。

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まとめ

2024年1月1日より、電子帳簿保存法が改正によって電子取引保存が義務化されました。改正により、メールやクラウドでやり取りした電子データを紙で保存できなくなりました。

改正内容を把握して、適切な方法でデータを保管しましょう。不安なときは、専用の窓口や相談センターに問い合わせてください。

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