最終更新日:2025年02月20日
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この記事のまとめ
フリーランスとして独立して間もないと、請求書の書き方で戸惑うことも多いでしょう。初めて請求書を発行する時は不安に思うかもしれませんが、基本を押さえれば大丈夫です。
この記事では請求書の書き方やマナー、無料で使えるテンプレートなどをご紹介。また、2023年10月1日から導入される「インボイス制度」についても解説します。正しく請求書を作成・発行し、クライアントの信頼につなげましょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る請求書は、発行するフリーランス側だけでなく、受け取るクライアント側にとっても大切な書類です。請求書がどういう意味を持っているのかを理解しましょう。
フリーランスにとって、請求書はクライアントに仕事の報酬を請求するための書類です。請求金額や支払い期限を明確にすることで、クライアントからの支払いトラブルを回避できます。
また、請求書の控えは確定申告時に収入や源泉徴収を証明する書類として使用するため、クライアントからの支払いが終わった後も保管しておく必要があります。
クライアントから見た時に、フリーランスが発行した請求書は社内で経理業務に使用するだけではなく、税法上の重要書類として取り扱う必要があります。受け取った請求書は、クライアントが支払った金額を経費として扱うための証明書類となります。
また、フリーランスに支払った消費税をクライアントが収める消費税額から差し引く証拠としても使用します。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るクライアントにとっても大切な意味のある請求書ですが、フリーランスにとっては報酬をスムーズに支払ってもらうことが最重要事項です。そのためには、必要な情報を正確に記載しなければなりません。
取引をスムーズにするためにも、間違いのない請求書を作成しましょう。ここでは、請求書に記載する項目を解説します。
クライアントの会社名、事業部名、担当者名を正確に記載します。場合によっては異なる宛先名を指定されることや、プロジェクト名での請求を指定されることもあります。事前に確認して作成しましょう。
請求書の発行者名は、自分の氏名を記載しましょう。屋号がある場合はここに記載します。
請求する日付を記載します。請求書の作成日でなく、クライアントの締日を記載することが通例です。日付を間違えると支払いが遅くなることもあるため、事前に確認しておきましょう。
契約時に定められたクライアントの支払い日を記載します。クライアントによって翌月払い、翌々月払いなど条件が異なるため、事前に確認する必要があります。支払い漏れを防ぐためにも、支払い期限は毎回必ず記載しましょう。
請求金額は、最終的に振り込まれる金額です。業務に対する報酬の他に、消費税や源泉徴収税などを算出して記載します。
請求内容の内訳を品目・単価・数量・価格が分かるように記載します。記載方法がクライアントから指定される場合があるため、事前に確認しておきましょう。エンジニアの場合は「システム設計」「システム構築」「ホームページ作成一式」のように記載することも可能ですが、請求書発行後にトラブルにならないよう要注意です
小計は、数量X単価で計算した各品目ごとの価格を全て合計した金額です。このあと、消費税や源泉徴収税を計算します。
消費税は、標準税率10%の品目と軽減税率8%の品目に分けて、それぞれの対象となる合計価格と消費税額を税率ごとに記載します。なお、売上高が1,000万円以下の場合は国税庁により消費税の納税を免除されており、これを益税と呼びます。
フリーランスの消費税については、「フリーランスの消費税は免除される?納税時の申告とインボイス制度について」の記事でもまとめているので興味のある方はご覧ください。
どのような報酬が源泉徴収の対象になるかは、国税庁によって対象になる範囲が決められています。フリーランスは、原稿料・講演料・デザイン料などが該当します。
原稿料では、執筆以外に校閲も対象となります。デザイン料では、Webデザインや広告、写真撮影料、作曲料なども対象です。自分の業種が源泉徴収の対象なのか確認しておきましょう。税率は100万円以下が10.21%、100万円を超える部分が20.42%(1円未満切捨て)です。クライアントが個人の場合は源泉徴収が不要なこともあるため、請求書を作成する前に確認しましょう。
合計は、小計に消費税額を加え、源泉徴収税額を引いた金額を記載します。この金額が最終的にクライアントから支払われる請求金額です。
報酬の振込先口座を指定します。金融機関名・支店名・預金種別・口座番号・口座名義などを記載しましょう。口座名義にはカナを振っておくと間違いがありません。
備考欄には、支払いに関して特別な取り決めがあれば記載します。振込手数料については、民法第484条・第485条で支払側の負担が定められています。念のため事前に確認してから記載すると間違いがないでしょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るここでは、請求書の作成・送付の際に注意すべき点を解説します。事務経験がない方でも、ポイントを押さえればスムーズにできるでしょう。
請求書のフォーマットが決められているクライアントもあります。その場合は、フリーランスが指定されていないフォーマットで請求書を送付しても受理されず、再発行する必要があります。再発行のタイミング次第では支払日が遅くなる可能性があるため、決められたフォーマットがあるかクライアントに事前に確認しておきましょう。
請求書への押印に法的な義務はありません。しかし、実際には多くの企業で請求書に印鑑を押しています。請求書への押印は、請求者自身が発行したことの証明です。押印された請求書は改ざん・偽造が困難なため、トラブル防止につながります。押印のない請求書を受け付けてくれるクライアントに対しても、トラブルを避けるためにも請求書を発行するときは押印しておきましょう。なお、屋号がある時はその印鑑を用意しておくと便利です。
請求書を郵送する時は会社名や部署名に「御中」、担当者名に「様」を使用し、併用はしないようにしましょう。「株式会社〇〇 広報部御中」「〇〇〇株式会社 システム事業部 〇〇様」のように表記します。
また、封筒の表書きの左下に「請求書在中」と記載して誤って廃棄するトラブルを回避しましょう。不備があった場合でも落ち着いて対応できるように、クライアントの締め日に充分な余裕を持ってポストに投函します。
エンジニアやクリエイターは、請求書をデータで送付するケースが増えています。この場合は、ExcelやWordで請求書を作成したあと、PDFファイルに変換してから送付しましょう。PDFファイルにすることで、改ざんや、誤って変更されてしまうトラブルを防げます。なお、初めて請求書を送る時は、データで送付可能かクライアントに確認しておきましょう。
請求書は報酬が支払われた後も保存しておき、フリーランス自身の確定申告時に報酬や源泉徴収税の証拠書類として使用します。国税庁によって、確定申告後も帳簿は7年、請求書は5年の保存期間が定められています。保存期間中はいつでも取り出せるように、帳簿類と請求書をまとめて保管しておきましょう。
請求書の書き方については「業務委託の請求書の書き方とは?フリーランスが知るべき作成の注意点を解説」の記事でも詳しく解説しています。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る2023年10月1日から導入が決まっているインボイス制度。正式名称は「適格請求書等保存方式」と呼ばれ、文字通り請求書に関する制度です。インボイス制度を理解し、必要に応じて事前に準備しておきましょう。
クライアントが消費税を納める必要のある売上高1,000万円を超える課税事業者であれば、売上に係る消費税から仕入れに係る消費税を差し引いた金額で納税できます。このような税法上の仕組みを仕入税額控除と呼びます。
2023年9月末までの仕入税額控除は、一定の事項が記載された帳簿と税率ごとに区分して記載した請求書を保存すれば可能です。これを区分記載請求書等保存方式と呼びます。
2023年10月1日からインボイス制度(=適格請求書等保存方式)が導入されると、クライアントが仕入額控除を受ける際、帳簿と適格請求書(=インボイス)が必要になります。これまでと同じ区分記載請求書では仕入額控除を受けられないため、クライアントは納税額が増えてしまうことに。あなたが適格請求書発行事業者でなければ、クライアントとの取引を継続できない可能性があります。
フリーランス自身が売上高1,000万円を超える課税事業者ではなく、クライアントも同じ免税事業者(CtoC)の場合は、どちらも消費税を納税しないため変更しなくても特に問題はありません。これまで通りの取引が可能です。ただし、クライアントが課税事業者であれば適格請求書を求められる可能性があります。
これまで免税事業者だったフリーランスが適格請求書発行事業者に登録するためには、先に課税事業者になる必要があります。課税事業者になると、売上高が1,000万円以下でも消費税の申告が必要です。これまで免除されていた消費税を納税することで、益税分の利益がなくなります。
また、正確な帳簿作成や適格請求書の発行で事務作業の負担が増えます。
負担があるからといって、未登録で適格請求書と誤認される請求書を発行することは、法律違反で罰則があるため注意しましょう。
国税庁によると、2023年10月1日付けで適格請求書発行事業者として登録を受けたいのであれば、原則として2023年3月31日までに登録を申請する必要があります。また、経過措置として、2023年10月1日を含む課税期間中に登録を受けた場合は、免税事業者であっても適格請求書発行事業者の登録と同時に課税事業者になることが可能です。
経過措置期間以降は、税務署に消費税課税事業者選択届を提出して、課税事業者となってから適格請求書発行事業者の登録を申請します。適格請求書発行事業者として登録が必要だと判断したら早めに登録申請手続きをしておきましょう。
国税庁によると、適格請求書の書式に決まりはありませんが、必要な記載事項が定められています。「」(カッコ)の内容が、現在の区分記載請求書に追加となる部分です。
適格請求書発行事業者の氏名、又は名称及び「登録番号」
取引年月日
取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
税率ごとに区分して合計した対価の額
書類の交付を受ける事業者の氏名、又は名称
これまで発行していた請求書と異なる部分があるため、インボイス制度導入前にファイルを変更しておきましょう。
インボイス制度については「インボイス制度とは?個人事業主に必要な対応をわかりやすく解説」の記事も参考にしてください。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るここまで請求書の書き方やマナーなどをご紹介してきましたが、請求書について基礎知識を理解しても自分で作成することは手間がかかり大変です。不備や間違いが心配な方でも、テンプレートを使用すれば簡単に見栄えの良い請求書を作成できます。ここでは無料で使えるおすすめテンプレートを3つご紹介します。
オンラインで見積書 ・納品書・請求書・領収書などを作成や管理できるMoney Forword(マネーフォワード) クラウドによる、すぐに実務で使える請求書のテンプレートのページです。
白黒印刷で完結するシンプルなものからおしゃれでカラフルなものまで、デザインが豊富に揃っているのが特色。説明コメントは用途のイメージをつかみやすく、テンプレートを選ぶ際に役立ちます。インボイスに対応したテンプレートもあるため必要に応じてダウンロードしましょう。
ビジネス書式サイトbizocean (ビズオーシャン)の請求書・請求明細書のページです。Excel、Word、PDF形式の請求書テンプレートが用意されているので、利用したいファイル形式のものをダウンロードしましょう。それぞれのダウンロード数が表示されており、人気の書式を確認できるのも魅力です。
ビジネスで役立つ便利なテンプレートやノウハウを発信するbizroute(ビズルート)によるテンプレートのページです。同じテンプレートをExcel版とPDF版から選んでダウンロードできるため、手書きで請求書を発行したい方に向きます。
シンプルですっきりとしたデザインのテンプレートが揃っているほか、Googleスプレッドシート版の請求書も用意されています。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るテンプレートをダウンロードして請求書を作成・発行する場合、管理に不安がある方も多いでしょう。ここでは、オンラインで作成から発行まで可能な無料のサービスをご紹介します。
弥生株式会社が運営するMisoca(ミソカ)は、フォームに入力するだけで見積書・納品書・請求書をかんたん・キレイに作成できるオンラインソフトです。テンプレートを利用し、見栄えの良い請求書をわずか1分で作成できます。会社ロゴや印影も登録可能です。
操作はPCだけでなく、スマートフォン・タブレットにも対応。隙間時間を利用して請求書を作成できます。見積書から納品書・請求書へ変換する機能もあり、ミスが少なくなるのもポイントです。
Misoca(ミソカ)の無料プランの機能です。(2024/9/10現在)無料プランを利用するには、「無料体験」に申し込みます。無料体験期間の終了後は自動的に無料プランに切り替わります。
・月間請求書作成:10通まで
・取引先登録数:無制限
・利用ユーザー登録:1名
・郵送代行:不可
・メール送信:可
無料プランでは完成した請求書を郵送する機能はありませんが、取引先は無制限に登録できます。クライアントの数が多い方におすすめです。
メイクリープス株式会社が運営するMakeLeaps (メイクリープス)は、見積・請求・入金管理のためのオンラインソフトです。個人事業主や事業のスタートアップ時を支え、経理担当者がいなくても請求業務を処理できます。クラウドでいつでもどこでも請求書の作成が可能です。
操作は簡単で分かりやすく、1分でロゴ・社印付きの請求書を作成できます。また、英文や外貨の請求書が作成できるため、海外や外資系企業と取引がある方にも適しているでしょう。
MakeLeaps (メイクリープス)の無料プランの機能です(2024/9/10現在)。無料登録すると、すべての機能が使える30日間のトライアル終了後、自動で無料プランに設定されます。
・月間請求書作成:無制限
・取引先登録数:3件
・利用ユーザー登録:1名
・郵送代行:158円/1通(2024年10月より195円へ変更)
・メール送信:可(ファイルではなくURLを記載したメールを送るセキュア送信)
無料プランでは取引先の登録数は3件ですが、完成した請求書を郵送できます。クライアントに請求書を郵送しなくてはならない方におすすめです。また、無料プランでもカード決済に対応しており、電話やメールでのサポートを受けられる点も魅力です。
Web Production mocaDが運営するPDFeer(ピーディーフィア)は、オンライン上で文書を作成・管理してPDFとしてダウンロードできるウェブサービスです。マルチデバイス対応のため、パソコンはもちろんスマートフォンやタブレットからも操作できます。フォームに入力するだけで請求書を作成でき、押印やロゴも表示可能です。
PDFeer(ピーディーフィア)の機能です(2024/9/10現在)。無料のユーザー登録を行うと、請求書や見積書、領収書などの書式を利用できます。
・月間請求書作成:無制限
・取引先登録数:ー
・利用ユーザー登録:ー
・郵送代行:不可
・メール送信:不可
登録すれば、すべてのサービスを無料で利用できます。ログインして、フォームに情報を入力するだけで請求書が完成します。コピー機能もあり、過去に作成したものを複製することも可能。顧客管理や郵送サービスの機能が不要で、請求書を簡単に作成したい方におすすめです。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るフリーランスにとって、請求書は業務の報酬をトラブルなく受け取るために重要な書類です。これまで企業に雇用されて請求業務に関わっていなくても、基本を押さえれば自信を持って請求書を発行できます。請求書や見積書、納品書発行などの事務手続きに問題がなければ、クライアントからの信頼にもつながるでしょう。
自分でファイルを作成する時間がない場合は、かんたんに作成できて見栄えの良いテンプレートや、無料で使えるオンラインサービスがおすすめです。間違いのない請求書を作成・発行してクライアントからの信頼につなげましょう。
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