インフラエンジニアがきつい理由とは？困難の回避方法や仕事の魅力を解説

インフラエンジニアがきついと言われる理由

インフラエンジニアはITシステムを支える重要な仕事ですが、「きつい」「やめとけ」と言われることがあります。このきつさには、業務の負担やインフラエンジニアが働く環境が関係しています。
ここでは、インフラエンジニアが「きつい」と感じる主な理由を詳しく解説します。

仕事の成果が見えにくい

インフラエンジニアは、Webサービスやコンテンツのユーザーが触る部分を作るのではなく、それらが円滑に稼働する環境を構築・維持する役割を担っています。
ユーザーや顧客との直接的なやり取りが少なく、仕事の成果が見えにくいことが多いため、モチベーションを維持するのが難しく感じる場合があります。

インフラエンジニアの業務内容を詳しく知りたい方は、「インフラエンジニアの仕事内容とは？ 必要な知識や未経験でなる方法を解説」の記事をご覧ください。

問題が解決しないと残業が続く

インフラエンジニアは、サーバーやネットワークの不具合が発生した場合、問題が解決するまで業務を終えることができません。残業の多さが原因で、「インフラエンジニアの仕事がきつい」と感じる可能性があるでしょう。

たとえば、社内システムがストップすると業務に大きな支障が出る可能性があります。また、ECサイトの障害では、利用者が長く待たされることで購入機会を失って売上が減少します。
インフラ部分の不具合は多大な影響を及ぼすため、トラブルを解消するまで、残業をしてでも対応を求められるでしょう。

急なトラブルに対応する必要がある

設計やテスト段階で問題がなかったとしても、運用時に予測不能なトラブルが発生する可能性があります。
問題が発生した場合、終業間際であってもインフラエンジニアは即座に対応しなければなりません。また、休日出勤を要求されるケースもあります。これにより、予定が立てにくくなったり、精神的に負担を感じたりすることがあります。

急なトラブル対応が発生することは、インフラエンジニアの仕事がきついと感じる要因の一つです。

運用・保守は夜勤になることがある

インフラシステムは24時間365日稼働している必要があるため、夜間のメンテナンスやトラブル対応を任されることがあります。特にメンテナンスはシステムの稼働率が低下する深夜帯に行うケースが多く、夜勤が必要になります。
夜勤が体質に合わない場合、心身ともに疲労が蓄積し、インフラエンジニアの仕事をきついと感じるでしょう。

マニュアル作業が中心になる

インフラエンジニアの業務はマニュアル通りに対応するケースが多く、特に運用・保守業務では決められた手順に従って作業を進めることが求められます。仕事が単調に感じたり、スキルが停滞していると感じたりすることがあります。
単調な作業が苦手な人や常に新しい技術に触れていたいと考えている人にとって、インフラエンジニアの日常的な業務はきついと感じることがあるでしょう。

継続的な勉強が必要になる

IT業界全体に共通する課題として、技術の進歩が速く、常に最新技術を学び続ける労力が必要となることが挙げられます。
インフラエンジニアの業務も例外ではありません。たとえば近年はAWSやAzureなどのクラウドサービスの普及により、これまでのオンプレミス型からクラウド型への移行が進んでいます。

インフラエンジニアは継続的に新しい知識を習得する必要があり、負担を感じることがあります。

サーバールームが寒い

オンプレミス型のインフラ環境では、自社内のサーバールームで作業をする必要があります。サーバーから発生する熱を抑えるため、サーバールーム内は冷房が強く効いており、室温が低い状態が続きます。
この環境に慣れない場合、体調を崩したり、集中力が低下したりする可能性があります。仕事を行う環境が合わない場合、インフラエンジニアの仕事をきついと感じるでしょう。

インフラエンジニアがきつい状況を避ける方法

ここでは、インフラエンジニアが「きつい」と感じる状況を避けて働くための方法を紹介します。後悔しない仕事選びにお役立てください。

職場環境を調べる

インフラエンジニアとして就職や転職を検討する際は、企業の職場環境を事前に調査しましょう。

チェックポイントには、夜勤の有無やトラブル対応の頻度、サーバールームでの作業環境などが挙げられます。また、口コミサイトや求職者向けメディアなどで、勤務している社員の意見を確認することもおすすめです。
働き始めてから「仕事がきつい」と悩む事態を防ぐために、事前にしっかり調べることが大切です。

労働条件や待遇を調べる

きつい労働環境・待遇の職場を選んでしまうと、早期退職につながるおそれがあります。インフラエンジニアが求人を確認する際は、労働条件・待遇をしっかり調べましょう。
月平均の残業時間や残業手当の扱い、休日数などを確認し、自分の希望条件や譲れない条件と照らし合わせてください。

在宅で働ける案件を選ぶ

インフラエンジニアがきつい状況を避ける手段の一つは、在宅ワークの仕事を選ぶことです。
在宅で働ける案件であれば室温が低いサーバールームでの勤務を避けられます。

クラウドサービスの台頭によって、インフラエンジニアの仕事もリモートでできる案件が存在します。フリーランスエンジニア・クリエイター向けの案件情報サイト「フリーランスHub」によると、インフラエンジニアの全案件のうちリモートワーク案件は45.2％を占めており、数多くの在宅案件があるといえます。

エンジニア職の在宅ワークについては、「リモートワークでエンジニアは就業可能？メリットや注意点について解説！」の記事で詳しく解説しているのであわせて参考にしてください。

インフラエンジニアは楽すぎとも言われる理由

インフラエンジニアは「きつい」と言われる一方で、「楽すぎる」との声もあります。
ここでは、インフラエンジニアが「楽すぎる」と言われる理由について解説します。

何もなければ業務負荷は大きくならない

インフラエンジニアは、トラブルが発生すれば緊急対応を求められます。しかし、通常の運用・保守作業は、インフラが正常に稼働しているかを監視することが中心です。
そのため、日常的に激務に追われるケースは比較的少なく、余裕を持った勤務が可能です。

業務の一部を自動化できる

インフラエンジニアの業務は、スクリプトやツールの活用により自動化が進んでいます。従来は手作業でしていた業務の自動化によって負担は軽減されました。
また、最新のクラウド技術や自動化ツールの導入で、少ない労力で安定した環境を維持できるケースも存在します。
そうした職場環境で働くインフラエンジニアは、「仕事が楽すぎる」と感じることもあるでしょう。

インフラエンジニアのやりがい・魅力

インフラエンジニアは、企業のIT基盤を支える職業です。
ここでは、インフラエンジニアとしてのやりがいや魅力について解説します。

現代社会を支える仕事である

インターネットが普及した現代において、ITインフラの構築・運用は不可欠です。

インフラエンジニアは、業務システムやWebサービス、ホームページなどが正常に機能し、安定して稼働するためのインフラ部分を支える仕事です。責任ある仕事で社会への貢献度が高く、大きなやりがいを感じられるでしょう。

高収入を得られる

インフラエンジニアは、ITインフラの設計・構築・運用を担当し、企業のシステム基盤を支える高い専門性を持つ職種であるため、高収入を得やすいです。

厚生労働省のjobtagによると、2025年10月現在、インフラエンジニアの平均年収は752.6万円です。特にクラウド技術やセキュリティの分野に精通したエンジニアは市場価値が高く、さらに収入アップが期待できます。

インフラエンジニアが年収1,000万円を目指す方法や具体的な案件例については、「インフラエンジニアの年収は？年収1000万を目指す方法や案件例も解説」の記事で紹介しているのであわせて参考にしてください。

実力が評価されやすい

インフラエンジニアは実力主義の傾向が強く、年齢や学歴に関係なくスキルがあれば評価されやすい職種です。

成果を上げることができれば、社内での昇進や年収アップが期待できます。また、フリーランスエンジニアとして活動する場合、実力を証明することで案件獲得や報酬アップにつなげられます。

大手企業で働ける可能性がある

インフラエンジニアは企業のIT基盤を支える職種であり、大手企業での需要も高いです。

大手企業で働ければ、比較的安定した雇用環境や充実した福利厚生が期待できるほか、大規模なシステムを扱うことで高度なスキルを身につけられるでしょう。

仕事の需要が高く安定している

インフラエンジニアは、社会のデジタル化やクラウド化の進展により、需要が高まっています。特にクラウド技術やセキュリティ分野のスキルを身に付けたエンジニアは、今後も高需要が続くと予想されています。

フリーランスエンジニア・クリエイター向けの案件情報を掲載している「フリーランスHub」においても、インフラエンジニアの募集中の案件数は1,546件にのぼります（2025年10月時点）。
仕事の需要が高いため、転職や独立をする際も、多くの選択肢から自分に合ったものを選べるでしょう。

1人で作業に集中できる

インフラエンジニアは、基本的にサーバールームにおいて単独で運用・保守の作業を行います。
プロジェクトの規模や仕事内容によってはチームでの連携が必要になることもありますが、ほかのエンジニア職と比較して個人作業が多い傾向があります。

一人で黙々と作業に集中したい方にとって、インフラエンジニアの働き方は大きな魅力です。

汎用性のある知識・スキルが身に付く

インフラエンジニアとしての業務を通じて得られるスキルは、他のIT職種や業界でも活かせるものが多々あります。OSやネットワーク、サーバーなどに関する知識・スキルは、企業のIT環境を支えるうえで不可欠です。また、クラウドサービスやセキュリティの技術も身に付けられます。
汎用性が高い知識・スキルを習得すれば、転職やフリーランスとしての独立のときにも役立つでしょう。

エンジニア職に広く求められる技術・能力を知りたい場合は、「エンジニアの仕事内容や種類とは？働き方や職種に必要なスキルを解説」の記事も参考にしてください。

インフラエンジニアのキャリアパス

インフラエンジニアとしての経験を生かして、エンジニアとしての技術力を極めたり、マネジメント・コンサルティングの仕事に就いたりすることが可能です。
ここでは、インフラエンジニアのキャリアパスについて解説します。

フルスタックエンジニア

インフラエンジニアは、主にサーバーやネットワークなどのIT基盤を支える業務を担当します。インフラも含めた開発全体を担当できるスキルセットを備えることによって、インフラエンジニアはフルスタックエンジニアを目指すことが可能です。

フルスタックエンジニアとは、インフラだけでなく、フロントエンドやバックエンドの開発にも対応できるエンジニアを指します。
企業では、システム全体を理解しながら設計や運用ができる人材が重宝されるため、フルスタックエンジニアは市場価値が高い傾向があります。

フルスタックエンジニアの詳細は、「フルスタックエンジニアとは？仕事内容や必要なスキルをまとめて確認」の記事を参考にしてください。

プロジェクトマネージャー

インフラエンジニアとしての経験を積むことで、プロジェクトマネージャー（PM）へのキャリアアップも可能です。プロジェクトマネージャーとは、プロジェクト全体の進行管理やスケジュール調整、チームの統率を担当する役割です。

インフラに関する知識を持つPMは、システム設計や構築に関する深い理解が求められるプロジェクトで特に重宝されます。プロジェクトマネージャーになれば、より高度な案件に携わる機会が増えます。また、収入アップも期待できるでしょう。

プロジェクトマネージャーの仕事の詳細や年収の目安については、「PMとはどのような仕事？必要なスキルや年収について紹介」の記事をご覧ください。

ITコンサルタント

インフラエンジニアの知識を活かし、ITコンサルタントとして活躍する道もあります。
ITコンサルタントとは、企業のIT戦略の立案やシステム導入の支援などを行い、課題解決を推進する職種です。専門知識とビジネススキルを組み合わせることで、キャリアアップと高収入を同時に実現させることが可能です。

インフラに関する専門知識を持つITコンサルタントは、システムの安定性や効率性を向上させるアドバイスができます。特にクラウドやセキュリティの分野に強いITコンサルタントは、企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）推進に貢献できるため、需要が高まっています。

ITコンサルタントの業務内容の詳細や年収金額については、「ITコンサルタントの仕事に就くには？仕事内容から必要スキルまで徹底解説」の記事を参考にしてください。

インフラエンジニアへの転職で後悔しないコツ

「インフラエンジニアはきつい」と感じて転職後に後悔しないためには、事前に対策法を知って実行することが重要です。
ここでは、インフラエンジニアへの転職で後悔しないコツについて解説します。

自分が向いているかを確認する

インフラエンジニアに転職して長く活躍するためには、自分に適性があるかどうかの確認が重要です。
インフラエンジニアに向いている人の特徴には、以下のようなものが挙げられます。

• トラブル時に冷静に対処できる
• ストレス耐性が高い
• 臨機応変に対応できる
• 機械を扱うことが好き
• 慎重な作業が得意
• 地道に業務を進められる
• 新しい技術の習得に積極的
• 勉強が苦にならない

これらの適性と自分の性格・特性を照らし合わせながら、インフラエンジニアに向いているかどうかを確認しましょう。

関連資格を取得する

インフラエンジニアを目指す際、業務に関連する資格を保有していることは、選考において大きな強みになります。資格を持っていれば、基礎知識や技術力を客観的に証明することが可能です。転職やキャリアアップの際にも有利にはたらくでしょう。
また、インフラエンジニア初心者にとっては、資格取得のための勉強をとおして体系的な知識を身に付けられる点がメリットです。

以下の資格は、インフラエンジニアの仕事を始めるにあたっておすすめの資格例です。

• 基本情報技術者試験
• 応用情報技術者試験
• 情報処理安全確保支援試験
• ネットワークスペシャリスト試験
• データベーススペシャリスト試験
• 情報セキュリティマネジメント試験
• AWS認定
• シスコ技術者認定
• ORACLE MASTER
• LinuC

インフラエンジニアにおすすめの資格の詳細は、「インフラエンジニアに資格はいらない？おすすめ一覧や年収も解説」の記事をご覧ください。

エージェントに相談する

インフラエンジニアへの転職で後悔したくない人におすすめなのは、エージェントに相談することです。特に、エンジニア業界に強みを持つエージェントサービスがおすすめです。

エージェントに登録すれば、個別にヒアリングを受けたうえで、希望や条件に合った企業や案件を紹介してもらえます。また、求人の紹介だけでなく、キャリアプランに関する相談や契約に関わる書類手続きなどのサポートを提供しているエージェントサービスもあります。
エージェントサービスは、初めてインフラエンジニアとして転職を考えている人や、求人選びに不安がある人にとって心強いサービスです。

エージェントの活用を検討している方は、「フリーランスエージェント徹底比較　【2025年最新】」も参考にしてください。

まとめ

インフラエンジニアとは、ITシステムを支える重要な役割を担う職業です。
業務の負担や仕事をする環境などを理由に、「インフラエンジニアはきつい」といわれることもあります。一方で、自動化や効率化により負担が軽減され、「インフラエンジニアの仕事は楽すぎる」という声も挙がっています。

インフラエンジニアは社会貢献度が高い仕事であり、実力に応じて高収入を稼げる可能性がある職業です。事前に職場の様子を調べたり適性を確認したりしてしっかり準備をして、インフラエンジニアへの就職・転職を目指しましょう。