副業フリーランスとは？始めるときの注意点やおすすめの仕事を解説

副業フリーランスとは

副業フリーランスとは、本業として会社に属しながらフリーランス活動をする人のことです。
「副業」とは、収入を得るために行う本業以外の仕事を意味します。一方で、本業が2つ以上あり、仕事を掛け持ちしている場合の働き方は「複業」と呼ばれます。

フリーランスの詳しい定義や実態については、｢フリーランスとは？意味・仕事の実態や必要な準備をわかりやすく解説｣の記事をご覧ください。

副業でフリーランスになるメリット

副業でフリーランスになることには、多くのメリットがあります。
ここでは、副業でフリーランスになるメリットを7つ紹介します。

開業・独立に向けた準備ができる

本業フリーランスとしての開業・独立に向けた準備ができることも、副業フリーランスを始めるメリットの一つです。

会社員からフリーランスに転身する場合、すぐに本業を辞めてしまうと収入面に不安が残ります。
しかし副業フリーランスとして仕事を始められると、目指す方向性を整理したり、人脈を作ったりしながら段階を踏んでスムーズに独立を目指せるでしょう。また、副業を通して、自分に合った職種や仕事の領域を見極める時間にもなります。

フリーランスになるために必要な準備や手順については、｢フリーランスになるには？必要な手続きや始め方の5ステップを解説｣の記事を参考にしてください。

収入源を増やせる

副業フリーランスになるメリットは、本業以外でも収入が得られることです。収入源を増やしておくと、一つの収入源に依存することなく、経済的な安定を確保しやすくなります。

本業の収入が不十分な場合に、生活費を補うために副業フリーランスを始める人もいます。一方で、本業で十分な収入を得ていても、将来への備えを目的に副業フリーランスを目指す人もいるでしょう。

スキルを高められる

副業フリーランスになるメリットの一つが、スキルを高められる点です。副業フリーランスとしての仕事をとおして、自分のキャリアプランに沿ったスキルアップを図れます。

本業に関わりが深い業務内容の仕事に副業フリーランスとして携わることで、さらに専門性を高められる可能性があります。また、本業とは違う分野の副業にチャレンジする場合は、新たなスキルを習得できるでしょう。

時間を有効活用できる

副業フリーランスになると、時間を有効活用できます。

副業の条件は「週1日稼働」や「週2日稼働」、「在宅可」など、案件によって働き方や時間の自由度が比較的高いです。
納品ベースの契約であれば期限を守ればよいため、時間の融通が利きやすいメリットがあります。
副業フリーランスを始めることにより、空き時間を有効活用できるでしょう。

充実感が感じられる

副業フリーランスになると、生活に対する充実度が高まるメリットがあります。

副業でフリーランスになれば、単なる収入アップだけではなく、希望の仕事に携わるという目的も果たせます。好きなことで収入を得られるようになると、充実感を感じられるでしょう。

本業に好影響を与える可能性がある

本業に好影響を与えられる点も、副業フリーランスになるメリットの一つです。

副業フリーランスを経験することによってタスク処理やスケジュール管理などのポータブルスキルが身に付き、本業でも役立てられます。本業でのパフォーマンス向上につながるでしょう。

所得税を節税できる

副業フリーランスとして働く場合、副業収入から経費を差し引いた額で所得税を算出することで節税が可能です。
経費として計上できる費用は、仕事関連の仕入や消耗品費などです。また、自宅で作業する場合は、家賃や電気代、通信費なども家事按分によって一部を経費に計上できます。

フリーランスに関する税金ついて知りたい方は、｢フリーランスが支払う税金の種類や節税対策について解説！｣の記事をご覧ください。

副業フリーランスにおすすめの職種

ここでは、副業フリーランスにおすすめの職種を紹介します。
8つの職種を紹介するので、自分に合う仕事を探してみてください。

エンジニア

一定の知識とスキルがあれば、副業でもフリーランスエンジニアとして活躍できます。
エンジニアとは、工学技術を用いてシステムやアプリなどを設計・開発・運用を行う技術職です。

フリーランスエンジニアの仕事には専門的な知識・スキルを求められる傾向にある分、専門分野の案件を獲得できれば高収入も目指せます。エンジニア経験者は、副業を始める前に実績をまとめて、スキルの高さをアピールできるように準備しましょう。

フリーランス活動を始めたいとお考えのエンジニアの方は、「フリーランスエンジニアの種類は？会社員との違いやメリットとは」の記事をご覧ください。

プログラマー

プログラミングの経験があれば、副業フリーランスのプログラマーとして活躍できます。
プログラマーとは、エンジニアによるシステム設計に基づき、各種プログラミング作業をする職種です。

業務への親和性が高い複数のプログラミング言語や高需要のプログラミング言語を習得していると、高単価な副業案件を獲得できるでしょう。

プログラマーの副業について詳しく知りたい方は、｢プログラマーの副業案件は稼げる？必要なプログラミング言語や経験を解説｣の記事も参考にしてください。

Webデザイナー

Webデザイナーは、副業フリーランスにおすすめの職種です。
Webデザイナーとは、Webページやアプリ、バナー・ロゴなどのデザインを手がける仕事です。

デザインに関する知識のほか、PhotoshopやIllustratorなどのソフトを扱うスキルが求められます。また、副業案件の仕事内容によってはプログラミング言語やマークアップ言語の知識や、マーケティングに関する基礎知識も必要です。

Webデザインの副業に興味がある方は、｢Webデザインは副業になる？仕事の探し方や必要なスキル・経験を解説｣の記事もご覧ください。

Webマーケター

副業フリーランスにおすすめの仕事として、Webマーケターの仕事が挙げられます。
Webマーケターとは、インターネットを活用して企業・商品のブランディングや販売促進、顧客獲得などを行う職種です。

副業でできるWebマーケターの仕事は、Webサイトの改善やWeb広告運用、SNS運用、データ分析などが中心です。

Webマーケティングの副業の詳細は、｢Webマーケティング副業の始め方を解説！未経験向け案件や稼ぐコツも紹介｣の記事を参考にしてください。

Webライター

副業フリーランスにおすすめの職種の一つが、Webライターです。
Webライターとは、Webサイトに掲載する店舗説明や商品紹介の記事、Web広告に挿入する文章、SEO記事などを書く職種です。

Webライターの副業は、初心者でも比較的始めやすい仕事です。パソコンがあれば、実績やスキルに関係なく挑戦できる初心者向け案件もあります。

フリーランスライターの始め方については、｢フリーランスライターになるには？仕事の探し方や必要スキルを紹介｣の記事を参考にしてください。

動画制作・編集

動画制作・編集の仕事も、副業フリーランスにおすすめの仕事です。

企業のプロモーションや動画投稿サイトに公開するための動画制作・編集の仕事は需要が高く、副業案件を探しやすいでしょう。
また、動画編集ソフトを扱ったり、テロップ入れなどの簡単な作業ができたりすれば、初心者向け案件を獲得できる可能性があります。

講師

講師も、副業フリーランスに向いている仕事の一つです。
オフラインに限らず、オンラインでできる仕事も多く、時間を有効活用しやすい特徴があります。

講師は自分が持つ専門的な知識やノウハウを生徒に教えます。
講師の副業はプログラミングやライティング、動画編集、英会話などの他分野と組み合わせやすく、あらゆる知識やスキルを活かして仕事ができるでしょう。

翻訳・通訳

副業フリーランスとして、翻訳や通訳の仕事をすることも可能です。

案件によって求められる語学力や翻訳・通訳スキルはさまざまです。語学力に自信があれば、未経験でも副業として挑戦しやすいでしょう。
また、近年はWeb会議の場が増えており、オンライン上でフリーランスの通訳者として活躍できる案件もあります。

副業で取り組みやすいフリーランス案件の例

ここでは、副業として取り組みやすいフリーランス案件の例を、2025年6月時点の「フリーランスHub」に掲載されている情報をもとに紹介します。

エンジニアの副業向けフリーランス案件例

製造業の企業にて、社内のIoT製品の開発に携わるフリーランス案件です。

■作業内容

• 組込みソフトウェアまたはアプリケーションの設計・開発
  ■必須スキル
• C言語を用いた開発経験（3年以上）
• マイコンを用いた開発経験
• MicrosoftのVisual Studioを用いた開発経験
  ■報酬単価
  月額40万円～60万円

開発チームに参加して、幅広い領域のエンジニアと連携して仕事を進めます。コミュニケーション能力や業務遂行能力も求められます。

エンジニアの副業については、｢エンジニアの副業は土日だけでできる？収入の目安や仕事の探し方も解説｣の記事もご覧ください。

プログラマーの副業向けフリーランス案件例

ゲーム会社でアニメーション関連ツールおよびライブラリ機能を実装するフリーランス案件です。

■作業内容

• アニメーション関連ツールやライブラリ機能の実装
• 次世代アニメーション表現の研究開発
  ■必須スキル
• ゲーム開発あるいはライブラリ開発の実務経験
• C#によるツール開発経験
• C++での開発経験
  ■報酬単価
  月額60万円～100万円

アニメーションの制作フローに関する知識や上流工程の経験があれば、高単価での受注が期待できます。

Webデザイナーの副業向けフリーランス案件例

アプリケーションビジネスを展開している企業においてPR関連の制作物に携わるフリーランス案件です。

■作業内容

• バナーやWebサイト、アプリの素材制作
• 自社製品のカバー画像やSNSに投稿する画像の制作
  ■必須スキル
• 画像やバナー、サイト等の制作経験
  ■報酬単価
  月額20万円～30万円

Webデザインの仕事は周囲と協力して進めるケースも多く、一部の作業を担当する副業案件もあります。

Webマーケターの副業向けフリーランス案件例

ECサイト運営における集客支援のフリーランス案件です。

■作業内容

• ECサイトの集客支援
  ■必須スキル
• ECサイト運用経験
• サイトへのリード獲得の経験
• ECサイトのベンダーコントロールの経験
  ■報酬単価
  月額15万円～20万円

こちらの案件は、月50時間程度の稼働になります。案件例のような稼働時間が少ない仕事であれば、副業にも適しています。
ECサイトの改修にあたって、コーディングのスキルがあればより仕事の幅を広げられるでしょう。

Webライターの副業向けフリーランス案件例

製品情報サイトで記事を執筆・編集するフリーランス案件です。

■作業内容

• 編集業務全般
• メディア運営で発生する業務全般
  ■必須スキル
• 編集またはライター業務の経験
• Webマーケティング企業やPR代理店等での就業経験
  ■報酬単価
  月額20万円～30万円

こちらの案件はリモートワークやフレックスタイム制が導入されています。Webライターの仕事には業務時間や業務場所に融通が利く案件も多く、副業として取り組みやすいです。

動画制作・編集の副業向けフリーランス案件例

社内外向けの動画ディレクションに携わるフリーランス案件です。

■作業内容

• 動画の企画、撮影、編集
• 動画制作におけるディレクション業務
  ■必須スキル
• 動画制作における企画の実務経験
• 動画の撮影、編集の実務経験
• Premiere Proでの動画制作の経験
  ■報酬単価
  月額15万円～20万円

こちらの案件は週2日の稼働から始められます。案件例のような週2日の仕事であれば、副業フリーランスとして働くペースを掴みやすいでしょう。

講師の副業向けフリーランス案件例

AI関連技術のIT講師を担当するフリーランス案件です。

■作業内容

• AI関連技術の講義およびフィードバックの実施
  ■必須スキル
• Pythonを用いた機械学習の経験
  ■報酬単価
  月額10万円～15万円

オンラインで講義を行うため、フルリモートで働くことが可能です。本業がある方も働きやすいでしょう。
副業で講師を務めるためには、特定の分野に特化したスキルのほか、人に分かりやすく伝える能力も必要です。

翻訳・通訳の副業向けフリーランス案件例

中国企業とのビジネス推進を、翻訳・通訳によってサポートするフリーランス案件です。

■作業内容

• 中国企業との打ち合わせにおける通訳補助
• 技術資料の日中翻訳
  ■必須スキル
• ネイティブレベルの中国語
• ビジネスマナー
• コミュニケーション能力
• 機械学習やAIへの関心
  ■報酬単価
  月額50万円

ビジネス推進という重要な業務に関わるため、高い語学力に加えてビジネスマナーや事業に関する専門知識も必要です。求められるレベルが高い分、高収入を目指せます。

会社員が副業でフリーランスを始める際の注意点

会社員が副業でフリーランスになる場合、守るべきルールがあります。
ここでは、会社員が副業でフリーランス業を始めるときの5つの注意点について解説します。

本業の勤め先に申告する

会社員が副業フリーランスになるにあたって、本業の勤め先への申告が必要になる場合があります。

働き方改革の影響もあり、副業を認める企業が増えています。しかし、副業を認めている企業でも、申告を必須とするなどの決まりごとを設けている場合があります。
トラブルを防ぐためにも、必要に応じて勤め先に申告してから副業を始めましょう。

ルールを破るリスクや制限されている場合の対処法などについては、｢副業禁止の理由とは？会社にバレる可能性や本業の仕事と両立するコツを解説｣の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

必要に応じて開業届を提出する

会社員が副業フリーランスになる場合は、必要に応じて開業届を提出しましょう。
開業届の提出は必須ではありませんが、開業届を出して個人事業主になると、節税効果が高い青色申告を活用できるようになります。

開業届を提出する詳しいメリットや手続きの方法については、｢開業届を出すときに必要なものは？書類の書き方や税務署への提出方法を解説｣の記事を参考にしてください。

契約内容をよく確認する

副業フリーランスとして仕事をする際は、案件の契約内容をよく確認してください。契約内容を確認せずに締結してしまうと、不利益を被ったりトラブルに巻き込まれたりするおそれがあります。
不当な契約内容になっていないか、締結前に必ず確認してください。

契約時の注意点については、｢フリーランスが結ぶ契約とは？内容や注意点について解説｣の記事で詳しく解説しています。

収入によっては確定申告を行う

企業に勤める会社員の場合、副業フリーランスとしての所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。確定申告を怠るとペナルティを受ける可能性があるため、必要な書類を揃えて税務署へ提出し、税金を納めることが大切です。

なお副業の所得が20万円以下であっても、利益が出ていれば居住している自治体に住民税の申告が必要なので注意しましょう。

フリーランスの確定申告については、｢確定申告は個人事業主の場合年収いくらから？ ケース別の要不要や手順｣の記事も参考にしてください。

仕事とプライベートにメリハリをつける

会社員が副業フリーランスを始める場合は、仕事とプライベートのメリハリを意識しましょう。副業に重きを置きすぎて、体力やスケジュール面での負担が大きくなってしまうと本末転倒です。

副業でフリーランスとして働く場合、就業時間が定められていないケースもあります。副業フリーランスとしての活動を継続させるためにも、本業とのバランスを考えて自己管理を徹底しましょう。

副業フリーランスとして稼ぐためのポイント

ここでは、フリーランスになって副業で稼ぐための5つのポイントについて解説します。
以下で紹介するコツを押さえて、副業フリーランスとして稼ぎましょう。

副業の目的を明確にする

副業フリーランスとして稼ぐためには、目的を明確化することが大切です。副業の目的を明確にしておくと、案件や仕事内容を選ぶ際の判断軸になります。
副業の目的を明確にすることで、自分に合った方法で活動を続けられます。

副業を継続させるためのコツについては、｢ 副業の始め方を解説！メリット・デメリットやおすすめ職種を一覧で紹介｣の記事を参考にしてください。

自分の得意分野を活かせる副業を探す

副業フリーランスとして稼ぐためには、得意分野を活かせる仕事選びをすることがポイントです。
得意分野の案件であれば仕事を獲得しやすく、高単価案件の獲得も狙えます。

複数の方法で案件を探す

副業フリーランスとしてより良い条件の仕事を見つけるためには、営業方法を工夫することも大切です。
フリーランスの営業方法には、クラウドソーシングサイトや案件サイトの利用、エージェントの活用などさまざまなやり方があります。複数の方法で並行して副業案件を探すことで、案件の内容や条件を比較しながら探せます。

フリーランスの営業方法について知りたい方は、｢フリーランスの営業のやり方10選！成功のポイントや案件獲得方法を解説｣の記事を参考にしてください。

納品物の品質を高める

副業フリーランスとして稼ぐポイントの一つは、納品物の品質を高めることです。

依頼を受注した納品物の品質を担保することは、継続案件につながります。クオリティの高い納品物を納めつづけることができれば評価されて、報酬単価を上げてもらえる可能性があります。

資料に実績をまとめる

副業で稼ぐためには、自分の能力をクライアントに伝える必要があります。実力を理解してもらえれば、その実力に見合った報酬の案件を獲得できるでしょう。

副業フリーランスが実力を伝えるための資料として、ポートフォリオやスキルシートが挙げられます。自分のスキルや実績をまとめて可視化しておくと、案件に応募する際の自己PRとして役立ちます。

ポートフォリオの作成方法については、｢ポートフォリオとは？作る意味やビジネスでの必要性、構成例などを解説｣の記事で解説しているので参考にしてください。

まとめ

副業フリーランスとは、本業の会社で働きながらフリーランスとして仕事をしている人のことです。
副業フリーランスになると、収入アップやスキルアップが図れます。また、専業フリーランスに向けた準備になるというメリットもあります。

副業フリーランスとして成功するポイントは、自分の得意分野を活かせる仕事を探したり、納品物のクオリティを高めたりすることなどです。ポイントを押さえて副業案件に挑戦し、フリーランス活動を充実させましょう。