個人事業主になれない人とは?向いている人の特徴や必要な手続きも解説

最終更新日:2025年08月21日

近年は多様な働き方が認められるようになり、本業や副業として個人事業主になることを選択する人も多いでしょう。しかし、立場上の理由で個人事業主になれない人もいるため注意が必要です。 本記事では、どのような立場・状況の人が個人事業主になれないのかを解説します。また、個人事業主に向いている・向いていない人の特徴もまとめているので、自分に個人事業主の適性があるかどうかを確認するための参考にしてください。

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個人事業主になれない人

状況や立場によっては個人事業主になれない人もいます。
ここでは、個人事業主になれない人となれない理由を解説します。

公務員の人

公務員の人は、基本的に個人事業主にはなれません。国家公務員や地方公務員は原則として副業や営利活動が禁止されているからです。そのため、公務員が個人事業主になって継続的に報酬を得ると、処分を科せられるおそれがあります。

ただし、自治体によっては許可を得ることで兼業できるケースもあります。たとえば、宮崎市市役所では2023年4月1日より、社会や地域への貢献を目的とするものに限り兼業が可能になりました。
公務員が個人事業主になるには、職場や自治体の規定を事前に確認し、必要に応じて許可を得る必要があります。

出典:
内閣官房「国家公務員の兼業について(概要)」
総務省「地方公務員の兼業について」
宮崎市「職員の兼業について」

副業禁止の会社に勤める人

就業規則で副業を制限・禁止している企業に勤めている会社員は、自己判断で個人事業主になるのは避けましょう。
会社員のまま個人事業主としても活動したい方は、勤め先の就業規則を確認したり人事部に相談したりして副業の可否について把握しておく必要があります。

副業禁止にもかかわらず個人事業主になって副業収入を得ると、懲戒処分になるおそれがあるため注意が必要です。
副業禁止のルールを破るリスクや対処法については、「副業禁止の理由とは?会社にバレる可能性や本業の仕事と両立するコツを解説」の記事を参考にしてください。

法律上の制約がある人

法律上の制約により、個人事業主になれない人もいます。

たとえば、18歳未満の未成年者は個人事業主として契約を締結する際に、親や親族などの法定代理人による同意が必要です。また、自己破産後に復権していない人は一定の職業・資格が制限されるため、事業内容や時期によっては個人事業主になれないケースがあります。

出典:
デジタル庁「e-GOV 法令検索 民法 (職業の許可)
第八百二十三条」

デジタル庁「e-GOV 法令検索 破産法 第二節 復権」

在留資格による制約がある人

在留資格による制約がある場合も、個人事業主になれないケースがあります。

外国籍の方が日本で個人事業主として活動するためには、適切な在留資格が必要になります。現在保有する在留資格に属していない収入を得る事業を行う場合、資格外活動許可が必要です。
個人事業主として活動するケースにおいては、個別許可を得るための申請を行いましょう。

外国籍の方が日本で個人事業主になる場合は、専門家に相談し、自身の在留資格に合った方法で活動できるよう検討することが大切です。

出典:
出入国在留管理庁「資格外活動許可について」

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個人事業主と自営業・フリーランスの違い

個人事業主とは、開業届を提出し、企業や組織に属さずに個人として事業を営む人のことです。

個人事業主とよく似た言葉に、自営業やフリーランスなどがあります。個人事業主は税法上の区分として使われている言葉で、広義では自営業やフリーランスを含むと考えられます。
個人事業主・自営業・フリーランスの違いは、以下のとおりです。

種類 定義
個人事業主 税務署に開業届を提出したうえで、個人で事業を営むこと
自営業 特定の企業に属さず、個人でもしくは法人設立して事業を営むこと
フリーランス 特定の企業に属さない個人が、業務委託などで仕事を請け負う働き方のこと

個人事業主と法人の違いについて詳しく知りたい方は、「個人事業主と法人の違いとは?それぞれのメリット・デメリットも比較」の記事を参考にしてください。

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個人事業主に向いている人の特徴

個人事業主には向き・不向きがあり、成功する人には共通の特徴があります。
ここでは、個人事業主に向いている人の特徴を紹介します。

自分の判断で仕事ができる

個人事業主は、他人からの指示がなくても自ら仕事を進められる人に向いています。

個人事業主になると、業務の進め方や単価交渉、納期調整などのあらゆる場面において自分で考えて判断する能力が不可欠です。他人任せにせず自分の判断で仕事ができる人は、個人事業主としての適性が高いといえます。

チャレンジ精神・向上心がある

チャレンジ精神や向上心がある人は、個人事業主に向いています。

変化のスピードが速い市場で個人事業主として生き残るためには、知識やスキルのアップデートが欠かせません。また、事業を成長させるためには、新しいことにチャレンジする姿勢も大切です。
情熱やアイデアを持ち続け、失敗してもその経験を学びに変えられる人は、個人事業主として事業を成功に導くチャンスを自ら広げられます。

コミュニケーション力が高い

コミュニケーション力が高いことは、個人事業主に向いている人の特徴です。
円滑なコミュニケーションがとれる人は、個人事業主としてクライアントとの信頼関係を築きやすく、安定して案件を獲得することにもつながるでしょう。

近年はメールやチャットなどの非対面でのやり取りも増えています。そのため、対面でのコミュニケーションスキルだけではなく、迅速かつ的確に意思疎通を図れるかどうかも、個人事業主として成功するための重要なポイントです。

責任感が強い

個人事業主に向いている人の特徴として、責任感が強い点が挙げられます。

個人事業主の場合、事業を成功させられるかどうかは自分次第です。うまくいかないことがあってもすべてを自分の責任として受け止め、改善に取り組む姿勢が問われます。
責任感のある行動が信頼につながると、個人事業主として長く事業を続けられるでしょう。

仕事のモチベーションを維持できる

自分で仕事のモチベーションを維持できる人は、個人事業主に向いています。

個人事業主は自分でいつ・どのように仕事を進めるかを決められる分、周囲に迷惑をかけないための自己管理が重要です。
自己管理に努めてモチベーションを維持できる人は、仕事のパフォーマンスも上がり、成果につながりやすいといえるでしょう。

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個人事業主に向いていない人の特徴

個人事業主として事業を開始しても、そもそも向いていないためにうまくいかないケースがあります。以下で、個人事業主に向いていない人の特徴を解説するので、自分に当てはまる点がないか確認してみてください。

自己管理が苦手

自己管理が苦手な人は、個人事業主に向いていない傾向があります。

個人事業主は働く場所や時間を自由に選べるからこそ、仕事の納期やスケジュール管理に努める必要があります。また、個人事業主は税務署や市役所での手続き、確定申告、取引先との契約、作業の段取りなど、仕事に関わる幅広いことを1人でやらなければなりません。
自己管理ができない人は、忙しくなってくると業務や事務作業が滞り、立ち行かなくなる可能性があるため注意が必要です。

自由な働き方には自己責任が伴うことを理解したうえで、個人事業主になるかどうか慎重に判断する必要があります。

モチベーションが乏しい

個人事業主に向いていない人の特徴の一つは、モチベーションが乏しいことです。

個人事業主は自らリスクを想定し、経営判断やサービスのアップデートをしなければなりません。事業の成長のためには、仕事に対する高いモチベーションが必要だといえるでしょう。
また、個人事業主として安定した収入を得られるようになるまでには時間がかかるケースもあります。「思うように売上が伸びない」「すぐに成果が出ない」といった理由でやる気を失ってしまうと、事業の継続は難しくなります。

個人事業主として成果を出すためには、長期的な視点を持って前向きに物事に取り組む姿勢が不可欠です。

計画性がない

計画性がない人は、個人事業主には向いていません。

計画を立てずに動く人は成果がなかなか出ないまま、時間だけが過ぎてしまう可能性があります。また、行き当たりばったりの判断をしていると、トラブル対応や収益性の確保に失敗するリスクが高まるでしょう。
個人事業主として事業を軌道に乗せるためには、綿密な事業計画や段階的な売上目標などを立てる必要があります。

向上心が不足している

向上心が不足している人は、個人事業主に向いていない可能性があります。

近年は個人事業主やフリーランスとして働く人が増え、同業者が多く存在する状況です。そのなかで個人事業主として成功するためには、スキルアップし続ける姿勢が欠かせません。
市場や技術の変化に対応せず、過去のやり方に固執していると、クライアントからの評価が下がって案件を獲得できなくなるため注意しましょう。

個人事業主も含めたフリーランス全般の向き・不向きや自分の適性を判断する方法については、「フリーランスに向いている人の特徴とは?診断方法や成功のポイントも解説」の記事で解説しています。

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個人事業主になるメリットとデメリット

個人事業主になる主なメリットとデメリットは下表のとおりです。

メリット デメリット
・収入額に上限がなく、自分次第で稼げる
・働く場所や時間を選べる
・スキルを活かしやすい
・青色申告をすれば高い節税効果が得られる
・収入が安定しない
・社会的信用度が低い
・福利厚生がない
・自ら手続きすることが増える

個人事業主は働き方の自由度が高く、自分のスキルを活かして収入をアップさせられます。
その一方で、個人事業主になる場合には責任やリスクが伴います。「個人事業主になれないのでは」と自信が持てずにいる方は、自分にとってのメリットがデメリットを上回るかどうかを見極めることが大切です。

個人事業主になるメリットの一つである青色申告の詳細は、「個人事業主に青色申告は必要?メリットや手続き、書類の提出方法を解説」で解説しているのであわせてご覧ください。

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個人事業主が毎月やること

個人事業主になると、事業に関連するさまざまな業務を自ら行う必要があります。

なかでも、経理業務は個人事業主が毎月やるべきことの一つです。個人事業主の経理業務は、具体的に以下の作業が発生します。

  • 請求書や納品書などの書類の発行・送付
  • 経費の支払い
  • 領収書やレシートの整理
  • 帳簿の作成
  • 試算表の作成

個人事業主として従業員を雇用する場合には、給与計算や支払い手続きも必要になるため、経理業務の負担はより大きくなります。

経理業務のほかにも、定期的に業績を確認したり納期やスケジュールを管理したりする作業も事業の成長に欠かせない業務です。個人事業主になる場合は、メインの事業だけではなく、関連する事務作業についても理解を深めておく必要があります。

個人事業主が知っておきたい経理知識について詳しく知りたい方は、「個人事業主が知りたい勘定科目と経費|計上できない費用やペナルティも解説」の記事をご覧ください。

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個人事業主になる方法

個人事業主になるには、開業届をはじめとする手続きを行う必要があります。
個人事業主になる際の主な手続きは下記のとおりです。

  1. 開業届の提出
  2. 事業開始等申告書の提出
  3. 青色申告承認申請書の提出
  4. 資格・許認可の取得
  5. 国民健康保険や国民年金への切り替え

個人事業主になるときは、事業を開始した日から1ヶ月以内に開業届や事業開始等申告書を提出してください。また、青色申告を利用したい場合は事業開始日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出します。
そのほか、資格や許認可が必要な事業内容の場合は、事業開始に間に合うように取得しましょう。

会社を退職して個人事業主になるケースでは、国民健康保険・国民年金への切り替えの手続きも必要です。

「個人事業主になるには?開業届の項目や必要な手続き・届出などを解説」の記事では、個人事業主になる前後の必要手続きについても解説しているので、独立を検討している方はあわせてチェックしてください。

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個人事業主になって後悔しないためにやるべきこと

個人事業主になって後悔しないための行動として、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 事業計画を立てる
  • トラブルシューティングをしておく
  • 税務・経理に関する知識を身につける
  • 営業方法を工夫する
  • 相談先を決めておく
  • 利用できる補助金や助成金を調べておく

個人事業主になって後悔しないためには、準備が肝要です。個人事業主になる際には綿密な事業計画を作成してください。また、事業で起こりうるトラブルを想定し、あらかじめ問題への対処方法を用意しておくことも必要です。
特に、法律や税務・経理に関することを放置していると、大きなトラブルや損失にもつながりかねません。そのため、知識を身に付けるほか、事前に相談できる専門家を探しておくと安心です。

個人事業主は営業して仕事を獲得できなければ、収入がなくなってしまいます。案件サイトを利用したりSNSを活用したりするなど、複数の営業方法を組み合わせて工夫しましょう。

また、個人事業主でも条件次第で利用できる補助金や助成金があります。国や自治体による補助金や助成金について詳しく知りたい方は、「個人事業主向けの補助金や助成金、支援金は?メリット・デメリットも紹介」の記事をご覧ください。

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まとめ

個人事業主になれない人には、公務員や副業禁止の会社に勤めている人などが該当します。立場や状況は一人ひとり異なるため、まず自分が個人事業主になれるかどうか確認してから活動を始めましょう。

個人事業主には、自由と責任のバランスを取りながら、自分自身で事業を動かす力が求められます。「個人事業主になってよかった」と思えるよう、しっかりと準備して自分に合った働き方を見つけることが大切です。
個人事業主として事業を成功に導くためにも、事前に適性を見極めたうえで独立の準備を進めましょう。

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