PythonとC#勉強するならどっち?両者の特徴を分かりやすく比較

最終更新日:2024年10月30日


この記事のまとめ

  • 勉強するプログラミング言語の選択は、習得難易度や開発目的に合わせて行うとよい
  • Pythonは初心者向きでAI開発に強く、C#はゲーム開発に適している
  • 将来性を考慮すると、初心者向けのPythonは習得難易度が低く需要も高いためおすすめである

Python (パイソン)とC#を今から勉強するならどちらが良いか、迷っている人もいるでしょう。選ぶために押さえておきたいポイントは2つあります。1つ目は初心者の勉強しやすさ。2つ目は言語を使って何が開発できるかです。2点を認識して目標を決めたうえで、勉強する言語を決める必要があります。本記事では、PythonとC#の特徴を分かりやすく比較します。

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PythonとC#の成り立ちを紹介

まずは、両者がどのような言語であるか理解するために、成り立ちを紹介します。

Pythonはオランダで開発

Pythonは、1991年にオランダで開発された比較的新しいプログラミング言語です。開発者のグイド・ヴァンロッサム氏は、従来のプログラミング言語より使いやすい言語を求めてPythonを開発しました。

不要なメモリ領域を自動解放する機能の実装などを経て、現在Pythonは世界中で利用されるオープンソース言語となっています。今や、Google社の3大プログラミング言語として開発に採用されています。

C#はMicrosoft社により開発

C#は、Microsoft社によって2002年に開発されました。開発者はデンマーク出身のアンダース・ヘルスバーグ氏です。

当初のC#は、シンプルかつモダンな汎用オブジェクト指向言語を目指して開発されました。バージョン1.0のリリース以降、様々な機能が追加され、2022年10月現在はバージョン10が公開されています。

検索エンジンであるBingやMicrosoft・Windowsのサービスによく使われる言語であり、近年話題を呼んだ「ポケモンGO」もC#で作られました。

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PythonとC#が使われる場面を紹介

Python・C#ともに得意分野があります。プログラミング言語にはそれぞれできること・できないことが明確に分かれているため、せっかく勉強しても使いたい分野に対応していなければ無意味です。どちらを勉強するか決めるうえで知っておきたい、使用場面を紹介します。

PythonはAIやYouTubeに使用

Pythonは、機械学習の開発やビッグデータの解析によく使われます。膨大なデータを高速で処理したり、高度な計算をしたりするライブラリが存在するためです。

たとえば、Siriの音声認識やカーナビで最短距離を計算する際に使用されています。Webアプリケーションサービスでは、InstagramYouTubeBlenderDropboxが、Pythonで作られています。

C#はゲームアプリやWindowsに使用

C#はシステム開発・ゲーム開発・アプリケーション開発など、さまざまな場面で活用されています。C#はMicrosoft社製のため、Windows製品に多く使われるのも特徴です。PowerPointExcelなどのWindowsアプリケーションはC#を元に作られました。

また、アプリケーション開発では、AndroidやiOSのアプリケーションをC#で作ることが可能です。ゲーム開発ではUnityを扱えます。実例では、XboxもC#が用いられています。

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PythonとC#の学習に向いている人

学習した後にどのようなプログラムを開発したいかによって、Pythonを学ぶべきかC#を学ぶべきかが異なります。何のために学ぶのか目標が先に決まっている方が意欲的に取り組むことができ、挫折もしにくくなるでしょう。

PythonはAI開発をしたい人向き

Pythonは、最先端技術の開発に携わりたい人向きです。Pythonが得意とする機械学習は、画像処理や自然言語処理、自動運転などの技術に用いられています。これからのIT業界の最先端技術を開発する仕事についたり、今まで世の中になかったシステムを開発したいと考えている方は、Pythonが向くでしょう。

C#はゲームを作りたい人向き

C#は、ゲーム制作に携わりたい人に向いています。主にゲーム開発に使われているUnityと呼ばれる開発環境を扱うためには、C#が欠かせません。ポケモンGOやスーパーマリオラン(iOS)は、Unityを使用して開発されています。今後ゲーム開発やVR/AR開発に携わりたいと考えている方は、C#を学ぶのが得策です。

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PythonとC#の習得難易度を比較

PythonとC#の習得難易度を比較します。自習の進めやすさや学習環境などを基準に紹介します。

Pythonは構文がシンプルで初心者向け

Pythonは誰でもコードが読みやすく、熟練度の影響を受けないため初心者向けです。オープンソースなので特別な開発環境を用意する必要がなく、インターネットとパソコンがあれば使用できます。一度習得すれば、AIやWeb系の開発、データ分析など幅広い分野へ応用が可能です。

また、サードパーティ製のパッケージがインターネット上に豊富にあるため、初心者でも統計処理・画像処理などに挑戦できます。

C#は構文が複雑で習得が難しめ

C系言語は、構文が複雑で難易度は高めです。その代わりに、Microsoft社がVisual Studioを提供しているため、開発環境が簡単に構築できます。Visual Studioは、最初の数文字を入力すると候補が表示される機能が搭載されており、入力間違いや確認の手間が省けるのも便利です。

また、C#はプログラミング業界のなかでもメジャーな言語の一つです。書籍やインターネット上のWebページが充実しており、独学の助けとなる資料は豊富にあります。ただし、パソコンの容量を多く使うため、学習環境の構築にはハイスペックモデルが求められるでしょう。

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PythonとC#のメリット・デメリット

Pythonは、日本で知名度が高くなってからまだ日が浅いプログラミング言語ですが、国家試験である基本情報技術者試験に採用されました。そのため、今後は活用の場がさらに広がるでしょう。一方、C#はMicrosoft社によって現在も開発が続けられており、新たな機能が次々と導入されています。

どちらも将来性があり、今後も活用される場面が増えると予測されます。そんな両者のメリットとデメリットを見ていきましょう。

Pythonはインターネットがあれば勉強できる

Pythonはオープンソースのため、インターネット環境があれば勉強できます。学習を始めるハードルは低いものの、Ruby・PHPより人気があるようです。

ビッグデータ解析やディープラーニングに使えるため、IT業界に限らず需要はあります。日本ではPythonエンジニアがまだ不足しているため、希少性が高く活躍の余地があるのもポイントです。

Pythonは実行速度が遅い

Pythonは広い分野で活用できる分、実行速度がC#や他言語より遅いのが欠点です。そのため、システムの根幹を担う場所や大規模な開発には不向きとされています。

なお、処理の速度はバージョン3.10から3.11で10%~60%高速化しており、バージョンアップによる改善が期待されています。

C#は対応しているOSが多い

C#はMicrosoft者が開発しましたが、対応プラットフォームに恵まれているため、MacやiOSなどWindows以外のOSでもC#を使って開発可能です。プログラミング言語の主流であり、金融機関や政府機関のシステム開発に使われます。実行速度が早いため開発のスピードが上がるのに加え、ユーザー側もストレスを感じにくいのがメリットです。

C#はAI開発に向かない

C#はAIのプログラミングに不向きな言語です。将来AIの開発に携わりたいのであれば、他の言語を選択する必要があります。たとえば、「Julia」は高速動作に対応し、高度な数値解析や計算が可能です。PythonはAI開発において標準プログラミング言語とされています。

今後の需要を見込めるPython を勉強したほうがよい

PythonとC#の将来性と学習環境を比較した結果、今から勉強するのであればソースコードがシンプルで読みやすく初心者に優しいとされるPythonがおすすめです。環境面においてもインターネット環境があれば、ハイスペックパソコン無しで始められます。Googleのような大企業が採用している言語であり、AI開発にも使われるため、C#よりも将来性が見込めるでしょう。

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まとめ

プログラミング言語は、自分の目的に合わせて学習する必要があります。外国語などの通常の言語学習とプログラミング言語の学習が大きく異なる点は、それぞれに得意分野や流行があることです。

また、世界各国で日々新しい技術が生まれているため、プログラミング言語には流行り廃りが発生します。頑張って技術を身につけても、その言語が古ければ活用の場を見出しにくくなるでしょう。

学び始める前に、「何をつくりたいのか」「どんな仕事につなげたいのか」じっくり考えてから、学習に取り組んでみてください。

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