NEW 確定申告とは?全くわからない人向けに必要書類や作成方法を解説

最終更新日:2025年06月18日

確定申告のやり方が全くわからないことから不安を覚えている人も多いのではないでしょうか。 確定申告には申告期間が定められているため、正しい知識を知って準備を進める必要があります。 本記事では、確定申告の基礎知識や手続きの義務が生じる条件を紹介します。また、青色申告と白色申告の違いや確定申告の方法なども解説。そのほか、困ったときの相談先も載せているため、参考にして確定申告を進めましょう。

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確定申告が全くわからない人のための基礎知識

ここでは、確定申告の基礎知識を紹介します。確定申告の意味や年末調整との違い、申告期限などについても解説します。

確定申告とは

確定申告とは、納税者自身が1年間の所得を税務署に届け出て、所得税の正確な納税を実施する手続きです。確定申告によって正しい所得額を申告することで、源泉徴収や予定納税によって発生した税金の過不足を精算できます。

確定申告と年末調整の違い

年末調整は、確定申告と同じく所得税に関する手続きです。年末調整とは、給与所得者の所得税の過不足分を、雇用主側が精算する手続きのことを指します。

年末調整は主に会社員に関連する手続きですが、個人事業主・フリーランスも必要になることがあります。
個人事業主やフリーランスの場合、人を雇っているケースや兼業して給与所得があるケースでは年末調整の手続きが発生します。詳細は「フリーランスにも年末調整がある?手続きや流れについて解説」の記事をご覧ください。

確定申告が必要な理由

確定申告の必要がある理由の一つに、申告納税制度の存在があります。申告納税制度とは、納税者がみずから所得の計算と申告・納税までを実施する仕組みです。

確定申告をしなければ、個人の所得税額を正確に決定できなくなります。申告納税制度の正しい運用を果たすために、確定申告が義務づけられています。
また、還付される税金がある人は確定申告をしないと損をすることになります。

確定申告の算出期間・申告期限・納期限

確定申告は、算出対象となる期間と申告期間が決まっています。算出の対象は、該当年の1月1日から12月31日までに発生した所得です。

この1年間の所得を、翌年2月16日〜3月15日の期間中に所轄の税務署に申告します。申告期限が土・日・祝日であるときは、その翌日の平日が期限に設定されます。
確定申告の期限と所得税の納付期限は同日です。期限内に申告と納付を完了させましょう。

参考:国税庁「確定申告特集」

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確定申告しないときのペナルティ

確定申告の義務がある人が確定申告を怠ると、税務署や国税庁から調査が入って延滞税や無申告加算税などのペナルティを課されます。

無申告加算税や重加算税が発生する

確定申告の義務があるにもかかわらず手続きを怠った場合、無申告加算税が発生します。
無申告加算税が発生する条件や加算税率は下記の表のとおりです。

申告時期 加算税率(令和4年分まで) 加算税率(令和5年分以降)
①税務署調査の事前通知前の自主的な期限後申告 5% 5%
②税務署調査の事前通知後(調査による決定を予知する前)の期限後申告 50万円まで:10%
50万円超:15%
50万円まで:10%
50万円超~300万円まで:15%
300万円超:25%
③税務署調査後(調査による決定を予知した後)の期限後申告 50万円まで:15%
50万円超:20%
50万円まで:15%
50万円超~300万円まで:20%
300万円超:30%
④帳簿不備による加算 帳簿未提示:+10%
売上金額記載2分の1未満:+10%
売上金額記載3分の2未満:+5%

また、隠蔽や仮装などの不正の事実があった場合、重加算税が課せられます。
さらに、過去に無申告加算税や重加算税が課されている場合、税率が上乗せされます。

なお、下記の要件をすべて満たしている場合は無申告加算税は発生しません。

  • 申告期限から1ヶ月以内の自主的な申告
  • 期限内申告の意思があり、かつ法定納期限までに全額納付
  • 過去5年以内に無申告加算税・重加算税を受けていない、かつこの特例の適用を受けていない

参考:
国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」
国税庁「法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」

延滞税が発生する

下記のケースに当てはまる場合、延滞税が発生します。

  • 申告などで確定した税額を法定納期限までに完納しないとき
  • 期限後申告書または修正申告書を提出した場合で、納付税額があるとき
  • 更正または決定の処分を受けた場合で、納付税額があるとき

一般的な延滞税の割合は下記の表のとおりです。

期間 令和2年12月31日以前 令和3年1月1日~令和3年12月31日 令和4年1月1日~令和7年12月31日
納期限の翌日~2ヶ月 7.3% (特例基準割合 + 1% の低い方) 7.3% (2.5% + 1% = 3.5% の低い方) 7.3% (2.4% + 1% = 3.4% の低い方)
2ヶ月経過後 14.6% (特例基準割合 + 7.3% の低い方) 14.6% (2.5% + 7.3% = 9.8% の低い方) 14.6% (2.4% + 7.3% = 9.7% の低い方)

ペナルティを避けるためにも、適切に確定申告を行いましょう。

参考:国税庁「No.9205 延滞税について」

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確定申告が不要な人

確定申告が不要なのは、下記のケースに当てはまる人です。

  • 給与所得が年末調整済みの人
  • 副業所得が20万円以下の人
  • 課税される所得がない人
  • 年金所得者に係る確定申告不要制度の適用を受ける人

通常、会社員やサラリーマンなどの給与所得がある人は雇い主の企業側で年末調整を行っているため、確定申告をする必要はありません。
副業をしていて給与所得以外の所得があるケースにおいても、副業による所得が20万円以下の場合は確定申告は不要です。

また、課税対象となる所得金額が0円になる人や、年金所得者で確定申告不要制度の適用を受ける人は確定申告が不要になります。

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確定申告が必要な人

ここでは、確定申告が必要な人を給与所得があるケースとないケースに分けて紹介します。

自分に確定申告の義務があるかどうかを確認する際に参考にしてください。ただし、例外や特例に当てはまることもあるため、不安な場合は国税庁のホームページを確認したり税理士に相談したりしましょう。

給与所得があるケースで確定申告が必要な人

給与所得があるケースで確定申告が必要なのは、課税所得金額があり、下記に当てはまる人です。

  • 給与の収入金額が2,000万円を超える人
  • 給与が1ヶ所で源泉徴収の対象で、その他の所得が20万円を超える人
  • 給与が2ヶ所以上で源泉徴収の対象で、年末調整されなかった給与とその他の所得の合計が20万円を超える人
  • 同族会社の役員や親族で、給与以外に同族会社から利子・賃貸料・使用料等の支払いを受けた人
  • 災害減免法による源泉徴収税額の猶予・還付を受けた人
  • 外国公館勤務者や家事使用人等で給与に源泉徴収がない人

たとえば、副業による所得が20万円を超える会社員は確定申告をする必要があります。

確定申告には源泉徴収票の数字を参考にする場面があります。詳細は「確定申告に源泉徴収票は必要?書類一覧や確定申告に関する疑問を解説」の記事をご覧ください。

給与所得がないケースで確定申告が必要な人

給与所得がないケースで確定申告が必要なのは、以下に当てはまる人です。

  • 公的年金等の収入から所得控除を差し引いた残額がある人
  • 源泉徴収されない退職所得がある人
  • すべての所得から所得控除を差し引いた課税所得に所得税率を乗じた金額から配当控除等を差し引いた残額がある

3つ目のケースの場合、たとえば所得額が48万円を超える個人事業主やフリーランスが当てはまります。所得額が48万円より多いと基礎控除額の48万円を差し引いても課税所得が残るため、確定申告の義務が発生します。

個人事業主やフリーランスとして仕事をしている方は、「フリーランスが支払う税金の種類や節税対策について解説!」の記事も参考にしてください。

参考:国税庁「確定申告が必要な方」

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義務はないが確定申告したほうがよい人

確定申告の義務がない場合も、確定申告をすることによって節税や還付のメリットを受けられるケースがあります。
確定申告をしたほうがよいケースの例は、下記のとおりです。

  • 青色申告特別控除を受けたい個人事業主
  • 事業が赤字になった個人事業主
  • 納税証明書が必要な人
  • 年の途中で退職して年末調整されていない人
  • 一定の要件を満たしてマイホームを取得し、住宅ローンがある人
  • 借入金を活用して特定の改修工事をした人(※令和3年居住開始分まで)
  • マイホームに特定の改修工事をした人
  • 認定住宅等の新築などをした人
  • 耐震改修の工事をした人
  • 災害や盗難などによって資産に損害を受けた人
  • 特定支出控除の適用を受けたい人
  • 一定金額を超えた医療費を支出し、医療費控除を受けたい人
  • ふるさと納税などの特定の寄附をしたとき
  • 上場株式等に係る譲渡損失の金額を、上場株式等に係る配当所得(※申告分離課税を選択したもの)等の金額から控除した人

これらのケースのいずれかに当てはまる人はメリットを享受できる可能性が高いため、確定申告をすることがおすすめです。

個人事業主で赤字になった場合は、「個人事業主が赤字になったら?確定申告のメリット・デメリットや手順を解説」の記事もあわせてご覧ください。

参考:
国税庁「No.2030 還付申告」
国税庁「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」

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全くわからない人が初めて確定申告する際のポイント

ここでは、確定申告が全くわからない人が初めて手続きを行うときのポイントを3つ紹介します。
初めてでも期限内に確定申告を済ませられるように、ポイントを押さえましょう。

確定申告のやり方を知る

確定申告について理解を深めることは、手続きをスムーズにすることにつながります。
確定申告のことが全くわからない人は、まずは基本的な知識ややり方について知りましょう。確定申告の種類や課税所得金額の出し方、確定申告の方法などの知識を身に付けてください。

余裕を持って準備する

確定申告が全くわからない状態だと、調べたり書類を用意したりするのに時間を要することがあります。思いがけず時間がかかって期限に間に合わないということがないよう、確定申告の準備は時間の余裕を持って進めましょう。

ツールや専門家を有効活用する

確定申告が全くわからない人は、便利ツールや専門家を有効活用することがおすすめです。

民間の会計ソフトや確定申告ソフトなどのツールは、帳簿管理や仕訳、税申告などを効率的に進める手助けをしてくれます。また、国税庁も税金に関する手続きができる電子システムのe-Taxを用意しています。
これらの便利ツールは無料のものも有料のものもあります。使える機能や予算を照らし合わせて、利用するツールを決めましょう。

確定申告が全くわからない場合、専門家に依頼することも選択肢の一つです。税理士に依頼すれば、確定申告の手続きを代行してくれます。
依頼費用はかかりますが、確定申告に費やす手間や時間を省けるのは大きなメリットになるでしょう。

専門家の力を借りたいとお考えの方は「創業・起業からクラウド会計まで!経営をしっかりサポートする税理士事務所まとめ」の記事も参考にしてください。

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確定申告の2つの種類

確定申告の種類には、青色申告と白色申告があります。所得の種類や自分の状況に合わせて、青色申告と白色申告のどちらで申告するかを決定しましょう。

青色申告と白色申告の主な違いは以下のとおりです。

項目 青色申告 白色申告
帳簿の記帳方法 複式簿記 簡易簿記
青色申告特別控除 最大65万円控除 (電子申告・e-Taxの場合は最大10万円加算で最大75万円控除。ただし、令和5年分より適用要件が厳格化) 控除なし
純損失の繰越控除 3年間繰越可能 控除なし
家族への給与の損金算入 生計を一にする配偶者や親族に支払った給与を経費として計上可能 (要件あり) 控除なし
事業専従者控除 生計を一にする配偶者や親族が事業を手伝っている場合に控除可能 (要件あり) 控除なし
減価償却資産の評価方法 任意償却制度を選択可能 定額法・定率法を選択

青色申告は、事業所得・不動産所得・山林所得がある人が利用できます。また、青色申告の承認を受ける場合は、期限までに所得税の青色申告承認の申請手続きを行うことが必要です。
青色申告は手続きが煩雑ですが、受けられる税務上の優遇措置が多いです。

白色申告は青色申告と比べて税務上の優遇措置が少なくなりますが、比較的簡易に手続きを終えられます。

青色申告と白色申告については「青色申告と白色申告の違いは?メリット・デメリットをわかりやすく解説」の記事で解説しているので参考にしてください。

参考:国税庁「No.2070 青色申告制度」

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確定申告の対象となる所得の定義

確定申告をするにあたって、所得について理解しておく必要があります。
ここでは、収入と所得の違いや所得の種類を解説します。

所得と収入の違い

収入とは、給与や売上など、仕事に対して受領した対価のことです。
所得とは、収入から必要経費(仕入れ)を差し引いた金額です。
確定申告では、所得から控除を差し引いた「課税所得」を用いて所得税を計算します。

確定申告において経費として扱える対象については「確定申告で経費計上できるものは何?会社員でも使える節税方法を紹介」の記事を参考にしてください。

課税所得

所得には、課税される所得と非課税所得の2種類が存在します。
課税所得は下記の10種類です。

課税所得の種類 概要
利子所得 預貯金、公社債の利子、合同運用信託、公社債投資信託、公募公社債等運用投資信託などの収益の分配に係る所得
配当所得 株主や出資者が法人から受ける配当、投資信託(※公社債投資信託や公募公社債等運用投資信託を除く)、特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得
不動産所得 土地、建物、借地権、船舶や航空機の貸付けなどによる所得(※事業所得や譲渡所得に該当するものを除く)
事業所得 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などから生ずる所得(※不動産の貸付けや山林の譲渡による所得を除く)
給与所得 使用人や役員等が支払いを受ける俸給や給料、賃金、歳費、ボーナスなど、これらの性質を持つ給与に係る所得
退職所得 退職によって勤務先から受ける退職手当や、厚生年金基金等の加入員の退職によって支払われる厚生年金保険法に基づく一時金などの所得
山林所得 山林を伐採して譲渡したり立木のまま譲渡したりすることで生ずる所得(※山林の取得後から5年以内に伐採もしくは譲渡した場合、事業所得または雑所得に分類)
譲渡所得 土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することで生ずる所得や、地上権などの設定による所得で一定のもの
一時所得 ほかのいずれの所得にも該当せず、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであり、労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時的な所得
雑所得 ほかの所得のいずれにも該当しない所得

確定申告における控除や特例のルールは、所得の種類に応じて異なります。自分の所得がどの種類にあたるのかを確認しましょう。

非課税所得

非課税所得は、所得税法や租税特別措置法などに規定されています。
非課税所得に分類されるのは、所得税を課すことが社会政策の視点で不適当と見なされる所得です。非課税所得の例には、業務上発生する通勤手当や旅費、遺族に支給される年金などが挙げられます。少額非課税投資制度(NISA)も、非課税所得の代表例です。

参考:
国税庁「No.1300 所得の区分のあらまし」
国税庁「No.2011 課税される所得と非課税所得」

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確定申告における所得税の納税額の算出方法

確定申告における所得税の納税額は、以下の手順で算出できます。

  1. 課税所得金額を求める
  2. 所得税額を求める
  3. 所得税の納税額を求める

節税対策をするためにも、利用できる控除や所得税の計算の仕組みを知っておくことは大切です。

1.課税所得金額を求める

課税所得金額は、所得額から所得控除額を差し引いて計算します。
所得控除には主に下記の15種類があります。

所得控除の種類 概要
雑損控除 災害・盗難・横領による損失があったときに適用を受けられる控除
医療費控除 一定額の医療費を支払ったときに適用を受けられる控除(※生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費も含む)
社会保険料控除 納税者自身や生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払ったときに適用を受けられる控除
小規模企業共済等掛金控除 納税者が小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金などを支払ったときに適用を受けられる控除
生命保険料控除 納税者が生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を支払ったときに適用を受けられる控除
地震保険料控除 納税者が特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料あるいは掛金を支払ったときに適用を受けられる控除
寄附金控除 ふるさと納税をはじめとする特定寄附金を支出したときに適用を受けられる控除
障害者控除 納税者自身や同一生計配偶者あるいは扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまるときに適用を受けられる控除
寡婦控除 納税者自身が寡婦であるときに適用を受けられる控除
ひとり親控除 納税者がひとり親であるときに適用を受けられる控除
勤労学生控除 納税者自身が勤労学生であるときに適用を受けられる控除
配偶者控除 納税者に所得税法上の控除対象となる配偶者がいるときに適用を受けられる控除
配偶者特別控除 所得金額の条件によって配偶者控除が適用されない場合において、一定の要件に該当する配偶者がいるときに適用を受けられる控除
扶養控除 納税者に所得税法上の控除対象扶養親族に該当する人がいるときに適用を受けられる控除
基礎控除 所得金額が2,500万円以下のすべての人に適用される控除

適用される控除を確認し、所得額から控除額を差し引いて課税所得金額を算出しましょう。

2.所得税額を求める

所得税額は、課税所得金額に所得税の税率をかけて算出します。

参照する所得税の速算表は下記のとおりです。なお、令和19年までは原則として該当年分の基準所得税額の2.1パーセントの復興特別所得税を申告・納付します。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円から1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円から3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

先ほど求めた課税所得金額に該当する税率と控除額を確認し、所得税額を計算しましょう。

3.所得税の納税額を求める

納税額は、先ほど算出した所得税額から税額控除を差し引いて求めます。

税額控除の主な例には以下のようなものがあります。

  • 配当控除
  • 分配時調整外国税相当額控除
  • 外国税額控除
  • 政党等寄附金特別控除
  • 認定NPO法人等寄附金特別控除
  • 公益社団法人等寄附金特別控除
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除

当てはまる税額控除があれば、所得税額から差し引いて所得税の納税額を算出しましょう。

参考:
国税庁「所得税のしくみ」
国税庁「No.1100 所得控除のあらまし」
国税庁「No.2260 所得税の税率」
国税庁「No.1200 税額控除」

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確定申告の書類を作成する4つの方法

確定申告書の主な作成方法は下記の4つです。

  • 確定申告書等作成コーナーで作成する
  • 確定申告ソフトで作成する
  • 税理士に依頼する
  • 手書きで作成する

確定申告が全くわからない人は、やりやすい方法を選んで着手しましょう。

確定申告書等作成コーナーで作成する

国税庁のWebサイト上にある確定申告書等作成コーナーを利用すると、簡単に確定申告書を作成できます。確定申告書等作成コーナーは国が提供する公式ツールで、画面の指示に従うだけで各項目の入力や計算ができます。

確定申告書等作成コーナーで準備した申告書は、そのままe-Taxでの電子申告に利用可能です。作成から申告まで同一のデバイスで手続きできるため、便利な方法です。

確定申告ソフトで作成する

確定申告の書類は、確定申告を専門としたソフトや会計ソフトで作成できます。スマホアプリに対応したものもあります。

簿記や会計の専門知識を持たない人でも比較的簡単に確定申告書を作れる点がメリットです。入力画面の案内に従いながら、直感的な操作で申告書を作成できます。

税理士に依頼する

税理士に確定申告業務を依頼することも、書類を作成する一つの方法です。
税理士は税金の専門家であり、所得の計算から申告書の作成まで正確な手続きをしてもらえます。
税務相談ができる点も、税理士に依頼するメリットです。所得税の節税や資料の管理など、確定申告に関する悩みを、スムーズに解決できます。

依頼には費用がかかるため、自力で申告するときの手間と予算を比較して利用するかどうかを検討しましょう。

手書きで作成する

確定申告書は、手書きでも作成可能です。紙の申告書に必要事項を記載し、添付書類とあわせて税務署に提出する流れで申告を実施します。
紙の確定申告書は、国税庁のWebサイトから様式を印刷して入手します。あるいは、税務署窓口での受け取りや自宅への送付でも入手可能です。

電子機器を利用できる環境にない人は、手書きでの申告書作成が向いています。ただし、手書きでは記入ミスや漏れの可能性が高まるため、可能なかぎり電子機器での作成がおすすめです。

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確定申告から納税までの流れ

ここでは、確定申告の具体的な流れを解説します。

  1. 青色申告と白色申告のどちらにするか決める
  2. 必要書類を準備する
  3. 確定申告書を作成する
  4. 税務署に確定申告書や添付書類を提出する
  5. 所得税の納付・還付を行う
  6. 確定申告関連の書類を保管する

毎年3月15日の期限までに、申告の手続きと納税の両方を完了させる必要があります。確定申告が全くわからない人は、以下で紹介するステップを参考にして手続きを進めましょう。

1.青色申告と白色申告のどちらにするか決める

事業所得・不動産所得・山林所得がある人は、青色申告を選択することも可能です。青色申告と白色申告のメリット・デメリットを比較し、どちらで確定申告を行うかを決めましょう。
青色申告は白色申告よりも手間がかかるため、利用する場合は速めに準備に取り掛かることがおすすめです。

どちらを選ぶか迷っている場合は、「個人事業主は白色申告を選んでも良い?青色申告との違いも解説」の記事も参考にしてください。

2.必要書類を準備する

確定申告に向けて、必要書類を準備します。
確定申告の主な必要書類は以下のとおりです。

  • 確定申告書
  • 青色申告決算書(青色申告をする場合)
  • 収支内訳書(白色申告をする場合)
  • 固定資産台帳
  • 収入に関する書類(請求書、売上帳など)
  • 経費に関する書類(領収書、レシートなど)
  • 各種控除証明書
  • 源泉徴収票
  • マイナンバーカードまたは通知カード
  • 身分証明書
  • 金融機関の口座情報

状況に応じて必要となる書類は変わります。確定申告に必要な書類を年間を通じて適切に保管・整理し、準備を進めておきましょう。

青色申告をする方は「青色申告決算書とは?書き方や提出方法を紹介」の記事も参考にしてください。

3.確定申告書を作成する

必要書類が用意できたら、確定申告書の作成に取り掛かります。確定申告がわからない人は、記入漏れや計算ミスがないよう、時間に余裕を持って作成することがおすすめです。

国税庁が提供する確定申告書等作成コーナーを利用したり、民間の確定申告ソフトを利用したりして、確定申告書を作成しましょう。自分で確定申告書を作成するのが難しい場合は、税理士に依頼するのも一つの方法です。

確定申告書は基本的に第一表と第二表を作成することになります。
申告分離課税や損失を申告するケースでは、第三表や第四表の提出も求められます。

参考:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等」

4.税務署に確定申告書や添付書類を提出する

確定申告書の作成や添付書類の用意ができたら、税務署に提出しましょう。
提出する方法には下記のものがあります。

  • e-Taxやスマホアプリで電子申告を行う
  • 管轄の税務署窓口に持参する
  • 信書として郵送する
  • 税務署の時間外収集箱に投函する

国税庁が推奨しているのは電子申告です。
e-Taxは自宅やオフィスから24時間申告できるうえ、マイナポータル連携も始まっており、便利に確定申告を済ませられます。

参考:国税庁「国税電子申告・納税システム(e-Tax)をご利用ください」

5.所得税の納付・還付を行う

確定申告の結果、所得税を納める必要がある場合は、確定申告期限までに納付を完了させてください。所得税の納税は、キャッシュレス納付も選択可能です。
選べる主な納付手段は下記のとおりです。

  • 振替納税
  • e-Taxによるダイレクト納付
  • インターネットバンキング
  • クレジットカード納付
  • スマホアプリ納付
  • コンビニ納付
  • 金融機関や税務署の窓口納付

確定申告の結果、還付される金額がある場合は還付金を受け取れます。
還付金は指定した預貯金口座や登録済みの公金受取口座に振り込まれます。口座振り込みによる受け取りができないケースでは、最寄りのゆうちょ銀行各店舗や郵便局に出向いて受け取る方法も選択可能です。

参考:
国税庁「G-2 国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)」
国税庁「還付金の受取方法」

6.確定申告関連の書類を保管する

確定申告に関連する帳簿や書類は、一定期間適切に保管する必要があります。

青色申告をした場合に保存するべき帳簿・書類とその保存期間は、下記の表のとおりです。

保存が必要な帳簿・書類 保存期間
帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など) 7年
決算関係書類(損益計算書、貸借対照表、棚卸表など) 7年
現金預金取引等関係書類(領収証、小切手控、預金通帳、借用証など) 7年(※前々年分の事業所得および不動産所得の金額が300万円以下の場合は5年)
取引に関して作成・受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など) 5年

白色申告をした場合に保存するべき帳簿・書類とその保存期間は、下記の表のとおりです。

保存が必要な帳簿・書類 保存期間
法定帳簿(収入金額や必要経費を記載した帳簿) 7年
任意帳簿(業務に関して作成した上記以外の帳簿) 7年
決算関係書類(棚卸表やその他の書類) 5年
業務に関して作成または受領した書類(請求書、納品書、送り状、領収書など) 5年

これらの書類は税務調査の際に確認を求められる可能性があるため、整理して保管しておきましょう。電子保存が認められている書類については、電磁的記録によって保存することも可能です。

個人事業主の方は「領収書の保管期間はいつまで?個人事業主向けに管理方法を紹介」の記事もあわせてご覧ください。

参考:
国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」
国税庁「電子帳簿保存法の概要」

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確定申告が全くわからない人が困ったときの相談先

確定申告が全くわからない人は、不明な点を放置せずに税務の専門家や各種サービスに頼ることが大切です。
ここでは、確定申告が全くわからず困ったときに頼れる相談先を5つ紹介します。

チャットボットに相談する

国税庁のWebサイトで、チャットボットを利用した相談が可能です。AIを搭載したチャットボット(ふたば)のシステムは、質問に対して自動で返答します。

チャットボットは、時間や場所を問わず利用できる点が便利です。税務署が開庁していない土日や、深夜の時間帯でも気軽に相談できます。
よくある質問に関しては、チャット画面から選択肢を押すだけで質問できます。一方、種類や内容がわかりにくい相談は、メッセージ形式での質問も可能です。

税務署の窓口へ行く

税務署の窓口では、確定申告に関して困っている内容を職員に直接相談できます。開庁時間内に近くの税務署に訪問したり電話したりすることで相談が可能です。
相談する際は、源泉徴収票や控除の証明書などの申告に用いる書類を持参するとスムーズに内容を伝えられます。

税務署を訪問するときは、事前に相談予約を取ることがおすすめです。申告期間中は窓口が混雑するため、相談に行く場合はスケジュールに余裕を持たせましょう。

各市町村の相談窓口を利用する

居住地の自治体でも、確定申告の相談窓口が利用できます。
確定申告において市町村役場が管理する分野については相談に対応してくれます。たとえば、住民税や年金関係の控除に関する相談は、各市町村の管轄内です。訪問する前に窓口で対応できるかを確認するとよいでしょう。

税務署の窓口と同様に、市町村役場の窓口も予約を要するケースがあります。相談窓口や予約に関する情報は、Webサイトで確認が可能です。

税理士に相談する

税理士は税金の専門家であり、確定申告に関する税務相談や申告の代理業務を受け付けています。相談や依頼には基本的に料金が発生しますが、無料の相談会が開かれることもあります。

確定申告のやり方や節税方法などに関する実用的なアドバイスがもらえる点は、税理士に確定申告を相談することのメリットです。専門家による確かな助言を受けられます。

税理士事務所の利用を検討している場合は「フリーランスにもおすすめ!クラウド会計対応の税理士事務所」の記事も参考にしてください。

会計ソフトのサポートを利用する

会計ソフトを利用する人は、カスタマーサポートの窓口に相談することも可能です。会計ソフトから確定申告書を作成する際に、サポートが受けられます。

利用者向けのマニュアルやQ&Aが用意されているほか、電話やチャットによるオペレーターへの相談が可能なソフトも存在します。

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まとめ

この記事では確定申告が全くわからない人向けて、基礎知識や手続きの流れを解説しました。確定申告が初めての人や不明点がある人でも期限内に手続きを行えるように、知識や方法を身に付けましょう。

確定申告のやり方や手続きの流れを知り、準備を進めてください。また、不安がある場合は国税庁のチャットボットや税理士などを活用することもおすすめです。

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