
最終更新日:2025年12月19日

法人化を検討している個人事業主のなかには、「後悔することになるのではないか」とお悩みの方もいるでしょう。 法人化を後悔しないためには、十分な情報収集とシミュレーションを重ねる必要があります。 本記事では、法人化して後悔する9つのよくある理由を紹介します。また、法人化のメリットや後悔しないための対策法、個人事業主に戻る方法などに関してもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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ここでは、個人事業主が法人化して後悔する理由としてよくあるものを9つ紹介します。
個人事業主が法人化して後悔する理由としては、思ったほど節税につながらなかったことが挙げられます。
個人の所得税は累進課税が適用されており、課税所得金額によって税率は5%から45%です。
一方で、法人は区分や収入などによって一律の税率が適用されます。たとえば、資本金1億円以下の普通法人に適用される税率は23.2%(年800万円以下の部分は15%か19%)です。
一定額以下の所得であるときに法人化してしまうと、かえって税負担が重くなることもあるでしょう。
出典:
国税庁「No.5759 法人税の税率」
国税庁「No.2260 所得税の税率」
お金を自由に使えない点も、個人事業主が法人化して後悔しやすい理由の一つです。
法人化すると、事業で得た利益はあくまでも法人の資産となり、役員や代表を務めていたとしても自由に使えません。
法人の利益から役員が報酬を得るには、「役員報酬」として受け取る必要があります。また、役員報酬を変更できるのは事業年度の開始から3ヶ月以内のみです。
法人化すると個人事業主でいたときよりも資金の使い方の柔軟性は下がるので注意しましょう。
出典:国税庁「No.5211 役員に対する給与」
法人化すると、代表者であっても自分だけで経営方針を決められないケースが出てきます。
たとえば、自分のほかに役員がいる場合や出資を受けている場合には、代表者であっても経営方針を簡単に変更・決定できません。
法人の重要事項は、役員や出資者の意向も踏まえた決定が必要です。自分が始めた事業であるはずなのに方針決定を自由にできなくなれば、後悔につながる可能性があります。
法人化すると、さまざまなタイミングで以下のような手続きが必要になります。
税務を税理士に依頼しても、事業主にかかる事務作業負担は個人事業よりも多いでしょう。事務作業が増えたことでコア業務にかける時間が減るおそれもあります。
法人化すると社会的信用が高まる一方で、精神的なストレスを感じやすくなります。事業拡大に伴って取引額が大きくなったり従業員を雇ったりすれば、大きな責任を感じる場面も増えます。特に、事業がうまくいかない状況が続けば、精神的な不安は大きくなりやすいといえます。
個人事業主のときと比較して大きな責任を負う可能性があることを法人化前に覚悟していなかった場合、後悔することになるでしょう。
事業が赤字だった場合も納税義務が発生することは、法人化を後悔する理由の一つです。
個人事業主の場合、赤字であれば所得税や住民税は課税されません。
一方で法人の場合、赤字決算になったとしても法人住民税の均等割の部分は納税しなくてはいけません。法人住民税の均等割は収益と直接関係がなく、従業員数や資本金に対して課税されるためです。
赤字でも法人住民税の支払義務がある点は、法人化における注意点の一つです。
個人事業主が赤字になった場合の対応法については、「個人事業主が赤字になったら?確定申告のメリット・デメリットや手順を解説」の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
法人化にあたっては一定の費用が必要です。具体的には、以下のような費用が発生します。
| 費用 | 金額 |
|---|---|
| 定款認証手数料 | 約5万円 |
| 登録免許税 | 株式会社の場合で15万円から |
| 収入印紙代(紙の定款の場合) | 約4万円 |
上記以外にも、代表者印の作成や登記申請用の謄本取り付けなどにもお金が必要です。必要な費用を予算に入れずに法人化を進めてしまうと、後悔につながる可能性があります。
出典:
日本公証人連合会「Q3.定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。」
国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
法人設立後には、個人事業主にはかからない以下のような固定費が発生します。
法人は、従業員の社会保険料の半分を負担しなくてはいけません。個人事業主であれば社会保険料の支払いは自分の分のみで済むため、法人化によって費用負担が一時的に増えたと感じることがあるでしょう。
法人の廃業には、登記手続きや財産の分配、株主総会での決議(株式会社の場合)など、やるべきことが多数あります。時間と手間がかかるだけでなく、登記手続きや官報公告の掲載などには費用負担も必要です。
しっかりと計画せずに法人化すると、個人事業主に戻る際に思わぬ費用や手続きが発生して後悔するでしょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る法人化とは、個人事業主が法人を設立し、個人事業主として行っていた事業を引き継ぐ行為です。「法人成り」とも呼ばれており、社会的信用の向上をはじめとしたメリットがあります。
法人化には、法務局での登記申請や各種書類・会社印の用意が必要です。また、法人化にあたって事業の引き継ぎや資産移管・契約変更なども行います。
また、法人化すると所得には法人税法が適用されるようになり、法人税を納めることになります。
法人化と会社設立の大きな違いは、「既存の事業を引き継ぐかどうか」です。
法人化とは、個人事業主が登記申請をして法人を設立し、それまでに行っていた事業を法人へ引き継ぐ行為を指します。一方で、会社設立とは登記申請をして新法人を設立することです。
既存の事業を引き継いで法人を設立する際に、「法人化」と呼ぶのが一般的です。
個人事業主と法人の違いについては、「個人事業主と法人の違いとは?それぞれのメリット・デメリットも比較」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
法人化の基本的な流れは、以下のとおりです。
登記が完了した時点で法人は設立されますが、あわせて税務署や役所などで以下のような手続きをする必要があります。
| 手続き先 | 必要な手続き |
|---|---|
| 税務署 | 法人設立届出書の提出 給与支払事務所等開設届出の提出など |
| 市町村役場 | 法人設立届出書の提出 |
| 都道府県税事務所 | 法人設立届出書の提出 |
| 労働基準監督署 | 労働保険関係の手続き 適用事業報告書の提出(従業員を雇う場合) |
| 年金事務所 | 社会保険関係の手続き |
| ハローワーク | 雇用保険関係の手続き |
| 金融機関 | 法人口座の開設 |
個人事業主からの法人化をスムーズに進めるに、必要な手続きをひととおり把握しておきましょう。
出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「株式会社の設立手続き」
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るここでは、個人事業主が法人化するメリットを紹介します。
個人事業主が法人化すれば、節税につながるケースがあります。
個人の所得税の制度は累進課税で、税率と控除額は下記の表のとおりです。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
| 1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
法人化した場合、法人の区分や収入などの条件によって多少変動はありますが、最大でも23.2%で一律的に低く抑えられます。
個人事業主の場合は所得が900万円を超えると税率が33%になるのに対し、法人は23.2%のままなので、所得900万円を超えたあたりから法人化したほうが節税につながる可能性が高くなるでしょう。
個人事業主ができる節税対策について知りたい方は、「個人事業主の節税対策とは? おすすめの方法や活用できる制度を紹介」の記事を参考にしてください。
出典:
国税庁「No.5759 法人税の税率」
国税庁「No.2260 所得税の税率」
法人化のメリットとして、赤字の繰越期間が長くなる点が挙げられます。
個人事業主が青色申告をした場合、損失を最長3年間繰越すことが可能です。
一方で法人化すると、赤字の繰越期間が最長10年間と大幅に長くなります。繰越期間が長くなれば、中長期的な事業計画を立てやすくなるでしょう。
出典:
国税庁「No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」
国税庁「No.2070 青色申告制度」
社会的信用を得やすくなることも、法人化の重要なメリットの一つです。
たとえば、多くの事業者は取引先を選ぶ際に個人事業主よりも法人を優先する傾向があります。
また、法人化すると金融機関からの融資を受けやすくなり、事業拡大に向けた資金調達の選択肢が広がります。法人は法務局に設立登記されて事業の実態が公的に明示されるため、金融機関や取引先からの信頼が増すことが背景です。
「事業を拡大したいが、有効な資金調達手段がない」と感じている場合は、法人化を検討する大きな意義があるでしょう。
法人のうち、株式会社や合同会社は有限責任です。つまり、事業で負債が発生しても出資額以上の責任を負う必要がありません。個人事業主の場合、事業で発生した負債は無限に自分で負う必要があります。
事業がうまくいかなくても個人の財産が危険にさらされるリスクがない点は、法人化の大きなメリットだといえるでしょう。
個人事業主が法人化するメリットの一つに、社会保険の制度があります。
法人は厚生年金に加入するため、国民年金のみの個人事業主に比べて将来受け取る年金の水準が高くなる傾向があります。
また、法人が健康保険に加入すると、保険料は会社と従業員で折半して負担するため、個人事業主が国民健康保険料を全額自己負担する場合と比べて負担の分散が可能です。
さらに、健康保険には扶養制度や傷病手当金、出産手当金などの給付もあり、福利厚生が充実します。これらの社会保険の充実は、従業員の人材確保や安心感の向上に寄与し、事業運営に有利にはたらくことが期待できるでしょう。
事業年度が法律によって定められている個人事業主と異なり、法人は事業年度の決算月を自由に設定できる点がメリットです。
個人事業主の場合、確定申告の時期が繁忙期と重なるケースもあるでしょう。
しかし、法人化すれば決算月と繁忙期が重ならないように設定することが可能です。事業の展開を想定して、適切に決算期を設定するとよいでしょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るここでは、法人化して後悔しないための対策法を紹介します。
法人化して後悔しないために、準備を念入りに行いましょう。
経営方針や資金繰り、事業計画などについてしっかりと定めておけば、想定外の事態を回避したり対処ができたりします。法人化すると必要な費用や手続きなどが増えるので、事前のシミュレーションが重要です。
また、競合他社についての調査・研究もあわせて実施しておくと、法人化後の事業展開をスムーズにできるでしょう。
法人化して後悔しないためには、必要な知識を身に付けておくことが重要です。
法人化後は、個人事業主とは異なる法律が適用されます。個人事業主は所得税法に基づき所得税を納めますが、法人は法人税法に従います。このため経営や税務、法令順守などに関する知識は必須です。知識不足で法人化を進めると、経営不振や法令違反のリスクが高まるため、経営全般の知識や税務・手続きの理解を深めておくことが重要です。
法人化のタイミングを見極めて、後悔を回避しましょう。
法人化を検討する主なタイミングの例は、以下のとおりです。
年収の目安や今後の事業拡大を考慮し、法人化したほうがメリットが多いと判断できるタイミングを見極めることが大切です。
後悔しないために、法人化にあたっては専門家への相談を積極的に活用しましょう。
法人化の手続きや税務、資金調達には専門的な知識が求められます。迷っていることや不明点があれば税理士や司法書士、行政書士などの専門家に相談し、正確な情報を得たうえで進めることがおすすめです。特に法令違反のリスクを避けるためにも、専門家の助言は重要です。
法人化に関連する費用を事前に把握しておきましょう。
法人化の手続きやその後の維持には費用がかかります。設立登記費用、専門家への依頼費用、税務申告のためのコストなどが発生するため、資金計画が不十分だと経営に支障をきたすおそれがあります。
後悔することを防ぐために必要な費用を洗い出し、無理のない予算を組んでおくことが大切です。
創業者向けの助成金やIT導入補助金など、自社が受けられる助成金・補助金がないかチェックしてみましょう。資金繰りに困らない備えがあれば、法人化して後悔に陥るリスクを減らせます。
法人化にあたって、要件を満たせば助成金や補助金を受けられる可能性があります。
たとえば、東京都では以下のような制度・事業を運営しています。
各自治体が独自の助成金やその他の制度を運営しているため、法人化するときは調べてみましょう。
個人事業主向けの補助金や助成金については、「個人事業主向けの補助金や助成金、支援金は?メリット・デメリットも紹介」の記事で紹介しています。
出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「創業者向け補助金・給付金(都道府県別)」
後悔しないために、法人化の際には融資制度の利用も検討しましょう。
資金繰りの悪化は、法人化を後悔する大きな要因の一つです。事業に必要な資金が不足してしまうと、大きなプレッシャーになります。
創業融資を行っているのは、日本政策金融公庫や自治体、各種金融機関などです。融資制度を活用して、余裕を持った資金計画を立てましょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る法人化にはメリットもデメリットもあり、状況によっては法人化しないほうがよいことがあります。
ここでは、個人事業主があえて法人化する必要がないケースを紹介します。
現状よりも事業を拡大するつもりがない場合、法人化のメリットが少ないでしょう。事業拡大をしないのであれば、資金調達の必要性が低いためです。
無理に法人化を進めてしまえば、本業以外の事務手続きや費用負担などが増えて事業にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
現在個人事業主として得られている社会的信用に支障を感じていない場合、法人化の必要性が低いと考えられます。取引相手や事業内容によっては、法人としての社会的信用があまり重要ではないケースもあるでしょう。
手続きに時間を使いたくないケースにおいては、法人化は再検討したほうがよい可能性があります。
法人化やその後の維持にあたっては、個人事業主のときと比較して事務作業が増えます。法人化のメリットと手続きにかかる負担を比較して、今後の方針について判断しましょう。検討したうえで面倒な気持ちが大きいようであれば、まだ法人化のタイミングではない可能性が高いといえます。
自分だけで自由に事業を運営したい場合、法人化は適さない可能性があります。
法人化すると、決断に株主や取締役会の承認が必要になることがあります。また、従業員を雇えば、責任の大きさからプレッシャーが増える可能性もあります。
自分の好きなように事業を展開したいと考える場合、法人化しないことも選択肢の一つだといえます。
個人事業主のほうが向いている人もいます。「個人事業主になれない人とは?向いている人の特徴や必要な手続きも解説」の記事では個人事業主の適性についても解説しているので、参考にしてください。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る法人化して後悔した場合、法人をやめて個人事業主としての事業を再開することも選択肢の一つです。法人から個人事業主に戻ることは「個人成り」と呼ばれることがあります。
ここでは法人化を後悔したあとに個人事業主に戻る基本的な手順を紹介するので、参考にしてください。
まずは運営していた法人を停止します。
法人を停止する手続きは、「会社の解散と清算」か「会社の休眠(休業)」のいずれかです。
株式会社を解散する場合、株主総会で解散の決議を採り、残っている財産を分配する必要があります。基本的な流れは、以下のとおりです。
今後も法人活動を再開する可能性がある場合は、解散ではなく休眠(休業)を選択します。休眠とは、法人を存続させたまま事業活動を一時停止させる手続きです。休眠したい場合、行政機関に対して各種書類を提出します。
法人を停止させたら、個人事業を開業します。
最初に個人事業主になった場合と同様に、開業届を税務署に提出しましょう。届出の際には、青色申告承認申請書や青色事業専従者給与に関する届出書なども必要に応じて提出してください。
個人事業主の開業届の記載内容や提出方法については、「個人事業主が出す開業届とは?書き方や提出するメリットなども解説」の記事で詳しく紹介しています。個人成りを検討している方は、こちらの記事もあわせて参考にしてください。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る法人化して後悔する場合、思ったよりも節税につながらなかった、資金や事業方針に関する自由がなくなった、などの原因が考えられます。法人化には一定の費用が必要であり、設立後も維持費が必要です。事務手続きも増えてしまうので、状況によっては後悔することもあるでしょう。
法人化を後悔しないためには、入念な計画や情報収集、専門家への相談など十分な準備が大切です。メリットを最大化させるためには、法人化のタイミングを見極めることも重要です。また、事業の状況や今後の方針によっては、あえて法人化しない選択肢もあるでしょう。
法人化して後悔したら、個人成りも選択肢の一つです。法人化に関する理解を深めて、大切な事業の今後を検討するようにしてください。
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