オープン系とは？Web系や汎用系などシステム開発の種類ごとの違いを紹介

オープン系システムとは、複数あるシステムの種類の一つです。2000年以降よりオープン系システム開発が進んでおり、今後も需要の増加が期待できます。

そこで本記事では、オープン系システムとは何かのほか、年収やメリット・デメリットなども解説します。オープン系システムの概要・特徴を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

オープン系システムとは

オープン系とは、システムの種類の一つです。オープン系システムは、特定の環境下のみでなく、幅広い環境で使用・開発ができます。

業務アプリケーションによく見られ、パソコンで動かすことを基軸としているものが一般的です。主に社内向けシステムや環境に合わせて作られています。

オープン系システムの使用言語

オープン系システムの開発で使用する言語は、以下のものが挙げられます。

• Java
• JavaScript
• C#
• C++
• VB.NET
• PHP
• Ruby
• Pythonなど

特に、C++やJavaを求められることが多いでしょう。Windowsでよく使用されるC#やVB.NetにLinuxが対応し始めたため、これらも用いられるようになりました。

オープン系システムの主な活用例

オープン系では、主に企業の課題が解決できる業務系システムを開発対象としています。以下で3つの例を見ていきましょう。

販売系システム

受注管理や在庫管理など、商品管理支援を主とするシステムです。企業が売上を向上させるうえでの直接的な活動を管理します。

生産管理システム

製造業におけるモノと情報の流れを統合的かつ総合的に管理するシステムです。効率的で精度の高い生産管理を実現し、生産における工程を最適化します。

人事給与システム

社員の給与や勤務時間、有給休暇などの管理を行うシステムです。大幅な業務効率化が期待できるので、大企業から中小企業まで数多くの会社が活用しています。

オープン系は開発環境が豊富であり、状況に合わせた開発が行えるのがポイント。そのため、業界問わず多くの企業で利用可能です。

オープン系以外のシステムとの違いとは

システムにはオープン系以外にもWeb系や汎用系などさまざまな種類があります。ここからは各システムの特徴に加え、オープン系とはどう違うかを紹介します。

Web系

Web系とは、ネットワーク上で動作するシステム、アプリケーションを構築するためのシステムなどです。SNSやWebアプリ、スマートフォンアプリなどはすべてWeb系に分類されます。

オープン系の開発者は、パソコンやネットワーク環境を活用した業務のアプリケーションに携わります。社内向けのシステムであり、想定される利用者も限られるのが特徴です。

一方、Web系システムでは、不特定多数の利用者を想定したシステム構築が要求されます。オープン系とWeb系では想定される利用者が異なると覚えておきましょう。

汎用系

汎用系とは、特定の目的や業務に特化せずに、多くの用途に適用可能なシステム・機器を指します。オープン系の対義語として「クローズド」と呼ばれることもあります。

汎用機が登場する前は、会社のコンピュータは商用計算や価格技術計算など、目的に合わせた専用機を利用していました。情報処理の目的によって、使うコンピュータ機器を使い分けていたということです。

汎用的に情報処理が行える汎用機の登場以降、ソフトウェアの部分を書き換えるだけで、多様な目的の情報処理が1つのコンピュータで対応できるようになりました。

現在は、汎用系システムは金融機関や保険会社など、膨大な情報を扱う企業で使われています。一般的な企業では、管理・維持費用が安価で細かくカスタマイズできるオープン系システムを使用するケースが多いでしょう。

組み込み系

組み込み系とは、一般のパソコンやサーバーとは異なり、効率的にタスクを実行するためのシステムです。特定の機器や製品内に組み込まれて動作します。家電製品の制御回路や自動車の運転支援システムなど、私たちの身近なものに使われています。

組み込み系システムの特徴は、マイコンが組み込まれるハードウェアに大きく依存する点です。一度リリースすると不具合を修正できないため、品質のチェックは厳しくなります。

制御系

制御系とは、目的のために機器や整備を自動で制御するシステムです。一部組み込み系と領域が被るため、企業によっては両者を区別せずに募集要項を出しています。

制御系システムは、スマートフォンや自動車、家電製品など、日常生活用品で広く活用されています。loTの広まりに伴い、制御系の需要は今後高まるでしょう。高いスキルが要求されますが、スキルさえ満たせれば長く活躍できる分野です。

モバイル系

モバイル系とは、文字通りスマートフォンや携帯電話などの、モバイルデバイスで動作するアプリケーションシステムです。Web系システムと似たところがありますが、モバイル端末専門という点が異なります。

スマートフォンが普及する以前は、ブラウザ用サイトとは別に携帯電話用のWebサイトを作る必要がありました。しかし、スマートフォン普及率が上がった今は、パソコン用のサイトをレスポンシブデザインでモバイル表示させるのが主流です。結果、携帯電話のサイトを専門的に制作する会社はなくなりました。

現在は、モバイル系のメイン業務は携帯電話用サイトの確立から、スマートフォンアプリの開発に移っています。スマートフォンアプリ以外にも、ポータブルデータターミナルやバーコードリーダー、PDA端末などを活用した物流・工場の業務システム開発を得意とする企業も少なくありません。

オープン系システム開発の収入や年収相場

オープン系システム開発の収入相場をフリーランスHubで見てみます。上は月単価200万円・下は38万円と幅は広いものの、全体的に一般よりも報酬の水準は高いといえるでしょう。

オープン系プログラマーの年収は、企業や自身のスキルによって変動します。複数の言語を身につけて多種多様な要求に応えられるようスキルアップすれば、高収入が目指せるでしょう。

オープン系システムのメリット

オープン系システム開発へ移行するメリットとは一体どのようなものか、気になる方も多いでしょう。ここでは、オープン系システム開発のメリットを紹介します。

エンジニアが多い

オープン系システムの代表的なメリットとして、エンジニアの多さが挙げられます。

その理由としては、一般的な言語が主流で、教材や学校など学ぶ場の多さがあげられます。学習環境が整っている分、今後もエンジニアが増えると予想されています。

また、エンジニアが確保しやすく、システム開発やリリース後の保守監視運用やシステムのアップデートにもスムーズに対応できます。特定ベンダに依存せずに済む点もメリットです。

開発コストが抑えられる

オープン系システムなら、開発費用を大幅に抑えられます。既存のソフトウェアや周辺機器を活用でき、環境構築に費用や時間などの労力を要さないためです。近年はパソコンの高性能化が著しく、スペックも汎用系に劣りません。

オープン系システムをカスタマイズをするには、公開されている仕様を参考にする必要があります。ゼロの状態から制作するよりもずっとリーズナブルでしょう。

柔軟な開発ができる

オープン系システムは柔軟性の高いシステム開発が可能です。使用者の目的や環境に合わせたシステムが作れ、変更があった場合の対応もスムーズに行えます。状況に応じた最適なシステムへの改良に向いています。

また、OSのアップデートが随時行われていて、時代に合った最新の状態を保ちやすい点もメリットです。

将来性がある

オープン系システムの需要は、パソコンの普及に伴い増加傾向にあります。オープン系システムプログラマーは将来性がある職業といえるでしょう。

さらに、オープン系システム開発は柔軟性の高さから幅広い企業で利用されています。度々新しいプログラミング言語が登場している点からも、今後の発展が期待できそうです。

オープン系システムのデメリット

オープン系システムを検討する場合は、デメリットについても知っておく必要があります。ここからは、オープン系システム開発のデメリットを見ていきましょう。

必要なメンテナンスの頻度が高い

オープン系システムは、OSのアップデートや周辺機器の交換をするたびに動作確認する必要があります。OSのアップデート内容によって、不具合が発生する可能性があるためです。

デバッグやテストなど、早急な対処が求められます。柔軟なシステム開発ができる特性上、機能の変更や仕様変更などの改修作業が多く、エンジニアへの負担は大きいといえます。

不具合調査に時間がかかる

オープン系システムのデメリットとして、不具合調査に時間を要する点が挙げられます。

オープン系システムは多くのハードウェアやソフトウェアを組み合わせて作られています。使われているソフトウェアが多いほど、不具合の原因を特定するまでに時間がかかるでしょう。

また、オープン系システムの修正においては、アップデートによって生じる問題箇所が一箇所とは限りません。複数箇所の修正が必要です。

汎用系に比べてセキュリティ面が劣る

オープン系システムは汎用系のものに比べてセキュリティ面が劣ります。オープン系が多くのソフトウェアや周辺機器を組み合わせているのが理由です。

汎用系システムは、汎用機内で完結するクローズドな開発であり、外部からの攻撃や情報漏洩のリスクが少ないといえます。その点、複数のソフトウェア・周辺機器を組み合わせているオープン系システムは、1つでもセキュリティホールがあると外部からの攻撃に弱くなります。

外部からの侵入や個人情報の漏洩などの脅威に晒されやすい点が、オープン系システムのデメリットです。

オープン系システムの開発に向いている人

オープン系システムの仕事は、需要が高く、収入も比較的安定しています。安定した環境を求める人にはおすすめです。

オープン系への移行を進める企業や分野は年々増えているので、幅広い分野でシステム開発を行いたいエンジニアにも向いているでしょう。また、オープン系システム開発を目指す際は、以下のプログラミング言語のスキルが必要です。

• C言語
• Java
• Ruby
• Python
• C++

これらの言語を身につけている方も、オープン系システムの開発に向いているといえます。

まとめ

オープン系システム開発は、年々需要が増え、将来性があるシステムです。多くのメリットがある一方、デメリットもあります。オープン系システムへの移行を検討する際は、メリット・デメリットを考慮する必要がありそうです。