Webディレクターこそフリーランスに！スキルを磨いて高収入を目指すには？

Webコンテンツ制作にあたり、品質の確保やスケジュールの管理等に責任を持つ重要な仕事がWebディレクターです。細かな作業も多く、労力を要すると言われていますが、それだけにやりがいも大きい仕事であると言えます。

Webディレクターも、フリーランスという働き方が注目されています。フリーランスのWebディレクターになるために必要なものは何か、仕事の確保方法などを見ていきましょう。

フリーランスのWebディレクターの仕事

フリーランスのWebディレクターの仕事は、企業に所属しているWebディレクターと比較して、大きな違いはないと考えていいでしょう。一方で、Webディレクターの仕事は、所属する組織のみならず、プロジェクトレベルでも違いがあります。その中で、共通するものをあげてみます。

まずは、プロジェクトの管理面に関わる仕事です。

• 予算管理
• 工数管理
• 進捗管理
• 外注管理

そして、実際の制作関係では、以下のような仕事があげられます。

• 仕様書作成
• 構成の作成
• テキスト・ラベリングの作成
• 外注の成果物に対する品質管理

これだけを見ても、非常に広範囲に及んでいることがわかります。さすがに業務範囲が広くなりますので、大きめのプロジェクトでは、複数人のWebディレクターが関わることも多くなっています。

プロジェクトの管理

まず要求されるのが、予算の管理です。利益を残せてこそ、プロジェクトは成功したと評価されます。当然ながら、シビアな舵取りが求められます。

制作スタッフは、プロジェクト全体、あるいはサイト・アプリケーションの機能単位で割り当てられます。そこで必要になるのが、工数管理です。たとえば、制作の過程では特定メンバーに負荷が集中することが発生します。そういった場合には、緩和策を打ち出す必要があります。

内部人材だけでは、プロジェクトが完結できないこともあるため、外注管理も要求されます。

制作関係

制作関係の仕事では、最も重要なものとして仕様書の作成があげられます。クライアントから仕様書が提供されるケースもありますが、仕様書から制作してほしいという依頼も多くなります。

仕様書に加え、ワイヤーフレームや画面遷移図等も作成します。このあたりが一般にイメージされているWebディレクターの仕事かも知れません。

テキストやラベリングの作成も、Webディレクターの仕事となります。外注に対しては、成果物の品質チェックといった、管理作業も必要になります。

能力提示には工夫が必要

Webディレクターの仕事は多岐にわたる上、細部にまで気を配る繊細さを必要とします。また、成果の客観的な評価が難しい側面があります。予算を守った上で、プロジェクトを納期までに完成させ滞りなく納品する、という大切な仕事であるにもかかわらず、それは至極当然のこととされているため、結果としてプラスの評価が得られにくい仕事とも言えます。

一方で、デザイナー職やエンジニア職については、成果が明確ですので、こういった悩みからは比較的遠いと言えるでしょう。

デザイナー職であれば、過去の仕事をまとめたポートフォリオが能力のアピール武器となります。エンジニア職も、過去の技術経歴でだいたいの判断がつきます。ソースコードをGitHubに公開する、Qiitaに記事を書くといった形で、技術力をアピールすることも可能です。

しかし残念ながらWebディレクターは、そういった方面からのアピールが困難で、自身が持つスキルを伝えにくいのが現実です。フリーランスとして仕事を獲得する際には、この問題をクリアする必要があります。

解決策のひとつが、自身の仕事を整理した上で、それを相手に理解してもらうプレゼンテーション力をつけることです。フリーランス志望者でプレゼンテーション力が不十分という場合は、独立後に苦労する可能性があります。独立前に、プレゼンテーション力をつけておきましょう。

また、Webディレクターが持つスキルと、顧客が要求するスキルが必ずしも一致するとは限りません。こういった部分での意思疎通も必要となりますので、コミュニケーション力は、ぜひとも身につけたいものです。

高まるWebディレクターの重要性

スマートフォン等、IT機器の普及によってWebの重要性が飛躍的に高まりました。Webは、メディアとしても非常に身近なものとなり、生活等、あらゆるシーンでWebの仕組みが欠かせない存在になっています。

Webコンテンツ制作の需要も旺盛で、制作責任者となるWebディレクターのニーズはますます高まっています。一方で、Webディレクターの人材不足も指摘されています。

Webディレクターには、プロジェクト全体の管理はもちろん、制作においてはデザイナーやエンジニアといった、さまざまな分野のエキスパートの取りまとめ役といった、幅広い業務をこなす能力が求められています。

その一方で、Webディレクターには細かな仕事も数多くあり、責任も重くなりがちです。それに加えスキルの定量的評価が難しいということもあり「努力の割に報われない」というイメージを実際に持っている人も多いのではないでしょうか。

それでも、昨今のIT社会においてWebの持つ重要性が下がることは、当面考えにくいと言えるでしょう。このことは、Webディレクターの重要性が下がらないことを意味します。

Webコンテンツ制作業界だけでなく、IT業界全体が産業として、まだまだ成長の途上にあります。Webに関係する技術は日々進化し、高度化しています。Webディレクターには、積極的に情報を収集し、新しい技術を取り入れていくことも求められます。

多角的かつ高度なスキルを持つ、優秀なWebディレクターは大切な存在です。重要性とニーズが高い状況は、継続されると考えていいでしょう。

フリーランスWebディレクターの年収相場

どのような職業であっても、収入は重要な意味を持ちます。フリーランスWebディレクターの収入は、どのくらいになるのでしょうか。

まだまだこれからの職業ということもあり、フリーランスのWebディレクターというピンポイントでの公式集計はなされていません。そこで、レバテッククリエイターにある、Webディレクターの求人・案件一覧を見てみます。

2021年3月25日時点の公開案件において、フリーランスのWebディレクターの単価は、45万円から65万円のゾーンにあるものが多くなっています。最高は85万円で、70万円の案件も数件あります。

この中でも数が多い、50万円から60万円の案件を1年間受注できたと仮定すると、年600万円から720万円という金額になります。高額案件を受注できれば、収入はさらに上昇します。

フリーランスのWebディレクターであれば、稼働日数が週3日のように、フルタイムではない案件もあります。こういった案件は、いくつかを同時に並行して受注することも可能ですから、そこで収入アップをはかることもできます。

経験と実績を積み重ね、スキルを向上させることでより高単価の案件受注につなげることも、年収アップには有効です。日頃の努力が、直接的に評価に結びつきやすいことは、会社員時代との大きな違いと言えるでしょう。

求められるスキル

ここまで見てきた通り、Webディレクターの仕事内容は時間や予算、品質の管理にはじまり、クライアントやプロジェクトメンバーとの調整まで、広範囲にわたります。総合的にも高いレベルの能力が求められますが、その軸となるスキルは一体何なのでしょうか。

コミュニケーション能力

Webディレクターに限らず、管理を担当する職務に要求されるのがコミュニケーションのスキルです。このスキルを分解すると、聞く、話す、読む、書くといった、社会人の基礎として要求される要素から構成されていることがイメージできるでしょう。

これらを用い、チームメンバーや他のディレクター、プロデューサーあるいは外部のパートナーといった、直接プロジェクトと関係する人たちの橋渡しを行います。クライアントとのやり取りを担当する機会も多くなります。

コミュニケーション能力は基礎的なスキルです。Webディレクターにはリーダーシップだけではなく、パートナーシップも求められます。意識して、コミュニケーション能力の向上を行いたいものです。

マネジメント能力

Webコンテンツ制作の責任者であるWebディレクターには、マネジメントスキルも必須となります。とはいえ、マネジメントスキルとは何か、イメージはできても言語化ができない人も多いのではないでしょうか。

現代経営の父と呼ばれるピーター・ドラッカー氏は、著書「マネジメント」において、「マネジメントとは人のことである」と説いています。これは、人が共同して成果をあげるためには、その強みを発揮させて、弱みを無効化することが必要という意味になります。

Webディレクターが成果をあげるとは、つまるところプロジェクトを成功に導くことになります。その目標をクリアするためには、個々のプロジェクトメンバーがそれぞれの強みを活かせるよう、Webディレクターが適切に監督指示する必要があります。

残念なことに、プロジェクトメンバーを厳しく律することがマネジメントのすべてである、と思い込んでいるディレクターやプロデューサーも少なくはありません。マネジメントは、正しく理解して活用しなければなりません。

ITの知識

フリーランスのWebディレクターとして、不可欠になるのがITの知識です。制作現場で使われるプログラミング言語や、デザインに関しての最低限の理解がない状態では、まとめ役として力を発揮することは難しくなります。

Webディレクターの軸となる業務に「仕様書の作成」があります。プログラミング言語やツール類への理解が十分でなかった場合、的確な仕様書を作ることはできません。

Webディレクターの世界では、日々新たなトピックが発生しています。大きな流れを見失わないよう、IT知識を適切にアップデートしていくことも求められます。

統計・データ解析の知識

Webディレクターの仕事は、Webコンテンツ制作だけにとどまりません。コンテンツによって得られる効果も問われます。

制作時には、コンテンツデザインにマーケティングの考え方を取り入れるケースが出てきます。公開後には、アクセス傾向を分析し、コンテンツの改善を行うこともあります。それに対応するために、データ解析あるいは統計の知識の習得も検討しましょう。

年収アップのためのキャリアパス

Webディレクターは、いかにして年収アップを目指すべきでしょうか。組織内では上位職を目指すという方法があります。また、フリーランスを束ねて起業するという方法もあります。自身が持つ強みを磨き、究めることで付加価値を高めるという方法もあります。

順を追って、見ていきましょう。

上位職を目指す

一般に、Webディレクターは中間管理職に位置づけられます。上位職にはWebプロデューサーあるいはプロジェクトマネージャーがあります。これら上位職の中で、特に目指すべきはプロジェクトマネージャーとなるでしょう。

プロジェクトマネージャーの仕事は、制作予算を獲得し、立案したスケジュールに基づいてプロジェクトを完遂させることです。成功請負人としての評価が定着すれば、報酬も高額となります。コンテンツ制作企業などから役員待遇の提示を受けることもありますので、その場合は転職を視野に入れてもいいでしょう。

起業

フリーランスのWebディレクターとして経験を重ねていくうちに、同じフリーランスのエンジニアやデザイナー、クリエイターたちと仕事をする機会も多くなります。そういった人たちを集めて、会社を作るという方法もあります。

専門分野を強化する

Webディレクターには、さまざまな専門スキルが必要とされます。中でも、それを究めることで、年収アップをはかることが可能な分野があります。

たとえば、Webマーケティングです。ここに強みがあれば、高い報酬が得られるコンサルタントとしての仕事を受注することも可能になるでしょう。

まとめ

インターネットの普及・一般化に伴い、企業の情報発信を担うオウンドメディアは飛躍的な発展を遂げました。それゆえ、Webコンテンツの充実というニーズは高く、制作のキーパーソンとなるWebディレクターの重要性は、かつてなく増しています。

情報発信の取りまとめ役として必要とされるWebディレクターですが、エンジニアなど評価軸が定まっている職種と比較すると、能力や実績の評価が難しい面があります。エンジニアであれば、経験年数に応じた単価の伸びが期待できますが、Webディレクターはその限りではありません。

単価が上昇しないということは、経験年数に応じた賃金の上昇も厳しいことを意味します。Webディレクターがフルタイムの会社員として働き続けるうちに、収入の伸びに対する不安を抱くのはやむを得ないところでしょう。

ひとつの打開策として、Webディレクターで独立しフリーランスになる、という選択肢があります。エージェントの力を借りながら、ときにいくつかの仕事を並行して進めるなどして、経験を積みましょう。そこで、信頼を培うことができます。築いた経験と信頼が、会社員では難しい高収入を獲得するためのキーとなることでしょう。

エージェントを利用して案件を探したいという方はこちらのページを参考にしてみてください。