最終更新日:2024年10月09日
この記事のまとめ
一般的に、フリーランスは会社員と比較すると保育園の入園審査で不利になるというイメージを持たれることがあります。
子どもを保育園に入れることを考えている人にとっては、希望する保育園に入れるのか、そもそも保育園自体入ることができるのかと不安になっている人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、フリーランスでも子どもを保育園に入れることは可能です。ただ、少しだけ多く準備が必要になるでしょう。
そこで今回は、フリーランスで子どもを保育園に入れるために知っておきたいことや、審査のために押さえておきたいポイント、入園申請に必要な書類や手続きなどについて解説していきます。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る認可保育園の場合、入園を申し込むと自治体によって審査が行われ、入園の優先順位が決まります。
フリーランスでも、子どもを認可保育園に入れることはできますし、毎月の月謝がきちんと支払われていれば問題はありません。ただ入園の審査で有利か・不利かという問題になると、会社員のほうがやや優遇されているのが実態です。
そうなる理由のひとつには「収入の安定性」が考えられます。
一般的に「会社員は定収入がある」「フリーランスは安定していない」と評価されてしまうことが少なからずあるため、毎月安定した収入を得られる会社員よりは、総合評価が低くなってしまいます。
フリーランスの場合、収入だけでなく労働時間や日数も分かりにくいという特徴があります。基本的に保育園は、仕事や病気など家庭の事情で育児ができない状態の人に代わり面倒を見るところなので、労働状況や家庭環境が見えにくいと評価が下がってしまいます。
出勤しているかどうかでも優先順位がつくこともありますが、在宅ワークをしている会社員の場合は会社で就労証明書を作成してもらえれば問題はありません。
一方フリーランスは、自分で仕事をしている証明をしなければならずそれが十分でないと、審査で不利になる可能性があります。
ただ実際には、保育園の入園申請は自治体によって審査や対応が異なり、また会社員かフリーランスか、出勤か在宅かで優位性が決められてしまうということではありません。
近年は、フリーランスの人口が年々増加の傾向にあり、働き方改革によって柔軟な働き方が認められてきていることから、審査においてフリーランスと会社員の格差はなくなってきていると言えるでしょう。
保育園の入園を検討する際に、居住する管轄の役所などでどのような審査基準が設けられているのか、申請することができるのかなど相談・問い合わせをしておきましょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るでは、保育園の入園を決定するための審査は、どのように行われているのでしょうか。多くの自治体では、「点数制」を採っており、この点数が高いほど入園資格があるとみなされます。子どもの世帯全体の就労状況、母親の出産状況、兄弟の有無などによって点数が決められていきます。指標に関して、具体的に見ていきましょう。
東京都江戸川区を例に挙げてみると、「世帯の合計指数」=「父の基準指数」+「母の基準指数」+「調整指数」で算出しています。
「基準指数」というのは、フルタイムの仕事か、就学か、健康状態はどのようなものか、といった家族(保護者)環境を基本情報としてポイント化したものです。
労働状況の点数は50点を上限として、月20日以上、1日7時間以上常に仕事をしている状態であれば50点、月20日以上で1日5時間~7時間未満の場合は45点、といったようにポイントが加算されていきます。
ここでは、「居宅外労働」「居宅内労働」、会社員または自営という枠組みでの違いはなく、働く日数や時間でポイントがつきますが、月の間に働く日数、時間が少なくなるほどポイントは減少する仕組みになっています。
他にも疾病やケガでの入院、居宅療養、介護の有無、災害などさまざまな項目が設けられています。
「調整指数」というのは、1人親世帯など家族の事情、また就職活動など育児を行う家族の状況などによってつけられるポイントで、こちらにもさまざまな項目が設けられています。
先ほどの江戸川区の場合、1人親世帯で育児をする人がいない場合は10点、申請する子どもの兄弟がすでに入園している、または入園が内定している場合は6ポイント加点され、一方で子どもの祖父母などがいる場合は6ポイント減点されます。
このように、それぞれの家庭の状況を数値化し、総合指数が高い世帯の子どもから優先的に入園資格を与えています。
申請している世帯の中で指数が同点になった場合は、所得が低い世帯、自治体で居住歴が長い場合、保護者のいずれかが単身赴任の場合など、さまざまな観点から判断して順位づけを行い、決定します。
自治体によって判断する基準や材料は異なり公開されていないケースもあるため、よく知りたいと言う人はお住まいの自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る保育園の入園申請では、仕事や家族の状況について正確かつ正直に情報を提出しなければなりません。それらは動かしようのない事実ですから、状況によっては不利になってしまうこともあるでしょう。
しかし、何もできないというわけではありません。準備をしっかりと行うことで、保育園の入園に必要なものについて対応することができます。
ここでは、フリーランスが保活で有利に進めるためにできること、認可基準を満たすためにできることなどについて説明していきます。
まずは各地方自治体の資料や、希望する保育園の案内、比較できる材料などしっかりと情報収集を行うことが大切です。審査方法や条件、必要な書類など、自治体によってはフリーランスでも十分に点数を獲得できる保育園を見つけることができます。
役所の窓口、またはWebサイトには案内があり、必要な書類、資料をダウンロードすることもできます。
情報収集した後、自分の世帯の点数がどれくらいになるのか試算しておきましょう。自治体によって基準指数は「フルタイム」を7時間で設定しているところや、8時間にしているところもあるのであらかじめ留意が必要です。
世帯の合計指数を把握しておくことで、希望する保育園に入るための目安を理解することができます。
保育園の審査は、会社員であれば会社に「就労証明書」を依頼し提出すればよいのですが、フリーランスの場合は「本当にフリーランスとして仕事をしているのか」ということを問われたときに証明するものがありません。そこで大きな強みとなるのが「開業届」です。
税務署に「開業届」を提出すると、個人で事業をしているという証明になります。届け出は義務ではありませんが、仕事をして収入を得ていることを示すことができるほか、屋号を持つことができるため社会的な信用もアップするでしょう。
開業届は、個人事業主としての売上高や納税額、事業をしている期間や時期などに関わらず提出することができるものです。長くフリーランスとして働き、保活を機に開業届を出したという人も少なくありません。まだ開業届を出していない人は、検討してみましょう。
入園の審査で必要な点数を上げるためには、就労実績を作っておくことも大切です。週5日、7~8時間が50点満点になるところが多いため、会社員と同じように仕事で拘束される時間が長いと判断できれば、ポイントが高くなる可能性があります。
過去の実績なども含め、できるだけ間を置かずに働いておきたいところです。また発注先と打ち合わせなどを設け記録として残すことや、仕事の成果物などを示すことができるとよいでしょう。
さらに保育実績も有効です。保育実績というのは、入園する前に認可外保育園に通わせていた、ベビーシッターを利用していたなどの記録です。
仕事のために保育の必要性があるということをアピールできるので、加点の対象となることが多く、優先して入園を許可してくれる場合があります。
ただし、自治体により加点となるところ・ならないところがあるため、事前に確認しておく必要があります。またその場合は、認可外保育などの一定期間の利用が必要になるため、経済的負担なども考慮して利用しましょう。
会社員は、出産から育休明けに子どもを保育園に入れようとする傾向にあるため、1歳児クラスからの入園が激戦になる可能性があります。
住んでいる自治体の保育園入園が厳しいと分かっている場合には、比較的競争率の低い0歳児のクラスからの入園を検討しましょう。0歳児から入ってしまえば、1歳以降もそのまま継続して通うことが可能になるからです。
もし途中で入園審査が行われる場合や、引っ越しなどで保育園を変える場合でも、一定期間の保育実績を証明することができます。
ただし、0歳児の育児を自分で行いたいと考える人にとってはデメリットになる可能性もあるため、妊娠中に家族で話し合いながら検討していくことをお勧めします。
会社員と比較して、どうしてもポイントが下がってしまうという場合は、入園しやすい場所を選ぶというのもひとつの方法です。
入園しやすい施設を選ぶ目安は、待機児童がどのくらいいるか、自治体がフリーランスという働き方を考慮した点数制度を設けているか、などです。
また、人口が密集していない地方は比較的入園しやすくなっています。近年は在宅で働く会社員も増えてきていますから、都市部に住んでいながら職場に通う機会が少ない、自由な働き方ができるという人は、思い切って地方や田舎へ引っ越すという手段も考えられます。
保育園にも入りやすいというだけでなく、家賃や保育費などが都市部と比較して安くなるところが多く、経済的な負担を軽減できる可能性があります。
近年では、現在住んでいる自治体から保育園を選ぶのではなく、保育園や審査基準を比較・検討してから住む場所を決める人もいます。
保育園の申請は子どもが生まれてからの申し込みとなりますが、情報収集や保育園選びなど保活は妊娠中から始まっている、という人もいるほどです。
フリーランスと言ってもさまざまな職種や働き方があるため、全ての人に該当するわけではありませんが、保育園の申請前または期間中に、職場で働く常駐型の案件で仕事をするという方法もあります。
この期間は、働く環境でフリーランスと会社員の差がなくなるため、審査においては基準指数が高く入園しやすくなります。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る今度は、入園申請に必要な書類についてみていきましょう。会社員とフリーランス(個人事業主)では提出する書類が若干異なってきますので、住んでいる自治体に確認しておきましょう。
ここでは、一般的に必要とされている代表的な書類を挙げていきます。
会社員の場合、多くは「就労証明書」を会社の人事労務部などで作成してもらいますが、1人で仕事をするフリーランスは代わりに「就労状況申告書」を自分で作成し提出します。
これは多くの自治体で専用の用紙を用意していますので、役所の窓口で受け取るか、Webサイトからダウンロードして印刷・記入しましょう。
一般的には、事業主、屋号、従業員数、事業内容、就労場所および連絡先、外回りの有無、税の申告、仕事内容、1日の就労時間などを記入します。事業の運営状況などもできるだけ詳細に説明しましょう。
一方「就労実績表」は、自治体によって就労状況証明書の中に記載する形のものもあれば、自分で作成して提出する形などがあるので確認しながら準備してください。
基本的に、直近3か月の仕事内容を細かく記載したもので、フリーランスとして働いており、かつ保育園の入園が必要であることが分かるようにしましょう。
就労状況申告書などと一緒に、本当に収入を得ているのかということも審査の基準になります。
そのため、最新(前年)の確定申告書にある「青色申告決算書」または「収支内訳書」などの提出が必要なほか、事業や活動している状況が客観的に証明できるものを添付します。
東京都江戸川区の場合、「保育の必要性を確認する書類」の「自営業を証明する書類」は開業届、青色申告決算書、収支内訳書などのコピーなどがあります。
事業所やお店を持っている人は、それらを示すパンフレットや名刺、チラシ、ホームページ、公共料金の領収書のコピー、事務所やお店の賃貸契約書などの中から、2つ提出するよう求められています。
提出する証明書などの内容は、それぞれの自治体のホームページなどで確認しましょう。
開業届は、就労状況を証明する要素の1つです。居住する(納税する)管轄の税務署の窓口でもらうか、国税庁のWebサイトからダウンロードすることができます。必用事項を記入して提出すれば完了です。
開業届は申告するものであり、証明書のようなものを発行してくれるわけではありません。そのため、税務署に提出する際にはオリジナルとともにコピーを渡し、印を押してもらって控えとして保管しておきましょう。保育園の書類審査には控えのコピーなどを提出します。
もし開業届をすでに出しており、控えを持っていない場合は提出した税務署で「保有個人情報開示請求手続き」を行い、開業届の写しを入手する必要があります。手続きには手数料300円、交付には2週間~1か月を要するため余裕を持って行いましょう。
どうしても急ぐ場合は、開業届を再提出するという方法もあります。その場合は、同じようにコピーに印をもらい、保管しておきましょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る必要な書類を把握したところで、今度は申請から入園までのステップを大まかに解説していきます。ここでも東京都江戸川区の例を挙げていきますが、他の自治体も大まかな流れは共通していると言えるでしょう。
まずは希望する保育園に連絡をし、子どもと一緒に見学・相談に行ってから準備を始めるのが一般的です。
住んでいる地域に複数の保育園がある場合は、それぞれ見学をして保育園の雰囲気、先生や園児たちの様子など施設環境を実際に目で確かめることができます。その際、説明を受けることになるので知りたいことや質問などを準備しておくとよいでしょう。
入園したい保育園が決まったら、入園の申し込みに必要な書類を準備します。
申請書や必要書類は各自治体に従って行います。書式には記入が難しいものも多く、不備や記入漏れ、必要書類の再提出などがあるため不安な人は直接窓口で確認しておくとよいでしょう。
提出は各自治体の保育科、または保育施設へ直接手渡しが一般的ですが、役所への郵送も可能です。
その後提出された書類の審査が行われます。必要に応じて保護者、会社員の場合は勤め先などにも電話や訪問を受けることがあります。審査期間は自治体や保育施設、時期、入園希望者などの状況により異なりますが、およそ30日前後となっています。
審査の結果で内定が決定したら、保育施設で面接・健康診断を行います。健康診断は保育園のかかりつけ医が行うケース、保育園が指定する医療機関で行うケースなどがあります。
保育園は基本的に1年を通して申し込みを受け付けていますが、「○月から入園をお願いしたい」などの希望があれば、早めの準備が必要です。
「4月から入園」を希望する保護者が多くみられる傾向にあるため、自治体や保育園もそれに合わせて準備を行っているところが多く見受けられます。
例えば、10~11月頃に自治体のWebサイトなどで告知、PRが行われ、入園資料や申込書の配布を実施します。11~12月に申し込み受け付け、翌年の1月に締め切り、その後審査を経て内定が決まり、3月に面接・健康診断、説明会などを行うといった流れになります。
このような場合、2~3月の入園を断るケースもありますので、見学時期も含め、各自治体や保育園に問い合わせて確認しておくとよいでしょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る2019年10月から「幼児教育・保育の無償化」制度が実施されています。内閣府によると、幼稚園、保育所、認定こども園を対象に、3歳~5歳までの全ての子どもたちの利用料が無償化(幼稚園は月額上限2.57万円まで)、0~2歳は住民税非課税世帯の利用を無償化しています。
この制度の中に「預かり保育」の無償化も実施されています。預かり保育は、入園している子どもを、教育時間外(保育時間外)や土日なども預かってくれるシステムです。フリーランスや個人事業主として働く人の中には、働く時間が不規則な場合もあるため、有効に活用したいところです。
預かり保育は、その月の預かり保育を利用した日数に450円を乗じた額、実際の預かり保育にかかった利用料を比較し、低いほうの金額を採用、1か月最大1.13万円までが無償化されます。
例えば、ある預かり保育の利用料が200円/時間として、1日3時間、20日間利用すると、「450円×20日=9,000円」、「200円×3時間×20日=6,000円」となり、低いほうの6,000円が支給の対象になるということです。
預かり保育の無償化には、自治体による「保育の必要性」の認定を受けなければなりません。保護者側にも働く時間や日数などに条件があり、各自治体でそれぞれ異なる設定を設けているので問い合わせするなど確認するようにしてください。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取る入園後に変化があった場合、基準指数や調整指数が変わってくる可能性があるため、注意が必要です。
入園前に両親のうちどちらかが会社員からフリーランスに転向することも考えられます。そのときは、申告をして必要な書類を提出すれば継続して利用することができます。
必要な書類に関しては、各自治体によって異なります。退職証明書などを求められることもあるので、退職前に準備できるよう確認しておきましょう。
また、上の子が入園している間に2人目を妊娠・出産した場合、会社員は育休制度を利用できますが、フリーランスはすぐに仕事を復帰しなければなりません。加えて下の子の入園準備も必要になるため、かなり忙しくなってしまうので注意しましょう。
案件獲得を効率化するなら
希望にあう案件を受け取るフリーランスは提出する書類も多く大変ですが、1人で抱え込まずに自治体の保育科などにも相談しながら進めていきましょう。
近年は政府の子育て支援政策により、保育園・幼稚園の他にも「認定こども園」という、保育と教育を併せ持つ施設も見受けられるようになりました。
基本的には「幼稚園型」「保育所型」「幼保連携型」「地方裁量型」があり、自治体や施設によって独自の特徴を持っています。
また「地域型保育」というものもあり、認定こども園の連携施設として市町村や民間事業者などが少人数で預かり保育事業を行っています。
近年は保育園だけに留まらず、多様な施設や事業展開によって預けられる施設の選択肢は広がっています。フリーランスとして活躍するためにも、子どもを安心して預けられる環境や施設など情報をしっかりと収集し、吟味していきましょう。
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