フリーランスの確定申告はいくらから必要?必要書類ややり方も解説

最終更新日:2024年10月23日


この記事のまとめ

  • フリーランスは、年間の事業所得金額が48万円を超える場合や、給与所得と合わせた所得が一定額を超える場合などに確定申告が必要となる
  • 確定申告には確定申告書B、マイナンバーカード、収入金額や必要経費を証明する書類などが必要となる
  • 確定申告を怠ると延滞税や無申告加算税などのペナルティが課せられるため、期限内に正確な申告を行うことが重要である

1月1日から12月31日までの1年間に、フリーランスとしての所得が48万円を超える場合には、確定申告が必要です。しかし、フリーランスで働いていると会社から源泉徴収票は発行されないため、「どのように確定申告すれば良いかわからない」という方も多いでしょう。 そこで本記事では、フリーランスの方が確定申告しなければならないケースや確定申告の手順、確定申告しなかった場合のペナルティを解説します。

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フリーランスは確定申告が必要?

フリーランスは確定申告が必要な場合と不要な場合があります。

そもそも確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間における個人の所得と所得税を算定して、所得税額を確定する手続きのことを指します。企業に雇用されている場合は、企業が年末調整をしてくれるため、自分で確定申告をする必要はありません。

一方、フリーランスは企業に雇用されている立場ではないため、自分で所得税を算出して所轄の税務署に申告する必要があります。

とはいえ、前述の通り、フリーランスでも確定申告が不要な場合もあります。フリーランスで働く方は、確定申告が必要になるかどうか確認して、必要な場合はスムーズに手続きできるよう準備しましょう。

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本業がフリーランスで確定申告が必要となる事例

フリーランスで働いており、確定申告が必要となるケースは主に以下のとおりです。

・年間の事業所得金額が48万円を超える
・本業(フリーランス)とアルバイトで生計を立てている
・本業とは別に株式投資で利益を得ている
・本業とは別に不動産投資をしている
・公的年金を受け取っている
・源泉徴収をしている

それぞれのケースについて解説します。

年間の事業所得金額が48万円を超える

まずは、年間の事業所得金額が48万円を超える場合です。ここで注意しなければならないのが、48万円という基準は事業所得金額が対象となる点です。

所得額とは、収入から必要経費を引いた金額のことです。収入が500万円でも、必要経費が470万円だった場合の所得は30万円となるため、確定申告は必要ありません。 収入が500万円で必要経費が450万円だった場合には、事業所得金額が50万円となり48万円を超えるため、確定申告が必要になります。

このように、事業所得金額が所得控除額の48万円を上回る場合には、確定申告が必要です。ただし、納税者本人の合計所得金額に応じて、48万円より控除額が少ない場合もあります。具体的な合計所得金額と控除額は以下のとおりです。

納税者本人の合計所得金額 控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円

参考:国税庁No.1199 基礎控除

はじめに所得金額の合計を計算した上で、控除額を確認しましょう。

本業とアルバイトで生計を立てている

フリーランスを本業としているものの、本業以外にアルバイトをしている場合は、所得額に応じて確定申告の対象となります。ただし、アルバイトでは企業に雇用されている状態となるため、アルバイトで得た収入に対する年末調整は会社が行います。フリーランスとしての所得に対しては、自分で確定申告しなければなりません。

本業とアルバイトを掛け持ちしており、2ヶ所以上から収入を得ている場合には、年末調整されない給与所得と、本業によって得た所得の合計額が20万円を超えた場合に確定申告が必要です。

本業とは別に株式投資で利益を得ている

本業以外に株式投資で利益を得ている場合も、原則として確定申告が必要です。株式投資における売却金や配当金などで得られた利益は、確定申告の対象となりますが、以下の場合では確定申告をする必要はありません。

・源泉徴収有りの特定口座のみで株式投資取引をした場合
・非課税枠内(NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA)で取引した場合
・確定申告不要の配当や公社債の利子だった場合

本業とは別に不動産株式投資を行っている

株式投資だけではなく、不動産投資をしている場合も基本的には確定申告の対象となります。不動産投資とは、自分の所有する建物・土地等の不動産を売却したり、貸し出したりして収益を得る投資手法のことです。

不動産投資で得られた収益の額によって異なりますが、基本的に確定申告が必要です。ただし、不動産投資が赤字の場合は、確定申告が不要になることがあります。なぜなら、不動産所得と事業所得は損益通算ができるためです。このように、本業とは別に不動産投資をしている場合は、損益通算後の合計所得額に応じて確定申告の要否が変わります。

公的年金を受け取っている

公的年金を受け取っている場合は、金額によって確定申告が必要です。確定申告が必要となるケースは、以下の2つです。

・公的年金を含む収入合計額が400万円超の場合
・雑所得を除く、公的年金を含む所得が20万円超の場合

公的年金を受け取っている場合の確定申告は、収入合計額や所得に応じた明確な基準があります。上記に該当するかを確認したうえで、該当する場合は確定申告をしましょう。

すでに源泉徴収されている

すでに源泉徴収がされている場合にも、確定申告をすると良いとされています。なぜなら、源泉徴収された額によっては、確定申告をすることで払い過ぎた所得税が還付される可能性があるためです。

たとえば、アルバイトをしている場合は会社が源泉徴収してくれているため、年末調整によって超過分が還付される場合があります。本業以外に収入があり、源泉徴収が行われている場合には確定申告は不要ですが、還付金が帰ってくる可能性もあるため確定申告すると良いでしょう。

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本業がフリーランスで確定申告が不要となる事例

前述の通り、フリーランスは必ずしも確定申告が必要という訳ではありません。フリーランスとして利益がほとんど出ていない場合や、所得が赤字となり控除額の48万円を下回る場合には、確定申告は不要です。

ただし、本業での赤字を翌年以降に繰り越す場合には、青色申告をしなければなりません。青色申告とは、所得税を正しく納税するために設けられた確定申告制度の一種です。

青色申告の対象になると、特別控除が受けられたり、純損失の赤字を最大3年間繰り越せたりできるメリットがあります。フリーランスは青色申告の対象となるため、上手く活用して節税対策を行うのも手です。

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フリーランスが経費できるもの

フリーランスとして働く際に、確定申告による納税額を減らす方法として有効なのが、経費を計上して所得額を減らす方法です。フリーランスの場合、法人ではないからこそ計上できる経費もあります。経費計上できる費用として、以下が挙げられます。

・自宅の家賃や固定資産税
・電気代や水道代
・自家用車や社用車

自宅の家賃や固定資産税は、自宅を仕事場にしている場合に経費計上できます。自宅の家賃や固定資産税を経費計上する場合は、自宅の総面積のうち仕事場の面積がどの程度あるのかを確認しましょう。

また、電気代や水道代といった費用も経費として計上できます。自宅の電気代や水道代を経費計上する場合は、1日の中での業務時間はどの程度かを確認しましょう。自家用車や仕事用の車の燃料費についても経費計上が可能ですが、経費計上できるのはあくまでも業務のために使用した距離のみとなります。

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確定申告の必要書類

フリーランスの方が確定申告をする場合には、以下の書類を揃えなければなりません。

・確定申告書B
・マイナンバーカード
・口座番号が分かるもの
・収入金額及び必要経費が分かる書類
・控除証明書

この章では、それぞれの書類について解説します。

確定申告書B

確定申告書には「確定申告書A」と「確定申告書B」の2種類がありますが、フリーランスの方は確定申告書Bを使用します。確定申告書は国税庁のホームページからダウンロードできるほか、所轄の税務署で貰うことも可能です。

確定申告書Bでは、給与所得・公的年金・事業所得・不動産所得・配当所得・利子所得を申請できます。該当する所得金額を記入しましょう。

マイナンバーカード

マイナンバーカードは本人確認のために必要です。マイナンバーカードの表面と裏面をそれぞれコピーして、確定申告書に添付します。

ただし、マイナンバーカードの写しは確定申告書を郵送する際にのみ必要となります。直接所轄の税務署に持っていく場合は、マイナンバーカードの現物を提示するだけで構いません。

なお、マイナンバーカードを持っていない場合は、番号確認書類と身元確認書類の2点が必要です。郵送する場合には2点の写しが必要となり、持参する場合は現物を提示します。

口座番号が分かるもの

銀行の口座番号が分かるものも必要です。銀行口座を提示しておくことで、還付金を受け取れる場合にその口座に振り込んでもらえるほか、所得税の振込も銀行口座から行うことが可能になります。通帳の口座番号が記載されているページをコピーして添付してください。

収入金額及び必要経費が分かる書類

確定申告には、収入金額と必要経費が分かる書類が必要です。なぜなら、フリーランスとして働く場合、収入から経費を差し引いた所得金額から、確定申告の有無や控除額が決定するためです。

収入金額と必要経費が確認できればどのような書類でも構いませんが、一例としては以下が挙げられます。

・事業所得の証明となる書類:青色申告決算書
・給与や年金を受け取っている証明:源泉徴収票
・株取引の証明:年間取引計算書

控除証明書

最後に控除証明書を用意します。控除証明書は、確定申告で納付する所得税の控除を受けるために必要となるため、必ず提出するようにしましょう。たとえば、1年間の医療費が10万円を超えた場合は、医療費の明細書や交通費明細書等を提出することで、医療費控除を受けられます。

ほかにも、寄附をした人は寄附した団体が交付する寄附金の受領書を、初めて住宅ローン控除を受ける人は住宅借入金等特別控除額の計算明細書・住民票のコピー・売買契約書のコピーなどが挙げられます。

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フリーランスの確定申告のやり方

フリーランスの確定申告は、以下の流れで行います。

・日々の帳簿記入
・所得控除と税額控除の確認
・確定申告書の作成
・確定申告書も添付書類を提出する
・所得税の納付または還付

詳細を見ていきましょう。

日々の帳簿記入

確定申告をスムーズにするためには、日々の帳簿記入が重要です。日々の帳簿記入を怠らないことで、漏れなく経費計上できるようになり、支払う税金の額を抑えられる可能性があります。

経費として帳簿に記入する際は、原則として領収書が必要です。ただし、電車賃など領収書が無い場合は、出金伝票を作成して経費計上できます。

所得控除と税額控除の確認

所得控除と税額控除には、節税効果があります。所得控除には15種類あり、それぞれ控除を受けられる条件が異なるため、事前に自身が受けられる所得控除を確認しておくことが重要です。

税額控除については、一定の条件を満たしている場合に適用されます。一例としては、株式投資によって利益を得ている場合は、配当所得の10%に配当控除が適用されます。

確定申告書の作成

経費計上が完了して、所得控除と税額控除の有無を確認できたら、確定申告書を作成しましょう。確定申告書は、国税庁のホームページからダウンロードして印刷するか、税務署にて貰うことができます。確定申告書に必要事項を記入して、控除証明書や通帳のコピーなどの書類を添付します。

12月分の報酬が1月支払いだった時の考え方

先述の通り、確定申告は1月1日から12月31日までの1年間の所得を対象にします。しかし、12月分の報酬が1月支払いだった場合は、12月分の支払いとして計上しましょう。1月支払いだからといって、1月分の収入として計上すると収支にズレが生じるためご注意ください。

なお、12月分の報酬が1月支払いだった場合に12月分として計上するのは、あくまでもフリーランスの場合です。法人の場合は1月分として計上することになるため、混同しないようにしましょう。

源泉徴収票がない場合の調整方法

フリーランスは源泉徴収票が発行されません。源泉徴収票が無い場合には、支払調書で源泉徴収額を確認します。ただし、源泉徴収されていない場合には支払調書がないため、支払調書の代わりに支払明細や報酬内訳から確定申告の納税額を計算する必要があります。

確定申告書と添付書類を提出する

確定申告書が完成したら、添付書類と共に提出します。マイナンバーカードなどの必要書類を添付して確定申告書を提出しましょう。なお、確定申告書は所轄の税務署に郵送または持参するか、電子申告で提出します。

提出期限は申告年度の翌年2月16日〜3月15日です。提出期限を過ぎるとペナルティが課されるため、期限内に忘れずに提出しましょう。ペナルティについては後ほど解説します。

所得税の納付または還付

確定申告を終えたら、所得税を納付します。所得税は、所轄の税務署の窓口、金融機関、e-Taxのいずれかから納付できます。納付期限は確定申告書の提出期限と同様、申告年度の翌年2月16日〜3月15日です。

また、確定申告をすると所得税の納付だけではなく、払いすぎた所得税が還付される場合もあります。確定申告書の提出時の口座番号に振り込まれるのを待ちましょう。

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確定申告に遅れた・記載内容を間違えた場合

確定申告書を提出期限以内に提出しなかった場合、無申告加算税が課せられます。無申告加算税の税額は、本来の所得税額と提出時期によって異なります。

具体的には、税額が50万円未満であれば原則として15%加算ですが、調査通知前に提出すると5%加算、調査通知後であれば10%加算です。また、税額が50万円以上であれば原則として20%加算、調査通知前に提出すると5%加算、調査通知後に提出すると15%加算です。

記載内容に誤りがあった場合には、再提出するように税務署から連絡があります。再提出を求められた場合には、速やかに記載内容を修正の上再提出してください。

提出期限を超えてしまった場合の対処法

提出期限を超えてしまった場合、無申告加算税が課せられます。無申告加算税の負担をできるだけ少なくするために、提出期限を超えてしまった場合は速やかに申告するようにしましょう。

記載内容を間違えた場合の対処法

確定申告書の記載内容を間違えると、「多く税金を支払ってしまう」「還付される金額が少なる」可能性があります。適切な納税を行い、還付を受けるためにも、正確な確定申告書を再提出しなければなりません。記載内容の誤りによる還付の請求期限は、原則として法定申告期限から5年以内です。

一方で納める税金が少ない、または還付される金額が多すぎた場合には、迅速に修正申告しなければなりません。記載内容の間違いに気づいているにも関わらず修正申告しなかった場合には、過少申告加算税が課せられる可能性があります。

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確定申告をしなかった場合のペナルティ

確定申告をしなかった場合には、延滞税や無申告加算税といった税金滞納のペナルティが課せられます。延滞税は、申告期限翌日から納付するまでの日数に応じて課せられるペナルティです。納付期限から2ヶ月までは7.3%、2ヶ月を過ぎると14.6%を支払わなければなりません。

無申告加算税は確定申告を忘れていた、あるいは申告しなかった場合に納付額に税金が加算されます。加算額は、原則として納税額が50万円未満は15%、50万円以上は20%です。確定申告が必要な場合は、期限以内に必ず申請できるように準備しておきましょう。

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まとめ

フリーランスとして働いている方は、一定の収入が得られるようになると確定申告が必要になります。フリーランスは自営業となるため、自分自身で確定申告をする必要があります。 申請期限を過ぎると加算税などのペナルティを課せられる可能性があるため、普段から帳簿に正しく記入しておく準備が大切です。

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