フリーランスは後悔する仕事？不安定な収入などの現実を知り、適性見極めを

---

この記事のまとめ

• フリーランスは、収入の不安定さや福利厚生の薄さなど会社員とは異なる現実があり、向いている人と向いていない人がいる
• フリーランスになって後悔しないためには、自己管理能力や情報収集能力、クライアントとの交渉術などが重要になる
• フリーランスになって後悔した場合でも、スキルアップや自己管理、財務知識を身につけることで状況を改善できる可能性がある

---

エンジニアをはじめ、多くの仕事・職種でフリーランスになる人が増えています。しかし、フリーランスになるのは安定した収入を失う選択でもあり、「会社員の方が良かった」と後悔する人がいるのも事実です。

本記事ではフリーランスの現実を交えつつ、向いている人や後悔しないために必要なポイントを示します。後悔したときの対処方法にも触れるので、不安な方はぜひチェックしてください。

フリーランスを選んで後悔したことの例

フリーランスの道を選択したあとに「やめておけば良かった」と悔いる人は一定数います。なぜ後悔してしまうのか、例や理由を紹介します。

収入が安定しない

フリーランスの収入は不安定です。案件が獲得できず、急に収入が途絶えることもあります。毎月一定の収入がある会社員と比べると、収入に不安を感じやすくなるでしょう。

フリーランスになりたいときは、事前にある程度資金を貯めておくことをおすすめします。貯金があれば、思うように仕事が獲得できないときでも心に余裕が持てるからです。

クレジットカードや賃貸の契約が難しい

フリーランスは、会社員に比べクレジットカードやローンの審査に通りにくい傾向にあります。フリーランスは収入が不安定で、社会的信用が低いとみなされやすいためです。

クレジットカードや賃貸の契約をするなら、会社員時代に申請や審査を済ませておきましょう。

スキルアップができない

フリーランスは実力主義で、スキルアップが欠かせません。スキルアップするために勉強を続けなければ、同業者にあっという間に仕事を奪われるでしょう。

しかし、フリーランスは会社員のように研修を受けてスキルを得るのが難しい場合もあり、自発的な勉強が必要です。「新しい知識のインプットが苦手」「勉強し続けたくない」という人は、フリーランスには向かない可能性があります。

営業や事務作業がつらい

企業や組織では1つの仕事を分担してこなします。一方、フリーランスは業務やタスクを自分1人でこなす必要があります。自分を売り込むための営業をしないといけない上、依頼される業務に自分のスキルとは関係のない地道な作業が含まれることもあるでしょう。

フリーランスは自分のしたい仕事だけできるわけではありません。そのギャップからフリーランスを後悔する人もいます。

しかし、必ずしもすべてを1人でこなすとは限りません。フリーランスとしての収入があがれば、面倒なタスクや苦手な業務は外注できます。

福利厚生が手薄

フリーランスには、会社員のような福利厚生や社会保障がありません。また、原則としてフリーランスは国民健康保険と国民年金へ加入しなければならず、保険料は全額自己負担です。この負担の大きさに後悔するケースもあります。

万が一のリスクに備えたい場合、民間の就業不能保険に加入すると良いでしょう。

フリーランスになって後悔しないためのポイント

フリーランスになってから後悔をしないために、フリーランスに必要な心構えを理解しておきましょう。フリーランスに必要な考え方やポイントは以下のとおりです。

最新の情報に常にアップデートする

フリーランスの人は、常に新しい情報にアンテナを立てておきましょう。

変化に合わせて適応できるフリーランスはいつの時代も需要があるので、景気に影響されず稼ぎ続けられるでしょう。そのため、現状維持を求める人より、変化が好きな人の方がフリーランスの適性が高いといえます。

情報や知識の収集に悩むときは、新しい技術を調べたりオンラインコミュニティに参加したりするのがおすすめです。新鮮な情報を得られます。

継続する力を身に付ける

駆け出しのタイミングは、フリーランスを辞める人が特に多いとされています。慣れない働き方やタスクの多さから、このまま継続できるか不安に感じやすいのが理由です。

しかし、フリーランスは続ければ続けるほど楽に稼げるようになります。一旦収入が軌道に乗れば、駆け出し時期よりも、比較的少ない作業で続けられます。最終的に安定するためにも、最初の段階では諦めずに継続することを意識してください。

他者と比較しない

フリーランスに上昇志向は不可欠です。しかし、他者と比較しすぎることは良くありません。特に、華やかに見える同業者の実績と自分を比べると、自己嫌悪につながります。

フリーランスは、極端に高度なレベルを目指す必要はありません。自分のペースでできる、最適な働き方を探しましょう。

クライアントとの交渉術を身に付ける

フリーランスになったことを後悔しないために、クライアントとの交渉術を身につけておきましょう。

クライアントとの関わり方では、対等な関係性を築くのが大切です。たとえば、クライアントのわがままや理不尽を聞き入れすぎると、関係性は歪なものになります。対等とはいえず、ただの都合の良い存在になるでしょう。

こちらの提案や意見を全く聞いてくれないクライアントからは早めに手を引いてください。クライアントとの交渉が難しいと感じる場合は、フリーランスに特化したエージェントの利用をおすすめします。

フリーランスになって後悔したときは

どれだけ事前に準備や心構えをしていても、フリーランスになった後に「やめておけば良かった」と思うこともあるでしょう。ここからは、後悔したときの対策を紹介します。

勉強する

フリーランスは、新しい知識や技術を身につけた分だけ自分の価値が上がります。案件のレベルが高く、苦しくなったときは、勉強を最優先にしましょう。多少収入が減ったとしても、勉強の時間を生み出した方が長期的には良い結果につながります。

体調管理をしっかりする

フリーランスにとって体は資本です。会社員は、自分1人が体調を崩しても周りの人がフォローしてくれます。しかし、フリーランスは体を壊したときに代わりに働く人はいません。

体調不良でクライアントに迷惑をかけないためにも、体調管理は徹底しましょう。食事管理や適切な睡眠時間、適度な運動が大切です。

財務の知識を身に付ける

フリーランスを目指すとき、仕事に活かせるスキルばかり取得する人がいます。しかし、フリーランスに必要な知識は仕事に関するものだけではありません。

フリーランスは、所得の申告や税金の支払いなど、財務に関することも自分で行う必要があります。事前にある程度調べていないと、フリーランスになってから慌てて準備する羽目になるでしょう。

フリーランスの働き方

フリーランスと会社員では働き方が異なります。フリーランスの働き方を知っておくことで、フリーランスになってから後悔する事態を防げるでしょう。

フリーランスの定義

そもそも、フリーランスとは企業や組織に属さず個人のスキルを活かして働く人を指します。自身の能力とクライアントの求める能力が合致した場合、契約して仕事を遂行します。

フリーランスの案件の多くが成果型報酬です。スキルが高い人は多く稼げるでしょう。反対に、経験が浅くスキルが低い人は案件獲得に困る恐れがあります。

フリーランスの多い仕事

フリーランスの仕事に多い仕事とは以下の職種が挙げられます。

• エンジニア
• デザイナー
• ライター

エンジニア関連のフリーランスとしては、スマートフォンやWebブラウザで動くアプリを作成するアプリケーションエンジニアがあげられます。フリーランスは特にクリエイティブな職業に多い傾向にあります。

プロジェクト型

プロジェクト型の働き方は、案件を期限付きのプロジェクトと捉え、プロジェクトに必要な人材を社内外から調達するものです。フリーランスのプロジェクト型の働き方は、その案件に参加して働くことを指します。多くのプロジェクト型の案件は中長期で行われます。

プロジェクト型で働くことが多い業務は以下の通りです。

• Webサイトの開発
• アプリケーションのテスト
• システムの運用・保守

プロジェクト型では企業と協力して取り組むケースが多く、フリーランスでも週に2日〜5日ほど現場へ出向く可能性があります。

ミッション型

ミッション型とは、ミッション（目標）を達成するために進める仕事をいいます。ミッション型の案件は、成果と報酬の高さが比例しやすい点が特徴です。

フリーランスがミッション型の仕事に参加すると、クライアントとは長期間にわたって関わります。コンサルティングや営業支援、企業の人材開発支援などが代表的なミッション型の仕事です。

タスク型

タスク型とは、数日間などの短期間で完了する仕事を受け、自宅などで作業し納品する方式の働き方です。スポット型とも呼ばれます。データ入力や記事の作成などがタスク型の代表的な仕事です。

完全なテレワークでできる仕事や隙間時間でできる仕事も多く、副業として活用している方もいます。クラウドソーシング上にある仕事の多くは、このタスク型です。

フリーランスに向いている人

ここからは、フリーランスに向いている人の特徴を紹介します。フリーランスに向いている人の特徴が自身に備わっているか、足りてない点をどのように克服するかなどを確認するべく、ぜひ参考にしてください。

好奇心をもって新しい知識を吸収できる

好奇心を持っていて新しい知識を吸収することが好きな人は、フリーランスの適性が高いといえます。なぜなら、フリーランスは常に更新される情報を把握する必要があるためです。

現状維持で満足せず、スキルを貪欲に磨き続けられる人は、フリーランスとしての生活を楽しめるでしょう。

自分のビジョンや目標を持っている

明確なビジョンがある人は、フリーランスになったことを後悔しません。フリーランスとして成功する可能性も高くなるでしょう。

明確な目標やビジョンは生きる指針になるだけでなく、目標に向かう具体的な行動計画にもつながります。仕事や生活にやりがいが出て、生き生きと過ごせるでしょう。

フリーランスになる前に「どのようにしたいか・どのようになりたいか」などのビジョンを組み立てるのがおすすめです。

自己管理能力がある

フリーランスで成功するには、スケジュールや報酬、健康面などの自己管理能力が必須です。そのため、自己管理能力が高い人の方がフリーランスに向いているでしょう。

スケジュールや健康管理ができなければ、クライアントに大きな迷惑がかかります。特に、納期を守れないようなことがあれば、クライアントとの信頼関係に大きく影響するでしょう。最悪の場合、仕事がなくなる恐れもあります。

フリーランスに向かない人

記事の最後に、フリーランスに向いていない人を紹介します。ここで紹介する条件に当てはまる人は、自分の行動や性格と向き合い、改善を目指しましょう。改善が難しい場合は、フリーランスになるのを考え直した方が良いといえます。

安定を求める

変化の少ない安定した生活が理想の人は、フリーランスに向かないと考えられます。

フリーランスは収入面が安定しないことが多く、収入面に安定を求める人には合わない働き方です。ただし、不安定さをモチベーションにして努力できる人はフリーランスに向いているでしょう。

また、フリーランスは会社員と違い、病気や怪我をした際の補償が少なめです。健康管理にも気をつけなければいけません。

視野が狭い

これまで経験を積んだやり方がすべて正しいと考えるなど、視野が狭い人はフリーランスに向いていないでしょう。

フリーランスは社会や時代の流れに合わせた仕事をしないといけません。将来を見通す力や時代に合った提案力がないと、古くて使えない人材とみなされる可能性があります。

また、「好きなことだけができるから」という理由でフリーランスになると、想定外の雑務の多さにギャップを感じるでしょう。華やかに見えるYouTuberやインスタグラマーも、裏では地道な努力をしています。

フリーランスを目指す際は、自分のしたいことのために、その他の雑務に耐える覚悟を持ってから挑むようにしましょう。

営業が苦手

営業活動が苦手な人はフリーランスになってから後悔しやすいでしょう。フリーランスは、案件獲得も自力で行わないといけません。したがって、フリーランスにとって営業力の高さはとても重要です。

人との縁を大切にする業界も多いので、コミュニケーション能力が乏しい人にはフリーランスは厳しいと考えられます。

まとめ

フリーランスになってから後悔する人は多くいます。しかし、必ず全員が後悔するわけではありません。フリーランスが後悔しやすい点や苦労しやすい点を理解し、対策すれば、後悔なくフリーランスを続けられるでしょう。

本記事を読んでフリーランスに挑戦したいと思った人は、自分を信じてフリーランスの道を選んでいきましょう。