PHPフレームワークとは？習得のメリットやおすすめの枠組みを紹介

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この記事のまとめ

• PHPフレームワークとはPHPでの開発を効率化する枠組みであり、LaravelやCakePHPなど人気が高いものがいくつか存在する
• フレームワーク選びでは知名度や学習コスト、開発規模などを考慮する必要がある
• PHPエンジニアとして活躍し続けるには、フレームワークの習得に加え、周辺知識の学習やスキルアップが不可欠である

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「PHPフレームワークって何？」「どれを学べば良いのか分からない」と疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。PHPフレームワークとは、PHPでの開発を効率的に行うための骨組みで、習得していると業務に役立ちます。

本記事では、PHPフレームワークの概要やメリット・デメリットをご紹介。おすすめのフレームワークや選び方もまとめていますので、参考にしてください。

PHPフレームワークとは

PHPフレームワークとは、PHPを利用した開発において使われる、コードの記述を効率的にできる枠組みのことを指します。利用機会の多い汎用的なコードが集約されており、プログラミングのコード記述量を減らすことが可能です。

PHPフレームワークはオープンソースが多く、無料で利用できます。

フレームワークとライブラリの違い

フレームワークとは、骨組み・枠組みといった意味で、活用すればその言語に関する深い知識がなくても比較的簡単に高クオリティな開発ができます。すでにできあがっている建売住宅のようなもので、あとは必要な部分に必要な機能を足していくイメージに近いといえるでしょう。

ライブラリとは、汎用性の高いコードを集めた部品・道具箱といった位置づけで、集約された内容をうまく組み合わせながら開発します。

この2つは似て非なるものですが、どちらも開発を効率化するために欠かせないツールです。開発を行う際、基本的な仕組み・骨組みは似たようなものになる傾向があります。そのため、開発を効率化するためにフレームワークを活用するのが一般的です。これはPHPだけに限らず、ニーズの高い言語であれば基本的に当てはまります。

PHPフレームワークを開発に利用するメリット・デメリット

ここでは、 PHPフレームワークを開発に利用するメリットとデメリットを紹介します。両面を知り、PHPフレームワークを適切に使いこなしましょう。

PHPフレームワークを利用する3つのメリット

PHPフレームワークを利用するメリットは、主に以下の3つです。

1.作業の効率化ができる

PHPフレームワークには開発において必要な機能が備えられていて一からコードを書かずにすみ、効率的に開発を進められます。PHPを利用した開発ではフレームワークを活用して工数を削減するのが一般的です。

フリーランスとして案件を探す場合でも、フレームワークを使えることが条件になっているものが多くみられます。

2.バグを減らせる

人が一から記述していくとどうしてもミスは発生しやすいです。テスト作業を行っても、これまでにないケースのバグは見逃されてしまうことがあるでしょう。

決められた枠組みを活用すれば、バグの発生率を下げられます。PHPフレームワーク自体に潜在的なバグが検出される場合もありますが、修正パッチのリリースがあり対応しやすいです。

メンテナンスが楽になる

開発では複数のプログラマーが作業をしており、リリース後のメンテナンスを別の作業者が行うことがあります。記述コードは人によって異なる場合があるので、担当者次第ではメンテナンス作業に時間がかかってしまうことも。
しかし、フレームワークを活用すれば、コードの記述方法をある程度統一でき、ミスやバグが見つけやすくメンテナンスを楽にできます。

PHPフレームワークを利用する3つのデメリット

PHPフレームワークには、以下の3つのデメリットもあります。

1.アレンジがしにくい

形がほぼ決まっているために、アレンジしにくいです。PHPフレームワークには、PHPのすべてが盛り込まれているわけではありません。フレームワークに実装されていない機能を取り入れたいときは、自分で編集して処理を実装する必要があります。

2.スキルが身につきにくい

便利なフレームワークに頼りきっていると、肝心の言語スキルが身につきにくいです。
たとえば不具合が発生してフレームワークの機能を使って解決できない際には、PHP言語のスキルを習得していないと対処ができません。

多くのことはフレームワークで解決できてしまうため、フレームワークばかり使用していると思わぬ障壁にぶつかることがあります。

3.フレームワーク自体の学習が必要

フレームワークの使い方自体を学ぶ必要があるのも注意点として挙げられます。PHPと異なる約束事を覚える必要があるため、フレームワーク自体のテキスト購入や勉強時間の確保などの、出費や時間といった学習コストが必要です。

また、フレームワーク利用に合った統合環境（IDE）の使用や拡張など、新たな負担が発生する可能性もあります。とはいえ、PHPに関する知識があれば、さほど苦労することなく理解を深めていけるはずです。

PHPフレームワークのおすすめ10選とその理由

PHPフレームワークには複数の種類があり、新しいものが生まれると人気順位が変動することがあります。必ずしも人気の高いフレームワークを使えば良いわけではありません。開発目的に合わせたフレームワークを選ぶことが大切です。

ここでは、2023年3月時点でのおすすめPHPフレームワーク10選を、理由とともに紹介します。

Laravel

Laravelは世界中で高い人気を誇っており、日本でも多く利用されています。日本語サポートやライブラリも充実しており、使いやすいです。

ただし、機能が多く比較的自由度が高い反面、扱い方を間違えると修正やメンテナンスが難しくなってしまうという懸念もあります。案件が国内外ともに豊富であるため、身につけておきたいフレームワークです。

CakePHP

CakePHPは、国内での人気が高いです。オープンソースで、bakeコマンドというプログラム自動生成機能があり、初心者でも簡単に活用できます。

こちらも案件数が多く、フリーランスとして活動するのであれば身につけておきたいPHPフレームワークです。

FuelPHP

FuelPHPは、軽量かつシンプルなPHPフレームワークです。CakePHPの比較対象として挙げられることがありますが、FuelPHPのほうが自由度が高めで、その分コーディング量が増えるという違いがあります。

記述の統一感が低くなりやすいため、小・中規模の開発向きであるといえるでしょう。

Yii

Yiiは、コンポーネントベースの構造と高度なキャッシュ構成を持ち、大規模な開発に適したフレームワークで、安定的な支持を集めています。

名前の由来は「Yes It Is」の省略、そして中国語では「易」を表しているといわれており、シンプルかつ進化的という意味です。

Symfony

Symfonyは、MVCモデルやバンドルなどの特徴を持ち、スケーラブルで大規模開発に向いています。EC-CUBEにも採用されているPHPフレームワークです。

CodeIgniter

CodeigniterはWebサイトを構築する用途に向くWebアプリケーションフレームワークです。MVCモデルでライブラリが豊富で、シンプルで学習コストが抑えられるため、初心者におすすめとされています。

Slim（スリム）

Slimは、必要最低限の機能に絞ったPHPマイクロフレームワークの代表的なものです。単純なシステムやAPIの開発でパフォーマンスを発揮します。

Phalcon

Phalconは、コアがC言語によって実装されており、高速処理が求められるシステムに向いています。
MVCモデルで拡張性があり自由度の高いPHPフレームワークです。

Laminas Project

Laminas Projectは、2006年に開発されたZendFrameworkから、2019年に移行されたフレームワークです。規約が少なく自由度が高くなっています。

Flight

Flightは軽量でシンプル。機能が最小限のため学習難易度が低く、初心者向けのフレームワークです。

PHPフレームワークの選び方とは

PHPフレームワークは種類が豊富で、システムや業務、エンジニアの好みによって使い分けられています。自身が理解しやすいもの、利用シーンが多いものなど、使い勝手を考えて選びましょう。
構成が似たものであれば、ほかのフレームワークを習得する際も理解しやすいです。

広く知られているものを選ぶ

広く知られているPHPフレームワークは、多くのプロジェクトで使用されているため、習得すればプロジェクトに参加する機会が増えます。経験者だけがプロジェクトに参加できるケースも少なくありません。

PHPに関する開発に継続的に関わっていきたいのなら、実績や知名度の高いフレームワークの習得がおすすめです。

学習コストの面から選ぶ

フレームワークは書き方を覚える必要があるため、学習しやすいものを選ぶと効率的です。初心者向きのものであれば、短時間で知識を身につけられます。

また、想定通り動かない場合やバグが発生した際に、情報が多ければ解決しやすく、時間的なロスも少ないです。エンジニアがノウハウを書いたページや、日本語のコミュニティがあることは選択のポイント。理解しやすい環境が整っているPHPフレームワークを選ぶと、学習コストは抑えられます。

PHPエンジニアとして活躍し続けるためには

PHPは、日本で定番の有名サイトや世界的に利用率の高いCMSなど、さまざまなWebサイト・アプリケーションで使われている言語です。PHPは案件数が多く高単価、PHPフレームワークは学習コストの低いものが多いという理由から、PHPエンジニアを目指して参入する人は今後増え、競争率は高まることが予想されます。

PHPエンジニアとして長く活躍し続けるためには、案件に合ったフレームワークを使いこなして効率的な作業を行えることが必要です。また、関連言語や資格の取得、上流工程に携わる経験なども必要であるといえるでしょう。

複雑なフレームワークを自由に扱えるようになれば、ほかのPHPエンジニアと差別化を図ることができ、需要は高まると考えます。簡単に使えるフレームワークが多いからこそ、それらを突き詰めて習得していくことが、長く活躍し続けられるPHPエンジニアへの道です。