
最終更新日:2025年09月29日

個人事業主のなかには、履歴書をどのように書くべきか迷っている人もいるでしょう。個人事業主は業務委託案件の獲得や就職・転職活動を成功させるために、魅力が伝わる履歴書を作成する必要があります。 本記事では、働き方のパターン別に個人事業主の履歴書の書き方や例文を紹介します。また、個人事業主がアピールできるスキル・経験や作成時の注意点も解説するので、あわせて参考にしてください。
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個人事業主であっても、履歴書の基本的な記入項目は一般的なものと変わりません。
個人事業主の履歴書には、以下の項目を記入します。
| 項目 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 写真 | 横2.4〜3.0cm、縦3.6〜4.0cm程度の証明写真を貼る |
| 基本情報 | 氏名、生年月日、性別、現住所、連絡先などの基本情報を書く |
| 学歴 | 学歴は時系列で書く。高校卒業や最終学歴の1つ前の学校から書くのが一般的 |
| 職歴 | 職歴は古いものから開始と終了の年月をそれぞれ書く |
| 免許・資格 | 保有している資格の中から業務に役立ちそうなものを順番に書く |
| 趣味・特技 | 人柄をアピールできるような趣味や特技を書く |
| 志望動機 | なぜその企業(案件)を選んだのかを具体的に書く |
| 自己PR欄 | 自分の強みやアピールポイントを書く |
| 本人希望欄 | 給与や職種、勤務時間、勤務地などについて特に譲れない条件があれば書く |
個人事業主やフリーランスの場合、履歴書とあわせて職務経歴書を提出する場面もあるでしょう。職務経歴書の書き方については、「職務経歴書はフリーランスに必要?書き方やアピールしたいスキル・実績」の記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る個人事業主が履歴書を書く際に迷いやすい項目の一つが職歴です。「開業届を提出しているかどうか」「法人化しているかどうか」などの状況によって、適切な表記方法が異なります。
ここでは、パターン別に個人事業主の履歴書の職歴の書き方を解説します。
個人事業主として開業届を提出している場合、履歴書の職歴には「屋号」と「開業」を組み合わせて記入します。また、廃業している場合は「屋号」と「廃業」を使って表記するのが基本的な書き方です。
書き方の例:
2007年2月 個人事業主として△△開業(イラスト制作を受注、主な取引先△社)
2021年8月 △△ 廃業
個人事業主としての活動内容や取引先の数などを簡潔に添えると、情報量が増えて印象に残りやすくなります。
なお、個人事業主と関係が深い開業届の詳細については、「個人事業主が出す開業届とは?書き方や提出するメリットなども解説」の記事をチェックしてください。
開業届を提出していない場合は、厳密には個人事業主ではなくフリーランスとして活動していたことになります。
開業届が未提出のケースでは、履歴書に「活動開始」という言葉を使って事業を始めた時期を記入しましょう。フリーランスとしての活動を辞めた時期については、「活動停止」と書いてください。
書き方の例:
2006年4月 フリーランスエンジニアとしてゲームアプリを開発する活動を開始
2016年3月 一身上の都合により活動を停止
個人事業主が開業届を提出しない場合の扱いについては、「フリーランスは開業届を出さない場合も罰則はない? 提出のメリットも解説」の記事をご覧ください。
自営業の家業を手伝っている場合は、履歴書に「家業の△△に従事」「退職」と記入します。
書き方の例:
2020年5月 家業である△△業に従事
2023年2月 一身上の都合により退職
なお、家業が法人化されている場合は、通常の会社員と同じように「入社」「退社」と記して問題ありません。
フリーランスと自営業の違いについて知りたい方は、「フリーランスと自営業の違いとは?それぞれのメリットも解説」の記事を参考にしてください。
個人事業主としてクラウドソーシング経由で仕事を受注している場合は、履歴書に「登録」「退会」と記入するのが一般的です。
書き方の例:
2022年1月 個人事業主としてクラウドソーシング△△に登録(Webデザインの仕事を約△件受注、主な取引先△社)
2024年3月 クラウドソーシング△△を退会
クラウドソーシングのサイト名や案件名、案件数など、できるだけ詳細を分けて職歴に記入すると分かりやすくなります。履歴書のスペースが足りずにすべての案件を記入するのが難しい場合は、「詳細は職務経歴書に記入」と書くのも方法の一つです。
クラウドソーシングの詳細を知りたい方は、「クラウドソーシングの仕事内容とは?必要なスキルや受注のコツも紹介」をご覧ください。
事業を法人化して会社を経営する立場にある場合は、履歴書に起業した時期に「社名」と「設立」と表記します。廃業については「社名」と「解散」を組み合わせて記入します。
書き方の例:
2015年6月 株式会社△△ 設立(デザイン事務所を運営、従業員26名)
2025年5月 株式会社△△ 解散
会社の業務内容や規模が分かるような説明のほか、主な取引先をあげると伝わりやすくなるでしょう。
なお、法人化するメリットとデメリットについて知りたい方は、「個人事業主が法人化するメリットとは?デメリットや手続きの流れも解説」の記事をご覧ください。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るここでは、職歴以外で書き方に迷いやすい個人事業主の履歴書の項目について、例文を紹介します。個人事業主の履歴書の「志望動機」「自己PR」「本人希望欄」の例文を載せるので参考にしてください。
個人事業主の履歴書に書く志望動機は、応募企業への熱意や自分の経験をどう活かせるかを示す重要な項目です。
ありきたりな志望動機だと、「ほかの企業(案件)でもよいのではないか?」と捉えられる可能性があるため注意が必要です。「個人事業主ならではの経験を、新たな環境や組織で活かす姿勢」を伝えると好印象を与えられます。
例文1:
「個人事業主としてWeb制作を手掛けてきましたが、チームでの大規模案件に携わることでさらなる成長を目指したく応募いたしました。これまで培った企画力と提案力を活かし、貴社のプロジェクトに貢献したいと考えています。」
例文2:
「フリーランスエンジニアとしての活動を通じ、多様な職種の方々と関わりながら信頼関係を築いてきました。コミュニケーション能力を活かしつつ組織力をもって成果を出せる環境で挑戦したいと思い、貴社のプロジェクトに応募いたしました。」
個人事業主が履歴書を作成するときは、応募する企業や案件の特徴を押さえて志望動機を作成すると、効果的なアピールができるでしょう。
個人事業主が履歴書の自己PRを書く場合、自分の強みを裏付けるエピソードを添えると説得力が増します。
例文1:
「個人事業主として活動するなかで、自ら営業して案件を獲得し、納期まで責任を持って遂行してきました。こうした経験を通して培った自己管理能力と責任感を活かし、貴社の業務においても主体的に行動して成果につなげます。」
例文2:
「フリーランスエンジニアとして複数の開発を同時進行で進めてきました。限られた時間を有効に使うスケジュール管理力、異なる業種の方と信頼を築けるコミュニケーション能力が私の強みです。貴社のプロジェクトにおいても周囲と協力しながら業務を進められると考えております。」
個人事業主を経験した方は、「対応できる業務の幅広さ」「営業力」「コミュニケーション能力」などを強みとして伝えると効果的です。
個人事業主の履歴書の本人希望欄は、待遇や職種、勤務地などに関する譲れない希望について記載する欄です。
例文1:
「現在の業務委託契約期間が△年△月末までなので、△年△月1日以降の入社を希望しております」
例文2:
「職種はディレクターを希望しております」
なお特に伝えたいことがない場合は、「貴社の規定に従います」と簡潔に書きましょう。
履歴書の内容は、面接のなかで質問をされます。個人事業主やフリーランス向けの面接対策については、「フリーランスの業務委託の面接対策を解説!落ちる原因や聞かれる質問も紹介」の記事を参考にしてください。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る個人事業主が履歴書を必要とする場面は、主に以下のケースです。
このような場面で充実した内容の履歴書を用意することにより、成功に近づけるでしょう。
個人事業主の場合は、経歴をより詳しく伝えるために履歴書とあわせて職務経歴書を用意するのが一般的です。
履歴書と職務経歴書の違いや書き方の注意点については、「職務経歴書と履歴書の違いとは|自己PRや志望動機の記入が同じではNG?」の記事を参考にしてください。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るここでは、個人事業主が履歴書でアピールするべき経験や強みを紹介します。
個人事業主が履歴書を書く場合は、経営の経験をアピールできます。個人事業主は事業を運営する経営者という立場を経験しているため、事業継続や売上アップのための視点やスキルを持っている強みがあります。
経営者としての経験を持つ個人事業主は、企業やクライアントにとって心強い存在になるため、アピールできれば選考を有利に進められるでしょう。
個人事業主に向いている人の特徴については、「個人事業主になれない人とは?向いている人の特徴や必要な手続きも解説」の記事をご覧ください。
個人事業主の履歴書では、対応できる業務の幅広さをアピールするのがおすすめです。対応できる業務の幅が広い人材であることを示せると、企業やクライアントは活躍する姿をイメージしやすくなります。
個人事業主は案件受注のための営業から取引先との契約、納品まで、一連の流れを自分1人で対応します。重要性の高いさまざまな業務をこなせることは、大きなアピールポイントの一つになるでしょう。
自分で判断して実行する力も、個人事業主が履歴書でアピールできる強みの一つです。
個人事業主として活動してきた人の多くは、あらゆる局面において自身で実際に判断を下し、行動してきた経験があると考えられます。
指示を待つのではなく、自らの判断力と実行力を持って問題を解決できる個人事業主は、企業やクライアントの目に魅力的な人材に映るでしょう。
個人事業主が履歴書を書く際は、コミュニケーション力をアピールするのがおすすめです。個人事業主は業種や職種を問わず仕事上でさまざまな関係者と関わる機会が多く、高いコミュニケーションスキルが培われます。
個人事業主の履歴書では「顧客と信頼関係を構築した経験」や「取引先と円滑に業務を進めて成果につなげたエピソード」などを具体的に記入すると効果的です。コミュニケーション力は幅広い業界や業種で重視されるスキルのため、積極的にアピールしましょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る個人事業主が就職・転職を希望する場合、企業はその背景も知りたいと考えています。
ここでは、個人事業主の履歴書を通じて企業が知りたいことをまとめています。書き方のポイントもあわせて紹介しているので参考にしてください。
企業への就職・転職を目指す個人事業主に対して、企業は個人事業主という働き方を選択した理由を知りたがっています。
会社で働きたくないから個人事業主になったと誤解されない書き方をすることが大切です。たとえば、履歴書に「1人で仕事するほうが楽だから」「組織で働くのは窮屈だから」と書くのはおすすめできません。
履歴書を作成するときにはあらためて個人事業主になった動機を振り返り、ポジティブな理由を書きましょう。また、個人事業主になって得られた経験や達成した目標も書いておくと、より良い印象を与えられる可能性があります。
個人事業主として活動していた人が就職活動・転職活動をする場合、企業は廃業理由を気にする傾向にあります。
もしもネガティブな出来事が原因で廃業した場合であっても、履歴書に理由をつまびらかに書くのは避けるのが無難です。ネガティブな理由は簡潔に書いたうえで、前向きな転職理由につなげて書きましょう。
組織での仕事や人間関係になじめるかどうかも、個人事業主の履歴書を通じて企業が知りたいことの一つです。
履歴書の職歴に会社での勤務経験がなく、個人事業主としての活動しか書かれていない場合、組織での立ち回りに不安を感じる採用担当者もいます。
企業側の不安を払拭してアピールにつなげるためには、履歴書で組織でも円滑に働ける印象を与えることが重要です。クライアントと良好な関係を構築したエピソードやコミュニケーション力の高さをアピールしましょう。
個人事業主から正社員への転職を考えている方は、「フリーランスから正社員への転職は難しい?採用されるコツやアピール方法」の記事もあわせてチェックしてください。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るここでは、個人事業主が履歴書を作成する際に押さえておくべきポイントを解説します。
個人事業主が履歴書を書くときは、「新しい分野でスキルを活かしたい」「より多くの顧客にサービスを提供したい」など、ポジティブな動機を伝えることが大切です。
企業は、応募者の意欲や入社後の活躍イメージを評価します。履歴書で前向きな志望動機を伝えることで、好印象を与えられるでしょう。
個人事業主が履歴書で成果や実績をアピールする際は、具体的な数字を用いると効果的です。数字を用いることで成果が客観的に伝わり、採用担当者が経験やスキルを評価しやすくなります。
たとえば、「売上を前年から20%増加させた」「年間100件以上の案件を受注した」「顧客満足度90%以上を達成した」など、定量的なデータを示すと説得力が高まります。
業務に関連が深い資格を持っていれば、知識・能力を客観的に証明することが可能です。
業務に活用できる資格を保有している個人事業主は、履歴書に記載しましょう。また、知識・能力を具体的にどう活かせるのかを履歴書に書けば、大きなアピールにつながります。
履歴書に記入できる免許や資格を持っていない個人事業主も、強みを伝えることは可能です。
たとえば、「取引先と長期にわたって信頼関係を築いた経験」や「新規顧客を開拓して売上増加につなげた実績」などは、資格に代わる大きなアピール材料になるでしょう。
また、PhotoshopやIllustratorなど、使用経験のあるツールやシステムを記載するのもおすすめです。具体的にどのような能力を活かし、どのような成果につなげたかを具体的に示すと効果的です。
個人事業主が履歴書を書く際は、守秘義務を守りましょう。
個人事業主が履歴書に取引先やプロジェクトの情報を書こうとするときは、契約内容を必ず確認してください。契約書において情報の公開範囲に制限が設けられていたり禁止されていたりすることがあります。そういったケースでは、具体的な会社名やプロジェクト情報は伏せ、「大手メーカーの広告制作」や「IT業界のBtoBシステム開発」など、業界や規模が伝わる程度の表現に留めてください。
個人事業主の履歴書では、職歴に空白の期間がないようにすることもポイントです。履歴書の職歴に長い空白期間があると、採用担当者に不安を与える可能性があります。
個人事業主として取引先や案件が少ない期間であっても、スキルアップのために資格を取得したりスクールで学びを深めたりしていた場合は、その旨を記載しましょう。具体的な活動内容を示すことによって、継続的にキャリアを積んでいる点をアピールできます。
仕事が途切れない個人事業主になるためにとるべき行動については、「個人事業主の仕事がないときはどうする?不安な時期を乗り切る方法を解説」の記事を参考にしてください。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る履歴書の書き方は社会人としての常識が問われる部分です。
ここでは、個人事業主の履歴書の書き方の基本ルールを解説します。
履歴書にはいくつかの様式があります。企業指定の履歴書がある場合は、様式・形式を合わせましょう。
指定がない場合は、一般的な様式に合わせて作ることがおすすめです。厚生労働省が履歴書の様式例を掲載しているので参考にしてください。
また、市販の履歴書を購入したり、インターネット上で公開されているテンプレートをダウンロードして印刷したりする方法もあります。
出典:厚生労働省 埼玉労働局「厚生労働省履歴書様式について」
個人事業主がパソコンで履歴書を作成する際、文字サイズは10.5~11ptを目安に設定してください。強調したい場合は13~16ptの大きめのサイズに指定します。
また、フォントは履歴書の全体で明朝体などに統一し、文字の色は黒で揃えましょう。
手書きで履歴書を記入する場合は、黒のボールペンを使用するのが基本です。
履歴書で書き損じがあったときは、基本的には新しい履歴書を使って書き直します。
しかしやむを得ない理由によって履歴書を書き直せない場合は、修正液やテープを使用せず、二重線で訂正して上から訂正印を押しましょう。
二重線は定規を使用してまっすぐに引きます。訂正印は二重線にかかるように押して、間違えた箇所の上下どちらかの余白に正しい内容を書いてください。
履歴書の職歴を締めくくる表記である「現在に至る」と「以上」を正しく使い分けましょう。
| 文言 | 意味 | 使用するケース | 表記方法 |
|---|---|---|---|
| 現在に至る | 現在もその職場に在籍中であることを示す | 在職中の場合のみ使用する | 左揃え |
| 以上 | 職歴の終わりを示す | 在職中・離職中のどちらの場合も使用する | 右揃え |
履歴書を書くタイミングで職歴に記した事業を継続しているのであれば「現在に至る」と「以上」の両方を、すでに仕事から離れているのであれば「以上」のみを記入します。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る個人事業主であっても、就職・転職したり新たに業務委託契約を結んだりする場面などで履歴書が必要になります。
個人事業主の履歴書は、働き方によって職歴の書き方が異なります。「開業届を提出しているかどうか」「家業を手伝っているか」など、自分の状況に合わせた表記方法を押さえておきましょう。
また、個人事業主が企業にアピールできる経験や強みは多くあります。効果的なアピールにつなげるためにも、履歴書の志望動機や自己PRでは個人事業主だからこそ得られたスキルを積極的に伝えましょう。
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