NEW 個人事業主の仕事がないときはどうする？不安な時期を乗り切る方法を解説

個人事業主が仕事がないときにすべき行動

個人事業主にとって、仕事が途切れるのは不安で厳しい状況といえます。しかし、仕事がない時期を乗り切るための行動を起こせば、新たなチャンスを見出せるでしょう。
以下では、仕事がないときにすべき具体的な行動を紹介します。

資金繰りを確認する

個人事業主が仕事がないときにまず行うべきは、資金繰りの確認です。以下の手順で手元の資金を把握し、どれくらいの期間を乗り切れるか見極めましょう。

• 1.現在の預金残高を確認する
• 2.固定費（家賃や光熱費など）を洗い出す
• 3.生活に必要な変動費を見積もる
• 4.手元資金で何ヶ月分の支出をカバーできるか計算する

上記のプロセスを経て、新しい仕事を見つけるまでの期限を決めましょう。

補助金や支援金などを活用する

国や自治体の補助金・支援金がもらえれば、個人事業主の仕事がない時期の資金不足を解消できる可能性があります。個人事業主が制度を活用する際は、以下をよく調べてから申請してください。

• 個人事業主も申請可能か
• 申請条件
• 申請期限
• 必要な提出書類

「個人事業主向けの補助金や助成金、支援金は？メリット・デメリットも紹介」では具体的な制度を多数紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

新規サービス・商品の開発に着手する

個人事業主の仕事がないときこそ、新しいサービスや商品の開発に取り組むチャンスです。以下の手順で、自分のスキルを活かせる新たな領域を探ってみましょう。

• 1.市場調査をしてニーズを把握する
• 2.自分のスキルや経験を活かせる分野を特定する
• 3.試作品やサービス案を作成する
• 4.フィードバックを得て改善する

たとえばWebデザイナーなら、Webサイト制作に加え、LPデザインやバナー制作などのサービスを追加できると考えられます。

営業方法を多様化する

個人事業主の仕事がないときに新しい手法を取り入れれば、案件獲得の可能性が高まります。従来のやり方に加え、以下のような方法でも営業してみましょう。

• SNSを活用した情報発信
• オンライン展示会やウェビナーへの参加
• メールマガジンの配信開始

それぞれの方法のメリット・デメリットを検討し、自分に合った方法を選択しましょう。「フリーランスの営業のやり方10選！成功のポイントや案件獲得方法を解説」では営業成功のコツも紹介しているので、あわせて参考にしてください。

働き方を見直す

仕事がない時期は、個人事業主としてのこれまでの働き方を客観的に見直す良い機会です。効率的な業務プロセスの構築やワークライフバランスの改善など、長期的な視点で働き方を再考しましょう。

見直したいポイントは以下のとおりです。

• 作業環境
• 時間管理
• 健康管理

上記の改善に取り組めば、個人事業主の仕事を再開した際に効率的に働けるでしょう。

ポートフォリオを改善する

クリエイター職の個人事業主は、ポートフォリオに最新の作品を追加したり、見やすいレイアウトにしたりしてアピール力を高めてください。過去の実績をまとめたポートフォリオは、個人事業主にとって仕事獲得の重要なツールといえます。

魅力的なポートフォリオは、潜在的なクライアントの目を引き、仕事獲得の可能性を高めるでしょう。ポートフォリオに必要な要素や作成時のポイントについては、「ポートフォリオとは？作る意味やビジネスでの必要性、構成例などを解説」を参考にしてください。

副業・単発バイトを検討する

個人事業主としての仕事がない期間を乗り切るため、副業や単発バイトをしても良いでしょう。以下はおすすめの副業例です。

• Webライター
• SNS運用代行
• 動画編集
• 事務作業
• データ入力
• アンケートモニター

本業再開時に支障が出ないよう、仕事内容や職種は慎重に選んでください。各副業の仕事内容については、「副業一覧を対象別・必要スキル別で紹介！メリットや仕事の注意点も解説」が参考になります。

個人事業主の仕事がないときの案件獲得方法

個人事業主の仕事がない時期を脱するには、効果的な方法で積極的に新しい案件を獲得する必要があります。ここでは、具体的な案件獲得方法を解説します。

エージェントサービスを活用する

個人事業主向け・フリーランス向けのエージェントサービスを活用すれば、自分では見つけにくい案件情報にアクセスできます。以下はエージェントを利用する主なメリットです。

• スキルや経験に合った案件を提案してもらえる
• 大手企業の案件もある
• 契約や報酬交渉のサポートを受けられる

エージェントによって得意分野や案件の質が異なるため、複数のサービスに登録するのがおすすめです。「フリーランスエージェント徹底比較　【2025年最新】」もエージェントの強みを把握するのに役立つので、ぜひ参考にしてください。

クラウドソーシングを活用する

クラウドソーシングサイトは、オンラインで案件を受発注できるサービスです。小規模な案件から始めて、徐々に実績を積み重ねていくことができます。

個人事業主がクラウドソーシングを活用する際は、以下を意識しましょう。

• プロフィールを丁寧に作成する
• 案件に積極的に応募して実績を積み重ねる
• 得意分野や専門性をアピールして差別化を図る

競争が激しい場合もあるため、独自の強みを持てるかが重要になります。「クラウドソーシングの仕事内容とは？必要なスキルや受注のコツも紹介」では利用時の注意点についても解説しているので、あわせて参考にしてください。

電話やメールで営業する

個人事業主が直接クライアントにアプローチする方法として、電話やメールでの営業があります。過去の取引先や知人の紹介など、つながりのある相手から始めるのが効果的です。

営業する際は、以下に注意してください。

• 相手のニーズを十分にリサーチしてから連絡する
• 自分のスキルや実績を具体的に説明する
• フォローアップを忘れない

断られてしまうこともありますが、粘り強く営業し続ければ成果につながる可能性があります。

営業代行サービスを検討する

自分で営業するのが苦手な個人事業主は、営業代行サービスの利用を検討しましょう。プロの営業担当者が代わりに案件を獲得してくれます。

営業代行サービスのメリットは以下のとおりです。

• 営業にかける時間を削減できる
• プロの営業スキルを活用できる
• 新規クライアントの開拓が期待できる

コストがかかるので、営業代行サービスを活用する際は費用対効果を十分に考慮しましょう。

ブログ・SNSで情報発信する

個人事業主の仕事がないときに自分の専門分野に関する情報をブログやSNSで発信すれば、潜在的なクライアントにアピールできます。以下を意識すれば、効果的な情報発信ができるでしょう。

• 定期的に質の高いコンテンツを投稿する
• 読者のニーズに合った情報を提供する
• 自身の実績や成功事例を紹介する

情報発信は、長期的な視点で取り組むのが大切です。すぐに効果が出なくても、継続すれば徐々に個人事業主としての認知度が高まります。

交流会・コミュニティに参加する

個人事業主が集まる交流会やコミュニティに参加すれば、新たな人脈を築いたり、仕事のチャンスを広げたりすることができます。参加する際は以下を意識しましょう。

• 簡潔な自己紹介を準備する
• 相手の話を積極的に聞いて信頼関係を築く
• フォローアップを忘れない

単なる名刺交換に終わらせず、真摯な関係構築を心がけるのがコツです。

人脈を活かす

既存の人脈を活用するのも、個人事業主の仕事がないときに有効な方法といえます。過去の取引先や同業者、友人などに近況を伝え、仕事の紹介をお願いしてみましょう。

個人事業主が人脈を活用する際のポイントは以下のとおりです。

• 定期的に連絡をとって関係性を維持する
• 相手にもメリットを提供する姿勢を持つ
• 紹介してもらった案件には特に丁寧に対応する

信頼関係を大切にし、Win-Winの関係を築きましょう。

個人事業主の仕事がなくなる原因

個人事業主の仕事がなくなる原因を知ったうえで、対策を考えるのが大切です。以下では、個人事業主の仕事がなくなる主な原因を紹介します。

実績が不足している

個人事業主としての実績が不足している状態だと正確な実力がクライアントに伝わらず、仕事がない状態に陥りやすくなります。実力を証明するための実績を作るべく、以下のような対策が必要です。

• 無料や低価格での仕事にも目を向ける
• プロボノ活動に参加する
• 個人プロジェクトを立ち上げる
• オープンソースプロジェクトに貢献する

継続的に依頼が来る個人事業主になれるよう、地道に実績を作っていきましょう。

営業活動に課題がある

適切な営業ができていないと、新規クライアントの獲得や既存の取引先からの継続的な仕事の受注が難しくなります。仕事がない個人事業主は、以下のような対策をしてください。

• 営業スキルを磨く
• 定期的な営業活動の時間を確保する
• 顧客のニーズを深く理解して適切な提案をする

営業スキルは実践だけでなく、セミナーや書籍でも学べます。個人事業主はエージェントを活用しないかぎり営業活動が必要なので、おろそかにならないよう注意しましょう。

クライアントとの信頼関係が築けていない

クライアントとの信頼関係が築けていないと、継続的な取引は難しくなります。個人事業主はスキルアップするだけでなく、以下を意識して信頼構築にも取り組んでください。

• 納期を厳守する
• 高品質を担保する
• こまめなコミュニケーションを心がける
• クライアントの課題解決に真摯に取り組む姿勢を示す

一つひとつの案件に真剣に取り組み、クライアントに「また依頼したい」と思ってもらえる個人事業主になることを目指しましょう。

特定のクライアントに依存している

個人事業主の仕事で1社や少数のクライアントに依存していると、契約終了とともに仕事が途切れるおそれがあります。特定のクライアントに依存している状態から抜け出すためには、以下の取り組みをするとよいでしょう。

• 新規開拓を行う
• 複数の業種や分野にサービスを提供する
• 収入源の多様化を図る

依存先のクライアントの経営状況が悪化すれば、報酬の支払いが滞るおそれがあります。
リスクを分散させるためにも、個人事業主は取引先や案件の受注経路を複数確保しておくのが得策です。

ビジネスマナーが身に付いていない

基本的なビジネスマナーが欠如している個人事業主は、クライアントとの関係性を損ない、仕事の継続や新規獲得が難しくなる恐れがあります。基本のビジネスマナーとして、以下を意識してみてください。

• 時間厳守を徹底する
• TPOをわきまえた服装を選ぶ
• 敬語の使用など適切なコミュニケーションを心がける
• プロフェッショナルとしての態度を常に保つ

成果物の質とともにビジネスマナーにも気を配れば、次の仕事につながりやすくなります。

仕事がないときに個人事業主が避けるべき行動

個人事業主の仕事がない時期は焦りや不安から目先の利益にとらわれがちですが、軽率な行動は避けましょう。長期的な視点で個人事業主としての計画を立てるべきです。
以下では、仕事がない状況下で個人事業主が避けるべき行動について解説します。

受注単価を下げ過ぎる

個人事業主が仕事を獲得するために安易に案件単価を下げるのは、以下の理由から避けるべきです。

• 自分の価値を下げてしまう
• 適正な利益が得られず事業継続が困難になる
• 同業の他の個人事業主にも悪影響を及ぼす

自分のスキルや提供できるものの価値を客観的に評価し、利益が出る単価を設定しましょう。「フリーランスの単価の決め方は？交渉のコツや報酬を上げる方法も解説」では適切な単価設定の方法を解説しているので、あわせて参考にしてください。

やみくもに案件に応募する

個人事業主としての仕事がないからといって、自身のスキルや経験とマッチしない案件に応募するのは避けましょう。理由は以下のとおりです。

• 受注しても満足な結果を出せない可能性が高い
• クライアントの信頼を失うおそれがある
• 自身の評判を落とすリスクがある

応募する前に、クライアントが要求するスキルと自分の実力を慎重に比較してください。未開拓な分野の仕事にチャレンジしたい場合は、事前に必要なスキルを習得する時間を確保しましょう。

「フリーランスで仕事がない時の9つの対処法や不安解消・案件獲得方法を解説」では不安を解消する方法も解説しているので、あわせて参考にしてください。

仕事が途切れない個人事業主になる方法

個人事業主が仕事を安定的に確保するには、長期的な視点で信頼を築き、自分の価値を高めていく必要があります。ここでは、仕事が途切れない個人事業主になるための方法を紹介します。

高品質な仕事を安定供給する

クライアントの期待を上回る高品質な仕事を常に提供すれば、相手の信頼が得られ、継続的な仕事獲得につながります。個人事業主の仕事を高品質にするには、以下を意識すると良いでしょう。

• 品質管理のプロセスを確立する
• フィードバックを積極的に改善に活かす
• 自分の得意分野に特化する

個人事業主が高品質な仕事を安定供給するためには、常に改善し続ける姿勢が大切です。

迅速なレスポンスを心掛ける

クライアントからの連絡に対して迅速に返信すれば、信頼関係を強化できます。顧客とのやりとりで個人事業主が意識するべき内容は下記のとおりです。

• 24時間以内の返信を心がける
• 不在時は自動返信を設定する
• メールやチャットなど複数の連絡手段を用意する

迅速な対応は個人事業主としてのプロフェッショナリズムと誠実さを示し、クライアントに安心感を与えます。

継続的にスキルアップする

市場のニーズや技術の変化に対応するため、個人事業主は以下のような方法でスキルアップし続けましょう。

• オンライン講座や書籍で学習する
• 業界のセミナーや勉強会に参加する
• 関連資格を取得する

スキルアップを継続すればサービスの質が上がり、個人事業主として競争力を維持できます。むやみに新しい知識を取り入れるのではなく、自分のビジネスにどのように活用できるか十分に検討したうえで学ぶべきことを決定することが大切です。

向上心を持って活動する

個人事業主は常に自己成長を目指し、新しいチャレンジを恐れない姿勢でいるのが大切です。具体的な行動として、以下が挙げられます。

• 同業者とのネットワーキングを通じて情報交換する
• 新しい分野にもチャレンジする

向上心を持って活動すれば、クライアントにより高い価値を提供できるようになります。結果として、個人事業主としての仕事の安定につながるでしょう。

社会やクライアントへの貢献を意識する

自分の仕事が社会やクライアントにどのような価値をもたらすかを考えるのも、個人事業主として成功するための重要な要素といえます。具体的には、以下の点を意識してみましょう。

• クライアントの事業目標を理解してその達成に貢献する
• 専門性を活かして社会課題の解決に寄与する
• 環境や社会に配慮した提案をする
• エンドユーザーへの影響を考えて仕事をする

個人事業主は「クライアントや社会にどのように役立てるか」を常に念頭に置き、受けた仕事に責任感を持って取り組みましょう。

現状を客観的に分析する

自分の強みや弱み、市場での位置づけなどを冷静に分析して改善点を見出す作業は、個人事業主として成長し続けるうえで欠かせません。以下のような方法を用いて、現状を分析してみましょう。

• SWOT分析で自分のビジネスの強みや弱みを明確にする
• 競合他社と比較して自分の独自性を見出す
• 業界のトレンドと自分のスキルセットとのギャップを認識する
• 財務面を分析して収益性や効率性を上げる方策を考える

客観的な分析によってビジネスの方向性を調整すれば、個人事業主としての持続的な成長につながります。

ニーズのアンテナを張る

市場やクライアントのニーズの変化に敏感になり、先を見据えた提案ができるようになりましょう。ニーズを把握するために、個人事業主は以下のような行動をとってみてください。

• 業界誌や専門Webサイトを定期的に読む
• クライアントとのやりとりから潜在的なニーズを探る
• SNSやオンラインフォーラムでの議論をフォローする
• 競合他社の新しいサービスや技術の導入状況を確認する
• アンケートやインタビューでクライアントの声を直接聞く

上記のような活動で得た情報をもとにクライアントに先進的な提案をすれば、他の個人事業主との差別化が図れます。

自己管理を徹底する

健康管理やタイムマネジメントを徹底し、安定したパフォーマンスを発揮することは、個人事業主として長期的に成功する基盤となります。自己管理のポイントは以下のとおりです。

• タスク管理ツールで締め切りや優先順位を明確にする
• 重要な仕事を集中力が高い時間帯に行う
• 規則正しい生活リズムを維持する
• 定期的な運動や健康的な食事を心がける
• ストレス解消法を見つける
• 定期的に休暇を取ってリフレッシュする時間を確保する

自己管理を徹底すれば、個人事業主として安定したパフォーマンスを維持できるでしょう。

仕事への向き合い方を再考する

単なる作業者ではなく、問題解決のパートナーとしての意識を持つのは、個人事業主として価値を高めるうえで重要です。仕事への向き合い方を再考する方法として、以下が挙げられます。

• クライアントのビジネス全体を見て広い視野で課題を捉える
• 短期的な成果だけでなく長期的な価値創造を意識する
• 失敗を恐れず新しいアイデアや手法にチャレンジする

仕事に能動的に向き合い、クライアントの課題に対して創造的なアプローチをすれば、単なるサービス提供者以上の存在になれる可能性があります。

個人事業主が知っておきたい赤字発生時の確定申告

仕事がない時期に赤字が出た場合も、個人事業主は確定申告するのが望ましいと考えられます。確定申告を行うことによって、損失を繰り越せたり、還付が受けられたりします。
ケース別の確定申告書の書き方を以下の表にまとめました。

ケース	申告書の書き方
事業所得がある	確定申告書第一表「収入金額等」に金額を記載。「所得金額等」の「事業」にはマイナスを付けた金額を記載する。
源泉徴収税額がある	確定申告書第一表54番「還付される税金」に還付される額を記載する。
還付される税金がある	確定申告書第一表「還付される税金の受取場所」に入金先を記載する。

参照：国税庁「申告書第一表・第二表【令和6年分用】」

申告手順について詳しく知りたい方は、「個人事業主が赤字になったら？確定申告のメリット・デメリットや手順を解説」を参考にしてください。

まとめ

個人事業主として働いている方は、仕事がない状況に大きな不安を感じるでしょう。

しかし、効果的な行動をとれば、ビジネスを成長させる機会になります。新しいサービスや商品を開発したり、営業方法や働き方を見直したりするなどの対処をしてみてください。

そのうえでエージェントやクラウドソーシングを活用し、仕事がない状況からの脱却を図りましょう。一つひとつの案件で高品質の仕事を提供し、迅速な返信を心がけ、クライアントから信頼を得る努力をするのも大切です。