Illustratorクリエイター能力認定試験とは？勉強方法も紹介

Illustratorクリエイター能力認定試験は、Illustratorを扱う知識・スキルを証明する資格です。クリエイティブな仕事に興味があり、試験の概要を知りたいと思っている方もいるでしょう。

本記事では、Illustratorクリエイター能力認定試験の特徴や合格率、勉強方法などを紹介します。受験を検討している方はぜひ参考にしてください。

Illustratorクリエイター能力認定試験とは

サーティファイ社が主催するIllustratorクリエイター能力認定試験では、Illustratorを扱う知識や技術が問われます。白紙のドキュメントからコンテンツを制作するなど、実践的な内容になっているのが特徴です。

Webデザイナーやグラフィックデザイナーなど、デザイン関連の職種で資格の知識が活かせます。デザイン関連の仕事に就きたい方、副業として挑戦したい方におすすめです。飲食店や美容室で働く場合にも、看板・メニュー・店内などのデザインに活かせるでしょう。

Illustratorについては、「illustratorでどんな仕事ができる？フリーランスに必要なレベルとスキルアップの方法とは」を参考にしてください。

Illustratorクリエイター能力認定試験の概要

Illustratorクリエイター能力認定試験の試験形式や受験資格、受験料など基本的な情報を紹介します。受験前にはこれらの情報を把握しておきましょう。

試験の種類・特徴と受験資格

Illustratorクリエイター能力認定試験には、スタンダードとエキスパートの2種類があります。エキスパートでは実技だけでなく、知識も出題されるのが特徴です。これからデザインについて勉強する方や実務経験が少ない方は、スタンダードからの挑戦をおすすめします。

受験資格に特に制限はありません。長く実務経験を積んでおりスキルに自信がある場合、高く評価される資格を早く取得したい場合はエキスパートに挑戦しても良いでしょう。

受験料

Illustratorクリエイター能力認定試験の受験料は、受験する階級によって異なります。スタンダードの受験料は7,800円、エキスパートの受験料は8,800円です（いずれも税込）。

これからデザイン職を目指す方には、最初は受験料が安く合格しやすいスタンダードを受験し、合格後にエキスパートを受けるのがおすすめです。

試験内容と出題範囲

スタンダードとエキスパートは、問題の出題形式が異なります。スタンダードは実技試験のみで、40分と90分の2部に分かれています。エキスパートは第1部が50分あることと、知識問題が出題されるのが特徴です。

合格率

Illustratorクリエイター能力認定試験の合格基準は以下のとおりです。

• スタンダート：実技問題の得点率が65%以上／実践問題の得点率が70%以上
• エキスパート：知識問題と実技問題の得点率が65%以上／実践問題の得点率が70%以上

実際に合格した人の経験を知りたい方は、「フリーランスにも役立つ！資格の合格体験記まとめ」を参考にしてください。

受験までの流れ

受験までの流れは受験方法によって異なります。個人で申し込む人は、公式サイトから申し込みます。スクールや会社から受験する場合は、担当者の指示に従いましょう。以下は随時試験の流れです。

• 公式サイトで受験会場を探す
• 受験会場に問い合わせる
• 受験を申し込み、受験料を払う
• 指定の日時に会場で受験する

公開試験の流れは以下のとおりです。

• 試験ポータルサイトでアカウント登録する
• マイページから申し込みをする
• 指定の日時にマイページから受験する

いずれの試験方法でも、結果は1ヶ月程度でメール送付されます。

キャンセルと再試験

申込締切前なら、受験料は全額返金されます。申込締切後の場合、本人都合の理由によるキャンセルでは返金されません。ただし、自然災害ややむを得ない事情であれば返金が認められることがあります。

Illustratorクリエイター能力認定試験のメリット

Illustratorクリエイター能力認定試験を受けて合格するメリットについて解説します。受験を迷っている方は参考にしてください。

Webデザインの基礎が身につく

Illustratorクリエイター能力認定試験の試験対策をすると、自然とWebデザインの基礎的な技術や知識を学べるでしょう。結果として、Webデザイナーの実務に必要な考え方を身につけられます。

これからWebデザイナーを目指したい人、Webデザイナーになったばかりの人におすすめです。

転職や就職に役立つ

転職や就職の際にアピールになる可能性があるでしょう。Illustratorクリエイター能力認定試験を取得すると、自分が持っているIllustratorの操作スキルやデザインの知識が明確になるからです。

デザインの知識やIllustratorの操作は、デザインを生業とする職業でなくても役に立ちます。通常の業務以外で役立つスキルとして、他の人材と差別化するポイントになるのがメリットです。

自分のスキルの証明になる

資格は自分の持つ知識や技術の証明になります。「これができる」「これを知っている」と言葉で説明するよりも、資格で証明した方がレベルが具体的に伝わるでしょう。

デザインの腕を磨きたいときは、「デザイン力を上げるコツとは？ぜひ取り入れたくなるスキルアップ法の記事まとめ」を参考にしてください。

Illustratorクリエイター能力認定試験のデメリット

資格の取得にはメリットが多いですが、状況によっては負担になる場合もあります。Illustratorクリエイター能力認定試験のデメリットを以下で見ていきましょう。

合格に向けて勉強時間を割く必要がある

Illustratorクリエイター能力認定試験に合格するには、スタンダードでも数十時間の勉強が必要になる可能性があります。試験対策のため、趣味や休息の時間を削って時間を確保しなくてはなりません。

人によっては資格の勉強が負担になり、本業に影響が出る恐れがあります。資格を取得したいときは、負担になりすぎない学習計画を立てましょう。集中して効率良く勉強したい方は、「もっと仕事に集中したい！集中力アップに関する記事まとめ」を参考にしてください。

アピールにおいて必須ではない

資格はスキルの証明や意欲のアピールになる場合もありますが、必須ではありません。資格を取ったからといって、クライアントに喜ばれたり案件が取れたりするとは限らないので注意してください。

クライアントが資格より重視するのは実績です。資格の勉強だけに熱中せず、質の高い作品を生み出すことにも注力しましょう。

Illustratorクリエイター能力認定試験に受かる勉強方法

Illustratorクリエイター能力認定試験に合格するのに効果的な勉強方法を2つ紹介します。デザイナーにおすすめの資格や勉強方法については、「グラフィックデザイナー資格のおすすめ5選｜勉強方法や向いている人とは」も参照してください。

参考書を読み、問題集を解く

資格の勉強で特に手をつけやすいのは、参考書を購入して学ぶ方法です。

llustratorクリエイター能力認定試験は、対策用の問題集や試験範囲を網羅した参考書が公式に販売されています。公式問題集には実際の試験を想定した模擬問題が掲載されているため、より試験に近い形での学習が可能です。

そのほか資格公式以外が出版する書籍を用いて、Illustratorの基礎的な技術・知識の学習もできます。

サンプル問題に取り組む

Illustratorクリエイター能力認定試験は、運営元のサーティファイ社が作成したサンプル問題のダウンロードが可能です。

サンプル問題は、試験にどのような問題が出題されるのかをイメージできるように制作されたものです。問題と正答例が運営元のWebサイトで公開されています。サンプル問題のダウンロードは無料なので、試験問題の難易度を知る目的で活用すると良いでしょう。

Webデザインをするには資格が必要？

Webデザインの仕事をするのに資格は必要なのか気になる人は多いでしょう。ここからは、Webデザインと資格の関係について解説します。

資格は実力を示す指標となる

Webデザイナーとして働くうえで、資格は必須ではありません。

ただし、資格は実力を示す指標の一つにはなります。Webデザイナーをこれから目指す、または働きはじめの人は、取得によりスキルを証明できるでしょう。知識の見直しにも役立ちます。

資格がなくても独学で活躍できる可能性もある

資格がなくても独学できると考える人は、無理に資格を取る必要はありません。資格を持っていなくても、小さな実績を積み上げることで成功したWebデザイナーもいるからです。

独学でWebデザイナーになった人については、「独学でも大丈夫！独学でWebデザイナーに転身した方の勉強・体験記まとめ」を参考にしてください。

資格よりもポートフォリオを充実させよう

資格取得に時間を割いてスキルコレクターになるより、小さな案件をこなしてプロフィールやポートフォリオを充実させる方が良いと考えられます。前述したように、クリエイティブな世界では実績や実力が重視されるからです。

ポートフォリオとは、過去の実績を分かりやすくまとめた資料です。副業でWebデザインをしたい方や転職を考えている方は、ポートフォリオを作りましょう。「ポートフォリオとは？作る意味やビジネスでの必要性、構成例などを解説」も参考にしてください。

Illustratorクリエイター能力認定試験以外のおすすめ資格

Illustratorクリエイター能力認定試験以外にも、デザイン職に役立つ資格や検定はあります。ここからは、デザインの関連資格を4つ見ていきましょう。

デザイン関連の資格については、「イラストレーターに資格は必要？おすすめ6選と勉強方法を解説」を参考にしてください。

ウェブデザイン技能検定

ウェブデザイン技能検定は、Webサイトの制作に必要なWebデザインの技能や知識、実務スキルなどを証明できる資格です。ウェブデザイン技能検定1級に合格すると、厚生労働大臣から認定証を発行されます。

試験は難易度に応じて1級・2級・3級があり、3級は比較的初心者向けです。合格率はランクによって異なり、3級は6〜7割、2級は3～4割、1級は1〜2割程度となっています。

アドビ認定プロフェッショナル

アドビ認定プロフェッショナルは、Illustratorの提供元であるAdobe社が提供する資格です。Adobe社公認かつ国際資格なので、海外で仕事をする場合にもスキルのアピールになるでしょう。

対応するソフトは「Photoshop」「Illustrator」「Premiere Pro」の3種類です。試験時間はいずれも50分、問題数は30問前後で、合格率は非公開です。

Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験は、デザインやコーディングのスキルを問う試験です。試験の階級はスタンダードとエキスパートに分かれており、合格基準はそれぞれ以下のとおりです。

• スタンダード：実技問題の得点率が65％
• エキスパート：知識問題・実技問題の合計で得点率が65％

試験時間はスタンダードが60分、エキスパートが110分です。

HTML5プロフェッショナル認定資格

HTML5プロフェッショナル認定試験は、Web業界で働くうえで必要な知識を問う試験です。合格するにはHTMLだけでなく、CSSやJavaScriptのマークアップスキルも必要になります。

資格はレベル1とレベル2に分かれています。レベル2の受験にはレベル1に合格して有意性が保たれていることが必要です。

まとめ

Illustratorクリエイター能力認定試験は、Illustratorの操作やデザインの技術・知識を証明できる資格です。スタンダードとエキスパートに分かれており、自分のレベルに合う階級に挑戦できます。

Webデザイナーとして活躍するとき、資格は必須ではありません。とはいえ、自分のスキルを証明したい方や基礎的な範囲を学びなおしたい方にはおすすめです。スキルレベルによっては上級の関連資格を検討しましょう。