角印は個人事業主に必要？印鑑の種類や役割、適切なサイズ・デザインを解説

個人事業主がビジネスを円滑に進めるには、角印をはじめとした印鑑を揃えるのが大切です。角印は書類の信頼性を高めるなど、取引をスムーズに進めるうえで役立ちます。

本記事では角印の役割や印鑑の種類、適切なサイズ・デザインなどを解説。近年増えている電子印鑑にも触れるので、ビジネス用のハンコ全般への理解も深まります。角印をはじめとした個人事業主に必要な印鑑について知りたい方は、ぜひご覧ください。

そもそも角印とは

角印は、書類の内容を確認・承認した証として用いる印鑑です。社内・取引先を問わず、ビジネス文書全般に使用します。用途や丸印との違いを知り、角印がどのような印鑑なのか理解を深めましょう。

業務上の認印として使用する印鑑

角印は業務上の認印として広く使用されます。認印とは、書類の内容を認める意思を示す印鑑です。社内文書や請求書、領収書などに押印すると書類の正当性が示せ、取引先や関係者に信頼感を与えられます。

角印の特徴は四角い形です。通常、角印には屋号名のみが彫られており、法人印のように代表者名は含まれません。

角印は法律で必須とされる印鑑ではありませんが、信頼性の向上に役立つため多くの個人事業主・企業が使用しています。書類の整理や管理が容易になり、業務プロセス全体がスムーズになるのも角印のメリットです。

また、｢角印は個人事業主に必要？印鑑の種類や役割、適切なサイズ・デザインを解説｣の記事では角印について詳しく紹介しています｡

丸印とは

丸印は会社印鑑の一種で、主に会社の重要な契約や法的手続きで使用します。屋号名と代表者名を彫った丸印が多く、会社の公式な印鑑としての役割を果たします。用途に応じて、「会社実印」「会社銀行印」「会社認印」に分かれるのが特徴です。

会社実印（代表者印）は特に重要で、重要な契約や法律上の手続きで使う機会が多めです。銀行印は、社内のお金を直接動かす際に使用します。会社認印は会社実印のリスク回避、および各役職者印として使用する印鑑です。

法務局や銀行に登録が必要な印鑑もあり、正式な手続きを経たあとに使用できます。

角印と丸印の違い

個人事業主にとって、角印と丸印はどちらも重要な役割を持つ印鑑です。しかし、特徴や使用する場面、登録の必要性には違いがあります。以下で角印と丸印の違いを見ていきましょう。

印鑑の登録

角印は登録不要であり、主に業務上の認印として使用できます。一方、丸印には登録が必要なものと不要なものがあります。

たとえば、会社実印（代表者印）は法務局での登録が必要です。銀行印は銀行に登録します。丸印のうち、主に社内で使用する会社認印は登録不要です。

使用する場面

角印と丸印では、使用する場面が異なります。

角印は主に社内文書や業務書類に使用し、発注書や見積書などの書類に押します。一方、丸印は契約や法律上の手続きなど重要な場面で使用し、多くは法的な効力を持つのが特徴です。特に、契約書や公式な文書には丸印が必要です。

また、角印と丸印では押し方にも違いがあります。角印は文字に重なるように押印し、丸印は社名や住所に重ならないように押印します。

個人事業主に必要な印鑑

個人事業主に必要な主な印鑑は、以下のとおりです。

• 個人の実印
• 屋号印
• 銀行印
• 角印

実印は重要な契約や法律上の手続きに使用し、屋号印は事業関連の書類に用います。

銀行印は事業用の銀行口座に登録し、主に金融取引で用います。ただし、個人の銀行口座と併用する場合は同じ印鑑を使用可能です。

角印は業務書類や請求書、見積書などに用い、事業運営の利便性を高めます。複数の印鑑を揃えれば多くのビジネスシーンに対応でき、信頼性が上がるでしょう。

個人事業主が印鑑を使用するシーン

個人事業主が印鑑を使用する具体的なシーンとして、契約締結や見積書・請求書の発行、開業届・確定申告書類の提出などがあげられます。

上記の場面では、それぞれ適切な印鑑の使用が必要です。たとえば、角印は見積書や請求書の発行時に役割を果たし、取引先に信頼感を与えます。契約書や法的書類に実印を使用すれば、書類に正当性が生まれるでしょう。

開業届については､｢個人事業主が出す開業届とは？書き方や提出するメリットなども解説｣の記事もチェックしてみてください｡

個人事業主が角印を作る手順

個人事業主が角印を作成する手順は以下のとおりです。

まず、印鑑を作成できる信頼性のある業者を探しましょう。次に、角印のデザインを決定し、屋号名や文字の配置を確認します。

その後、印鑑の素材とサイズを選びます。21mmから24mmの正方形サイズが一般的です。最後に篆書体や吉相体、古印体などの書体を選んで発注します。

デザインや素材、書体などにこだわれば、よりオリジナリティのある印鑑が作れるでしょう。

個人事業主が角印を作るときのポイント4選

個人事業主にとって角印は、信頼性を示す重要なもの。適切な角印を作成すると業務効率が上がり、取引先との信頼関係を強化できます。角印を作る際は、サイズやデザイン、書体、作成のタイミングなどのポイントを押さえるのが大切です。

適切なサイズ

角印の定番サイズは21mm〜24mmの正方形です。屋号の文字数によって適切なサイズを決めましょう。大きすぎると押印しにくくなるため、適度な大きさを選んでください。

見た目のバランスと使い勝手の両方を考慮するのが大切です。書類の種類や使用頻度に合わせて最適なサイズを選べば、実用性が高まります。たとえば、頻繁に使用する書類にはコンパクトなサイズを選ぶと、押印作業がスムーズでしょう。

角印のデザイン

角印のデザインは、屋号の文字数やバランスを考慮して決めましょう。多くの場合、末尾に「印」や「之印」を加えればデザインのバランスが取れます。屋号にアルファベットが含まれる場合もデザインに反映できます。

事業のイメージやスタイルに合ったデザインを選ぶと、よりプロフェッショナルな印象を与えられるでしょう。デザインの細部にまでこだわれば他者の印鑑と差別化でき、自分のビジネスの独自性アピールにもつながります。

角印に適した書体

角印に適した書体は、篆書体や吉相体、古印体など。信頼性を高めるためには、ビジネスにふさわしい書体を選ぶのが大切です。事業内容や企業の雰囲気に合わせて選びましょう。

書体は視覚的な印象も左右するため、取引先への印象も考えて決めてください。高級感や伝統を感じさせる書体にすると、相手に好印象を与えられます。

作るタイミング

角印を作るタイミングは、事業開始時や業務が本格化したときが適しています。角印は必須ではありませんが、見積書や領収書に捺印すれば取引先に安心感を与えます。丸印は会社設立時に作成しておくと銀行登録や契約時に便利です。

また、事業の拡大や新しい取引先との契約が増えたタイミングも、角印を作成するのに適しています。

電子印鑑の普及が広がっている

近年は電子印鑑の普及が進んでいます。法の整備により、電子データによる見積書作成や契約書締結が増えたためです。

電子印鑑を導入すると事務作業の効率が上がり、業務がスムーズになるでしょう。特に、角印の電子印鑑を作成しておくと、紙の書類を使用しないデジタル環境でも信頼性を保てます。

ただし、電子印鑑にはメリットとデメリットがあるため注意してください。メリットとしては迅速な処理や印刷代・郵送代などのコスト削減があげられます。デメリットとしては、すべての取引先が電子印鑑を受け入れるわけではない点があげられるでしょう。

まとめ

角印は業務書類に押印することで取引先に信頼性を示し、取引をスムーズにする印鑑です。角印を作る際は、信頼できる業者を選びましょう。

また、必要に応じて電子印鑑の導入も検討してください。電子印鑑を導入すれば、事務作業の効率が上がるだけでなく、世の中の流れや取引先の要望にも応えられます。