個人事業主の勘定科目一覧!経費に計上できる費用や仕訳方法も解説

最終更新日:2025年09月29日

個人事業主として活動していると、支出を経費にできるかどうか迷う場面も多いでしょう。個人事業主にとって、支出を経費として勘定科目ごとに管理することは節税につながる重要な業務の一つです。 本記事では、個人事業主向けに経費計上できるもの・できないものを勘定科目別に解説します。また、個人事業主が家事按分できる費用の種類や計算方法も解説。そのほか、確定申告書の勘定科目の書き方も紹介するので参考にしてください。

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勘定科目とは

勘定科目とは、個人事業および企業の取引内容を分かりやすく分類・整理するための項目のことです。事業に必要な取引にはさまざまな種類があるため、勘定科目を用いて分類し、お金の流れを整理します。
数ある勘定科目を大きく分けると、下記の5つに分けられます。

  • 資産
  • 負債
  • 純資産
  • 収益
  • 費用

勘定科目は、個人事業主の事業活動の実情に応じた項目を選択して設定します。勘定科目は一度決めたら同じ勘定科目を使い続けるのが原則です。個人事業主が勘定科目を設定する際は、分かりやすい分類を心がけましょう。

個人事業主が勘定科目を分かりやすく設定することは、円滑な確定申告にもつながります。
確定申告の詳細については、

の記事で解説しているのであわせてご覧ください。

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個人事業主の経費とは

個人事業主の経費とは、事業をするために必要になる費用のことです。個人事業主の出費が経費と認められるのは、事業との関連性を正当かつ客観的に証明できる場合に限ります。
個人事業主の所得税は、収入から事業に必要な経費を差し引いた額(=所得)に税率をかけて計算します。経費を正しく把握して勘定科目を用いて分類することは、正確な納税につながるでしょう。

個人事業主の所得については、「個人事業主に『給与』は存在しない?自分の給与と生活費の取り扱い方を解説」の記事を参考にしてください。

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個人事業主が経費計上できる費用の勘定科目一覧

ここからは、個人事業主が経費にできる勘定科目を紹介します。

租税公課

租税公課は、国や地方公共団体に納める税金、それ以外の公的な手数料・会費などを処理する勘定科目です。勘定科目としての租税公課には、次のようなものが含まれます。

  • 事業税
  • 固定資産税
  • 印紙代

経費に計上する租税公課は、個人事業主の事業で必要なものが対象です。そのため、税金のなかでも所得税や相続税、交通違反金などは経費になりません。

荷造運賃

荷造運賃は、荷造費と運賃を処理するための勘定科目です。勘定科目としての荷造運賃には、次のようなものが該当します。

  • 宅配便や郵便による送料
  • 発送時の梱包費用
  • ダンボールや緩衝材の購入費
  • 発送代行費用

荷造費と運賃を1つの勘定科目で処理できるため、発送関連コストの管理がしやすくなります。

水道光熱費

個人事業主が経費計上できる勘定科目の一つが水道光熱費です。水道光熱費には、次のようなライフラインの利用料金が含まれます。

  • 水道料
  • 電気代
  • ガス代

水道光熱費を経費計上する際、各料金は分けてもまとめてもどちらでも問題ありません。どの利用料金が高いのか判断・記録したい場合は、「電気料金」「水道料金」「ガス料金」として分けて管理しましょう。
なお、自宅と事務所を兼用している場合は、個人事業主が事業をするうえで利用した料金のみを経費として計上します。

旅費交通費

個人事業主は、次のような支出を旅費交通費として経費計上できます。

  • 電車賃
  • バス代
  • タクシー代
  • 出張時の宿泊費

交通系ICカードなどを使用した電子マネーによる支払いも、事業用の支出であれば旅費交通費として経費計上が可能です。
旅費交通費はプライベートの移動と混合しやすいため、経費計上分については「事業用であること」を証明できるように記録しておくのがポイントです。使用履歴を控えるだけではなく、日付と連動させておくと、事業のための移動であることが分かりやすくなるでしょう。

なお、従業員を雇用している場合、社員旅行の宿泊費は旅費交通費ではなく福利厚生費に該当するため注意してください。

通信費

個人事業主が経費計上できる通信費には、次のようなものが含まれます。

  • 電話代
  • プロバイダ料
  • 携帯電話の料金
  • 切手代
  • 郵便代
  • 書留代
  • インターネット使用料

電話やインターネットを自宅と事業用で兼用している場合は、通話料金や利用時間などを基準に按分する必要があります。また、通信費は荷造運賃と混同しやすいため確認して科目の仕訳方法を明確化しておくのがポイントです。

広告宣伝費

広告宣伝費は、不特定多数の顧客に商品やサービスを届けるために支払う経費を意味します。メディアへの掲載費やプロモーションにかかった費用など、商品やサービス、企業のイメージ向上のための費用も該当します。

個人事業主の広告宣伝に関連する勘定科目として販売促進費もありますが、販売促進費は顧客と直接会って販促する際に使われるケースが一般的です。どの費用をどちらの勘定科目に含めるのかを明確に区別しましょう。

接待交際費

接待交際費とは、接待のための飲食代や手土産代です。個人事業主が接待交際によって売上に貢献した場合は、経費として計上できます。また、顧客との飲食を伴う会合のような、ビジネスに直結する催しも接待交際費に含まれます。

接待交際費は公私混同しやすい勘定科目の1つであり、税務調査の際にもチェック対象になりやすいため、経費計上する際は注意が必要です。なお、個人事業主が経費計上できる勘定科目には、会議費や取材費などもあるため、接待交際費と混同しないようにしてください。

保険料

個人事業主が経費計上できる保険料の勘定項目には、次のような費用が含まれます。

  • 地震保険料
  • 火災保険料
  • 自動車保険料

上記の支出であっても、事業主の自宅にかかる保険料は経費にできません。ただし、自宅兼事務所として使用している建物の場合は、按分して経費計上が可能です。

個人事業主の損害保険については、「個人事業主の損害保険の月額は?生じるリスクや加入するべき制度を紹介」の記事をチェックしてください。

修繕費

修繕費には、個人事業主が事業をするために必要な資産や器具、機械装置、建物の維持にかかる管理費や修理費などが該当します。たとえば壊れたドアの修理やパソコンの部品交換など、原状回復のための費用が修繕費にあたります。

機能向上のための修繕については資本的支出に含まれます。固定資産として資産計上し、法定耐用年数にわたって減価償却費として経費化していくことが必要です。

消耗品費

個人事業主であれば、事業のために購入した物品のうち、取得価額が10万円未満のものを消耗品費として経費計上できます。消耗品費の代表的なものは、文房具やコピー用紙、封筒代などです。

減価償却費

個人事業主が事業のために購入した物品のうち、固定資産は減価償却して各年分を経費計上します。

減価償却とは、固定資産の金額を分割して少額ずつ経費計上していくことです。取得した資産のうち一定額を超えるものは、取得した年に費用の全額を経費計上できないことになっています。この場合、法令によって定められた耐用年数にわたって減価償却費として経費計上します。

出典:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」

給料賃金

給料賃金とは、従業員への給与・賃金・賞与などです。賃金給与は「給与手当」と表記する場合もあり、次のようなものが含まれます。

  • 給与
  • 時間外手当
  • 家族手当
  • 住宅手当
  • 資格手当
  • 現物支給

ただし、事業主の親族に支払う給与は一定の要件を満たさないと経費になりません。

個人事業主が賃金給与を記録する際、借方には源泉所得税や社会保険料を含む総支給額を記載します。振り込んだ分の金額や源泉所得税は貸方に記録しましょう。

法定福利費

法定福利費とは、法律に基づいて個人事業主が負担しなければならない社会保険料を指します。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険
  • 子ども・子育て拠出金

従業員の給与から控除される保険料は給与賃金として処理しますが、事業主が支払う分は法定福利費で仕訳するのが原則です。

事業に携わる従業員が5名以上いる場合は、原則として社会保険に加入しなくてはなりません。法定福利費には労働保険の年度更新や定期的な社会保険料の納付が含まれるため、従業員を雇用する事業主にとっては欠かせない経費科目であるといえます。

外注工賃

個人事業主が経費計上できる勘定科目として、外注工賃があります。
外注工賃とは、外部の企業や個人に業務の一部を依頼する際の費用のことです。たとえば、デザインを依頼した名刺や封筒、ロゴの制作、サイト構築などは外注工賃として経費計上できます。

地代家賃

地代家賃とは、個人事業主が事務所や店舗、駐車場などを利用するために支払った費用のことです。具体的には、家賃や共益費、土地の使用料などが含まれます。また、建物や土地などの賃借に伴う賃料も地代家賃として管理します。

ただし、敷金や権利金、礼金、更新料などは、地代家賃ではなく「長期前払費用」として経費計上します。また、不動産業者に支払う仲介手数料も地代家賃には含まれず、「支払手数料」として仕訳するのが一般的です。

貸倒金

貸倒金とは、売掛金や貸付金などの債権が回収不能になった場合に計上する勘定科目です。取引先が倒産したり、財務状況が悪化して支払い不能になったりした場合、回収できない売掛金や貸付金を貸倒金として処理します。

また、取引停止後に弁済がなく、高額な債権回収費用が発生した場合も、貸倒損失として経費計上が可能です。

新聞図書費

個人事業主が経費計上できる新聞図書費には、事業のために購入した新聞や書籍が含まれます。紙媒体に限らず、電子書籍やメールマガジン、サブスクリプションサービスの費用なども対象です。

新聞図書費として経費計上できるのは、事業をするうえで必要な知識を得たり情報収集したりするために購入した書籍の費用です。なお、新聞は経費計上が難しいものの、事業に必要な情報を得られることを証明できれば問題ありません。

雑費

個人事業主の支出は、雑費として経費計上することも可能です。
事業収入を得るために必要な費用のうち、ほかの勘定科目に当てはまらないものを雑費として経費計上できます。主に、引っ越し代やクリーニング費用といった一時的な費用の仕訳に使われるのが一般的です。

ただし雑費に分類する費用が増えすぎると帳簿が見づらくなるため、頻繁に発生する費用は個別に勘定科目の仕訳ルールを定めて分類しましょう。

専従者給与

専従者給与は、生計を一にしている家族に支払う給与のことです。

個人事業主が専従者給与を経費にするためには一定の条件を満たす必要があります。また、専従者給与として経費にする場合は、その年の3月15日までに「青色事業専従者給与に関する届出」を提出していることが必要です。

確定申告の青色申告については「個人事業主に青色申告は必要?メリットや手続き、書類の提出方法を解説」の記事を参考にしてください。

出典:国税庁「No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除」

修繕積立金

個人事業主が事業目的でマンションを所有する場合、管理組合に支払う修繕積立金を経費として計上可能です。

原則として当該年度の経費に算入できるのは「その年において債務が確定している」支払いに限定されています。つまり、その年に行われた修理の代金は経費計上できる一方で、将来の修繕に備える修繕積立金は原則として修繕が実際に行われる時期まで経費計上できないことになります。
ただし、一定の要件を満たす場合は、支払期日が属する年の経費に算入できるケースもあるため国税庁のWebサイトを参考に確認しておきましょう。

出典:国税庁「賃貸の用に供するマンションの修繕積立金の取扱い」

繰延資産

繰延資産とは、すでに支払いが済んでいる支出のうち、年度をまたいで経費計上することが認められている費用のことです。代表例は創立費や開業費、開発費、株式交付費、社債発行費などです。

繰延資産は支出後に長期間にわたって効果がある支出です。資産として貸借対照表の「繰延資産」の勘定科目に計上され、数年にわたって費用として償却されます。

支払手数料

個人事業主の勘定科目の一つに、支払手数料があります。
個人事業主は次のような支払手数料を経費として計上可能です。

  • 振込手数料
  • 仲介手数料
  • 代引き手数料
  • 事務手数料
  • 登録手数料
  • 解約手数料

支払手数料の勘定科目には販売に直接関係する費用だけではなく、間接的な支出も含まれます。

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個人事業主が経費計上できない費用

経費計上できるもの・できないものを正しく区分することで、税務上のトラブルを避けられます。
ここでは、個人事業主が経費計上できない費用について解説します。

事業主自身の福利厚生

事業に直接関連しない旅行費はプライベートな支出とみなされて、経費として計上できません。
また、個人事業主や専従者に掛けられた、事業に直接的な関係がない保険料も経費として認められないため注意してください。たとえば、生命保険料や国民健康保険料、国民年金保険料、傷害保険などは経費計上の対象外です。

事業主自身が納める税金

個人事業主自身にかかる所得税や住民税などの税金は経費計上できません。経費計上できるのは、個人事業税や印紙税など事業に関わる税金に限られます。
固定資産税や自動車税などは、事業に関わる費用かどうかを基準に経費計上の可否を判断する必要があります。

個人事業主が支払う税金について詳しく知りたい方は、「個人事業主が払う税金の種類は?計算方法・控除や節税対策を解説」の記事を参考にしてください。

家族への給与

個人事業主が雇っている家族や親族に支払う給与は、本人の給与と同じ扱いになるため、基本的に経費に計上できません。

ただし、条件を満たしていれば特例で専従者給与として経費計上できます。また、生計を一にしない家族にほかの従業員と同じ業務を担当させ、同水準の給与を支払っている場合は、経費にしても問題ありません。
家族への給与は経費計上できる・できないケースがどちらもあるため、事業を営むうえで状況を把握しておきましょう。

事業に関連しない私的な支出

プライベートな飲食費や友人との交際費、個人的な旅行交通費や衣類購入費などは、事業と関係がないため経費計上できません。仮にこれらを経費に計上してしまうと、税務調査で指摘されて追徴課税を受ける可能性があるため注意が必要です。

個人事業主の経費として認められるのは、あくまで事業収入を得るために必要な支出に限られます。事業との関連性を明確に説明できない費用は、私的な支出として処理するようにしてください。

借入金の返済

借入金の返済額は、たとえ事業に関係があるものでも経費計上できません。元本の返済は資金の移動にすぎず、事業収入を得るための支出ではないからです。

ただし、借入金の返済にかかる支払利息については、「利子割引料」という勘定科目で経費計上が認められます。
借入関連の処理では、元本と利息を分けて正しく仕訳する必要があります。

寄附金

個人事業主は原則として寄附金を経費にできません。

ただし、公益社団法人や認定NPO法人などに一定の寄附金を支払った場合は、寄附金控除を使って税額控除を受けられる場合があります。

出典:国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」

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個人事業主の家事按分

個人事業主は、自宅や自家用車などを事業用に兼用するケースも多くあるでしょう。この場合において、事業用に使用した割合を合理的に算出して経費に計上することを「家事按分」と言います。

個人事業主が事業をする際、家事按分できる勘定科目を正しく経費計上できれば、余計な税負担を避けられます。
ここでは、家事按分できる主な勘定科目や費用の計算例について解説します。

家事按分できる費用の主な勘定科目

個人事業主が家事按分できる費用の主な勘定科目の例は、次のとおりです。

  • 家賃
  • 水道光熱費
  • インターネット使用料
  • 携帯電話代
  • ガソリン代
  • 駐車場代
  • 車検費用

これらの費用については事業にどの程度使用したのかを合理的に説明できる場合に限り、使用割合に応じて経費として認められます。
家事按分の根拠は専有面積や使用時間、利用頻度などで判断し、税務調査で指摘されないよう説明できる記録を残しておくことが大切です。

家事按分できる費用の計算例

ここでは、個人事業主の費用で家事按分できる家賃、水道光熱費、ガソリン代の計算例を紹介します。

家賃の按分比率の計算例

家賃の按分比率を計算する際の一般的な使用割合の判断基準は、専有面積です。
たとえば、自宅の専有面積が50平方メートルで、そのうちの15平方メートルの部屋を事業のために使用している場合の按分比率は下記のように求められます。

15平方メートル÷50平方メートル=0.3

このケースにおける按分比率は30%になります。

水道光熱費の按分比率の計算例

水道光熱費の按分比率を算出するときの一般的な使用割合の判断基準は、使用時間です。
たとえば、電気の使用時間が1日16時間で、自宅で仕事をする1日あたりの稼働時間が7時間で稼働日数が5日間の場合、按分比率は以下のように算出します。

16時間×7日=112時間
7時間×5日=35時間
35時間÷112時間=0.3125

このケースにおける按分比率は約31%になります。

ガソリン代の按分比率の計算例

ガソリン代の按分比率を計算する際は、走行距離を判断基準にするのが一般的です。
たとえば、1ヶ月の走行距離が300kmで、そのうち事業のための走行距離が120kmだった場合、按分比率は下記のように求められます。

120km÷300km=0.4

このケースにおける按分比率は40%になります。

家事按分以外の節税対策について知りたい方は、「個人事業主の節税対策とは? おすすめの方法や活用できる制度を紹介」の記事をご覧ください。

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個人事業主が提出する確定申告書の勘定科目の書き方

個人事業主が提出する確定申告書における経費の記載方法は、青色申告と白色申告で異なります。

ここでは、青色申告・白色申告それぞれの申告方法における確定申告書類の書き方や入力項目について解説するので、ぜひ参考にしてください。

青色申告する場合

青色申告する個人事業主の方は、「青色申告決算書(一般用)」に必要事項を記入し、確定申告書と併せて提出します。
青色申告は白色申告と比べると手続きが煩雑ですが、高い節税効果が期待できます。

青色申告決算書の1ページ目の「損益計算書」の「経費」の欄に、勘定科目ごとにまとめた経費の金額を記入します。
続いて、青色申告決算書の2ページ目には月別売上金額および仕入金額に加え、従業員や青色事業専従者に給与を支払っている場合は、氏名・年齢・支給額・源泉徴収額などの詳細も記入しましょう。
青色申告決算書の3ページ目には、売上金額・売上先の詳細情報や仕入金額・仕入先の詳細情報、減価償却費の計算などを記入します。
青色申告決算書の4ページ目「貸借対照表」の資産の部と負債・資本の部の欄には、資産・負債・純資産の勘定科目を記入します。

出典:国税庁「令和6年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」

白色申告する場合

個人事業主が白色申告する場合は、「収支内訳書(一般用)」に必要事項を書いて確定申告書と一緒に提出します。
収支内訳書の1ページ目の経費欄には、勘定科目ごとの合計額を記入します。ほかにも、給与賃金や専従者給与、弁護士や税理士などへの報酬を支払った場合は、支払先や金額の内訳などの記入が必要です。
収支内訳書の2ページ目には売上・仕入金額の明細を記入しましょう。さらに、減価償却費の計算や、事務所や店舗の賃貸にかかる地代家賃の内訳も記載します。

なお、白色申告は青色申告と比べて帳簿付けの要件が簡易である一方、控除額や節税メリットは少なくなります。

白色申告は青色申告と比較すると節税面のメリットは少ないですが、手続きは簡易に済みます。
青色申告と白色申告の詳細については、「青色申告と白色申告の違いは?メリット・デメリットをわかりやすく解説」の記事を参考にしてください。

出典:国税庁「令和6年分 収支内訳書(一般用)の書き方」

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個人事業主が経費計上する際の注意点

ここでは、個人事業主が経費計上する際の注意点を紹介します。
個人事業主が円滑に正確な経費計上を行うためにも、注意点を押さえておきましょう。

一定のルールに従って勘定科目を設定する

個人事業主が経費計上する費用は、一定のルールに従って勘定科目を設定するのがポイントです。
同じ費用を経費計上する際に月単位または年単位で異なる勘定科目に仕訳してしまうと、帳簿を見返したときに混乱してしまいます。最初に細かくルールを定めて、そのルールに沿って勘定科目を設定してください。

勘定科目は第三者が見ても分かりやすいように、一般的に広く使われている名称を使うのがおすすめです。

経費の妥当性を裏付ける証拠書類が必要になる

個人事業主が確定申告する際は、経費の妥当性を裏付ける領収書やレシートなどが必要です。
領収書やレシートに決まった形式はないものの、以下の情報が記載されている必要があります。

  • 支払った人の名前や会社名
  • 支払った金額
  • 但し書き
  • 支払いを受けた人の名前や会社名
  • 所在地
  • 支払った日付

領収書の代わりとして、納品書やクレジットカードの利用伝票、ATMの振込明細書や通帳の記録などが証拠書類として認められる場合もあります。

電子取引の場合はデータを保存する必要がある

2021年の電子帳簿保存法の改正により、電子取引で受け取った請求書や領収書は電子データを保存することが義務化されました。2024年1月からは完全義務化され、すべての個人事業主が電子取引における電子データの保存に対応する必要があります。

メールに添付された請求書や通販サイトからダウンロードした領収書、電子的にやりとりするシステム上の書類など、電子データでやり取りされた書類が対象です。
電子データ保存では改ざん防止や検索性を確保するルールもあるため、会計ソフトなどを活用して適切に管理するのがおすすめです。

なお紙で受け取った書類をデータ化する必要はなく、この場合は紙の請求書や領収書をそのまま保存します。

出典:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました」

不正に経費計上するとペナルティがある

個人事業主が不正に経費計上すると、ペナルティを科せられる場合があるため注意が必要です。
個人事業主が経費計上で不正をした際に科せられる可能性がある主な附帯税は、過少申告加算税と重加算税です。

過少申告加算税

本来納めるべき税額より少ない額を申告した場合には、過少申告加算税が課税されます。

税務調査の事前通知後に修正申告した場合の過少申告加算税の額は、新たに納める税金の5%です。なお新たに納付するべき税額が当初の申告額と50万円のいずれか多い金額を超えるケースでは、超えた部分は10%になります。
また、税務調査の実施後および更正を受けたあとに修正申告した場合、過少申告加算税の額は、新たに納める税金の10%です。なお新たに納付するべき税額が当初の申告額と50万円のいずれか多い金額を超える場合、超えた部分は15%になります。

出典:国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」

重加算税

架空の経費計上や領収書の捏造といった違反行為には、重加算税が課税されます。

重加算税は悪質なケースにおいて適用される附帯税です。税務調査で違反行為が発覚すると修正申告や更正処分が行われ、追加の税金に加えて最大40%程度の重加算税を支払わなければなりません。また、過去5年以内に同様に隠ぺい・仮装をしていた場合、さらに10%が上乗せされます。

確定申告におけるペナルティの発生条件や加算税率については、「確定申告とは?全くわからない人向けに必要書類や作成方法を解説」の記事も参考にしてください。

出典:国税庁・国税局・税務署「加算税制度(国税通則法)の改正のあらまし」

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まとめ

個人事業主が経費を正しく計上するためには、勘定科目を分かりやすく整理し、ルールに従って管理することが大切です。旅費交通費や接待交際費のように私的な支出との線引きが曖昧になりやすい費用や、按分が必要な勘定科目に注意し、経費計上できる支出とできない支出を区別しましょう。

個人事業主の経費計上に誤りや不正があると、過少申告加算税や重加算税といったペナルティの対象になる可能性があります。私的な支出を経費と混同しないよう徹底して勘定科目を分けて、正確な申告と節税につなげましょう。

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