NEW フリーランスになる際のやることリストは？独立に必要な準備や手続きを解説

フリーランスになる前のやることリスト

フリーランスとして活躍するためには、事前準備が欠かせません。
フリーランスとして独立する前のやることリストは以下のとおりです。

• スキルの棚卸をする
• 十分な経験を積む
• ポートフォリオを作成する
• 案件獲得ルートを確保する
• 必要な資金を確保する
• 住居の契約を見直す

上記6つについてそれぞれ解説します。

スキルの棚卸をする

フリーランスとして活動を始める前に、スキルの棚卸をしましょう。スキルの棚卸は、自分の強みや弱みを見出し、市場での競争力を把握するのに重要な作業です。

スキルの棚卸には、以下のような方法があります。

• 過去の仕事経験を振り返る
• 取得した資格やスキルを列挙する
• 同業者や先輩に評価してもらう

こうした作業によって自分の市場価値が把握でき、今後フリーランスとして成功するために伸ばすべきスキルを特定できます。

十分な経験を積む

フリーランスとして仕事を得るには、十分な実務経験が必要です。多くの場合、3〜5年程度の経験があるのが望ましいとされます。

独立に向けて経験を積むメリットは以下のとおりです。

• 技術的なスキルアップにつながる
• コミュニケーション力が高まる
• 業界の知識が身に付く
• 人脈が広がる

経験が不足していると感じる場合は、現在の職場でさらなるスキルアップを図りましょう。また、副業で経験を積むのもおすすめです。

ポートフォリオを作成する

自分のスキルや実績を効果的にアピールするため、フリーランスになる前にポートフォリオを作成するのが得策です。ポートフォリオは過去の成果物や作品を掲載した資料で、クライアントに自分の実力を知ってもらうのに役立ちます。

ポートフォリオには、以下の要素を含めてください。

• 過去の仕事の実績や成果
• 自己紹介
• 得意分野の説明
• 取得している資格やスキル
• クライアントからの評価やフィードバック

ポートフォリオはWeb上で公開するだけでなく、PDFに変換したり印刷したりして、オフラインでも提示できる形式で用意しておくと便利です。
「ポートフォリオとは？作る意味やビジネスでの必要性、構成例などを解説」では作成のコツも紹介しているので、あわせて参考にしてください。

案件獲得ルートを確保する

フリーランスになる前から、案件を獲得できるルートを確保しておきましょう。フリーランスとして安定した収入を得るには、継続的に案件を獲得する必要があるからです。

フリーランスの案件獲得のルートには、以下のようなものがあります。

• 知人や前職の同僚のコネクション
• クラウドソーシングサイト
• フリーランスエージェント
• SNSやブログ

複数のルートを確保すれば、安定した案件獲得につながります。各方法について詳しく知りたい方は、「フリーランスの仕事の取り方とは？初心者でもできる案件の探し方を紹介」を参考にしてください。

必要な資金を確保する

フリーランスとして独立する前に、ある程度資金を貯めておくのが望ましいと考えられます。十分な資金を確保すれば、安心感を持ってフリーランスの活動をスタートできます。

貯金する際は、以下の初期費用を考慮しましょう。

• パソコンや周辺機器の購入費
• ソフトウェアのライセンス料
• 事務所や作業スペースの確保費用

最低でも、3〜6ヶ月分の生活費を貯金すると良いでしょう。貯めた資金で、収入が安定するまでの生活費をカバーします。

住居の契約を見直す

フリーランスとして活動を始める前に、住居契約の見直しも検討しましょう。特に賃貸住宅の場合、契約内容によっては事業利用が制限されている可能性があります。

以下の点を確認し、必要に応じて契約の変更や引っ越しをしてください。

• 住居での事業利用が可能か
• 防音性能が十分か
• 作業スペースが確保できるか

住居環境を整えれば、快適かつ効率的にフリーランスの仕事ができるようになります。

会社員からフリーランスになる際のやることリスト

フリーランスとして活動を始める際は、健康保険・年金を切り替えたり、開業届を出したりといった手続きをします。
会社員からフリーランスになるときのやることリストは下記のとおりです。

• 国民健康保険に加入する
• 国民年金に加入する
• 開業届を提出する
• 青色申告承認申請書を提出する
• バーチャルオフィスの契約をする

以下で手続きの詳細を見ていきましょう。

国民健康保険に加入する

企業を退職してフリーランスになる際には、会社で加入していた社会保険を脱退して国民健康保険に加入する必要があります。

国民健康保険への加入手続きは、居住地の市区役所・町村役場で行います。社会保険の資格喪失日（退職の翌日）から14日以内に必要書類を提出しましょう。

参照：厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」

国民年金に加入する

会社を退職してフリーランスになるときには、厚生年金保険から国民年金保険への切り替えを行いましょう。
厚生年金保険の加入者だった場合、基本的に国民年金第1号被保険者として加入することになります。

基礎年金番号がわかる書類や離職票などを用意し、居住地の市区役所・町村役場で加入手続きをします。国民年金への加入手続きは、退職日の翌日から14日以内に済ませてください。

参照：日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」

他の選択肢についても知りたい方は、「個人事業主向けの年金や健康保険は？代わりになる制度も紹介」を参考にしてください。

開業届を提出する

開業届は、個人事業主として事業を始めることを税務署に提出する書類です。
開業届の提出期限や提出先を以下の表にまとめました。

―	概要
提出期限	事業開始から1ヶ月以内
提出先	納税地を管轄する税務署
必要書類	個人事業の開業・廃業等届出書、本人確認書類、マイナンバーが分かる書類

参照：国税庁「A1-5　個人事業の開業届出・廃業届出等手続」

フリーランスが開業届を提出すれば、個人事業主として正式に認められます。ただし、提出しなくても罰則はありません。

開業届にまつわる手続きの詳細は、「個人事業主が出す開業届とは？書き方や提出するメリットなども解説」を参考にしてください。

青色申告承認申請書を提出する

開業届を出して個人事業主になったフリーランスは、節税効果が高い青色申告を利用することが可能です。青色申告で確定申告をしたい場合は、青色申告する予定の年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出しましょう。

青色申告のメリットは以下のとおりです。

• 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
• 赤字の繰越控除が可能
• 家族従業員の給与を経費として計上できる

参照：国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」

フリーランスになってから青色申告のメリットを活用したい場合は、早めに申請しましょう。
書類の記載方法や提出の仕方については、「青色申告承認申請書とは？書き方や届出の方法、提出期限などを解説」を参考にしてください。

バーチャルオフィスの契約をする

物理的な事務所を持たずに住所や電話番号を利用できるバーチャルオフィスの契約もおすすめです。フリーランスにとって、以下のようなメリットがあります。

• 自宅住所を公開せずに済む
• 一等地の住所が使えて信頼性が高まる
• 郵便物受け取りや転送のサービスが使える

自宅を事務所として使ったり、コワーキングスペースを利用したりする場合、バーチャルオフィスは必要ありません。状況や予算に応じて利用を検討しましょう。

フリーランスとして活動する際のやることリスト

フリーランスが円滑に活動するには、事業用の口座やクレジットカードを作ったり、会計ソフトを導入したりといった準備が必要です。
フリーランスとして活動するときのやることリストは、下記のとおりです。

• 事業用資金の管理に必要なものを用意する
• 経理・税務処理の課題を解決する
• 保険を見直す
• 仕事環境を整える
• 名刺を作成する
• WebサイトやSNSアカウントを作成する

以下で、各項目の詳細を解説します。

事業用資金の管理に必要なものを用意する

フリーランスとして活動を始めたら、個人口座とは別に事業用の銀行口座を開設することをおすすめします。事業用口座を開設するメリットは以下のとおりです。

• 個人の支出と事業の支出を明確に分けられる
• 確定申告の際の経理作業が簡単になる
• クライアントからの信頼性が高まる

銀行口座に加え、事業用のクレジットカードを作成すれば、経費管理がさらに容易になります。多くの銀行やクレジットカード会社が個人事業主向けサービスを提供しているので、比較検討して自分に合ったものを選びましょう。

「個人事業主向けのクレジットカードのおすすめは？メリットや注意点も紹介」ではカードの選び方を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

経理・税務処理の課題を解決する

会計ソフトの導入や税理士との契約は、フリーランスの経理や税理の処理の課題を解決する有効な手段といえます。

以下は会計ソフトを導入するメリットです。

• 日々の経理作業が効率化される
• 確定申告の準備が容易になる
• 経営状況の把握が容易になる

税理士と契約するメリットは以下のとおりです。

• 専門家のアドバイスが受けられる
• 複雑な税務処理を任せられる
• 節税対策のサポートが受けられる

事業の規模や複雑さ、自分の会計・税務の知識などを考慮して、導入や依頼を検討しましょう。

保険を見直す

フリーランスになると会社員時代とは異なり、保険を自分で選んで加入する必要があります。以下のような保険への加入を検討しましょう。

保険	概要
所得補償保険	病気やケガで働けなくなった際の収入を補償する
賠償責任保険	仕事上のトラブルによる損害賠償を補償する

すでに加入している生命保険や医療保険についても、フリーランスの立場に合わせて見直しをおすすめします。保険の選択は個人の状況によって異なるため、必要に応じて専門家に相談するのもよいでしょう。

「個人事業主の損害保険の月額は？生じるリスクや加入するべき制度を紹介」では上記以外の制度も紹介しているので、あわせて参考にしてください。

仕事環境を整える

フリーランスとして効率良く働くには、備品を用意するなど仕事環境を整えるのが効果的です。具体的には、以下の準備をしましょう。

• 事務用品を買う
• パソコンを選ぶ
• デスク・チェアを選ぶ
• インターネット環境を整える

快適な仕事環境を整えれば生産性が向上し、ワークライフバランスの改善にもつながります。

名刺を作成する

フリーランスにとって名刺は重要な自己PRツールなので、ぜひ作成しましょう。名刺を作成するメリットは以下のとおりです。

• プロフェッショナルなイメージを与える
• 自身のスキルや専門分野を簡潔にアピールできる
• 連絡先を相手に確実に伝えられる

名刺には以下の情報を含めると効果的です。

• 名前
• 肩書き
• 連絡先（電話番号やメールアドレス）
• WebサイトやポートフォリオのURL

名刺のデザインは自分のブランドイメージに合わせて選びましょう。オンラインの名刺作成サービスを利用すれば、手軽に専門的な名刺を作成できます。
具体的な作成サービスを知りたい方は、「フリーランスの名刺は必須のビジネスツール！記載内容や作成方法を紹介」をご覧ください。

WebサイトやSNSアカウントを作成する

フリーランスとして活動するうえで、WebサイトやSNSアカウントの作成は重要です。自分のスキルや実績をアピールし、新規クライアントを獲得するための強力なツールとなります。

Webサイトを作成するときは、以下を意識してください。

• ポートフォリオを掲載する
• 自己紹介を載せる
• 得意分野を示す
• 問い合わせフォームを設置する

SNSアカウント運用のポイントは以下のとおりです。

• プロフィールを充実させる
• 業界の最新情報を発信する
• 作品を投稿する

こうした取り組みを通じてセルフブランディングができれば、潜在的なクライアントにアプローチしやすくなります。

フリーランスとして成功するためのコツ

フリーランスとして成功するには、スキルアップや情報収集などさまざまな取り組みが必要です。
ここでは、フリーランスとして成功するためのコツを5つ紹介します。

自己管理力を高める

フリーランスとして成功するには、高い自己管理力が必要です。以下のような取り組みで自己管理力を高めましょう。

取り組み	方法
目標設定	短期・中期・長期の目標を設定し、定期的に見直す
タイムマネジメント	タスク管理ツールを活用し、時間を効率的に使う
健康維持	適度な運動と十分な睡眠を心がける
モチベーション維持	小さな成功を積み重ね、自己肯定感を高める

上記を実施して自己管理力を高めれば、仕事で安定したパフォーマンスを発揮でき、長期的成功につながるでしょう。

自分の価値を知ってもらう

フリーランスとしての成功を目指すために、自分に仕事を依頼するメリットをクライアントに知ってもらうのが大切です。以下の取り組みを通じ、自分が価値ある人材であるとクライアントにアピールしましょう。

取り組み	方法
自己PR力の向上	自分の強みを明確に伝えられるようにする
ニーズの把握	クライアントの要望を正確に理解する
提案力の強化	クライアントの課題に対して具体的な解決策を提示する
フォローアップの徹底	案件終了後も継続的な関係を維持する

新規クライアントを開拓する際は上記に加え、初対面の相手への営業方法を知っておくのも大切です。「フリーランスの営業のやり方10選！成功のポイントや案件獲得方法を解説」では主な手法や成功のコツを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

最新情報を収集する

フリーランスとして成功するには、常に最新情報を収集し、知識をアップデートし続ける必要があります。以下のような方法で、効果的な情報収集をしてください。

• 業界関連のニュースサイトやブログをチェックする
• 専門書や技術書を定期的に読む
• オンラインセミナーやウェビナーに参加する
• 同業者とのネットワークを構築して情報交換する

最新情報をキャッチアップすれば、クライアントに付加価値の高いサービスを提供し続けられるでしょう。

専門スキルに磨きをかける

フリーランスとして長期的に成功するには、自分の専門スキルを高め続ける努力が不可欠です。以下のような方法でスキルアップに取り組みましょう。

• 学習プラットフォームを活用する
• 資格取得にチャレンジする
• 個人プロジェクトに取り組む

専門スキルを磨くことで、より高度な案件を獲得したり、高単価の仕事を受注したりすることが可能になります。

自己責任の意識を持つ

フリーランスとして成功したい方は、仕事において自己責任の意識を持つのが大切です。具体的には、以下を意識しましょう。

取り組み	方法
契約内容の確認	クライアントとの契約内容を十分に理解し、責任範囲を明確にする
納期の厳守	約束した納期を必ず守り、信頼関係を築く
品質管理	常に高品質な成果物を提供するよう心がける
リスク管理	トラブルに備え、保険に加入するなどの対策を講じる

自己責任の意識を持つことでプロフェッショナルとしての信頼性が高まり、フリーランスとしての長期的成功につながります。

まとめ

本記事では、フリーランスになる前のやることリスト、会社員から転向する際の手続きなどを解説しました。フリーランスとして活動するには、保険の加入をはじめとした公的手続きのほか、資金の確保や管理、仕事環境の整備なども必要です。

自己責任の意識を持って行動し、自分の価値をクライアントに知ってもらえるよう働きかけるのが、フリーランスとしての成功の鍵となります。十分な準備と継続的な努力を重ねれば、自由度の高い働き方が実現できるでしょう。