最終更新日:2025年09月29日
フリーランスとして活動している方の中には、年末調整の必要性について気になっている方もいるでしょう。 フリーランスは年末調整が原則不要ですが、従業員を雇っている場合やアルバイトと掛け持ちしている場合など、必要になるケースもあります。 本記事では、フリーランスの年末調整について解説します。年末調整が必要となるケースや年末調整の必要書類、手続きの流れもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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フリーランスは、基本的に年末調整が不要です。年末調整は、主に雇用されていて給与所得がある方に必要な手続きであるためです。
年末調整は雇用主が従業員の所得税額を確定させるために行う手続きであり、雇用されていない方には直接関係ないケースが多いでしょう。
フリーランスや個人事業主として事業所得を得ている方は、基本的に確定申告によって税務署へ年間の所得を申告します。ただし、フリーランスでもケースによっては年末調整の手続きが必要です。
年末調整の概要については、「年末調整は個人事業主に必要?確定申告と両方やる場合などケース別に解説」の記事も参考にしてください。
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希望にあう案件を受け取るフリーランスや個人事業主として事業所得を得ている人でも、年末調整をしなくてはならないケースがあります。
ここでは、フリーランスでも年末調整が必要となる3つのケースを紹介します。
フリーランスに年末調整が必要なケースとしては、従業員を雇っている場合が挙げられます。従業員を雇っている場合は、雇用主の立場で従業員の年末調整をする必要があります。
年末調整は正社員だけでなく、アルバイトやパートの社員も対象です。また、配偶者や親族に青色事業専従者がいるケースも対象となります。
ただし、以下のようなケースでは年末調整が不要です。
従業員を雇って給与を支払っているフリーランスは、年末調整の必要性を確認するようにしましょう。
フリーランス・個人事業主として事業を行いつつ副業でアルバイトを掛け持ちしている場合、年末調整の対象になる可能性があります。
年末調整が必要となるのは、アルバイトなどによって源泉徴収が発生する月8万8,000円以上の給与を受け取ったケースです。アルバイトの給料が月額8万8,000円未満である場合は、源泉徴収されないため年末調整も必要ありません。
事業所得以外に収入があるフリーランスの確定申告の要否を知りたい方は、「フリーランスの確定申告はいくらから必要?必要書類ややり方も解説」の記事を参考にしてください。
年末調整が必要なケースには、年の途中でフリーランスから会社員に転職した場合も挙げられます。フリーランスから正社員や契約社員などの会社員に転身した場合、就職後に会社員として働いた期間に関しては、新たに雇用された会社で年末調整を行うことが必要です。
フリーランスになるか正社員になるか迷っている方は、「フリーランスと正社員どっちが得?メリット・デメリットや兼業の可否も解説」の記事をご覧ください。
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希望にあう案件を受け取るフリーランスの年末調整に必要な書類は、大きく分けて「申告書」と「控除証明書」の2種類です。
申告書としては、以下の4種類が挙げられます。
書き方の詳細については、「国税庁のサイト」で確認できます。
また、年末調整で各種控除を申請するためには、控除証明書の提出が必要です。控除証明書は基本的に被雇用者側が用意します。たとえば保険料控除を申請する場合、生命保険料であれば控除証明書、社会保険料であれば領収書や証明書の提出が必要です。
なお、確定申告の必要書類について知りたい場合は、「確定申告に源泉徴収票は必要?書類一覧や確定申告に関する疑問を解説」で紹介しているので、こちらの記事を参考にしてください。
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希望にあう案件を受け取るフリーランスの年末調整のやり方には、「紙ベースの申請」と「電子申請」の2種類があります。それぞれの特徴を解説するので、年末調整の実施に役立ててください。
年末調整の申請は、従来どおり紙ベースで実施できます。紙ベースであれば、従業員のITリテラシーのレベルに関係なく実施可能です。手続きを進めるにあたっての従業員への周知や教育が不要であるため、導入コストがかかりにくい点がメリットでしょう。
ただし、紙の書類を集めたり手作業で税額を算出したりするには、一定の時間と手間がかかります。紙で申請する場合にあたってはスケジュールに余裕を持ち、提出漏れや遅れがないように注意しながら進めてください。
近年では、年末調整を電子申請で行う選択肢もあります。国税庁が無料で電子申請用のソフトを公開しているほか、必要に応じて有料のソフトも利用可能です。年末調整を電子申請で行う場合、以下のようなメリットが考えられます。
ただし、導入にあたっては一定のITリテラシーが必要です。紙による申請と電子申請のメリットとデメリットを把握し、最適な方法を選択しましょう。
紙の書類を電子化する方法は、「領収書の電子化が義務に?紙の書類をデータ化する方法やメリットを解説」もご参照ください。
出典:
国税庁「年末調整手続の電子化の概要・メリット」
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希望にあう案件を受け取るフリーランスであっても、アルバイトを掛け持ちしている場合や従業員を雇用しているケースなどでは年末調整が必要です。年末調整は雇用主・従業員どちらの立場でも大切な納税手続きであるため、それぞれの一般的な流れを確認しておきましょう。
ここでは、フリーランスの年末調整手続きの基本的な流れを紹介します。
雇用主の立場であるフリーランスがやるべき年末調整の一般的な流れは、以下のとおりです。
時期 | 雇用主がやるべきこと |
---|---|
10月下旬〜11月中旬 | 従業員に扶養控除等(異動)申告書などの必要書類を配布する |
11月上旬まで | その年に入社した従業員から他の会社の源泉徴収票を回収する |
11月中旬〜11月下旬 | 従業員から記入済みの申告書類を回収し、不備がないか確認する |
12月上旬〜12月中旬 | 回収した書類をもとに従業員ごとの所得税を計算する |
12月の給与支払時 | 所得税の過不足を還付または徴収し、源泉徴収票を従業員に交付する |
翌年1月10日まで(納期の特例適用事業者は1月20日まで) | 所得税徴収高計算書を作成し、所得税を納付する |
翌年1月31日まで | 税務署に給与の源泉徴収票と法定調書合計票を、市区町村に給与支払報告書を提出する |
フリーランスかつ雇用主の立場である場合は、上記を参考に「いつまでに何の手続きをすべきか」を整理してください。
アルバイトを掛け持ちしたり会社員に転職したりして給与所得があるフリーランスは、給与収入が多い勤務先で年末調整を受ける必要があります。
以下のような年末調整の手続きを行いましょう。
時期 | 給与所得者がやるべきこと |
---|---|
11月上旬〜中旬 | 扶養控除等申告書や保険料控除申告書などの年末調整書類を、給与収入が多い勤務先に提出する |
11月中旬〜下旬 | 控除証明書を用意・提出する |
12月 | 勤務先で年末調整が行われて、12月または1月の給与で源泉所得税の過不足が清算される |
翌年1月末まで | 勤務先から源泉徴収票を受け取る |
年末調整を受けなかった副業分の合計所得が年間20万円を超える場合は、確定申告を行うことが必要です。また、フリーランスの事業所得についても確定申告を行います。
所得税の確定申告の期間は例年2月16日から3月15日までです。必要性がある場合は忘れずに手続きを行いましょう。
副業収入があるフリーランスの方は、「副業所得が20万円以下でも確定申告は必要?ルールや注意点を解説」の記事で確定申告への理解を深めてください。
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希望にあう案件を受け取る従業員を雇っているフリーランスは、従業員の年末調整をする必要があります。
ここでは、雇用主のフリーランスが年末調整を怠ったときのリスクについて解説します。
雇用主のフリーランスが従業員の年末調整を行わなかった場合、所得税の計算が正しくなされません。
年末調整を怠ると所得税法の第242条の定めに反することとなり、雇用主に罰則が適用されます。正当な理由なく従業員の年末調整を怠ったときには、50万円以下の罰金または1年以下の拘禁刑に処される可能性があります。
税金に関する手続きは複雑に感じやすく、年末調整にも一定の時間と労力が求められます。不安があれば、税理士をはじめとした専門家への早期相談も検討しましょう。
出典:
デジタル庁 e-GOV 法令検索「所得税法」第二百四十二条
フリーランスが雇用主側の立場で年末調整の手続きを怠ると、従業員からの信頼を失うリスクがあります。
年末調整をしなかった場合、受け取れたはずの還付金を従業員が受け取れなくなるおそれがあります。また、法律で定められた手続きを怠ることで、雇用者としての能力を疑われることもあるでしょう。
不信感が募れば、従業員との不和や離職につながります。従業員と良好な関係を維持するためにも、年末調整は確実に実施しましょう。
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希望にあう案件を受け取る年末調整と確定申告は別の手続きですが、区別がつきにくいと感じている方もいるでしょう。ここでは、年末調整と確定申告の違いを「実施主体」と「適用できる控除」の2つの点から解説します。
年末調整と確定申告の大きな違いとしては、実施主体の違いが挙げられます。
年末調整とは、従業員を雇って給与を支払っている雇用主が、従業員に代わって税金の過不足を調整する手続きです。
一方、確定申告は所得を得た本人が実施する手続きです。
適用できる控除も、年末調整と確定申告の違いの一つです。
年末調整と確定申告、それぞれで適用される主な控除の種類は下記のとおりです。
年末調整で適用される主な控除 | 確定申告で適用される主な控除 |
---|---|
・基礎控除 ・配偶者控除 ・配偶者特別控除 ・扶養控除 ・生命保険料控除 ・地震保険料控除 ・小規模企業共済等掛金控除 ・社会保険料控除 ・障害者控除 ・ひとり親控除 ・寡婦控除 ・勤労学生控除 |
・医療費控除 ・雑損控除 ・寄附金控除(ふるさと納税のワンストップ特例を使わない場合) ・住宅ローン控除(初年度のみ確定申告が必要) |
フリーランスに関係する税金や控除については「フリーランスが支払う税金の種類や節税対策について解説!」の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
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希望にあう案件を受け取るフリーランスとして活動する人にとって、年末調整は基本的に不要な手続きです。従業員を雇っておらず、フリーランスとしての事業所得のみを得ている人は、年末調整は必要ありません。
しかし、フリーランスでも年末調整が必要なケースがあります。従業員を雇っているケース・アルバイトと掛け持ちしているケース・年の途中で会社員に転職したケースでは、年末調整が必要です。
また、雇用主の立場で年末調整を怠った場合、罰則を受ける可能性があります。期日を確認し、年末調整の手続きを行いましょう。
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