SEの資格・平均年収と動向を分析！収入を上げる方法も解説

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この記事のまとめ

• SEはシステム開発の上流工程を担当する職種であり、システムに関する知識やコミュニケーション能力、マネジメント能力などが求められる
• SEになるために必須の資格はないが、IPAの国家資格やベンダー資格を取得することでスキルアップを目指せる
• SEは高収入が期待できる職種であり、転職やキャリアチェンジ、フリーランスになることで年収アップを目指せる

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この記事では、SEを目指している人、キャリアアップやキャリアチェンジを考えている人向けに、仕事・スキルアップに役立つ資格や平均年収をまとめました。SEが持つべきスキルや年収を上げるための方法についても見ていきましょう。SEは今後も需要が高いとされる将来性のある職種です。ぜひキャリア形成を考える際の参考にしてください。

SEのスキルアップに役立つ資格

SEになるのに資格は必要ありませんが、スキルアップに役立つ資格を紹介します。

基本情報技術者試験・応用情報技術者試験

独立行政法人 情報処理推進機構（IPA）が主催する国家試験です。基本情報技術者試験は、高度なIT人材になるための基本的な知識や技能を問われるもので、多くのITエンジニアが受験しています。

応用情報技術者試験は基本情報技術者試験からレベルアップした試験区分であり、応用的な知識や技能が問われる資格です。

ITコーディネータ

ITコーディネータは、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が主催する経済産業省推進の資格です。ITやネットワーク、IT戦略における意思決定など、経営に必要な知識を評価します。

オラクルマスター

日本オラクル社が実施するオラクルマスターは、データベース管理・運用スキルを証明する資格です。Bronze・Silver・Gold・Platinumの4段階の難易度に分かれています。

マイクロソフト認定プロフェッショナル (MCP)

マイクロソフト認定プロフェッショナル (MCP)は、マイクロソフト社の製品に関する知識や技能を測る資格で、MTA・MCSA・MCSEなどのランクに分かれています。無料のラーニングパスを準備し、個人のスケジュールに合わせて学習可能です。

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、シスコシステムズ社の製品に関する知識や技術を問われる資格で、エントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパートにレベル分けされています。ソフトウェア開発などで重視される資格で、学生からエンジニアまで幅広く受験しているのが特徴です。

ネットワークスペシャリスト試験

独立行政法人情報処理推進機構（IPA）が主催するネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークシステムの幅広い知識を擁する国家試験です。
ネットワークエンジニアや、インフラ系エンジニアとして活躍したい人、それらを目指している人に適しています。
ネットワークスペシャリスト試験の合格率は、14〜15％程度とされており、難易度の高い試験だといえるでしょう。

システムアーキテクト試験

独立行政法人情報処理推進機構（IPA）が主催するシステムアーキテクト試験は、ネットワークシステムの専門的な知識が求められる国家試験です。
「アーキテクト」は建築家や設計者を意味する言葉で、要件定義や基本設計をするシステムアーキテクトは「ITシステムの設計者」という意味が込められています。
システムアーキテクト試験は、合格率12～15％程度。高度区分試験に分類されます。

SEの仕事内容とは

SEの仕事は、社内システムまたはソフトウェアなどの開発において、「要求分析・要件定義」「基本設計」「詳細設計」「テスト」などいわゆる上流工程を担当することです。

どのようなシステムにするか顧客にヒアリングし、仕様書や設計書を作成します。プログラマーへの指示出しや進捗管理のほか、プログラミングを担うことも。SEの役割や担当する領域は、企業やプロジェクトにより異なります。

いずれにせよSEの仕事は専門性が高く、実務経験も必要になるため、誰でもすぐに務まる職業ではありません。プログラマーなどの経験を積んでからSEになる人が多いようです。

SEに求められる知識とスキル

SEとして働くためには、知識とスキルが求められます。ここでは一般的に必要とされるものを紹介します。

システムに関する知識

ソフトウェアやシステムの開発におけるすべての工程の知識と経験が求められます。

また、各々専門性を持つチームメンバーに指示を出すこともあるため、ハードウェアやソフトウェア、データベースなど幅広い知識が必要です。IT業界は進歩が早く、新しい技術が日々生み出されているため、最新技術の情報を常にキャッチし、インプットしていく姿勢も求められるでしょう。

コミュニケーション能力

上流工程を担当するSEは、クライアントやチームメンバーと綿密に意思疎通を図ります。クライアントはITの専門家でないことも多いため、専門用語を用いず分かりやすく伝えることが大切です。

マネジメント能力

SEにはマネジメント能力も求められます。大規模な開発ではプロジェクトマネージャー（PM）やプロジェクトリーダー（PL）が置かれることが多いですが、プロジェクトによってはSEに管理を任せることもあるためです。

チームメンバーをまとめることはもちろん、全体のスケジュール管理やタスクの割り当ても行います。突発的な変更やトラブルなどにも、状況を分析しながら冷静に対応する能力が求められるでしょう。

SEになるのに学歴は問われるのか

SEは実力勝負の世界であるため、特に学歴や資格は必要ないとされます。ただ、大学や専門学校でコンピューター関連を専攻していた人が多い傾向にあるようです。

厚生労働省の職業情報提供サイト（日本版O-NET）によると、SEとして入職する際の学歴は、大卒が85.0％、高卒が12.5％、専門学校卒が17.5％となっています。

新卒者は座学や教育訓練で開発スキルを磨くことが多いです。中途採用者や転職者は経験や実績が重視されるため、プログラミング学校などで基礎技術を習得してから就職または独立することが多くなるでしょう。

SEの年収の動向

正規雇用のSEの収入として、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査　結果の概況」を参考に平均年収の推移を確認します。

年数	全体	男性	女性
2018年	551万円	570万円	462万円
2019年	569万円	584万円	497万円
2020年	690万円	734万円	537万円
2021年	734万円	758万円	608万円
2022年	660万円	681万円	594万円
※「きまって支給する現金給与額」（月収）×12＋「年間賞与その他特別給与額」＝年収
※端数部分は四捨五入
※「企業規模計（10人以上）」を参照

国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」のによると、日本国民の平均給与は458万円(
男性563万円・女性314万円）です。SEは全体から見れば高収入と言えるでしょう。

SEとして年収1,000万円を目指すには？

企業の業績やプロジェクト、雇用形態などで年収に差が生じてしまうSEですが、専門職であるためできるだけ高収入を目指したいところです。ここでは、SEとして年収1,000万円を目指すための方法を紹介していきます。

転職する

SEが年収アップを目指すには、給与の高い会社に転職するのが手です。経験や実績を持っていれば、IT人材に投資を惜しまない企業も多数あると考えられます。要件定義などの上流工程をできるだけ経験し、実績を積んで転職に繋げていきましょう。

管理職になる

正規雇用で働いている人が年収を上げる方法としては、管理職や経営層を目指すことが考えられます。部長クラスの管理職であれば、年収1,000万円を目指すことも可能でしょう。職位を上げて年収アップを目指す場合は、技術力だけでなく、経営に必要なコミュニケーションや論理的思考などのビジネススキルを学ぶことも大切です。

キャリアチェンジする

SEとしての知識やスキルを活かして他の技術職にキャリアチェンジすることも、年収アップに繋がるでしょう。

たとえば、SEからプロジェクトマネージャー（PM）、プロジェクトリーダー（PL）などのマネジメント業務、ITビジネス戦略となるITコンサルタント、ITアーキテクチャなどは高い報酬が期待できる職種です。

フリーランスになる

正社員SEとして働くだけでなく、独立してフリーランスに転身するのも一つの手です。案件によっては単価報酬が月額100万円を超えるものもあります。

もちろん、独立するための実績作りや人脈作りを欠かさず、営業力を身につける必要もあるでしょう。ITエンジニアによっては、いきなりフリーランスを目指すのではなく、正社員として働きながら副業で案件を受注して実績を作る人もいます。

また、フリーランスは個人事業主として税務処理などの事務作業を基本的に自分で行わなければなりません。あらかじめ税金について学んでおく必要があります。

SEの将来性

モバイル普及に伴いスマートフォンアプリ開発が需要を後押ししているため、SEの将来性は高いと言えるでしょう。SIer企業やコンサルティングファームだけでなく、金融や流通、メーカー、製造業など幅広い業種でもインフラの整備やシステム開発を行う企業が増えており、SEの需要はさらに高まると考えられます。

加えて、IT人材不足もSE需要の高まりに影響を与えることが予想されます。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」では、デジタル人材の不足が指摘されました。2030年のIT人材数は、2018年から10.2万人増加し113.3万人になるとの試算になっています。